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- 公開。国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」「電算機計算の特例」「源泉所得税の改正のあらまし」、タックスアンサー No.2511・No.1175・No.2582・No.2665・No.2030、総務省「令和8年度地方税制改正について」をもとに作成
アルバイトの給料から所得税が引かれ始めるのは、月10万5,000円からです。社会保険料を引いたあとのその月の給与が10万4,999円までなら、天引きは0円です。令和7年分までの8万8,000円から1万7,000円上がりました。条件は、勤務先に扶養控除等申告書を出していること。引かれた場合も、年収178万円以下なら12月の年末調整で全額戻ります。
結論:社会保険料を引いた月給が10万5,000円以上で引かれ始める
令和8年1月から国税庁の源泉徴収税額表が変わりました。月額表の甲欄・扶養親族等0人で0円になる上限は10万5,000円未満です[国税庁 令和8年分 月額表]。
表に当てはめるのは、社会保険料を引いたあとのその月の給与です。通勤手当は入れません。申告書を出した勤務先は「甲欄」、出していなければ「乙欄」です。
| その月の給与(社保を引いた後) | 甲欄 扶養0人 | 甲欄 扶養1人 | 乙欄 |
|---|---|---|---|
| 10万5,000円未満 | 0円 | 0円 | 給与の3.063% |
| 10万5,000〜10万7,000円 | 170円 | 0円 | 3,800円 |
| 11万9,000〜12万1,000円 | 890円 | 0円 | 4,300円 |
| 12万9,000〜13万1,000円 | 1,400円 | 0円 | 5,300円 |
| 13万5,000〜13万7,000円 | 1,710円 | 0円(ここまで) | 6,100円 |
出典:国税庁「令和8年分」月額表。刻みは2,000円単位。
10万5,000円の根拠は給与所得控除5万4,167円+基礎控除4万8,334円
根拠は税額表に付いている「電算機計算の特例」です。月給15万8,333円までなら給与所得控除5万4,167円、基礎控除4万8,334円と決まっています[国税庁 電算機計算の特例]。
- 5万4,167円 + 4万8,334円 = 10万2,501円(課税部分がゼロで済む月給)
- 年額なら 給与所得控除65万円 + 基礎控除58万円 = 123万円 ÷ 12 = 10万2,500円
- 表の刻みは2,000円なので、10万5,000円未満が0円になる
※国税庁の計算例ではなく、本サイトが表の数値を当てはめたものです。
同じ月給でも、令和7年分より毎月最大860円減った
働き方が同じでも、天引きは令和8年1月から下がりました。月10万円は720円が0円に、月12万円は1,750円が890円になります。
| その月の給与 | 令和7年分 | 令和8年分 | 差 |
|---|---|---|---|
| 9万円 | 230円 | 0円 | −230円 |
| 10万円 | 720円 | 0円 | −720円 |
| 12万円 | 1,750円 | 890円 | −860円 |
| 0円で済む上限 | 8万8,000円未満 | 10万5,000円未満 | +1万7,000円 |
令和8年は毎月と年末で基準が違う——年収178万円以下なら全額戻る
ここが令和8年だけの特殊な点です。国税庁は「令和8年11月までの源泉徴収事務に変更は生じません」と明記しています[国税庁 改正のあらまし]。毎月の天引きは、年123万円を前提にした表のままです。
一方、12月の年末調整は引上げ後の金額で計算し直します。給与所得控除の最低保障は74万円、基礎控除は104万円。合わせて178万円です。年収がこれ以下なら年税額は0円で、引かれた分は12月の給与で戻ります。
- 毎月の天引き 1,400円 × 12か月 = 1万6,800円
- 年収 13万円 × 12か月 = 156万円
- 156万円 − 給与所得控除74万円 = 82万円 → 基礎控除104万円で課税所得は0円
- 年間の所得税は0円 → 1万6,800円が全額還付
※改正のあらましの控除額を当てはめた試算です。実際の還付額は社会保険料控除などで変わります。
年収178万円以下の人にとって、毎月の天引きは手取りが一時的に減るだけの立替えです。
申告書を出さないと乙欄——月5万円でも約1,530円引かれる
甲欄か乙欄かは、扶養控除等申告書を出したかだけで決まります[国税庁 No.2511]。この申告書は、勤め先が2か所以上あっても1か所にしか出せません[国税庁 扶養控除等の申告]。掛け持ちの2か所目は自動的に乙欄です。
甲欄(申告書を出した1か所)
- 月10万5,000円未満なら天引きは0円
- 扶養親族等の数だけ0円の上限が上がる
- 年末まで働けば12月に精算される
乙欄(申告書を出していない勤務先)
- 10万5,000円未満でも給与の3.063%が引かれる
- それ以上は表の実額で、甲欄より高い
- 年末調整がなく、精算は確定申告
掛け持ちの2か所目で見てみます。
- 5万円 × 3.063% = 約1,530円/月(甲欄なら0円)
- 1年で約1万8,300円。年末調整がないので確定申告をしないと戻らない
※乙欄の端数処理は確認できていないため概数です。
申告書は給与が多いほうに出します。書き方は扶養控除等申告書の書き方にまとめています。
勤労学生にチェックを入れると、0円の上限が13万7,000円に上がる
税額表の使い方には、本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生なら扶養親族等の数に1人を加算すると書かれています[国税庁 税額表の使い方]。学生が申告書の勤労学生欄に記入すると、甲欄1人の列を見ることになります。
その結果、0円で済む上限は13万7,000円未満に上がります。月13万円なら毎月1,400円の天引きがゼロです。紙1枚で手取りが変わる、数少ない例です。
勤労学生控除が使えるのは、令和8年分は給与で年163万円以下の人です[国税庁 No.1175]。ただしこの引上げの施行は令和8年12月1日です。
1月から11月の源泉徴収事務は改正前の基準(給与150万円以下)で動きます。年163万円に近い人は申告を断られることがあります。
賞与は前月8万2,000円、日雇いは1日9,800円、通勤手当は数えない
月給の10万5,000円とは別の数字が場面ごとにあります。混同すると「0円のはずなのに」と感じます。
| 場面 | 0円で済む境目 | 注意点 |
|---|---|---|
| 毎月の給与(月額表・甲欄0人) | 10万5,000円未満 | 社保を引いたあとの金額で見る |
| 賞与・寸志(甲欄0人) | 前月の給与が8万2,000円未満なら0.000% | 8万2,000〜9万4,000円は2.042% |
| 日雇い(日額表・丙欄) | 1日9,800円未満 | 同じ勤務先で2か月を超えると使えない |
| 通勤手当 | 月15万円まで非課税 | 税額表にも年収の判定にも入れない |
出典:国税庁「令和8年分 賞与の算出率の表」[国税庁]、日額表[国税庁][国税庁 No.2582]。
交通費込みで月11万円でも、時給分が10万円なら表に当てはめるのは10万円です。日雇いが2か月目の終わりに急に引かれ始めるのも、丙欄が使えなくなるためです。
所得税が0円でも、年119万円を超えると翌年6月から住民税が来る
住民税は別の基準です。総務省の資料では、給与所得控除の最低保障が74万円になるのは令和9年度分からです[総務省 令和8年度地方税制改正]。単身者の非課税ラインは110万円から119万円になります。
令和8年の収入が119万円を超えると、翌年6月から住民税がかかります[東京都主税局]。所得税の178万円とは60万円近い開きがあります。月13万円のバイトは所得税が全額戻っても住民税は払います。
令和8年度分(令和7年の所得)の非課税ラインは1級地で110万円[大阪市]、柏市など2級地は106万5,000円です[柏市]。令和9年度分の自治体の案内はまだ出ていません。来かたは新卒2年目の住民税で解説しています。
親の扶養に入る学生には別の上限もあります。税の扶養は136万円、大学生年代の特定親族特別控除は159万円まで満額です。詳しくは学生バイトと親の扶養にまとめています。
引かれた分を取り戻す道は3つ——12月・退職時・5年以内の還付申告
天引きは仮の金額です。多く払っていれば次の3つのどれかで戻ります。
- 12月まで働く人は年末調整。年の途中で就職しても年末まで勤務していれば対象です[国税庁 No.2665]。12月の給与で精算されます。
- 年内に辞めた人は退職時の年末調整。退職の時点で本年中の給与の総額が136万円以下で、ほかに勤め先の予定がなければ対象です[国税庁 No.2665]。従来の103万円から上がりました。
- それ以外は還付申告。翌年1月1日から5年間できます[国税庁 No.2030]。令和8年分なら2032年12月31日まで。掛け持ちの乙欄分もここで精算します。
ただし源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円なら戻るお金はありません[国税庁 No.2030]。年の途中で辞めて働いていない場合は無職のときの確定申告に手順があります。
今日やることは2つ。給与明細の「所得税」欄を見て、0円でなければ申告書を出したか勤務先に確認する。学生なら勤労学生欄が空欄でないかも見てください。
まとめ
- アルバイトの所得税は、社会保険料を引いた月給10万5,000円から引かれ始める。令和7年分までの8万8,000円から1万7,000円上がった
- 条件は勤務先に扶養控除等申告書を出していること。出していない2か所目は乙欄で、月5万円でも約1,530円引かれる
- 勤労学生の欄に記入すると0円の上限は13万7,000円に上がる
- 引かれても年収178万円以下なら12月の年末調整で全額戻る。途中退職や掛け持ち分は5年以内の還付申告で
- 住民税は別の基準。令和8年の収入が119万円を超えると翌年6月から住民税がかかる
参考リンク(出典)
- 国税庁 令和8年分 源泉徴収税額表——月額表・日額表・賞与の率の表
- 国税庁 電算機計算の特例——0円の上限の根拠
- 国税庁 源泉所得税の改正のあらまし——74万円・104万円
- 国税庁 No.2511 税額表の種類と使い方——甲・乙・丙欄
- 国税庁 No.1175 勤労学生控除——27万円と所得要件
- 国税庁 No.2582 通勤手当——月15万円まで非課税
- 国税庁 No.2665 年末調整の対象となる人——年の中途の扱い
- 国税庁 No.2030 還付申告——翌年から5年間
- 総務省 令和8年度地方税制改正について——令和9年度分は119万円
※試算は国税庁の税額表と改正資料を本サイトが当てはめたものです。令和9年度分の住民税は総務省の改正資料によります。
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