給与明細の見方|控除7項目は何の金額か、月給30万円の手取りと天引きが変わる月カレンダー

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  • 公開。協会けんぽ「令和8年度 保険料額表(東京支部)」、日本年金機構「厚生年金保険の保険料」「定時決定」、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率」、こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度」、国税庁「源泉徴収税額表(令和8年分)」をもとに作成

給与明細の「控除」欄には、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税、そして2026年5月から加わった子ども・子育て支援金の7つが並びます。月給30万円なら、社会保険料だけで月4万4,120円(東京・40歳未満)、所得税6,320円、住民税約1万5,400円が引かれ、手取りは約24万4,000円。どの項目がどう計算されているか、なぜ6月と10月に手取りが変わるのか、40歳の誕生月に何が起きるのかを、協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省・国税庁の2026年度の数字で1枚にまとめます。給与明細は「税金と社会保険の請求書」です。読めるようになると、年末調整や転職、昇給のときに何が起きるかが分かります。

結論:月給30万円の明細はこうなる(東京・2026年度・40歳未満・扶養なし)

欄項目金額計算の根拠
支給基本給+手当300,000円標準報酬月額は30万円(19等級)
通勤手当10,000円非課税(月15万円まで)。社会保険料の計算には含まれる
総支給額310,000円
控除健康保険料14,775円30万円 × 9.85% ÷ 2
介護保険料0円40〜64歳のみ(30万円 × 1.62% ÷ 2 = 2,430円)
子ども・子育て支援金345円30万円 × 0.23% ÷ 2(2026年5月天引き分から)
厚生年金保険料27,450円30万円 × 18.3% ÷ 2
雇用保険料1,550円総支給額31万円 × 0.5%(通勤手当も含む)
所得税6,320円源泉徴収税額表(甲欄・扶養0人)で「課税対象額25万5,930円」の行
住民税約15,400円前年の所得で決まった年額を12で割った額(6月〜翌5月)
控除合計約65,800円
差引手取り約244,200円総支給の約79%

※健康保険は協会けんぽ東京支部の2026年度料率、雇用保険は一般の事業の労働者負担、所得税は令和8年分の源泉徴収税額表(甲欄)、住民税は年収420万円・単身の目安。健康保険組合の会社は料率が異なります。

ここで押さえたいのは、社会保険料4つは「標準報酬月額」という等級に料率を掛けた額で、残業が増えてもすぐには変わらないこと、所得税は毎月の仮払いで年末調整で精算されること、住民税だけは前年の所得で決まることの3点です。

控除7項目の中身:誰が・何に・どう計算しているか

項目本人負担の率(2026年度)何に掛けるか使い道・備考
健康保険料4.925%(東京・協会けんぽ)標準報酬月額医療費の7割給付・傷病手当金・出産手当金。会社が同額負担。都道府県で9.21%(新潟)〜10.55%(佐賀)の差[協会けんぽ]
介護保険料0.81%(全国一律)標準報酬月額40歳の誕生日の前日が属する月から64歳まで。65歳からは年金天引きに変わる
子ども・子育て支援金0.115%(全国一律)標準報酬月額2026年4月分(5月天引き)から。児童手当の拡充などの財源。年収400万円で月384円、2028年度にかけて段階的に上がる[こども家庭庁]
厚生年金保険料9.15%標準報酬月額(上限65万円)将来の老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金。会社が同額負担[日本年金機構]
雇用保険料0.5%(一般の事業)総支給額(通勤手当込み・毎月の実額)失業給付・育児休業給付・介護休業給付など。会社は0.85%。2026年4月から0.05ポイント引下げ[厚生労働省]
所得税税額表による総支給額 - 非課税の通勤手当 - 社会保険料扶養控除等申告書を出していれば甲欄、出していなければ乙欄(高い)。12月の年末調整で1年分を精算
住民税年額の12分の1前年1〜12月の所得6月から翌年5月まで同じ額(6月だけ端数調整で多い)。新入社員の1年目は引かれない

労災保険料は明細に出ません。全額を会社が払っているからです。会社は上の4つの社会保険料の同額に加えて、雇用保険の0.85%、子ども・子育て拠出金0.36%、労災保険料を払っており、月給30万円の人なら会社負担は月約4万9,000円。本人と合わせた社会保険料は月9万円を超えます。年収別の一覧は社会保険料は年収でいくらにまとめました。

天引きが変わる月のカレンダー:6月・10月・4月・40歳

いつ何が変わる手取りへの向き
1月源泉徴収税額表の改正が反映(2027年1月は基礎控除の引上げで天引きが減る)年によって上下
4月(3月分保険料)健康保険料率・介護保険料率の改定(協会けんぽは3月分=4月天引きから)。雇用保険料率も4月から2026年は健保が下がり介護が上がった
5月子ども・子育て支援金の徴収開始(2026年)数百円減る
6月住民税が新年度の額に切り替わる。前年の年収が上がっていれば増える。6月は端数分で他の月より多い前年に昇給した人は減る
10月(9月分保険料)定時決定(4〜6月の給与の平均)で決まった新しい標準報酬月額が反映4〜6月に残業が多かった人は減る
12月年末調整の精算。多くの人は所得税が戻る増える(還付)
40歳の誕生月(前日が属する月)介護保険料の徴収が始まる(月給30万円で2,430円)減る
昇給の4か月目固定給が変わって2等級以上動いたときは随時改定昇給なら減る(保険料が増える)

「手取りが減った」と感じたら、まずこの表で月を確認してください。6月なら住民税、10月なら社会保険の等級がほぼ答えです。住民税の決まり方は住民税の仕組みと計算、4〜6月の残業と等級の関係は4〜6月の残業で社会保険料が1年上がるで詳しく書いています。

明細で確認しておきたい5つのポイント

  1. 所得税が「乙欄」で引かれていないか。扶養控除等申告書を出していないと、月給30万円で約2万円以上引かれます。掛け持ちの副業先は乙欄で正常ですが、本業で乙欄なら申告書の出し忘れです。
  2. 健康保険料から自分の等級を逆算する。健康保険料 ÷ 4.925%(東京)が標準報酬月額です。14,775円なら30万円。実際の月給と大きくずれていたら、4〜6月の残業か随時改定の影響です(標準報酬月額の調べ方)。
  3. 通勤手当が課税されていないか。電車・バスは月15万円まで、マイカーは距離別の限度額まで非課税です。2026年4月から片道65キロメートル以上と駐車場代5,000円の枠が広がりました(通勤手当の非課税枠)。
  4. 住民税の額を前年の源泉徴収票と突き合わせる。6月に会社経由で届く「特別徴収税額決定通知書」の年額と、明細の月額×12が合うか。ふるさと納税をした人は、通知書の「税額控除」欄で反映を確認します。
  5. 年末調整の還付を12月(または1月)の明細で確認する。「年調過不足」「年末調整還付」などの行にプラスで出ます。2026年は基礎控除の引上げで例年より戻る額が増えます(基礎控除104万円は2027年分まで)。

賞与の明細は月給と控除の仕組みが少し違います(住民税は引かれず、社会保険料は賞与額の1,000円未満を切り捨てた額に料率を掛ける)。ボーナスの手取りはいくらで整理しています。年間の合計は源泉徴収票の見方へ。

よくある質問

明細に「子ども・子育て支援金」の行がありません。

制度上は健康保険料とは別の料率(0.23%・本人0.115%)ですが、徴収は医療保険料と一体で行われるため、会社の給与ソフトによっては健康保険料に合算して1行で表示されます。健康保険料が2026年5月から数百円増えていれば、その分が支援金です。

健康保険料と厚生年金保険料は、会社と半々で本当に合っていますか?

はい。協会けんぽの保険料額表は全等級について「全額」と「折半額」を並べており、本人負担は折半額です。端数は50銭以下切捨て・50銭超切上げなので、表の額と1円違うことがあります。

まとめ

  • 控除欄は健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税・子ども・子育て支援金の7つ
  • 月給30万円(東京・40歳未満)なら控除合計は約65,800円、手取りは約244,200円
  • 社会保険料は標準報酬月額に料率を掛けた額。所得税は毎月の仮払いで年末調整で精算、住民税は前年の所得で決まる
  • 6月は住民税、10月は社会保険の等級、40歳の誕生月は介護保険料で天引きが変わる
  • 本業で所得税が乙欄なら扶養控除等申告書の出し忘れ

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参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。料率は毎年変わるため、明細の年度に合わせて確認してください。

※本記事は一般的な情報提供です。健康保険組合・共済組合の料率、住民税の額は個別に異なります。

公開日:2026年10月18日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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