年金の扶養親族等申告書が届いたら|出す人・出さない人と出し忘れの取り戻し方

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この記事の更新情報

  • 公開。日本年金機構「令和9年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の案内、国税庁タックスアンサー(No.1600・No.1191・No.1180)をもとに作成
  • 扶養親族・配偶者の所得要件を令和8年分の62万円に更新(国税庁 No.1180)

毎年9月、日本年金機構から「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」が届きます。年末調整の扶養控除等申告書の年金版で、配偶者や扶養親族がいる人、障害者・寡婦・ひとり親に当たる人が出す書類です。出さないと、翌年の年金から引かれる所得税が控除なしで計算されて手取りが減ります。一方で、控除に当たるものが何もない人は出しても出さなくても同じです。誰が出すべきか、出さないと何円変わるか、出し忘れたらどう取り戻すかを、年金機構の案内で整理します。

結論:控除がある人は出す。ない人は出さなくてよい

あなたの状況申告書理由
配偶者の所得が62万円以下(令和8年分から。令和7年分は58万円)=給与なら136万円以下・年金なら65歳以上で172万円以下出す配偶者控除(38万円・70歳以上は48万円)が源泉徴収に反映される
扶養している親族がいる(同居の親、無収入の子など)出す扶養控除が反映される
本人か配偶者・扶養親族が障害者(障害者手帳・要介護で市区町村の認定など)出す障害者控除(27万〜75万円)が反映される
本人が寡婦・ひとり親出す寡婦控除27万円・ひとり親控除35万円が反映される
配偶者に上記を超える収入があり、扶養親族もいない出さなくてよい反映される控除がない。税率は変わらない
申告書が届いていない不要年金額が源泉徴収の対象に届かない人には送られない

年金機構は「各種控除に該当しない方は、提出の必要はありません」としています[日本年金機構]。以前は出さないと税率が高くなる制度でしたが、2020年分からは出しても出さなくても税率は5.105%で同じになり、違うのは控除が引かれるかどうかだけです。

届く人・届く時期:令和9年分は9月7日から順次

令和9年分の申告書は2026年9月7日から順次発送され、送られるのは年金から所得税が源泉徴収される人、または単身者の住民税の課税限度額以上の年金を受けている人です。年金額の目安は65歳未満で98万円以上、65歳以上で148万円以上(退職共済年金は70万円以上)とされています[日本年金機構]。

提出期限は申告書に印字されています(例年10月末ごろ)。年金機構は「期限に間に合わない場合でも、なるべく早くご提出を」としており、遅れても受け付けられますが、反映が翌年2月の支払いに間に合わないことがあります。

紙で出さなくてもよい

マイナポータルからの電子申請ができ、その場合は紙の提出は不要です。令和9年分から押印も不要になりました。紙で出す場合は同封の返信用封筒で郵送します。

出さないと何円多く引かれるか

年金の源泉徴収は「(年金の支払額 − 社会保険料 − 各種控除)× 5.105%」で計算されます。申告書を出さないと、この「各種控除」のうち配偶者控除・扶養控除・障害者控除などがゼロで計算されます(基礎控除相当は申告書がなくても引かれます)。

反映されない控除控除額(年)多く引かれる所得税(年)
配偶者控除(70歳未満)38万円約1万9,400円
配偶者控除(70歳以上)48万円約2万4,500円
扶養控除(一般)38万円約1万9,400円
障害者控除(一般)27万円約1万3,800円
特別障害者控除(同居)75万円約3万8,300円
ひとり親控除35万円約1万7,900円

※控除額 × 5.105% で計算。年金額が少なく、控除を引く前の段階で税額がゼロになる人は差が出ません。

年金220万円・配偶者を扶養している場合の源泉徴収(年額の目安)
申告書を出した 220万 − 社保 − 基礎控除相当 − 配偶者控除38万 所得税 約2.0万円 出さなかった 220万 − 社保 − 基礎控除相当(配偶者控除なし) 所得税 約3.9万円 差額 約1.9万円/年 → 出し忘れても確定申告(還付申告)で戻る 2か月ごとの年金振込では約3,200円ずつ手取りが減る計算
出典:日本年金機構の源泉徴収の計算方法(税率5.105%)をもとにした概算。社会保険料は年金から天引きされる介護保険料等を想定

出し忘れた・遅れた場合の取り戻し方

  1. 気づいた時点で提出する。期限後でも受け付けられ、提出後の支払いから控除が反映されます。すでに引かれた分は次の手順で取り戻します。
  2. 翌年に確定申告(還付申告)をする。年金の源泉徴収票(1月に届く)を使って申告すれば、引かれすぎた所得税が戻ります。年金400万円以下で他の所得が20万円以下の人は確定申告の義務がありませんが、還付を受けるための申告はいつでもできます[国税庁 No.1600]。5年間さかのぼれます。
  3. 住民税は市区町村へ。年金機構から市区町村へ送られるデータにも控除の情報が入らないため、確定申告をしないなら住民税の申告で控除を申告します。出し方は確定申告しない人の住民税申告を参照してください。

確定申告をすれば所得税も住民税も一度に直ります。医療費控除や生命保険料控除など、申告書に書けない控除がある人は、もともと確定申告で精算するのが確実です。年金の税金の全体は年金にかかる税金と確定申告を参照してください。

書くときに迷いやすいところ

  • 配偶者の所得の見積額——配偶者が年金だけなら、年金額から公的年金等控除を引いた額が所得です。65歳以上で年金172万円以下なら所得62万円以下となり、配偶者控除の対象です(令和8年分から。令和7年分は所得58万円・年金168万円)[国税庁 No.1180]。配偶者に給与があれば136万円以下が目安です[国税庁 No.1191]。控除の要件は配偶者控除ガイドで確認できます。
  • 配偶者特別控除は申告書に書けない——配偶者の所得が62万円を超え133万円以下(令和7年分は58万円超)の人は配偶者特別控除の対象ですが、年金の申告書では反映されません。確定申告で受けます。
  • 障害者控除の「要介護認定」——障害者手帳がなくても、要介護認定を受けている人は市区町村から「障害者控除対象者認定書」をもらえば障害者控除の対象です。認定書の申請は市区町村の介護保険の窓口です。詳しくはひとり親控除と障害者控除を参照してください。
  • 同居の親を扶養に入れる——親の所得が62万円以下(令和8年分から。令和7年分は58万円)=年金だけなら65歳以上で172万円以下で、生計を一にしていれば扶養親族です。70歳以上の同居の親は58万円の老人扶養控除になります。要件は扶養控除の完全ガイドを参照してください。
  • 去年と同じ内容——前年に提出した人には、前年の内容が印字された申告書が届きます。変わりがなければ確認して署名し、変わった箇所だけ訂正します。

今日やること

  1. 届いた封筒を開けて、配偶者・扶養親族・障害者・寡婦・ひとり親のどれかに当たるかを確認する。ひとつでも当たれば出す。
  2. 去年の内容が印字されていれば、配偶者の所得の見積額だけ見直す。配偶者が働き始めた・年金が増えた場合は要注意。
  3. 出し忘れに気づいた人は、年金の源泉徴収票が届く1月を待って還付申告の準備をする。

よくある質問

扶養親族等申告書が届きません。出さなくてよいのですか?

はい。申告書は年金から所得税が源泉徴収される人と、単身者の住民税の課税限度額以上の年金を受けている人にしか送られません。年金額がその基準に届かない人には送られず、提出の必要もありません。

控除に当たるものがないのに出してしまいました。問題はありますか?

問題ありません。控除がなければ源泉徴収の計算は出さなかった場合と同じで、税率も5.105%のまま変わりません。

期限を過ぎてから出しました。前の分はどうなりますか?

提出後の支払いから控除が反映されます。すでに控除なしで引かれた分は、翌年に年金の源泉徴収票を使って確定申告(還付申告)をすれば戻ります。還付申告は翌年1月1日から5年間できます。

夫婦とも年金受給者です。2人とも申告書を出すのですか?

配偶者控除は一方が他方を扶養する形で受けるものなので、通常は年金の多いほうが配偶者を記載して提出し、もう一方は扶養親族などがなければ提出不要です。それぞれに扶養親族や障害者控除があるなら、それぞれ提出します。

参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。年金額の基準や様式は年分ごとに変わるため、届いた案内をご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。源泉徴収額の試算は概算です。個別の判断は年金事務所・税務署・税理士にご確認ください。

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公開日:2026年09月24日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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