源泉徴収票の見方|4つの金額の意味と手取り・税金の確認ポイント

源泉徴収票の見方|4つの金額の意味をやさしく解説
カテゴリ:会社員・給与

源泉徴収票は、1年間の給与と税金の「成績表」です。年末調整が終わる12月〜1月に勤務先から渡され、確定申告・住宅ローン審査・転職先への提出など、いろいろな場面で使います。ただ、数字が並んでいて「どれが年収?」「税金はいくら払った?」と迷いがち。この記事では、見るべき4つの金額の意味と関係を、国税庁の出典つきでわかりやすく解説します。2025年(令和7年)改正での変更点もカバーします。

見るのは4つの金額

支払金額=額面の年収(手当・賞与込みの総額)。
給与所得控除後の金額=年収から「給与所得控除」(経費にあたる枠・65万〜195万円)を引いた金額[国税庁 No.1410]
所得控除の額の合計額=社会保険料・生命保険料・基礎控除など、人それぞれの事情で引ける控除の合計[国税庁]
源泉徴収税額=1年間に納めた所得税(復興特別所得税込み)の最終確定額。
ざっくり「(②−③)×税率≒④」の関係です。

会社員・給与

4つの金額の意味と関係

意味使いどころ
① 支払金額給与・残業代・賞与・各種手当を含む額面の総額(年収)。通勤手当(非課税分)は含まないローン審査・賃貸契約などで聞かれる「年収」はこれ
② 給与所得控除後の金額①から給与所得控除を引いた「給与所得」。控除額は収入に応じ65万〜195万円(令和7年分以降)[国税庁 No.1410]税計算のスタート地点
③ 所得控除の額の合計額社会保険料控除・生命保険料控除・配偶者控除・扶養控除・基礎控除などの合計[国税庁 手引き]節税の効き具合がわかる
④ 源泉徴収税額年末調整後に確定した1年分の所得税+復興特別所得税確定申告(還付)の基準になる

計算の流れは「①支払金額 → ②給与所得 →(②−③)=課税所得 → 税率を掛けて④」。つまり②と③が大きいほど(=控除が多いほど)、④の税金は小さくなります。生命保険料控除iDeCoふるさと納税(こちらは住民税中心)などの節税は、この③やその先に効いてきます。

2025年(令和7年)改正でここが変わった

令和7年度税制改正で、源泉徴収票の中身に直結する変更がありました[国税庁 改正特設]

  • 基礎控除の引き上げ:48万円 → 58万円に。さらに令和7・8年分は所得に応じた上乗せがあり最大95万円。
  • 給与所得控除の最低保障額:55万円 → 65万円に引き上げ。
  • 特定親族特別控除の創設:大学生年代(19〜22歳)の子などの収入要件が緩和。

これにより、いわゆる「103万円の壁」は123万円〜160万円へと動きました。詳しくは103万円の壁から123万円の壁へで解説しています。

下段もチェック:社会保険料・扶養・住宅ローン

  • 社会保険料等の金額:給与から天引きされた健康保険・厚生年金・雇用保険の合計。全額が所得控除になっています。
  • 生命保険料・地震保険料の控除額:年末調整で申告した分。書き忘れたら確定申告で取り戻せます。
  • (源泉)控除対象配偶者・控除対象扶養親族配偶者控除扶養控除の適用状況。
  • 住宅借入金等特別控除の額住宅ローン控除(2年目以降は年末調整で適用)。

源泉徴収票が必要になる場面

場面ポイント
副業の確定申告医療費控除の申告申告書の作成に数字を転記(添付は不要。e-Taxなら画面入力のみ)
転職前職の源泉徴収票を新しい勤務先に提出(年末調整の合算用)。転職・退職時の税金を参照
住宅ローン・賃貸・保育園収入証明として提出(見るのは①支払金額)

紛失したら勤務先(退職後でも発行義務あり)に再発行を依頼できます。

よくある質問

源泉徴収票の「年収」はどの欄ですか?

「支払金額」です。給与・残業代・賞与・各種手当を含む額面の総額で、ローン審査などで聞かれる年収もこの金額を指します(非課税の通勤手当は含みません)。

「給与所得控除後の金額」とは何ですか?

支払金額から、会社員の経費にあたる「給与所得控除」(令和7年分以降は65万〜195万円)を引いた金額で、「給与所得」と呼ばれます。ここから所得控除を引いた課税所得に税率を掛けて所得税が計算されます。

いつもらえますか?

年末調整が終わったあと、12月の給与明細と一緒か翌年1月ごろに勤務先から交付されます。退職時は退職後1か月以内に交付されることになっています。紛失時は再発行を依頼できます。

確定申告に源泉徴収票の添付は必要ですか?

不要です(2019年4月以降、添付義務は廃止)。ただし申告書の作成には記載内容(支払金額・源泉徴収税額・社会保険料など)を転記するため、手元に用意して作成します。

データの出典

※本記事は一般的な情報提供であり、税務上の助言ではありません。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。