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- 公開。国税庁タックスアンサー No.1130、日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」「学生納付特例制度」をもとに作成
大学生の子の国民年金、年金暮らしの親の国民健康保険料や介護保険料。家族の保険料を自分が払えば、その全額を自分の社会保険料控除にできます。控除は「払った人」に付くので、税率の高い人が払うほど家計全体の税金が減ります。2026年度の国民年金保険料は月1万7,920円、年21万5,040円。税率20%の親が払えば所得税と住民税で約6万4,500円が戻り、収入のない子が払っても控除は1円も効きません。要件、節税額、年末調整の書き方、学生納付特例の追納との組み合わせを国税庁と年金機構の資料で整理します。
結論:払った人の控除になる。税率の高い人が払うのが家計の最適
国税庁は、社会保険料控除について「納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます」とし、控除額は「その年に実際に支払った金額」の全額としています[国税庁 No.1130]。
| 家族の保険料 | 自分の控除にできるか | 条件 |
|---|---|---|
| 大学生の子の国民年金保険料 | できる | 生計を一にしている。自分の口座から払う |
| 子の学生納付特例期間の追納 | できる | 同上。追納した年の控除 |
| 別居の親の国民健康保険料 | できる | 仕送りなどで生計を一にしている。親の年金から天引きされている分は不可 |
| 親の介護保険料・後期高齢者医療保険料 | できる | 同上。年金から天引き(特別徴収)されている分は親の控除 |
| 配偶者の国民年金(第1号) | できる | 生計を一にしている |
| 会社員の配偶者の厚生年金・健康保険 | できない | 給与から天引きされる保険料は本人の控除 |
ポイントは2つです。ひとつは「生計を一にする」こと。同居していれば通常は満たし、別居でも仕送りをして生活費を支えていれば満たします。もうひとつは「実際に自分が払った」こと。年金から天引きされている保険料や、家族本人の口座から引き落とされた保険料は、その家族の控除です。
いくら節税になるか:誰が払うかで最大6万円以上の差
社会保険料控除は所得控除なので、節税額は「控除額 × その人の税率」です。所得のない学生が払っても税金がゼロなので控除は無意味ですが、税率20%の親が払えば所得税と住民税を合わせて約30%分が戻ります。
年収600万円(所得税率20%)の親が、大学生の子の国民年金を1年分払った場合
控除額:1万7,920円 × 12か月 = 21万5,040円
所得税:21万5,040円 × 20% = 4万3,008円
住民税(翌年度):21万5,040円 × 10% = 2万1,504円
合計 約6万4,500円の節税。実質の負担は約15万円
子が学生納付特例で猶予を受けている場合は、親が払わなければ将来の年金額が減ります(10年以内に追納しなければ確定)。親が払って親が控除を受けるのが、年金額も税金も損をしない形です。特例と追納のしくみは国民年金の免除と猶予を参照してください。
追納・前納の扱い:払った年に全額でも、分けてもよい
- 追納——学生納付特例や免除の期間の保険料は10年以内に追納でき、追納した保険料は追納した年の社会保険料控除になります[日本年金機構]。承認を受けた年度の翌年度から数えて3年度目以降の追納には加算額が上乗せされるので、早いほど安く済みます。親がまとめて追納すれば、その年の親の控除が一気に増えます。
- 2年前納——2年分をまとめて払うと保険料が割引されます。控除は、払った年に全額を控除するか、各年分に分けて控除するかを選べます。今年の所得が多い年は全額、来年も同じ税率なら分けても同じです。
- クレジットカード・口座振替——親のカードや口座から払えば「親が払った」と説明できます。子の口座から払った分を後で親が渡しても、親の控除にはなりません。
年末調整の書き方:保険料控除申告書の「社会保険料控除」欄
会社員は年末調整の「給与所得者の保険料控除申告書」の社会保険料控除欄に、保険料の種類・支払先・保険料を負担することになっている人の氏名と続柄・支払った金額を書きます。国民年金保険料は控除証明書の添付または提示が必要で、国民健康保険料は証明書の添付は求められませんが金額を書きます[国税庁 No.1130]。
| 欄 | 書く内容(例:子の国民年金を親が払った場合) |
|---|---|
| 社会保険の種類 | 国民年金保険料 |
| 保険料支払先の名称 | 日本年金機構 |
| 保険料を負担することになっている人の氏名・続柄 | 子の氏名・「子」 |
| あなたが本年中に支払った保険料の金額 | 控除証明書の「合計額」(年末までに払う見込み分を含む) |
| 添付書類 | 子の名前で届く「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」(11月ごろ郵送・電子データも可) |
国民年金の控除証明書は被保険者本人(子)宛てに送られます。宛名が子でも、実際に払ったのが親であれば親の申告書に添付して問題ありません。届いたら親に渡すよう子に伝えておいてください。年末調整に間に合わなかった場合は、親が確定申告で控除を受けられます。
年末調整の書類の全体は会社員向け年末調整の手引きを参照してください。
親の国保・介護保険料:天引き分は控除できない
年金暮らしの親の国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料は、年金額が年18万円以上なら原則として年金から天引き(特別徴収)されます。天引きされた保険料は親本人の控除で、子が払ったことにはできません。子の控除にできるのは、納付書や口座振替で子が実際に払った分だけです。
親の保険料を子が払う形にしたいなら、市区町村に申し出て特別徴収から口座振替(子の口座)に切り替える手続きが必要です。介護保険料は天引きが原則で切り替えできない自治体が多いため、国保・後期高齢者医療保険料が中心になります。別居の親の場合は、仕送りの記録で生計を一にしていることを示せるようにしておきます。要件の考え方は別居の親への仕送りと扶養を参照してください。
親を税の扶養に入れるか、健康保険の扶養に入れるかで保険料の負担そのものも変わります。損得の全体は親を扶養に入れる損得にまとめています。
間違えやすい3つの点
- 扶養に入れていなくても控除できる——社会保険料控除の要件は「生計を一にする」ことで、扶養控除の対象かどうかは関係ありません。子にアルバイト収入があって扶養から外れていても、親が払った国民年金は親の控除です。
- 子が払った分を親の控除にはできない——「後でお金を渡した」は通りません。払う前に親の口座・カードに切り替えてください。
- 二重には引けない——親が控除した保険料を、子が自分の確定申告で控除することはできません。控除証明書は1枚で、どちらか一方だけです。
今日やること
- 子の国民年金の納付方法を確認する。学生納付特例のままなら、親の口座振替かカード払いに切り替えて親が払う。
- 11月に届く子宛ての控除証明書を親が受け取る段取りを決める。電子データならマイナポータルで取得できる。
- 別居の親の保険料を払っているなら、仕送りの振込記録を残す。天引き分は控除できないので、納付書払いの分だけ集計する。
よくある質問
子の学生納付特例の期間を、卒業後に親がまとめて追納しました。控除できますか?
できます。追納した年の親の社会保険料控除になります。子が就職して生計が別になった後に追納した場合は、生計を一にする要件を満たさないため控除できないので、追納は子が学生のうちか、生計を共にしているうちに行ってください。
まとめ
- 生計を一にする家族の保険料を自分が払えば、その全額が自分の社会保険料控除になる
- 2026年度の国民年金は年21万5,040円。税率20%の親が払えば約6万4,500円の節税、収入のない子なら0円
- 学生納付特例の追納も追納した年の控除。親の口座振替かカード払いに切り替えて親が払う
- 控除証明書は子の名前で届くが、払ったのが親なら親の申告書に添付してよい
- 年金から天引きされた親の国保・介護保険料は親本人の控除。子の控除になるのは子が実際に払った分だけ
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参考リンク(出典)
本記事は次の資料をもとに作成しています。保険料の額や様式は年度ごとに変わるため、最新の案内をご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。節税額は概算です。個別の判断は勤務先・税務署・税理士にご確認ください。









