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- 令和8年度税制改正を反映(入居期限を令和12年末まで延長・省エネ既存住宅の限度額引上げと13年化・子育て世帯上乗せの既存住宅適用・床面積40㎡要件)。国税庁 No.1211-1/国土交通省 住宅ローン減税ページ
税額控除の仕組み
所得控除との違い・なぜ節税効果が大きいのかを整理。
基礎住宅種別ごとの上限額
令和8年以降入居の新築・中古の借入限度額と、令和7年までとの違い。
重要節税シミュレーション
ローン残高別の年間控除額・13年間の上限を計算。
比較初年度:確定申告の手順
入居翌年の2〜3月に必要な書類と申告の流れ。
手順2年目以降:年末調整
会社員は年末調整で完結。証明書の使い方を解説。
年末調整「税額控除」の仕組み
住宅ローン控除は税額控除です。iDeCoや生命保険料控除のような「所得控除」とは異なり、計算後の税額そのものから直接差し引くため、節税効果が確実で大きいのが特徴です。
税率が低いと効果が小さくなる
税率に関係なく同額が減る
対象:令和4年1月1日〜令和12年(2030年)12月31日までに入居した人(令和8年度改正で5年延長)
控除期間:新築・買取再販は13年間。中古住宅は10年間ですが、令和8年以降に入居する省エネ性能の高い中古住宅は13年間に延びました
所得税で引ききれない分は翌年度の住民税からも控除(課税総所得金額等の5%・最高97,500円/年)
所得要件:合計所得金額 2,000万円以下[国税庁 No.1211-1]
かつての控除率1%は、超低金利時代にローン金利を下回り「ローンを組むほど得をする」逆ザヤ状態が問題視されました。2022年の改正で0.7%に引き下げられた一方、控除期間が10年→13年に延長(新築の場合)されています。
住宅種別ごとの借入限度額
控除の上限額は住宅の種類・省エネ性能・入居した年・世帯によって異なります。令和8年度税制改正で、次の4点が変わりました[国土交通省]。
① 入居期限を令和12年(2030年)12月31日まで5年延長。
② 省エネ性能の高い中古住宅の借入限度額を引き上げ、控除期間を13年に。子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せも中古に広げた。
③ 床面積の要件を新築・中古とも40㎡以上に緩和(合計所得1,000万円超の人と、子育て世帯の上乗せを使う人は50㎡以上)。
④ 新築の省エネ基準適合住宅は、令和8・9年入居で限度額が2,000万円に下がり、令和10年以降に建築確認を受けたものは対象外に。
新築住宅(令和8〜12年入居・控除期間13年)
「子育て世帯」は、19歳未満の扶養親族がいる人、または本人か配偶者が40歳未満の夫婦です(国税庁の用語では「特例対象個人」。入居した年の12月31日時点で判定)。
認定低炭素住宅
省エネ住宅
適合住宅
(一般住宅)
新築:令和7年までの入居との比較
| 住宅の種類 | 令和6・7年入居 | 令和8〜12年入居 |
|---|---|---|
| 認定長期優良・認定低炭素住宅 | 4,500万円(子育て世帯5,000万円) | 4,500万円(子育て世帯5,000万円) |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(子育て世帯4,500万円) | 3,500万円(子育て世帯4,500万円) |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円(子育て世帯4,000万円) | 令和8・9年:2,000万円(子育て世帯3,000万円) 令和10年以降:原則0円 |
| その他の住宅 | 原則0円 | 原則0円 |
※ 省エネ基準適合住宅で令和10年以降に入居する場合も、令和9年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和10年6月30日までに建築されたものは、限度額2,000万円・10年間の控除が受けられます。
※ その他の住宅でも、令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和6年6月30日までに建築されたものは、限度額2,000万円・10年間の控除が受けられます[国税庁 No.1211-1]。
※ 買取再販住宅(不動産会社が改修して売る中古)は、認定住宅・ZEH水準の限度額が新築と同じです。省エネ基準適合住宅は令和8〜12年入居で2,000万円(子育て世帯3,000万円)・13年、その他の住宅は2,000万円・10年です[国税庁 No.1211-2]。
中古住宅(既存住宅)
| 住宅の種類 | 令和7年までの入居(10年) | 令和8〜12年入居 | 控除期間(令和8年以降) |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良・認定低炭素住宅 | 3,000万円 | 3,500万円(子育て世帯4,500万円) | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,000万円 | 3,500万円(子育て世帯4,500万円) | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 2,000万円(子育て世帯3,000万円) | 13年 |
| その他の住宅(一般住宅) | 2,000万円 | 2,000万円 | 10年 |
※ 年間控除の上限は「借入限度額×0.7%」。中古の認定・ZEH水準は24.5万円(子育て世帯31.5万円)、省エネ基準適合は14万円(同21万円)、その他は14万円です[国税庁 No.1211-3]。
※ 床面積40㎡以上50㎡未満の住宅に令和8年以降入居した場合、子育て世帯の上乗せは使えません。
令和6年(2024年)1月以降に入居する新築の「その他住宅」(省エネ基準を満たさない住宅)は借入限度額が0円で、住宅ローン控除が受けられません。さらに令和10年以降は、令和10年以降に建築確認を受けた省エネ基準適合住宅も対象外になります。令和10年以降に入居する土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」の新築住宅も対象外です(建替え・中古・リフォームは対象)。新築を買う・建てるときは、省エネ性能の証明書と立地を必ず確認してください[国土交通省]。
節税シミュレーション
ローン残高の0.7%が毎年税額から差し引かれます。残高は毎年減少するため、初年度が最も控除額が大きくなります。
年末残高別・年間控除額の目安
| 年末ローン残高 | 年間控除額(×0.7%) | 13年間の上限 | 上限がこの額になる住宅の例(令和8年以降入居) |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 140,000円 | 182万円 | 新築の省エネ基準適合住宅(令和8・9年)・中古の省エネ基準適合住宅 |
| 3,000万円 | 210,000円 | 273万円 | 上の2つの子育て世帯 |
| 3,500万円 | 245,000円 | 318.5万円 | 新築のZEH水準・中古の認定住宅/ZEH水準 |
| 4,500万円 | 315,000円 | 409.5万円 | 新築の認定住宅・新築ZEH水準の子育て世帯・中古の認定住宅/ZEH水準の子育て世帯 |
| 5,000万円(上限) | 350,000円 | 455万円 | 新築の認定住宅の子育て世帯 |
※ 残高は毎年返済で減少するため、残高が限度額を下回った年からは実際の控除額が上限より少なくなります。上記は簡易計算の目安です。
所得税が少ない場合は住民税からも控除
年間控除額が所得税額を超えた場合、引ききれない分は翌年度の住民税から控除されます。上限は所得税の課税総所得金額等の5%で、最高97,500円/年です(令和4年以降の入居)。所得税の手続きをしていれば、市区町村への申告はいりません[総務省]。
初年度:確定申告の手順
住宅を取得して最初の年だけは、会社員でも確定申告が必須です。入居した翌年の2月16日〜3月15日に税務署またはe-Taxで申告します(還付を受けるだけの申告は翌年1月1日から提出できます)。
・住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から)※調書方式の金融機関なら不要。代わりに金融機関へ「住宅ローン控除の適用申請書」を出す
・登記事項証明書(床面積と取得日を確かめる)
・売買契約書または建築工事請負契約書のコピー
・省エネ性能の証明書または認定通知書(認定住宅等のみ)
・補助金を受けた場合は、その額がわかる書類
2年目以降:年末調整の手順(会社員)
2年目以降は、会社の年末調整で住宅ローン控除を申告できます。書類を会社に出すだけで手続きが完了します。
毎年の手続き(2年目〜)
| 書類 | 入手先 | 時期 |
|---|---|---|
| 年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(兼 申告書) | 税務署から届いたもの(その年の分を1枚使う) | 手元に保管しているもの |
| 住宅ローンの年末残高証明書 | ローンを組んだ金融機関から郵送。調書方式の金融機関から借りている人は不要 | 11月下旬頃に届く |
証明書または控除証明書に記載の年末残高を転記します。残高が載っていない年は、返済計画表で年末残高を確かめて書きます。
※ 複数の金融機関からローンを借りている場合は、すべての残高を合算して記入します。
調書方式での書き方や、残高が載っていない年の確かめ方は住宅ローン控除2年目の年末調整で手順ごとにまとめています。
税務署から届いた控除証明書を紛失した場合は、所轄の税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を出して再交付を受けられます(e-Taxでも可)。時間がかかるため、年末調整の締切前に早めに手続きをしてください。
自営業・確定申告が必要な会社員は毎年申告が必要
個人事業主・フリーランスは2年目以降も毎年確定申告で住宅ローン控除を申告します。副業収入がある会社員や、ふるさと納税の確定申告を行う会社員も、年末調整ではなく確定申告でまとめて申告できます(その方が手続きが1回で済む)。
注意点
よくある質問
令和8年度の改正で何が変わった?
入居期限が令和12年(2030年)12月31日まで5年延びました。省エネ性能の高い中古住宅は借入限度額が上がり、控除期間が13年になり、子育て世帯の上乗せも受けられます。床面積の要件は新築・中古とも40㎡以上に緩和されました(合計所得1,000万円以下の場合)。
控除率と期間は?
年末ローン残高(借入限度額まで)×0.7%が控除額です。控除期間は新築等13年、中古10年で、令和8年以降に入居する省エネ性能の高い中古は13年です。所得税で引ききれない分は、翌年度の住民税から課税総所得金額等の5%・最高97,500円まで控除されます。合計所得2,000万円以下が要件です。
子育て世帯は優遇がある?
19歳未満の扶養親族がいる、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯は、借入限度額が上乗せされます。令和8年以降の入居では、新築の認定住宅5,000万円・ZEH水準4,500万円・省エネ基準適合3,000万円、中古の認定住宅・ZEH水準4,500万円・省エネ基準適合3,000万円です。40㎡以上50㎡未満の住宅では上乗せは使えません。
初年度と2年目以降で手続きが違う?
初年度は確定申告が必要です。会社員は2年目以降、税務署から届く控除証明書(兼 申告書)を勤務先に出せば年末調整で完結します。調書方式の金融機関から借りている人は、年末残高証明書の添付はいりません。
ふるさと納税と併用できる?
併用できます。ふるさと納税の上限を決める「住民税所得割の2割」は住宅ローン控除を引く前の所得割で計算するため、上限は下がりません。ただし初年度など確定申告をする年はワンストップ特例が使えないので、寄附金控除も申告書に書きます(併用の試算)。
参照元・公式情報
本記事は以下の公式情報をもとに作成しています。制度は改正されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
- 国土交通省 住宅ローン減税(令和8年度税制改正・2026年6月更新)
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-2 買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合
- 国税庁 住宅ローン控除の適用に係る手続き(調書方式)Q&A
- 総務省 個人住民税の住宅借入金等特別税額控除
- 財務省 令和8年度税制改正の大綱
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー
※ 本記事の内容は情報提供を目的としており、税務・法務アドバイスではありません。借入限度額・子育て世帯の上乗せ等は入居した年で変わります。個別の判断は税務署・税理士にご相談ください。
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