確定申告しない人の住民税申告|副業20万円以下・無職・年金だけでも必要?

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  • 公開。総務省「個人住民税」、国税庁タックスアンサー(No.1900・No.1600)、東京都北区・中野区の住民税申告の案内をもとに作成

「副業が20万円以下だから確定申告はしなくていい」「去年は収入がなかったから何も出さなくていい」——所得税についてはそのとおりでも、住民税の申告は別の話です。所得税の20万円ルールは住民税にはなく、収入がゼロの年ほど申告が要ることもあります。出さないと、非課税証明書が取れない、国民健康保険料の7割・5割・2割の軽減が外れる、給付の対象から漏れるといった形で、あとから効いてきます。誰が必要で誰が不要か、いつまでにどこへ出すか、出さないと何が起きるかを、総務省と自治体の案内で整理します。

結論:確定申告をしない年は「住民税申告が要るか」を必ず確かめる

住民税は、その年の1月1日に住んでいた市区町村が、前年の所得をもとに計算します[総務省]。市区町村が所得を知る経路は3つあり、どれにも当てはまらない人は自分で申告する必要があります。

  1. 確定申告をした人——税務署から市区町村へデータが渡るので、住民税の申告は不要です。
  2. 会社が給与支払報告書を出している人——年末調整を受けた給与だけの人は不要です。
  3. 年金の支払者が公的年金等支払報告書を出している人——年金だけで、源泉徴収票にない控除を足さない人は不要です。

裏を返すと、確定申告をせず、会社にも年金機構にも捕捉されていない所得がある人、そしてそもそも所得がなかった人が、申告の対象になります。

住民税の申告が必要な人・不要な人

東京都北区は「税務署に確定申告書を提出される方」「勤務先から給与支払報告書が提出され、他に所得がない方」「公的年金収入のみで、源泉徴収票に記載されている控除に変更がない方」は申告不要とし、それ以外で前年に収入があった人と、前年中に収入がなかった人を申告が必要な人としています[北区]。中野区も「前年に収入(所得)のなかった方」「遺族年金、障害年金や雇用保険などの非課税収入のみであった方」に申告を求めています[中野区]。

あなたの状況所得税の確定申告住民税の申告
年末調整を受けた給与だけ不要不要(給与支払報告書で足りる)
給与+副業の所得が20万円以下(確定申告しない)不要必要
給与+副業の所得が20万円超必要不要(確定申告で足りる)
年金400万円以下+他の所得20万円以下不要源泉徴収票にない控除を足すなら必要。他の所得があるなら必要
年の途中で退職し、年末調整を受けていない不要だが還付申告をする人が多い確定申告をしないなら必要
収入がなかった(無職・専業で扶養外・学生など)不要必要(自治体により扶養されている人は不要)
遺族年金・障害年金・失業給付だけ不要必要(非課税収入でも「所得ゼロ」の申告)
アルバイトで会社が給与支払報告書を出していない収入による必要

扶養されている人の扱いは自治体で差があります。中野区は「区内の方の被扶養者となっている方」と「収入がない20歳未満の方(世帯主を除く)」を不要としていますが、北区の案内にはこの区分がありません。迷ったら住んでいる市区町村の案内を確認するのが確実で、どちらでも「出して困ることはない」のが住民税申告の特徴です。

住民税の申告が必要か——3つの質問で判定
① 確定申告をする?還付申告も含む する 住民税申告は不要 しない ② 収入は給与だけ?年末調整済み・報告書が出ている はい 不要 いいえ ③ 年金だけで控除の追加なし?400万円以下・他の所得なし はい 不要 いいえ(副業の少額所得・収入なし・非課税収入だけ・報告書のない給与) 住民税の申告が必要期限:翌年3月15日提出先:1月1日の住所の市区町村出さないと非課税証明が取れず国保料の軽減も外れる
出典:総務省「個人住民税」、東京都北区・中野区の住民税申告の案内をもとに作成。扶養されている人の扱いは自治体で異なる

「副業20万円以下」は所得税だけの話

給与所得者で、給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。これは国税庁が明示しているルールですが、同じページの注記に「確定申告が不要でも、住民税の申告が別途必要となる場合があります」とあります[国税庁 No.1900]。20万円以下の所得を免除する規定は地方税法にはないので、副業の所得が1円でもあれば住民税の計算対象です。

会社員が副業で15万円の所得(雑所得)を得て、確定申告をしない場合

所得税:申告不要(20万円以下)
住民税:15万円 × 10% = 1万5,000円を住民税の申告で申告し、翌年度の住民税に上乗せ

住民税の申告書には、副業分の住民税を給与から天引きするか自分で納めるかを選ぶ欄があり、「自分で納付」を選べば会社の給与天引き額は変わりません。副業を会社に知られたくない人ほど、申告しないのではなく申告して納付方法を選ぶほうが安全です。20万円ルールの全体は副業の確定申告で整理しています。

確定申告をしてしまう手もある

20万円以下でも確定申告をすること自体はできます。その場合は副業分にも所得税がかかりますが、住民税の申告は不要になり、医療費控除やふるさと納税の控除もまとめて済みます。「住民税だけ別に出す手間」と「所得税を少し払う」のどちらを取るかの選択です。

収入ゼロの年こそ申告する理由

「収入がないのに申告するのは変だ」と感じますが、市区町村から見ると「所得がゼロ」と「所得が分からない」は別物です。申告がないと所得不明として扱われ、次のような不利益が出ます。

  • 課税・非課税証明書が発行されない——北区は「課税・非課税証明書を発行することができない」と明記しています[北区]。保育料の算定、公営住宅、奨学金、各種の給付申請で提出を求められる書類です。
  • 国民健康保険料の軽減が適用されない——前年所得が基準以下の世帯は均等割が7割・5割・2割軽減されますが、中野区は「申告をしていない場合は、軽減措置が適用されません」とし、保険料の通知に「所得情報不明」と記載されます[中野区]。世帯に1人でも未申告の人がいると、世帯ごと軽減から外れます。
  • 介護保険料や高額療養費の区分が上に振られる——所得が分からない人は、多くの自治体で保険料や自己負担の区分を上位所得の扱いにします。
  • 非課税世帯向けの給付の対象にならない——物価高対策の給付金や各種減免は「住民税非課税世帯」を要件にするものが多く、判定の前提が申告です。一覧は非課税世帯の給付・減免一覧を参照してください。

会社を辞めて1年間無職だった単身者(前年所得ゼロ)の国民健康保険料の例

申告あり:均等割が7割軽減。東京23区なら年間の均等割約6万円が約1万8,000円に
申告なし:軽減なし。「所得情報不明」のまま満額の均等割

差額はおよそ4万円。5分の申告で決まる金額です。国保料のしくみは国民健康保険の計算を参照してください。

遺族年金・障害年金・失業給付は所得税も住民税も非課税ですが、非課税だからこそ市区町村に金額の情報が届きません。「非課税収入だけでした」という申告をして初めて、所得ゼロとして扱われます。

年金だけの人が申告したほうがよい場合

公的年金の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。ただし国税庁は「公的年金等以外の所得金額が20万円以下で確定申告の必要がない場合であっても、住民税の申告が必要な場合があります」としています[国税庁 No.1600]。具体的には次の2つです。

  1. 年金以外に少額の所得がある——個人年金、パート収入、講師料など。20万円以下でも住民税の対象です。
  2. 源泉徴収票に載っていない控除を足したい——年金機構が把握していない国民健康保険料や介護保険料の追加分、生命保険料控除、医療費控除、配偶者控除の変更など。住民税の申告で控除を足すと、翌年度の住民税と、それに連動する保険料の区分が下がります。

年金だけで控除の追加もない人は、公的年金等支払報告書が市区町村に届いているので申告不要です。年金にかかる税金の全体は年金にかかる税金と確定申告を参照してください。

いつまでに、どこへ、何を出すか

項目内容
期限3月15日(土日なら翌開庁日)。2026年分の所得は2027年3月15日(月)まで
提出先その年の1月1日に住んでいた市区町村の税務担当課。引っ越した後でも提出先は変わらない
方法窓口・郵送のほか、電子申告に対応する自治体が増えている。申告書は自治体のサイトからダウンロード
持ち物収入が分かるもの(源泉徴収票・支払調書・帳簿)、控除の証明書(保険料・医療費・寄附)、マイナンバーが分かるもの、本人確認書類
費用・罰則申告自体は無料。期限に遅れても、申告が受け付けられなくなるわけではないが、証明書や軽減の判定が遅れる

住民税の申告書は確定申告書より簡単で、収入と控除を書き写す程度です。収入ゼロの申告なら「収入なし」に印を付けて署名するだけの自治体がほとんどです。

今日やること

  1. 去年の自分が上の表のどこに入るかを決める。確定申告をしない年に副業・少額のバイト・収入ゼロ・非課税収入だけのどれかに当てはまれば申告対象。
  2. 住んでいる市区町村の「住民税の申告」ページを開き、扶養されている人の扱いを確認する。不要と書いてあれば出さなくてよい。
  3. 非課税証明書を今年使う予定があるか思い出す。保育料・奨学金・給付の申請に要るなら、期限を待たず早めに申告する。

よくある質問

住民税の申告をしないと罰則はありますか?

申告をしなかったこと自体に対する加算金のような罰則は、通常の少額所得では課されません。ただし所得が分からない扱いになり、非課税証明書が発行されない、国民健康保険料の軽減が外れる、給付の対象から漏れるなどの不利益が出ます。副業の所得を申告せずに後から把握された場合は、住民税が遡って課税され、延滞金がかかることがあります。

確定申告をすれば、住民税の申告はしなくていいのですか?

はい。確定申告のデータは税務署から市区町村へ送られるので、住民税の申告は不要です。副業が20万円以下でも、医療費控除などのために確定申告をするなら、それで住民税の手続きも済みます。

親の扶養に入っている学生でバイト収入が少しあります。住民税の申告は必要ですか?

バイト先が給与支払報告書を市区町村に出していれば不要です。給与が少額で報告書が出ていない場合や、給与以外の収入がある場合は原則として必要です。扶養されている人を不要とする自治体もあるので、住んでいる市区町村の案内で確認してください。

3月15日を過ぎてしまいました。もう申告できませんか?

期限後でも市区町村は申告を受け付けます。非課税証明書が必要になった時点で申告すれば発行されますし、国民健康保険料の軽減も申告後に判定し直されるのが一般的です。気づいた時点で出してください。

参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。申告が必要な人の範囲は自治体で異なるため、必ずお住まいの市区町村の案内をご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。申告の要否や軽減の判定は自治体ごとの取扱いによります。個別の判断は市区町村の税務担当課・税務署・税理士にご確認ください。

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公開日:2026年09月24日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項