基礎控除104万円は2027年分まで|2026年の年末調整で戻る額と2028年の増税を年収別に

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  • 公開。国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」、財務省「令和8年度税制改正の大綱」をもとに作成

「基礎控除が104万円になった」と聞いて、来年も再来年も続くと思っていませんか。令和8年度の税制改正で決まった基礎控除は、本則62万円に「上乗せ」を足す仕組みで、その上乗せは2026年分と2027年分(令和8・9年分)だけです。年収およそ665万円以下の会社員に効いている42万円の上乗せは、法律のうえでは2028年分(令和10年分)から消えて基礎控除は62万円に戻り、年収250万〜665万円の人で所得税が年2万1,000円〜4万3,000円増える計算になります。一方で足もとは減税で、2026年12月の年末調整では去年より還付が増え、2027年1月からは月々の天引きが減ります。年分ごとに何がいくら変わるのか、国税庁と財務省の資料で年収別に整理します。

結論:基礎控除は「62万円+上乗せ」。上乗せは2027年分で切れる

国税庁の「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」は、基礎控除額を次のように整理しています[国税庁 あらまし]。本則は62万円(改正前58万円)で、これに租税特別措置法の加算額が年分ごとに乗ります。

合計所得金額(給与だけの場合の年収の目安)2025年分
(令和7年分)
2026年分・2027年分
(令和8・9年分)
2028年分以後
(令和10年分以後)
132万円以下(年収約206万円以下)95万円104万円(62+42)99万円(62+37)
132万円超 336万円以下(年収約206万〜475万円)88万円104万円(62+42)62万円
336万円超 489万円以下(年収約475万〜665万円)68万円104万円(62+42)62万円
489万円超 655万円以下(年収約665万〜850万円)63万円67万円(62+5)62万円
655万円超 2,350万円以下58万円62万円62万円

あわせて給与所得控除の最低保障額も、本則69万円に「令和8年及び令和9年」だけ5万円を上乗せした74万円になっています[財務省 令和8年度税制改正の大綱]。こちらも2028年分からは69万円です。つまり2028年分は、基礎控除の上乗せが縮む人と、給与所得控除が5万円縮む人(年収190万円以下)の両方が出ます。

年収の目安の読み方

表の年収は「収入が給与だけ」で2026・2027年分の給与所得控除(最低74万円)を使った場合の目安です。合計所得金額489万円は年収約665万円、655万円は年収約850万円にあたります。副業や年金など給与以外の所得がある人は、合計所得金額の側で判定してください。

2026年12月の年末調整:去年より戻る額が増える。年収550万〜650万円で約3万7,000円

今年(2026年分)の改正は12月の年末調整でまとめて反映されます。国税庁は「令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更は生じません」「令和8年12月に行う年末調整の際に、引上げ後の基礎控除額……に基づいて1年間の税額を計算し、改正前の『源泉徴収税額表』によって計算した源泉徴収税額との精算を行います」と案内しています[国税庁 あらまし]。毎月の天引きは改正前の税額表のままなので、控除が増えた分がそのまま12月の還付に上乗せされます。

去年(2025年分)と収入が同じなら、年末調整で戻る額はおおむね次の差額ぶん増えます。

年収(給与のみ)基礎控除2025年分の所得税2026年分の所得税去年より戻る額(目安)
200万円95万→104万円3,500円0円約3,500円
300万円88万→104万円35,200円27,000円約8,200円
400万円88万→104万円65,300円57,100円約8,200円
450万円88万→104万円81,900円73,700円約8,200円
500万円68万→104万円117,900円90,300円約2万7,600円
550万円68万→104万円151,100円114,300円約3万6,800円
600万円68万→104万円184,200円147,500円約3万6,700円
650万円68万→104万円217,400円180,700円約3万6,700円
700万円63万→67万円282,300円274,100円約8,200円
800万円63万→67万円435,400円427,200円約8,200円
1,000万円58万→62万円782,500円774,400円約8,100円

※単身・社会保険料を年収の15%・所得控除は社会保険料控除と基礎控除のみ、復興特別所得税込みで試算。扶養控除や生命保険料控除がある人、住宅ローン控除で税額がすでに0円の人は差が小さくなります。住民税の基礎控除は43万円のまま変わらないため、住民税には影響しません。

いちばん差が大きいのは年収475万〜665万円の層です。2025年分は基礎控除68万円だったのが104万円と36万円増え、税率10%の帯なので年3万7,000円近く戻ります。年収250万〜475万円の層は88万→104万円の16万円増で約8,200円。年収850万円超の人も本則が4万円上がるので、20%の税率で約8,000円戻ります。

2027年1月から:月々の天引きが減る(税額表の改正)

2027年1月1日以後に支払う給与からは、改正後の控除額を織り込んだ「令和9年分 源泉徴収税額表」で天引きされます[国税庁 Q&A]。2027年分の基礎控除は2026年分と同じ104万円(または67万円・62万円)なので年間の税額は変わりませんが、12月にまとめて戻るのではなく、毎月の手取りに分散して戻る形に変わります。目安は上の表の「戻る額」を12で割った額です。

月々の天引きが減る目安(2027年1月〜)

年収300万〜450万円:約8,200円 ÷ 12 = 月約700円

年収500万円:約2万7,600円 ÷ 12 = 月約2,300円

年収550万〜650万円:約3万6,800円 ÷ 12 = 月約3,100円

そのぶん2027年12月の年末調整の還付は平年並みに戻ります。「2027年の年末調整は去年より少ない」と感じたら、毎月先に受け取っていたということです。

年金を受け取っている人も同じ考え方で、公的年金の源泉徴収では2027年1月支払分から基礎的控除額が引き上げられ、2026年分は12月の年金支払時に精算されます[国税庁 あらまし]。年金の税金の全体は年金にかかる税金と確定申告で整理しています。

2028年分の崖:年収250万〜665万円で基礎控除が42万円減る

財務省の大綱は、基礎控除の加算額を「令和8年分及び令和9年分」は合計所得金額489万円以下で42万円、489万円超(655万円以下)で5万円、「令和10年分以後の各年分」は合計所得金額132万円以下に限って37万円と定めています[財務省 大綱 4ページ]。年収約206万円以下の人は99万円が残りますが、年収約206万〜665万円の人は104万円から62万円へ、42万円の減額です。給与所得控除の5万円上乗せも同時に終わります。

年収(給与のみ)基礎控除 2027年分→2028年分2028年分の所得税(同じ収入なら)2027年分との差
200万円104万→99万円(給与所得控除も74万→69万円)1,000円+1,000円
250万円104万→62万円34,400円+2万1,400円
300万円104万→62万円48,400円+2万1,400円
400万円104万→62万円78,600円+2万1,500円
500万円104万→62万円124,000円+3万3,700円
600万円104万→62万円190,400円+4万2,900円
650万円104万→62万円223,500円+4万2,800円
700万円67万→62万円284,300円+1万200円
800万円67万→62万円437,400円+1万200円
1,000万円62万→62万円774,400円0円

2028年分の増税は年収250万〜665万円の働き手に集中し、年収850万円を超える人には影響がありません。上乗せは「物価高への対応」として2年限定で置かれたもので、大綱は今後、基礎控除の本則(62万円)を2年ごとに消費者物価指数の上昇率で見直す仕組みも示しています[財務省 大綱 2ページ]。ただしその見直しは本則にしか効かず、42万円の上乗せが物価連動で戻ることはありません。2028年分の扱いを変えるなら、2027年末にまとまる令和10年度の税制改正で決める必要があります。この記事でも動きがあれば追記します。

いま決めておくとよいこと

2026・2027年分は同じ収入で去年より手取りが増える2年です。増えた分をそのまま使うのではなく、2028年分に戻る税額(年収500万円で約3万4,000円、600万円で約4万3,000円)を頭に入れておくと、2028年の年末調整で「還付が減った」と慌てずに済みます。iDeCoや小規模企業共済のように所得控除を増やす手段は、税率が高い人ほど効きます。

扶養の壁・配偶者の壁はどう動くか

扶養親族や同一生計配偶者の所得要件は、2026年分から合計所得金額62万円以下(年収136万円以下)に上がっています。この判定に使うのは本則の62万円と給与所得控除74万円なので、2028年分は給与所得控除の5万円上乗せが終わるぶん131万円に下がることになります。配偶者特別控除の満額(38万円)は年収159万円まで、特定親族特別控除は年収197万円まで、勤労学生控除は年収163万円までで、いずれも2026・2027年分の数字です[国税庁 あらまし]。壁ごとの整理は103万円の壁から123万円の壁へ、学生の子の扶養は学生バイトと親の扶養にまとめています。

なお社会保険の扶養(130万円)は税金とは別の基準で、2026年10月からの動きは130万円を一時的に超えても扶養のままをご覧ください。

よくある質問

個人事業主・フリーランスにも104万円の基礎控除は使えますか?

使えます。基礎控除は所得の種類を問わず、合計所得金額489万円以下なら2026年分・2027年分は104万円です。2027年2〜3月の確定申告(2026年分)から反映されます。給与所得控除の74万円は給与がある人だけの話で、事業所得には関係ありません。

住民税も基礎控除が上がりますか?

住民税の基礎控除は43万円のままです。今回の改正は所得税だけで、住民税は給与所得控除の最低保障額が69万円(2027年度・2028年度分は74万円)に上がる部分だけが変わります。年収190万円以下の人にはわずかに効きますが、それ以上の人の住民税は変わりません。

2027年1月から本当に手取りが増えますか?

年間の所得税額は2026年分と同じですが、2027年1月からは改正後の控除を織り込んだ税額表で天引きされるため、毎月の手取りは去年の同じ月より増えます。そのぶん2027年12月の年末調整の還付は2026年12月より小さくなります。

2028年に基礎控除が62万円に戻るのは決定ですか?

令和8年度税制改正の大綱と改正法では、加算額は令和10年分以後は合計所得金額132万円以下の37万円だけと定められており、法律上はそのとおりです。ただし2027年末の令和10年度税制改正で延長や見直しが議論される可能性はあります。現時点で決まっているのは、年収約206万〜665万円の人の基礎控除が2028年分から62万円になることです。

参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。試算は一定の前提に基づく目安で、実際の税額は各自の控除で変わります。

※本記事は一般的な情報提供です。年末調整・確定申告の個別の計算は勤務先または税務署・税理士にご確認ください。

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公開日:2026年09月24日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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