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- 「令和8年分(2027年1月に受け取る)源泉徴収票はここが変わる」節を新設(様式変更なし=国税庁Q&A問3-3/国税システム更改で令和8年8月以降の税務署提出用様式変更・機械読取の記載上の注意/「特定親族特別控除の額」欄と「特親」の数・区分コード10〜91/令和8年分の基礎控除104万・67万・62万円、給与所得控除の最低保障74万円、扶養親族等の所得要件62万円(給与136万円)、配偶者特別控除は給与136万円超207万円以下、勤労学生89万円、ひとり親控除は令和8年分は35万円のまま/令和9年1月以後のみなし提出と提出範囲(中途退職者30万円以下を除く全員)/受給者交付用にマイナンバーは記載されない)。あわせて「給与所得控除65万〜195万円」を令和7年分・令和8年分に書き分け、基礎控除の上乗せ最大95万円→令和8年分104万円に修正。出典:国税庁 令和8年度税制改正Q&A(0026005-024)、令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし(2026kaisei.pdf)、令和8年分 源泉徴収票の記載要領(r08/kisai_chousho01.pdf)、令和8年分 法定調書の作成と提出の手引 第2章、源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ、国税システムの更改について
- 「103万円の壁」の推移に令和8年分(136万円〜178万円)を追記
源泉徴収票は、1年間の給与と税金の「成績表」です。年末調整が終わる12月〜1月に勤務先から渡され、確定申告・住宅ローン審査・転職先への提出など、いろいろな場面で使います。ただ、数字が並んでいて「どれが年収?」「税金はいくら払った?」と迷いがち。この記事では、見るべき4つの金額の意味と関係を、国税庁の出典つきでわかりやすく解説します。2025年(令和7年)改正と、2026年(令和8年)改正での変更点もカバーします。
① 支払金額=額面の年収(手当・賞与込みの総額)。
② 給与所得控除後の金額=年収から「給与所得控除」(経費にあたる枠・令和7年分は65万〜195万円、令和8年分は74万〜195万円)を引いた金額[国税庁 No.1410]。
③ 所得控除の額の合計額=社会保険料・生命保険料・基礎控除など、人それぞれの事情で引ける控除の合計[国税庁]。
④ 源泉徴収税額=1年間に納めた所得税(復興特別所得税込み)の最終確定額。
ざっくり「(②−③)×税率≒④」の関係です。
4つの金額の意味と関係
| 欄 | 意味 | 使いどころ |
|---|---|---|
| ① 支払金額 | 給与・残業代・賞与・各種手当を含む額面の総額(年収)。通勤手当(非課税分)は含まない | ローン審査・賃貸契約などで聞かれる「年収」はこれ |
| ② 給与所得控除後の金額 | ①から給与所得控除を引いた「給与所得」。控除額は収入に応じ令和7年分は65万〜195万円、令和8年分は74万〜195万円[国税庁 No.1410] | 税計算のスタート地点 |
| ③ 所得控除の額の合計額 | 社会保険料控除・生命保険料控除・配偶者控除・扶養控除・基礎控除などの合計[国税庁 手引き] | 節税の効き具合がわかる |
| ④ 源泉徴収税額 | 年末調整後に確定した1年分の所得税+復興特別所得税 | 確定申告(還付)の基準になる |
計算の流れは「①支払金額 → ②給与所得 →(②−③)=課税所得 → 税率を掛けて④」。つまり②と③が大きいほど(=控除が多いほど)、④の税金は小さくなります。生命保険料控除やiDeCo、ふるさと納税(こちらは住民税中心)などの節税は、この③やその先に効いてきます。
2025年(令和7年)改正でここが変わった
令和7年度税制改正で、源泉徴収票の中身に直結する変更がありました[国税庁 改正特設]。
- 基礎控除の引き上げ:48万円 → 58万円に。さらに令和7年分は所得に応じた上乗せがあり最大95万円(令和8年分はさらに引き上げられ最大104万円)。
- 給与所得控除の最低保障額:55万円 → 65万円に引き上げ(令和8年分は74万円)。
- 特定親族特別控除の創設:大学生年代(19〜22歳)の子などの収入要件が緩和。
これにより、いわゆる「103万円の壁」は令和7年分で123万円〜160万円へ、令和8年分(2026年分)ではさらに136万円〜178万円へと動きました(178万円は給与所得控除の最低保障74万円と基礎控除104万円を足した金額です)。詳しくは103万円の壁から123万円の壁へで解説しています。
令和8年分(2027年1月に受け取る)源泉徴収票はここが変わる
結論を先に書きます。様式そのものは令和8年度改正では変わりません。国税庁の質疑応答にも「令和8年度税制改正に伴う『給与所得の源泉徴収票』の改正はありません」と明記されています[国税庁 質疑応答 問3-3]。変わるのは欄に入る金額と、会社が票を税務署に出す手続きです。
国税システムの更改にともない、令和8年8月以降、源泉徴収票を含むすべての法定調書の様式(税務署提出用)が変わりました[国税庁 手続案内]。更改日は令和8年9月24日で、書面の配色は原則白黒になり、申告書の控用はなくなります[国税庁 システム更改]。新しい様式は機械で読み取ります。そのため記載要領は「黒のボールペンで記載欄の枠からはみ出さないように記載してください」「金額を記載する欄には『¥』や『円』を記載しないでください」「『同上』や『〃』といった記載はせず、すべての内容を正確に記載してください」と指示しています[国税庁 記載要領]。手書きで票を作る会社の担当者は、ここが実務上の変更点です。
「特定親族特別控除の額」欄と「特親」の数
令和7年分から、源泉徴収票には「特定親族特別控除の額」という欄があります。年末調整をした人だけ、勤務先が控除した額が入ります[国税庁 手引 第2章]。あわせて「控除対象扶養親族等の数」の中に「特親」の欄があり、特定親族の人数が入ります[国税庁 記載要領]。
令和8年分の特定親族は、合計所得金額が62万円超123万円以下(給与だけなら136万円超197万円以下)の親族です[国税庁 あらまし]。合計所得が62万円以下の場合、または123万円を超える場合は、この控除は受けられません[国税庁 手引 第2章]。控除額は所得に応じて63万円から3万円までの9段階です。票の「区分」欄には、控除額に対応する次のコードが入ります。
| 特定親族の合計所得金額 | 特定親族特別控除の額 | 区分(居住者/非居住者) |
|---|---|---|
| 62万円超 85万円以下 | 63万円 | 10/11 |
| 85万円超 90万円以下 | 61万円 | 20/21 |
| 90万円超 95万円以下 | 51万円 | 30/31 |
| 95万円超 100万円以下 | 41万円 | 40/41 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 | 50/51 |
| 105万円超 110万円以下 | 21万円 | 60/61 |
| 110万円超 115万円以下 | 11万円 | 70/71 |
| 115万円超 120万円以下 | 6万円 | 80/81 |
| 120万円超 123万円以下 | 3万円 | 90/91 |
出典:令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 第2章[国税庁 手引 第2章]。表のいちばん上の「62万円超」は、令和8年11月30日以前に年末調整を行った場合などは「58万円超」と読み替える、と同手引に注記があります。
令和8年分の票で数字が動くところ
令和8年度改正で、基礎控除がさらに引き上げられ、給与所得控除の最低保障額も上がりました。改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます[国税庁 改正特設]。票の数字は次のように動きます。
| 項目 | 令和7年分 | 令和8年分 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 58万〜95万円 | 104万円/67万円/62万円の3段(合計所得2,350万円超は48万・32万・16万円) |
| 給与所得控除の最低保障額 | 65万円 | 74万円 |
| 「給与所得控除後の金額」(収入190万円以下) | 収入−65万円 | 収入−74万円 |
| 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件 | 58万円以下(給与123万円以下) | 62万円以下(給与136万円以下) |
| 特定親族の所得要件 | 58万円超123万円以下(給与123万円超188万円以下) | 62万円超123万円以下(給与136万円超197万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象配偶者 | 58万円超133万円以下(給与123万円超201万5,999円以下) | 62万円超133万円以下(給与136万円超207万円以下) |
| 勤労学生の所得要件 | 85万円以下(給与150万円以下) | 89万円以下(給与163万円以下) |
| ひとり親控除 | 35万円 | 35万円のまま(38万円は令和9年分から) |
出典:令和8年4月「源泉所得税の改正のあらまし」1〜5ページ[国税庁 あらまし]。
令和8年11月までの毎月の源泉徴収には改正の影響がありません。数字が動くのは令和8年12月の年末調整からです。なお、この改正で新たに扶養親族等の要件を満たすことになった親族がいる人は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が必要です[国税庁 あらまし]。勤務先から案内が来たら出しておきましょう。
令和9年1月から、会社は票を税務署に出さなくてよくなる
令和9年1月1日以後、市区町村に「給与支払報告書」を提出した場合は、税務署長に「給与所得の源泉徴収票」を提出したものとみなされます[国税庁 みなし提出 特設]。令和9年1月に提出する令和8年分の票が、その最初の年です[国税庁 質疑応答 問3-3]。
ただし本人への交付義務は変わりません。国税庁も「受給者へ交付する源泉徴収票は、引き続き、すべての受給者に対して作成・交付を行う必要があります」と書いています[国税庁 みなし提出 特設]。もらえないときに勤務先へ請求できる点は、これまでどおりです。
あわせて令和8年分から、税務署への提出範囲が給与支払報告書と同じ範囲に広がりました。対象は年の中途で退職した人に令和8年中に支払った給与が30万円以下の場合を除く、給与のすべてです[国税庁 手引 第2章]。
受給者に交付する源泉徴収票には、マイナンバーは記載されません[国税庁 手引 第2章]。自分の票に番号が載っていなくても不備ではありません。番号が入るのは、税務署や市区町村に提出する分だけです。
下段もチェック:社会保険料・扶養・住宅ローン
源泉徴収票が必要になる場面
| 場面 | ポイント |
|---|---|
| 副業の確定申告・医療費控除の申告 | 申告書の作成に数字を転記(添付は不要。e-Taxなら画面入力のみ) |
| 転職 | 前職の源泉徴収票を新しい勤務先に提出(年末調整の合算用)。転職・退職時の税金を参照 |
| 住宅ローン・賃貸・保育園 | 収入証明として提出(見るのは①支払金額) |
紛失したら勤務先(退職後でも発行義務あり)に再発行を依頼できます。
よくある質問
源泉徴収票の「年収」はどの欄ですか?
「支払金額」です。給与・残業代・賞与・各種手当を含む額面の総額で、ローン審査などで聞かれる年収もこの金額を指します(非課税の通勤手当は含みません)。
「給与所得控除後の金額」とは何ですか?
支払金額から、会社員の経費にあたる「給与所得控除」(令和7年分は65万〜195万円、令和8年分は74万〜195万円)を引いた金額で、「給与所得」と呼ばれます。ここから所得控除を引いた課税所得に税率を掛けて所得税が計算されます。
いつもらえますか?
年末調整が終わったあと、12月の給与明細と一緒か翌年1月ごろに勤務先から交付されます。退職時は退職後1か月以内に交付されることになっています。紛失時は再発行を依頼できます。
令和9年から会社が税務署に出さなくなると、源泉徴収票はもらえなくなりますか?
もらえます。令和9年1月1日以後は、市区町村に給与支払報告書を提出すれば税務署への源泉徴収票の提出は不要になりますが、本人(受給者)への交付は引き続きすべての受給者に対して必要です。交付されないときは勤務先に請求できます。
確定申告に源泉徴収票の添付は必要ですか?
不要です(2019年4月以降、添付義務は廃止)。ただし申告書の作成には記載内容(支払金額・源泉徴収税額・社会保険料など)を転記するため、手元に用意して作成します。
データの出典
- 給与所得控除(令和7年分は65万〜195万円):国税庁 No.1410 給与所得控除
- 「所得控除の額の合計額」欄の記載内容:国税庁 法定調書の作成と提出の手引
- 令和7年度改正(基礎控除58万〜95万円・給与所得控除の最低保障65万円・特定親族特別控除):国税庁 基礎控除の見直し等について
- 基礎控除:国税庁 No.1199 基礎控除
- 令和8年度改正(基礎控除104万/67万/62万円・給与所得控除の最低保障74万円・扶養親族等の所得要件):国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について/令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし(PDF)
- 令和8年分の源泉徴収票の様式変更なし・国税システム更改・みなし提出(問3-3):国税庁 令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)質疑応答(PDF)
- 新様式・記載要領(機械読み取り・黒のボールペン・特定親族特別控除の額・特親):国税庁 給与所得の源泉徴収票(同合計表)/記載要領(PDF)
- 区分コード・提出範囲・マイナンバーの不記載:国税庁 令和8年分 法定調書の作成と提出の手引 第2章(PDF)
- 令和9年1月以後のみなし提出:国税庁 源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ
※本記事は一般的な情報提供であり、税務上の助言ではありません。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。
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