年末調整をしてもらえない人・対象外になる人|掛け持ち・途中退職・2,000万円超の判定表と確定申告の要否

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  • 公開。国税庁 タックスアンサー No.2665・No.2668・No.2674・No.2030、「令和8年分 年末調整のしかた」、令和8年度税制改正Q&Aをもとに作成

年末調整は会社員なら誰でも受けられるわけではなく、年収2,000万円超・扶養控除等申告書を出していない(乙欄)・年の途中で退職した・掛け持ちの副業先の給与・業務委託の報酬は対象外です。対象外だからといって税金が確定しないわけではなく、多くの場合は翌年の確定申告で自分で精算し、払いすぎていれば還付を受けます。国税庁のタックスアンサーと「令和8年分 年末調整のしかた」をもとに、自分が年末調整の対象かどうかを5つの分岐で判定し、対象外の人が何をすればよいか、パート退職の136万円ライン、11月30日以前に最後の給与を受けた人が2026年だけ注意すべき点まで整理します。

結論:対象かどうかの判定表

あなたの状況年末調整どうなる・どうする
1年を通じて同じ会社に勤務し、扶養控除等申告書を出している対象12月に会社が精算
年の途中で入社し、年末まで勤務(前職あり)対象前職の源泉徴収票を出せば前職分も含めて精算。出せなければ確定申告
給与の総額が2,000万円超対象外確定申告が必要
扶養控除等申告書を出していない(乙欄で天引き)対象外本業なら出し直す。副業先など2か所目は乙欄のまま確定申告で精算
2か所以上から給与をもらっている主たる勤務先だけ対象従たる給与が20万円超なら確定申告が必要。20万円以下でも申告すれば還付されることが多い
年の途中で退職し、年内に再就職しない対象外(例外あり)翌年1月から5年間、還付申告で取り戻す
年の途中で退職したが、12月の給与を受け取った後の退職・死亡退職・障害による退職・パートで年収136万円以下退職時に対象退職時に会社が精算
業務委託・フリーランスの報酬(給与ではない)対象外確定申告(源泉10.21%が引かれていれば還付になることが多い)
海外転勤で非居住者になった出国時に対象出国までの給与で精算
災害減免法で源泉徴収の猶予・還付を受けた対象外確定申告
日雇い(丙欄)対象外確定申告で精算

国税庁は年末調整の対象を「『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』を年末調整を行う日までに提出している一定の人」とし、1年を通じて勤務している人と年の途中で就職し年末まで勤務している人のうち、給与総額2,000万円超の人と災害減免法の猶予・還付を受けた人を除くとしています[国税庁 No.2665]。

いちばん多い「対象外」:扶養控除等申告書を出していない(乙欄)

年末調整の入口は扶養控除等申告書です。出していないと会社は税額表の「乙欄」で天引きし、乙欄は甲欄よりかなり高く(月給30万円で約2万円超)、しかも年末調整をしません。本業の会社で出し忘れているなら、年末調整を行う日までに提出すれば対象になります。

2か所以上で働いている人は、申告書を出せるのは1か所(主たる給与の会社)だけです。副業先は乙欄のままで年末調整もされないので、副業先の給与が年20万円を超えれば確定申告が必要、20万円以下なら所得税の申告義務はありませんが、乙欄で多めに引かれた分は申告すれば戻ります。副業の申告の仕組みは副業の確定申告、住民税だけ申告が必要な場合は確定申告しない人の住民税申告で整理しています。

年の途中で退職した人:原則は対象外、4つの例外は退職時に精算

国税庁は、年の途中で退職した人のうち次の人だけを「退職時に年末調整の対象」とし、それ以外は対象外としています[国税庁 No.2665]。

  1. 死亡によって退職した人
  2. 著しい心身の障害のために退職した人(年内に再就職して給与を受ける見込みがある人を除く)
  3. 12月に支給されるべき給与の支払を受けた後に退職した人
  4. パートタイマーなどで退職し、本年中に受ける給与の総額が136万円以下の人(退職後その年に他社から給与を受ける見込みがある人を除く)

4のラインは給与所得控除74万円と基礎控除の判定に使う62万円の合計で、2025年分は123万円、2024年分以前は103万円でした。それ以外の中途退職者は、退職時に源泉徴収票を受け取り、①年内に再就職したら新しい会社に提出して年末調整、②再就職しなければ翌年1月以降に還付申告、のどちらかです。無職のまま年を越した人はほぼ確実に還付があります(年の途中で辞めて無職のままの人の還付申告)。退職後の住民税は別の仕組みで、退職月で変わる住民税の請求をご覧ください。

途中入社の人は前職の源泉徴収票が鍵

年の途中で就職した人は、前の会社に扶養控除等申告書を出していれば、前職の給与を含めて新しい会社が年末調整します。前職の源泉徴収票が確認できないときは年末調整ができず、確定申告で精算します[国税庁 No.2668]。3月卒業・4月就職の新入社員は、所得のあった月数で按分せず控除の全額が認められます[国税庁 No.2674]。

年収2,000万円超・業務委託・非居住者:確定申告が前提の人

  • 給与総額2,000万円超:会社は年末調整をせず、源泉徴収票を渡すだけです。翌年2〜3月に確定申告で全部の控除を自分で計算します。基礎控除は合計所得2,350万円以下なら62万円です。
  • 業務委託・フリーランスの報酬:そもそも給与ではないので年末調整の対象外です。源泉徴収10.21%が引かれている報酬は、経費と控除を引いて確定申告すれば還付になることがほとんどです(業務委託の源泉10.21%)。
  • 年の途中で海外転勤(非居住者):出国時に会社が年末調整をします。出国後の国内勤務分がなければ確定申告は不要です。外国人の会社員は居住者なら日本人と同じ扱いです(外国人の確定申告と年末調整)。
  • 災害減免法の猶予・還付を受けた人:所得税が減免されるため年末調整の対象から外れ、確定申告で精算します(雑損控除と災害減免法)。

2026年だけの注意:11月30日以前に最後の給与を受けた人は改正後の控除が年末調整に入らない

令和8年度税制改正の基礎控除104万円・給与所得控除74万円は2026年12月1日施行です。国税庁は「令和8年分の最後の給与を令和8年11月30日以前に支払った場合の年末調整においては、改正後の控除等は適用されません。……改正後の控除等の適用を受けるためには、確定申告等をする必要があります」と明記しています[国税庁 令和8年度税制改正 Q&A]。死亡退職や11月までに非居住者になった人など、11月以前に退職時の年末調整を受けた人がこれにあたります。年収500万円なら約2万8,000円の差になるので、翌年に確定申告(または更正の請求)で取り戻してください。額の目安は年末調整の還付金はいつ・いくら戻るかにあります。

よくある質問

会社が年末調整をしてくれません。違法ですか?

扶養控除等申告書を出している対象者について年末調整を行うのは会社の義務です。ただし申告書を出していない人、年収2,000万円超の人は対象外なので、まず自分が対象かを確認してください。対象なのに行われない場合でも、自分で確定申告すれば税額は正しく精算されます。

12月に退職する場合、年末調整はされますか?

12月に支給される給与を受け取ってから退職すれば、退職時に年末調整の対象です。12月の給与日より前に退職して12月分の給与が退職後に支払われる場合は対象外になることがあるので、退職日と給与支給日の順番を会社に確認してください。

産休・育休中で12月の給与がゼロでも年末調整はされますか?

在籍していれば対象です。その年に受けた給与(1〜数か月分)で年末調整を行い、天引きされていた所得税が戻ることが多くなります。給与の支払いがまったくない年は年末調整の対象になる給与がないので、精算するものもありません。

まとめ

  • 年収2,000万円超・扶養控除等申告書を出していない(乙欄)・年の途中で退職した人などは年末調整の対象外
  • 副業先の給与は乙欄で年末調整されない。年20万円を超えれば確定申告が必要
  • 中途退職者は死亡退職・12月の給与受取後の退職・年収136万円以下のパートなど4つの例外だけ退職時に精算
  • 再就職しなかった人は翌年1月から5年間の還付申告で取り戻せる
  • 2026年は11月30日以前に最後の給与を受けた人に改正後の控除が入らず、確定申告で精算が必要

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参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。個別の判定は勤務先の給与担当または税務署にご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供です。金額は令和8年分の基準で、年分により異なります。

公開日:2026年11月02日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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