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- 公開。国税庁タックスアンサー No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」、No.2030「還付申告」、令和8年分 給与所得の源泉徴収税額表をもとに作成
会社を年の途中で辞めて、そのまま年内に再就職しなかった人は、ほぼ例外なく所得税を払いすぎています。毎月の給与から引かれる源泉徴収税額は「その月給が12か月続く」前提で決まっているのに、途中で辞めると年収がその前提より少なくなるからです。普通は年末調整で精算されますが、退職者は年末調整を受けられないので、自分で確定申告(還付申告)をしないと戻りません。月給30万円なら3月退職で約1万9,000円、6月退職で約3万8,000円が戻り、退職後に払った国民年金・国保料を足すとさらに増えます。退職月別の還付額と、翌年1月からできる手続きを国税庁の資料で整理します。
結論:退職月別の還付額(賞与なし・扶養なし・令和8年分)
| 月給(額面) | 毎月の源泉徴収 | 3月末退職 | 6月末退職 | 9月末退職 | 11月末退職 |
|---|---|---|---|---|---|
| 25万円 | 4,770円 | 約1万4,300円(全額) | 約2万8,600円(全額) | 約2万8,800円 | 約2万4,400円 |
| 30万円 | 6,320円 | 約1万9,000円(全額) | 約3万7,900円(全額) | 約3万円 | 約2万5,900円 |
| 40万円 | 1万750円 | 約3万2,300円(全額) | 約4万6,200円 | 約4万4,800円 | 約3万9,700円 |
出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和8年分)」月額表・甲欄[国税庁]、タックスアンサー No.1910[国税庁]。社会保険料は月給の15%、退職後の保険料は含めない概算
「全額」と書いた欄は、その年の年収が少なくて所得税がゼロになり、引かれた分が丸ごと戻るケースです。給与所得控除65万円と基礎控除95万円(合計所得132万円以下の場合)に社会保険料控除を足すと、年収190万円前後までは所得税がかかりません。6月末退職で月給30万円なら年収180万円で、この範囲に入ります。
還付額が「6月退職で最大、その後は減る」形になるのは、後半に辞めるほど年収が増えて本来の税額も増えるからです。ただし月給が高い人は6月退職でも税額が残るので、山の位置は少しずれます。
なぜ引かれすぎになるのか
源泉徴収税額表は、その月の「社会保険料控除後の給与」から、扶養親族の数に応じた税額を機械的に決めます。この表は12か月同じ給与が続き、年末調整で基礎控除などを精算することを前提に作られていて、1か月分の税額は「年税額の12分の1」より少し多めです。
月給30万円・6月末退職の場合
毎月の源泉徴収:課税給与25万5,000円(30万円 − 社会保険料4万5,000円)→ 月額表 甲欄・扶養0人 = 6,320円 × 6か月 = 3万7,920円
本来の年税額:年収180万円 − 給与所得控除65万円 = 給与所得115万円 → 社会保険料控除27万円・基礎控除95万円を引くと課税所得は0円 → 年税額 0円
還付:3万7,920円 − 0円 = 3万7,920円
退職時に会社が年末調整をしてくれるのは、12月の給与を受けてから辞める場合や、死亡退職などの限られたケースだけです。それ以外の中途退職者は、国税庁も「翌年になってから確定申告をすれば還付を受けられる」と案内しています[国税庁]。
還付が増える控除:退職後に自分で払った保険料など
上の表は給与から引かれた社会保険料だけで計算しています。実際には退職後に自分で払ったものも控除に入り、還付額が増えます。
- 国民年金保険料(月1万7,920円・令和8年度)。退職翌月から年末までの分。6月末退職なら6か月で約10万8,000円が社会保険料控除に足せます。前納した分も払った年に控除できます。
- 国民健康保険料・任意継続の保険料。退職後の健康保険として払った分。自治体・健保から届く納付額の通知で確認します。退職後の健康保険3択と国保料の非自発的失業者軽減も参照してください。
- 生命保険料・地震保険料・iDeCoの掛金。年末調整で出すはずだった控除証明書をそのまま使います。
- 医療費控除・ふるさと納税。年末調整では扱えない控除も、確定申告なら一緒に入れられます。
ただし、表で「全額」と書いたケースはすでに所得税がゼロなので、控除を足しても所得税の還付はそれ以上増えません。その場合でも、控除は翌年6月からの住民税の計算には効くので、確定申告で申告しておく意味があります。
逆に、失業給付(基本手当)は非課税で、収入に含めなくてかまいません。退職金は「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出していれば源泉徴収で完結しており、確定申告に含める必要はありません(出していない場合は含めると戻ることがあります)。
手続き:翌年1月から、源泉徴収票1枚でできる
- 会社から「給与所得の源泉徴収票」を受け取る。会社は退職後1か月以内に交付する義務があります。届かなければ会社に請求し、それでも出ない場合は税務署に「源泉徴収票不交付の届出」ができます。
- 退職後に払った保険料の証明を集める。国民年金は日本年金機構から11月ごろ届く控除証明書、国保は自治体の納付確認、生命保険などは各社の控除証明書。
- 翌年1月1日以降に「確定申告書等作成コーナー」で作る。還付申告は2月16日を待たなくても1月から提出できます。源泉徴収票の数字を入力し、社会保険料控除などを追加すると還付額が自動計算されます。マイナンバーカードがあればスマホで完結し、振込は3週間前後です。
- 期限は5年。還付申告はその年の翌年1月1日から5年間できます。過去に辞めたまま申告していない年があれば、今からでも戻ります。
申告書の「所得の内訳」には源泉徴収票の支払金額・源泉徴収税額をそのまま書き、退職金は記入不要(申告書を出している場合)です。作成コーナーは源泉徴収票の欄をそのまま写す画面なので、迷いにくいです。
年内に再就職した人・年明けに再就職する人
- 年内に再就職したなら、新しい会社の年末調整で前職分もまとめて精算できます。前職の源泉徴収票を新しい会社に出してください。出し忘れると精算されず、自分で確定申告することになります。
- 年明けに再就職する人は、辞めた年の分を自分で還付申告します。新しい会社の年末調整は翌年分なので、前の年の精算はしてくれません。
- 住民税は別の話。所得税が戻っても、辞めた年の所得に対する住民税は翌年6月から普通徴収(自分で納付)で来ます。1〜5月に辞めると残りが最後の給与から一括で引かれ、6〜12月に辞めると納付書が届きます。手取りの計画は転職・退職時の税金と手続きを参照してください。
- 無職で収入がないなら、翌年の申告は不要。還付申告は「引かれすぎた税金を返してもらう」ためのもので、翌年に収入がなければ翌年分の申告はいりません。ただし住民税の申告が要る場合があります(確定申告しない人の住民税申告)。
まとめ
- 年の途中で辞めて年内に再就職しなかった人は、年末調整がないため所得税を払いすぎている
- 月給30万円なら3月末退職で約1万9,000円、6月末退職で約3万7,900円が戻る目安
- 退職後に払った国民年金・国保料、生命保険料、医療費控除も足せば還付額が増える
- 翌年1月1日以降、源泉徴収票をもとに確定申告書等作成コーナーで還付申告。期限は5年
- 年内に再就職したら、新しい会社に前職の源泉徴収票を出せば年末調整で精算される
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参考リンク(出典)
本記事は次の資料をもとに作成しています。還付額は概算で、社会保険料・賞与・扶養の有無で変わります。
※本記事は一般的な情報提供です。個別の判断は税務署にご確認ください。













