年末調整の還付金はいつ・いくら戻る?控除別の目安と12月の明細で確かめる方法|2026年は例年より増える

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  • 公開。国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」、タックスアンサー No.2662・No.2671・No.2030・No.7411 をもとに作成

年末調整の還付金は、12月の給与(賞与が先なら賞与)に上乗せして戻ってくるのが原則です。金額は「毎月引かれた所得税の合計」と「1年分の正しい税額」の差で、控除の種類と税率で決まります。税率10%の人(年収およそ450万〜600万円)なら、生命保険料控除の上限12万円で約1万2,000円、iDeCoに月2万3,000円かけていれば約2万8,000円、住宅ローン残高3,000万円の2年目なら21万円が戻ります。2026年(令和8年分)は基礎控除の引上げが12月の年末調整で一気に精算される年で、同じ収入なら例年より年収500万円で約2万8,000円、600万円で約3万7,000円多く戻る計算です。いつ・いくら・どこで確かめるか、少ない理由と追加徴収になるケースを国税庁の資料で整理します。

結論:12月の給与で戻る。控除別の還付額の目安(税率10%の人)

年末調整で反映される控除控除額戻る所得税の目安(税率10%)翌年の住民税も減る額
2026年の基礎控除の引上げ(全員・自動)88万→104万円など年収400万円 約8,200円/500万円 約2万8,000円/550万〜650万円 約3万7,000円住民税は変わらない
生命保険料控除(上限)12万円約1万2,000円7,000円
地震保険料控除(上限)5万円約5,100円2,500円
iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)月2万3,000円27万6,000円約2万8,000円2万7,600円
年の途中で扶養親族が1人増えた(16歳以上)38万円約3万9,000円3万3,000円
大学生の子(特定扶養親族)63万円約6万4,000円4万5,000円
住宅ローン控除2年目以降(年末残高3,000万円)税額控除21万円最大21万円(引ききれない分は翌年の住民税から最大9万7,500円)—
年間の賞与が少なかった・年の途中で入社した—月々の天引きが多めだった分—

※所得税は復興特別所得税込みで税率10.21%として計算。税率5%の人は約半分、20%の人は約2倍になります。扶養親族は年初から扶養控除等申告書に書いていれば毎月の天引きに反映済みで、年末の還付にはなりません。

国税庁は「年末調整は、本年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので、通常は12月に行います」とし、過納額は「年末調整を行った月分の源泉徴収税額から差し引き、過納となった人に還付」する仕組みです[国税庁 令和8年分 年末調整のしかた]。12月中に賞与が給与より先に出る会社は、賞与で年末調整をしてもよいことになっています。会社の給与計算の都合で翌年1月の給与に載る例もありますが、源泉徴収票は翌年1月31日までに交付されます[国税庁 No.7411]。

なぜ戻るのか:毎月の天引きは「多め」に設計され、控除は年末にしか効かない

国税庁は、月々の源泉徴収税額と年税額が一致しない理由を3つ挙げています[年末調整のしかた 5ページ]。

  1. 源泉徴収税額表は毎月の給与が1年中同じという前提で作られている。実際は残業や賞与で変動するので、ずれが出ます。賞与が少なかった年は多めに引かれていて還付が大きくなります。
  2. 年の途中で扶養親族が変わっても、変わった後の給与から直すだけで遡らない。子が生まれた、親を扶養に入れた、といった場合は年末調整でまとめて精算されます。
  3. 生命保険料・地震保険料などの控除は年末調整の際に控除することになっている。iDeCo、小規模企業共済、国民年金を自分で払った分(社会保険料控除)も同じで、年末まで1円も反映されていません。

そして2026年だけの事情として、令和8年度税制改正の基礎控除引上げ(104万円など)と給与所得控除の74万円は12月1日施行で、11月までの天引きは改正前の税額表のままです。国税庁は「本年の年末調整の際には、基礎控除の引上げ等の改正に基づいて年税額を計算し、改正前の源泉徴収税額表等によって源泉徴収した税額との精算も行う」としています。年収別の額は基礎控除104万円は2027年分までで整理しました。

逆に追加で引かれる人:扶養が減った・賞与が多かった・乙欄だった

年税額のほうが多ければ差額を12月の給与から徴収します。国税庁が明示しているのは「年末調整後に控除対象扶養親族などが減った場合はやり直して不足額を徴収する」ケースで、子の就職や配偶者の収入増で扶養から外れた年が典型です[国税庁 No.2671]。国税庁の「過納額が生じる場合」の裏返しとして、賞与の割合が大きかった年も追加徴収になりやすくなります。不足額を12月に全部引くと手取りが平均の70%未満になる人は、会社が税務署に申請して翌年1・2月に分けて徴収する仕組みもあります。

ケース12月の精算理由
子が就職して扶養から外れた(年初は扶養で申告)追加徴収月々は扶養1人で少なく引かれていた
配偶者の年収が136万円を超えた追加徴収源泉控除対象配偶者として引かれていた分の精算
賞与が例年より多かった追加徴収になりやすい賞与の税率は前月給与で決まり、年収ベースの税率より低いことがある
年の途中で昇給したほぼ差なし〜追加税額表は昇給後の給与に即応するため
途中入社で前職の源泉徴収票を出した還付が多い1年分の控除が全額使える(月割りしない)

どこで確かめるか:明細の「年調過不足」と源泉徴収票の見方

  • 12月(または1月)の給与明細に「年末調整還付」「年調過不足」「年調精算」などの行がプラスで載ります。マイナスなら追加徴収です。
  • 源泉徴収票の「源泉徴収税額」は還付後の年税額で、還付額そのものは書かれていません。1〜11月の明細の所得税を足して12月の明細の所得税(還付後)と比べれば、還付額が分かります。
  • 還付額が思ったより少ないときは、①保険料控除申告書に証明書を付け忘れた、②iDeCoの控除証明書(毎年10月ごろ到着)を出していない、③扶養親族を書き忘れた、のどれかが多い原因です。翌年1月末の源泉徴収票交付までなら会社で再計算でき、それを過ぎても5年間は確定申告(還付申告)で取り戻せます[国税庁 No.2030]。

年末調整の書類の書き方は年末調整の書き方ガイド、源泉徴収票の4つの数字は源泉徴収票の見方、明細の控除欄は給与明細の見方で解説しています。

年末調整では戻らない控除:医療費・ふるさと納税・住宅ローン初年度は確定申告

年末調整の申告書には次の控除の欄がなく、確定申告でしか受けられません。国税庁の「還付申告の具体例」にも挙げられています[国税庁 No.2030]。

控除年末調整どうするか
医療費控除・セルフメディケーション税制不可翌年の確定申告(医療費控除の計算方法)
寄附金控除(ふるさと納税)不可ワンストップ特例か確定申告。確定申告をするとワンストップは無効(ワンストップ特例は確定申告で全部無効)
住宅ローン控除の初年度不可初年度だけ確定申告、2年目から年末調整(住宅ローン控除ガイド)
雑損控除(災害・盗難)不可確定申告(雑損控除と災害減免法)
特定支出控除不可確定申告
年の途中で退職して年末調整を受けていない—翌年1月から5年間、還付申告(年の途中で辞めた人の還付申告)

年末調整の対象にならない人(年収2,000万円超・乙欄・年の途中で退職など)は年末調整をしてもらえない人・対象外になる人にまとめています。

よくある質問

還付金に税金はかかりますか?住民税にも影響しますか?

還付金は払いすぎた税金が戻るだけなので課税されません。年末調整で確定した所得控除は翌年6月からの住民税にも反映され、生命保険料控除なら住民税の控除上限7万円×10%で7,000円減ります。ただし2026年の基礎控除引上げは所得税だけで、住民税の基礎控除は43万円のまま変わりません。

iDeCoの控除証明書が年末調整に間に合いませんでした。

10月以降に加入した人は証明書の到着が年末調整に間に合わないことがあります。会社が翌年1月末までに再計算してくれる場合はそれで、無理なら翌年2〜3月の確定申告で小規模企業共済等掛金控除として申告すれば同じ額が戻ります。

まとめ

  • 還付金は12月の給与(賞与が先なら賞与)に上乗せして戻るのが原則
  • 2026年は基礎控除の引上げが年末調整で精算され、年収500万円で約2万8,000円、600万円で約3万7,000円多く戻る
  • 税率10%の人なら生命保険料控除の上限で約1万2,000円、iDeCo月2万3,000円で約2万8,000円戻る
  • 扶養が減った・賞与が多かった年は追加徴収になりやすい。12月の明細の年調過不足の行で確認
  • 医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除の初年度は年末調整では戻らず確定申告が必要

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参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。還付額の目安は税率区分による概算です。

※本記事は一般的な情報提供です。実際の還付額は個別の控除・税率・会社の給与計算で異なります。

公開日:2026年10月31日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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