ひとり親控除・寡婦控除・障害者控除・勤労学生控除まとめ|金額と要件

見落としやすい4つの控除|ひとり親・寡婦・障害者・勤労学生

医療費控除やふるさと納税に比べて知名度が低く、「対象なのに使っていない」人が多い4つの所得控除、ひとり親控除・寡婦控除・障害者控除・勤労学生控除。とくに障害者控除は「家族の分」も対象になり、要介護認定の親が「障害者控除対象者認定」を受けられることはほとんど知られていません。2025年(令和7年)改正後の最新の金額・要件を1本で整理します。

控除額の早見表

ひとり親控除:35万円。婚姻歴・性別を問わず、生計を一にする子(所得58万円以下)がいて本人所得500万円以下[国税庁 No.1171]
寡婦控除:27万円。夫と離婚・死別した女性(子以外の扶養親族がいる等・所得500万円以下)。
障害者控除:27万円/特別障害者40万円/同居特別障害者75万円。本人だけでなく配偶者・扶養親族の分も[国税庁 No.1160]
勤労学生控除:27万円。働く学生で合計所得85万円以下(給与のみなら年収150万円以下・令和7年改正)[国税庁 No.1175]
いずれも年末調整の用紙にチェックするだけで適用でき、出し忘れは確定申告(5年以内)で取り戻せます。

控除・節税

ひとり親控除(35万円)と寡婦控除(27万円)

ひとり親控除寡婦控除
控除額35万円(住民税30万円)27万円(住民税26万円)
対象現に婚姻していない人(未婚の母・父もOK/男女問わず離婚(扶養親族あり)または死別した女性で、ひとり親に当てはまらない人
子・扶養の要件生計を一にする子(総所得等58万円以下・令和7年改正で48万→58万)[国税庁]離婚の場合は扶養親族(子以外も可)が必要。死別は不要
本人の所得合計所得500万円以下(給与のみなら年収約677万円以下)
その他事実婚(住民票に未届の夫・妻の記載)がある場合は対象外

両方に当てはまる場合は有利なひとり親控除(35万円)を適用します。シングルマザー・ファザーで年末調整に書いていない人は意外と多く、5年分さかのぼると十数万円戻るケースもあります。

障害者控除(27万〜75万円)|家族の分も対象

区分控除額(所得税)対象の例
障害者27万円身体障害者手帳3〜6級、精神障害者保健福祉手帳2・3級、療育手帳B など
特別障害者40万円身体1・2級、精神1級、療育A、寝たきりで複雑な介護が必要な人 など
同居特別障害者75万円特別障害者である配偶者・扶養親族と同居している場合
  • 本人だけでなく、同一生計配偶者・扶養親族が障害者の場合も控除できます[国税庁 No.1160]。16歳未満の子の分も対象(扶養控除はなくても障害者控除は使える)。
  • 手帳がなくても:65歳以上で要介護認定を受けている親などは、市区町村から「障害者控除対象者認定書」の交付を受ければ対象になり得ます。介護中の家庭は必ず市区町村に確認を。
  • 仕送りしている別居の親も「生計を一」なら対象(扶養控除とセットで適用可)。

勤労学生控除(27万円)

  • 要件:働いている学生で、合計所得85万円以下(令和7年改正で75万→85万)かつ給与以外の所得が10万円以下[国税庁 No.1175]。給与のみなら年収150万円以下が目安(給与所得控除65万円+85万円)。
  • ただし2025年改正で基礎控除が拡大し、給与160万円以下なら勤労学生控除を使わなくても所得税はゼロになるため、所得税での出番は減りました。住民税側ではなお有効な場面があります。
  • 注意:学生本人の控除であり、親の扶養(特定親族特別控除等)とは別の話です。学生がこの控除を使っても、収入が増えれば親側の控除や健康保険の扶養(150万円基準)に影響します(年収の壁の全体像)。

受け方(年末調整・確定申告)

いずれも「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の該当欄にチェック・記入するだけで年末調整で適用されます。書き忘れた場合・過去の分は、確定申告(還付申告・5年以内)で取り戻せます。適用されたかは源泉徴収票の「ひとり親」「障害者」等の欄で確認できます。

よくある質問

未婚のシングルマザーでも控除はありますか?

あります。2020年創設のひとり親控除(35万円)は婚姻歴を問いません。生計を一にする子(所得58万円以下)がいて、本人の合計所得が500万円以下、事実婚でないことが要件です。

要介護の親がいます。障害者手帳がなくても控除できますか?

可能性があります。65歳以上で要介護認定などを受けている場合、市区町村が「障害者控除対象者認定書」を交付すれば、障害者控除(27万円)や特別障害者控除(40万円・同居なら75万円)の対象になります。お住まいの市区町村の介護・福祉窓口に申請してください。

寡婦控除とひとり親控除はどちらを使えばいいですか?

両方の要件を満たす場合はひとり親控除(35万円)が優先で有利です。寡婦控除(27万円)は、子以外の扶養親族がいる離婚女性や、扶養親族のいない死別女性など、ひとり親控除に当てはまらない場合の控除です。

過去の分を申告し忘れていました。

還付申告は5年以内ならさかのぼれます。たとえばひとり親控除(35万円)を5年分なら、税率10%の人で所得税・住民税あわせて30万円以上戻る計算になることもあります。確定申告書を年分ごとに提出してください。

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データの出典

※本記事は一般的な情報提供であり、税務上の助言ではありません。障害者控除対象者認定の基準は市区町村により異なります。個別の適用は税務署・市区町村にご確認ください。