給付付き税額控除の対象外になる人|年金だけ・非課税世帯・生活保護はどうなる(2027年4月)

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  • 公開。内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和8年9月15日閣議決定)本文・概要資料、「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針をもとに作成

年金だけで暮らす人は、この給付の対象になりません。令和9年(2027年)4月に始まる就業者負担軽減支援金は、給与や事業所得などの「勤労所得」がある人に配る制度です。年金収入は勤労所得に入らず、要件の算式では逆に引かれます。反対に住民税が非課税の人は一律に外れず、働いていれば対象になりえます。生活保護は支給されても収入認定され、金額はまだ1円も決まっていません。

結論:7つの類型で対象・対象外はこう分かれる

令和8年9月15日に閣議決定された大綱は、支給要件を4つ挙げます。令和9・10年度に使うのは①〜③の3つだけです。

類型判定理由
年金だけ(就労なし)対象外年金は「勤労所得」に含まれない
年金+給与・事業所得対象になりうる大綱が「純負担が現役並みの高齢者も対象」と明記
非課税世帯で就労対象になりうる見るのは世帯ではなく本人の勤労所得
生活保護(就労あり)収入認定支給されるが保護費が減る
専業主婦(夫)で就労なし対象外勤労所得がなく要件①で外れる
学生アルバイト対象になりうる年齢や就学で外す規定が無い
海外居住(1月1日)対象外基準日に国内に住所がなければ不支給

出典:内閣官房「就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」第三・一[内閣官房 大綱本文]。金額が未定のため「対象になりうる」としています。

申請の要否や振込の時期はもらい方、年収別の試算は給付付き税額控除シミュレーションで扱っています。

年金だけの人が外れる理由は2つある

年金収入は、要件①でも要件③でも不利に働きます。大綱の「勤労所得」は、前年の給与収入に応じて算定した額と、一定額を超える事業所得・業務に係る雑所得の合計です[内閣官房 大綱本文 第三・一・1]。公的年金等の雑所得は入っていません。年金が月20万円でも勤労所得はゼロです。

要件③「純負担」の算式(大綱の条文どおり)

住民税額を基礎に算定した額 + 前年分の自己負担の社会保険料控除額 - 前年中の公的年金等の収入額 > 純負担基準額

年金は、この算式で引かれる側に置かれています。年金が多いほど左辺は小さく、要件③を満たしにくくなります。ただし大綱は「就労し、純負担が現役並みである中低所得の高齢者も対象とする」とも書きます。

働く高齢者は年金があっても対象になりえます。年金そのものの税金と保険料は年金だけで暮らす人の税金と保険料で整理しています。

住民税が非課税でも、働いていれば拾われる

「非課税世帯は対象外」は正確ではありません。要件が見るのは本人の勤労所得と純負担だけです。だから国は、非課税の人にも申告を呼びかけます。大綱は「非課税者であっても積極的に確定申告を行っていただく」よう周知するとしています[内閣官房 大綱本文 第四・一]。

非課税でも対象になりうる人

  • パートの給与が所得下限額を超える人
  • 事業所得が「就労とみなせる水準」を超える人
  • 年金を受けながら働く、純負担が現役並みの人

非課税で対象から外れる人

  • 収入が年金だけで、就労していない人
  • 税も社会保険料もほとんど負担していない人
  • 勤労所得が所得下限額以下の短時間パート

申告がなければ市町村は所得を把握できず、対象でも拾われません。いま非課税世帯が受けられる給付や減免は非課税世帯の給付・減免一覧にまとめています。

対象者の幅は「所得下限額」の置き方で変わる

どこから「働いている」と認めるかは未定です。大綱の概要資料は3つの候補を並べています[内閣官房 大綱概要資料]。どれを選ぶかで、短時間で働く人が入るか外れるかが決まります。

候補給与収入の境目対象者の幅
被用者保険の短時間労働者の適用ライン超約106万円超いちばん狭い。週20時間未満は外れる
雇用保険の適用ライン超約53万円超中間
給与所得が0円超74万円超いちばん広い。給与所得が1円でもあれば入る
106万円ラインの検算(本サイトの試算)

時給1,023円 × 週20時間 × 52週 = 1,063,920円 ≒ 約106万円

令和7年度で全国最低の地域別最低賃金が時給1,023円です。被用者保険の適用労働時間の週20時間を掛けると106万円になります。このときの社会保険料負担は年に約16万円です[内閣官房 大綱本文 第三・一・2]。

支援額は、単身者の個人住民税所得割の非課税限度額である所得45万円(給与収入119万円)を踏まえた逓増開始額から、一定の割合で増やす設計です。

※上の検算は大綱の脚注の数値を本サイトが再計算したものです。

生活保護は3つの優遇の唯一の例外になる

支援金には受け取る側に有利な扱いが3つあり、生活保護だけが例外です。大綱には「生活保護制度においては、支援金を収入認定の対象とする」の一行があります[内閣官房 大綱本文 第三・三]。収入認定されれば、支給されても手元のお金は増えません。

3つの優遇と、そこに開いた2つの穴
  • 税金がかからない:支援金に租税その他の公課は課することができない
  • 差し押さえられない:受給権は譲渡・担保・差押えの対象外。ただし国税の滞納処分は除く
  • 他の制度に響かない:既存の社会保障制度の支給要件等に影響させない。ただし生活保護は例外

収入認定の細かい扱いは未公表です。勤労控除の対象になるのか、除外される部分があるのかは大綱にありません。厚生労働省の実施要領の改正を待つ段階です。

専業主婦(夫)・学生・海外居住の線引き

残る類型も要件に当てはめれば読めます。ただし配偶者の所得を見るのは令和11年度からです。

  • 専業主婦(夫)で就労なし:勤労所得がなく対象外です。第3号被保険者制度の見直しは、次期年金法改正までに結論を出すとされています。
  • パート収入がある配偶者:下限額を超えれば対象になりえます。年収の壁に直面する人には、時限措置の就業促進特例加算が付きます。
  • 配偶者の年収が高い人:令和11年度から、配偶者の合計所得金額が上限額を超えると外れます。令和9・10年度は見ません[内閣官房 大綱概要資料]。
  • 学生アルバイト:年齢や就学で外す規定はありません。ただし「学生も対象」と明記した一次情報も出ていません。
  • 海外に住んでいる人:基準日の1月1日に国内に住所がなければ支給しないと定められています。

こども加算にも線があります。扶養児童は19歳未満の扶養親族ですが、令和9・10年度は16歳未満だけです[内閣官房 大綱本文 第三・一・1]。高校生の子だけの家庭は、最初の2年は加算を受けられません。

外れた人への措置は「結論の期限」だけが決まっている

対象から外れる人を、大綱は放置していません。ただし決まっているのは中身ではなく、結論を出す期限だけです。

検討事項結論の期限
疾病・障害等で就業が困難で対象にならない人への措置令和10年度中に結論。必要なら令和11年度以降に措置
就業していない高齢者等が支援金と社会保障の双方から漏れない措置令和12年までに結論(次期年金法改正の予定年)
第3号被保険者制度の見直しと被用者保険の適用拡大次期年金法改正までに結論
支援金制度そのものの見直し施行後5年を目途

出典:内閣官房 大綱 第四「検討等」四[内閣官房 大綱本文]。中身の手がかりは「国民年金制度及び国民健康保険制度における所得に応じた負担軽減措置の拡充」の一文だけです。

金額も白紙です。所得下限額から支援基本額、こども加算、逓減率まで、すべて令和9年度の予算編成過程で決めます。つなぎの2年間の総額は、飲食料品の消費税1%相当分の範囲に収めます。税率を1%(国税0.78%+地方消費税0.22%相当)に下げる特例は令和9年4月1日から令和11年3月31日までです。

働いて負担する人を支える方向には筋が通っています。一方で、働けない人と年金だけの人には期限の提示しかありません。取り残される層はしばらく残ります。

いま確認しておくこと

  1. 自分に勤労所得があるか確かめる。給与・事業所得・業務に係る雑所得のどれかがあるかが分かれ目です。年金だけなら対象外。
  2. 住民税がかからない人も申告する。申告がないと市町村は勤労所得を把握できないからです。
  3. 書類の様式が変わる。確定申告書・源泉徴収票・住民税申告書・給与支払報告書を改め、自己負担の社会保険料控除額、扶養児童の有無と数、一定の配偶者の氏名や個人番号を把握します[内閣官房 大綱本文 第三・三]。
  4. 金額の発表を待つ。法案の提出時期は大綱に書かれていません。

いまできるのは、自分がどの類型かを決めておくことだけです。対象になりうる側なら、確定申告を忘れずに済ませる。それが唯一の準備です。

まとめ

  • 令和9年(2027年)4月に始まる就業者負担軽減支援金は、給与や事業所得などの勤労所得がある人が対象
  • 年金だけで暮らす人は対象外。年金収入は勤労所得に入らず、要件の算式では逆に引かれる
  • 住民税が非課税でも一律には外れない。働いていれば対象になりうるので、非課税でも確定申告をする
  • 生活保護は支給されても収入認定される。金額は令和9年度の予算編成過程で決まり、まだ白紙

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参考リンク(出典)

※類型別の判定は、大綱の支給要件を本サイトが当てはめた読み方です。政府が類型ごとの可否を一覧で示した資料はありません。

公開日:2026年11月04日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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