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- 公開。国税庁タックスアンサー No.1410・No.1199・No.1411、国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」「令和8年分 年末調整のしかた(別表五)」「令和8年度税制改正Q&A」、財務省「令和8年度税制改正の大綱」をもとに作成
令和8年分(2026年分)の給与所得控除は、年収220万円まで一律74万円です。最低保障額は65万円から9万円増えましたが、年収220万円を超える人の控除額は令和7年分と1円も変わりません。年収500万円なら144万円、850万円超は195万円で打ち止めです。それでも税金が軽くなるのは、基礎控除が最大104万円に上がったからです。効き始めるのは令和8年12月1日で、毎月の源泉徴収ではなく年末調整で精算されます。まずは源泉徴収票の「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」の欄を確認してください。
結論:年収220万円まで74万円、850万円超は195万円で上限
| 給与等の収入金額 | 令和7年分 | 令和8・9年分 |
|---|---|---|
| 190万円まで | 65万円 | 74万円 |
| 190万円超 220万円まで | 収入×30%+8万円 | 74万円 |
| 220万円超 360万円まで | 収入×30%+8万円 | 収入×30%+8万円 |
| 360万円超 660万円まで | 収入×20%+44万円 | 収入×20%+44万円 |
| 660万円超 850万円まで | 収入×10%+110万円 | 収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円 | 195万円(上限) |
出典:国税庁 No.1410[国税庁]、源泉所得税の改正のあらまし[国税庁]
増えたのは年収220万円以下の人だけです。国税庁も「220万円超の場合の給与所得控除額に改正はありません」としています[国税庁 あらまし]。変わったのは最低保障額と、その上限の2点です。
2本の線が離れているのは左端だけです。220万円で重なり、あとは同じ階段を上がります。
74万円の中身は本則69万円と2年限りの特例5万円
74万円はひとつの数字ではありません。恒久の本則69万円に、令和8・9年分だけの特例5万円を上乗せした合計です[財務省 大綱]。根拠は租税特別措置法第29条の4です[国税庁 あらまし]。
| 年分 | 本則 | 特例 | 最低保障額 |
|---|---|---|---|
| 令和7年分 | 55万円 | +10万円 | 65万円 |
| 令和8・9年分 | 69万円 | +5万円 | 74万円 |
| 令和10年分以後 | 69万円 | — | 69万円 |
出典:国税庁 改正のあらまし⑵イ、財務省 大綱 一(2)①・(5)①
本則69万円には新しい仕組みが付きました。2年ごとに直前2年間の全国消費者物価指数の変化率で見直す自動改定です[国税庁 あらまし]。ただし見直しの初年は年末調整からの対応になります[財務省 大綱]。
給与所得控除と基礎控除を足した額が、税金がかからない年収の上限になります。
- 令和7年分=65万円+95万円=160万円
- 令和8・9年分=74万円+104万円=178万円
- 令和10年分以後=69万円+99万円=168万円
財務省はこれを「課税最低限を178万円まで特例的に先取りして引き上げる」と説明しています[財務省 大綱の概要]。先取りなので、令和10年分からは168万円です[国税庁 No.1199]。
年収別の控除額と給与所得——220万円超は令和7年分と同じ
右端が0の行は、給与所得控除が令和7年分から1円も動いていない年収帯です。
| 年収 | 給与所得控除(令和8・9年分) | 給与所得 | 令和7年分との差 |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 74万円 | 76万円 | +9万円 |
| 200万円 | 74万円 | 126万円 | +6万円 |
| 300万円 | 98万円 | 202万円 | 0 |
| 400万円 | 124万円 | 276万円 | 0 |
| 500万円 | 144万円 | 356万円 | 0 |
| 600万円 | 164万円 | 436万円 | 0 |
| 700万円 | 180万円 | 520万円 | 0 |
| 800万円 | 190万円 | 610万円 | 0 |
| 1,000万円 | 195万円 | 805万円 | 0 |
| 1,500万円 | 195万円 | 1,305万円 | 0 |
本サイトの試算(国税庁 No.1410 の表に当てはめたもの)。300万・400万・500万・600万円の給与所得は別表五と一致します[国税庁 別表五]。
年収850万円を超えると控除は195万円で固定されます。そこから先は年収が増えても控除は1円も増えません。
年収660万円未満は速算表ではなく「別表五」で決まる
年収660万円未満の人は、速算表ではなく所得税法別表第五で給与所得が決まります[国税庁 No.1410 注3]。年収を4,000円刻みで区切った表で、500万円と500万3,000円はどちらも給与所得356万円です[国税庁 別表五]。220万円未満にはさらに独自のきざみがあります。
| 給与収入 | 給与所得の金額 |
|---|---|
| 74万1,000円未満 | 0円 |
| 74万1,000円以上 219万1,000円未満 | 収入金額−74万円 |
| 219万1,000円以上 219万3,000円未満 | 145万1,000円 |
| 219万3,000円以上 219万6,000円未満 | 145万3,000円 |
| 219万6,000円以上 220万円未満 | 145万6,000円 |
出典:国税庁 No.1410 注2
年収660万円以上は表ではなく算式で計算し、1円未満は切り捨てます[国税庁 別表五]。
欄の名前は「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」です。支払金額からこの欄の金額を引くと控除額が分かります。所得金額調整控除を受けた人は、その額も引かれた数字です。
手取りを動かしたのは基礎控除104万円のほう
年収220万円超の人の税金が軽くなった理由は基礎控除です。令和8・9年分は最大104万円ですが、全員が104万円ではありません[国税庁 No.1199]。合計所得金額で3段階です。
| 給与収入の目安 | 合計所得金額 | 基礎控除 |
|---|---|---|
| 665万5,556円以下 | 489万円以下 | 104万円 |
| 665万5,556円超 850万円以下 | 489万円超 655万円以下 | 67万円 |
| 850万円超 2,545万円以下 | 655万円超 2,350万円以下 | 62万円 |
出典:国税庁 No.1199、改正のあらまし⑴イ(所得金額調整控除があると表と異なります)
給与収入が665万5,556円を1円でも超えると、基礎控除は104万円から67万円に落ちます。37万円のがけです。昇給でまたぎやすい線なので、源泉徴収票の支払金額で確かめてください。
- 給与所得控除=500万円×20%+44万円=144万円
- 給与所得=356万円(別表五と一致)
- 社会保険料控除=72万5,000円(500万円×14.5%)
- 基礎控除=104万円(合計所得356万円は489万円以下)
- 課税所得=356万円−72万5,000円−104万円=179万5,000円
- 所得税=179万5,000円×5%=8万9,750円 → 復興税込み9万1,600円
令和7年分なら基礎控除は68万円、所得税は11万円です。差の約1万8,400円は基礎控除の増額(36万円)によるものです。年収別の所得税・住民税・手取りは所得税はどう計算するか(年収別速算表)にまとめています。
※社会保険料は年収の14.5%で概算(年収別速算表の記事は15%)。等級や地域で変わります。
令和8年12月1日施行、戻るのは年末調整の1回だけ
施行日は令和8年12月1日です[国税庁 No.1410 注1]。国税庁は「令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更は生じません」としています[国税庁 Q&A]。
- 令和8年11月まで——改正前の税額表で天引きが続きます。表の中の基礎控除は58万円のままです[国税庁 電算機計算の特例]。
- 令和8年12月の年末調整——新しい基礎控除と改正後の別表五で1年分を計算し直し、精算します。
- 令和9年1月1日以後——源泉徴収税額表そのものが改正され、毎月の天引きに反映されます[国税庁 Q&A]。
戻る金額の主因は基礎控除の差46万円(58万円→104万円)です。年収220万円以下の人は給与所得控除の9万円が加わります。
- 所得税率5%=46万円×5%×1.021=約2万3,500円
- 所得税率10%=46万円×10%×1.021=約4万7,000円
※基礎控除104万円の人の目安。ほかの控除も同時に精算されます。
12月の給与明細は「所得税」の欄を前月と見比べてください。毎月の天引きは給与明細の見方(控除7項目)で確認できます。
220万円超の人に残る上乗せ控除は2つ
給与所得控除が増えなかった年収帯でも、別枠で足せる控除が2つあります。
- 所得金額調整控除——年収850万円超で23歳未満の扶養親族がいれば、(年収−850万円)×10%(最高15万円)を給与所得から引けます[国税庁 No.1411]。
- 特定支出控除——給与所得控除額の2分の1を超える特定支出は確定申告で引けます[国税庁 No.1410]。入口は年収500万円で72万円、220万円以下は32万5,000円から37万円に上がりました。
所得金額調整控除は合計所得金額も下げます。ただし下がるのは超過分の10%なので、基礎控除の655万円の境目は戻りません(本サイトの試算)。所得金額調整控除(年収850万円超)と特定支出控除はなぜ使えないのかを参照してください。
まとめ
- 令和8年分の給与所得控除は年収220万円まで一律74万円。最低保障額は65万円から9万円増えた
- 年収220万円を超える人の控除額は令和7年分と同じ。500万円なら144万円、850万円超は195万円で上限
- 税金が軽くなるのは基礎控除が最大104万円に上がったため。給与収入665万5,556円超は67万円に落ちる
- 施行は令和8年12月1日。毎月の天引きではなく年末調整で精算され、税率5%なら約2万3,500円戻る
- まず源泉徴収票の「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」の欄を確認する
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今後の改善の参考にさせていただきます。分かりにくかった点があれば、お問い合わせから教えていただけると嬉しいです。
参考リンク(出典)
- 国税庁 No.1410 給与所得控除——令和8・9年分の表と特例
- 国税庁 No.1199 基礎控除——104万円と令和10年分の99万円
- 国税庁 源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)——74万円の内訳と物価連動
- 国税庁 令和8年分 年末調整のしかた——別表五と調整控除後の欄
- 国税庁 基礎控除の引上げ等関係Q&A——12月1日施行の適用関係
- 国税庁 電算機計算の特例(令和8年分)——月々の天引きの控除額
- 国税庁 No.1411 所得金額調整控除——年収850万円超の上乗せ
- 財務省 令和8年度税制改正の大綱——本則69万円と特例5万円
- 財務省 大綱の概要——課税最低限178万円
※本記事の試算は国税庁の表と算式を本サイトが当てはめたもので、国税庁の計算例ではありません。個別の判断は税務署・税理士へ。用語は給与所得控除・基礎控除。













