2026年10月から変わるお金7つ|106万円の壁撤廃・最低賃金・酒税

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  • 公開。日本年金機構・厚生労働省・国税庁・総務省の公表資料をもとに、2026年10月1日施行の制度を横断でまとめた

最終更新:2026年9月19日/厚生労働省・日本年金機構・国税庁・総務省の公表資料をもとに、2026年10月1日に施行される制度をまとめています。金額や施行日は一次情報で確認していますが、お住まいの地域や勤務先によって扱いが変わるものもあります。

あと10日ほど

2026年10月1日は、ここ数年でいちばん多くの制度が同時に動く日です。パートの社会保険加入の基準が変わり、最低賃金が上がり、お酒の税金が動き、消費税の経過措置が下がり、ふるさと納税の返礼品の基準が厳しくなります。しかも多くの会社では、10月に支給される給与から天引きされる社会保険料そのものも変わります。手取りが動く方向は人によって逆です。まず自分がどれに当たるかを確かめてください。

10月1日に変わるもの——早見表

変わるもの誰に効くか手取り・支出への向き
社会保険の賃金要件(106万円の壁)の撤廃週20時間以上・従業員51人以上の勤務先で働くパート天引きが増え、将来の年金と保障が増える
最低賃金の引き上げの発効時給で働くすべての人額面が増える(発効日は10月1日〜12月2日)
社会保険料の定時決定の反映会社員・パート全般4〜6月の給与次第で増減する
保険料調整制度の開始従業員50人以下の勤務先で新たに加入する人本人負担が軽くなる(最大3年)
酒税の改正お酒を買う人ビールは下がり、チューハイ・発泡酒は上がる
インボイス経過措置が8割→7割免税事業者に発注している事業者納める消費税が増える
ふるさと納税の返礼品基準の厳格化ふるさと納税をする人選べる返礼品が減る(手続きは変わらない)
2026年10月1日——手取りと支出はどちらに動くか プラスに働く マイナスに働く 最低賃金の引き上げ 全国加重平均 1,177円(+56円) ビールの酒税が下がる 350ml缶 63.35円 → 54.25円 保険料調整制度がはじまる 50人以下の勤務先・最大3年 社会保険の加入対象が広がる 月8.8万円の要件が撤廃 チューハイ・発泡酒の増税 350ml缶 +7円/+7.26円 インボイス経過措置 8割→7割 免税事業者に払う側の納税増 ふるさと納税の返礼品が減る ※ 社会保険料の定時決定の反映は、4〜6月の給与によって増減どちらにもなります
2026年10月1日に施行される主な制度と、家計への向き

1社会保険の「106万円の壁」が消える

短時間労働者が健康保険・厚生年金に加入する要件のうち、賃金要件(月額8.8万円以上=年収106万円相当)が2026年10月に撤廃されます。年収に関係なく、週の所定労働時間が20時間以上であれば原則として加入対象です。従業員51人以上の勤務先という企業規模要件、2か月を超える雇用の見込み、学生でないことという要件は残ります。

「106万円の壁」から「週20時間の壁」へ、と言い換えられています。撤廃の理由は、最低賃金が上がったことで、週20時間働けば自動的に月8.8万円を超えるようになり、賃金要件が意味を失ったためです。厚生労働省は「時給1,016円以上になれば週20時間で月8.8万円に届く」と説明しています。つまり働く時間を調整しないかぎり、収入を抑えても加入は避けられなくなります。

加入すれば天引きは増えますが、受け取る側も増えます。将来の老齢厚生年金、病気やけがで働けないときの傷病手当金、出産手当金、障害厚生年金——いずれも国民健康保険や国民年金にはない保障です。損得は一年の手取りだけでは決まりません。判断の材料は最低賃金の引き上げと106万円の壁の撤廃と106万円と130万円の壁で、時給と週の労働時間から試算できるようにしてあります。

なお、配偶者の扶養に入っている人にとっての130万円の壁(健康保険の被扶養者の基準)は今回そのまま残ります。週20時間未満で働いている人は、引き続き130万円が基準です。扶養の条件は健康保険の扶養にまとめています。

2最低賃金の引き上げが順次発効する

2026年度の最低賃金は、全国加重平均で1,177円(前年度から56円の引き上げ)。9月3日に47都道府県すべての答申が出そろい、発効日は10月1日から12月2日までと地域によって分かれています。10月1日に一斉に上がるわけではありません。

発効日をまたぐ月の給与計算に注意してください。月の途中で最低賃金が変わる場合、発効日より前の労働時間には旧額、後の時間には新額が適用されます。給与明細で時給が切り替わっているか、発効日の翌月の明細で確認しておくと安心です。都道府県別の発効日は最低賃金と106万円の壁のダブル改正に一覧があります。

310月の給与から、社会保険料そのものが変わる

これは法改正ではありませんが、毎年10月にいちばん多くの人の手取りが動く理由です。健康保険料と厚生年金保険料の計算のもとになる標準報酬月額は、4月・5月・6月に支払われた給与の平均で決め直されます(定時決定)。新しい標準報酬月額は9月分の保険料から適用され、保険料を翌月の給与から天引きする会社では10月に支給される給与から金額が変わります。

確認する場所

勤務先から配られる「標準報酬決定通知書」(健康保険・厚生年金保険 被保険者標準報酬決定通知書)か、10月支給の給与明細の健康保険料・厚生年金保険料の欄。前月の明細と並べて見比べるのが確実です。

4〜6月に残業が集中した人は、その後どれだけ残業が減っても、1年間その等級の保険料を払い続けます。逆に4〜6月がたまたま少なかった人は1年間安くなります。額面が同じでも人によって手取りの動きが逆になるのはこのためです。給与明細の読み方は源泉徴収票の見方、住民税の決まり方は住民税の仕組みと計算で扱っています。

4保険料調整制度がはじまる

適用拡大で新たに社会保険に加入する人のうち、従業員50人以下の勤務先を対象に、本人負担を軽くする仕組みが2026年10月1日から始まります。労使が合意すれば、本人の負担割合を下げて、そのぶんを事業主が負担する形にできます。期間は最大3年です。

会社任せではなく、勤務先が使うかどうかを労使で決める制度である点が特徴です。対象になりそうな人は、勤務先に導入の予定があるかを聞いてみてください。仕組みと申請の流れは保険料調整制度にまとめています。

5お酒の税金が動く——ビールは下がり、チューハイは上がる

2026年10月1日は、2020年から3段階で進めてきた酒税一本化の最終段階です。350ml缶あたりの酒税は次のように変わります。

種類改正前改正後差
ビール63.35円54.25円9.10円の減税
発泡酒・新ジャンル46.99円54.25円7.26円の増税
チューハイ・サワー・缶ハイボール28円35円7.00円の増税

ビールと発泡酒・新ジャンルの税額差はここでゼロになります。「安いから第三のビール」という選び方の根拠が、税制の面では消えるということです。チューハイは増税後も35円で、ビール系より約19円低い水準が残ります。詳しくはビール類の酒税改正2026とチューハイとハイボールの増税で。

買いだめはあまり効きません。酒税は出荷の段階でかかるため、小売価格への反映は在庫の入れ替わりに合わせて段階的に進みます。改正日の前後で棚の値札が一斉に変わるわけではなく、税額の差だけがそのまま値上がり幅になるとも限りません。

6インボイスの経過措置が8割から7割へ

免税事業者やインボイス未登録の相手に支払ったぶんの消費税は、これまで8割を控除できました。10月1日以後の仕入れからは7割になります。当初の予定(いきなり5割)よりは緩和され、終了時期も2031年9月まで2年延長されました。

影響を受けるのは払う側です。支払額は変わらないのに納める消費税が増えるため、税込110万円の支払につきおよそ1万円の負担増になります。同時に、同じ相手への課税仕入れが年1億円を超えると経過措置を使えないという上限も新設されました(改正前は10億円)。会計ソフトの税区分と帳簿の記載を確認しておくところまで含めて、インボイス経過措置が7割になる話にまとめています。

7ふるさと納税の返礼品基準が厳しくなる

総務省がふるさと納税の対象自治体を指定する期間は毎年10月に切り替わります。2026年10月1日からの指定では、返礼品の基準が二方向で厳しくなります。

  • 付加価値基準の算出方法が明確化される。製造・加工品は「価値の過半が区域内で生じた」ことを製造者が証明し、自治体が提供開始日までにその内容を一覧で公表する必要があります。付加価値割合は原則として価格に基づいて算出します。
  • 広報目的のグッズの基準が厳しくなる。自治体名が入っているだけの区域外製造品は外れ、実際に自治体が広報として配布・販売した実績と計画があり、その数量の範囲内であることが求められます。

寄付する側の手続きは変わりませんが、選べる返礼品のラインナップは確実に減ります。9月中に確かめておきたいことはふるさと納税2026年10月改正に、制度の基本はふるさと納税完全ガイドにまとめています。

お金以外にも——カスハラ対策が事業主の義務になる

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策と、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が、事業主の義務になります(改正労働施策総合推進法・令和7年6月11日公布)。

事業主には、顧客等からの著しい迷惑行為に対して毅然と対応し労働者を守る方針の明確化と周知、相談窓口の設置と周知、相談があったときの迅速な事実確認、被害者への配慮と再発防止措置が求められます。「お客様だから我慢してください」が通らなくなる、という変化です。働く側にとっては、相談窓口がどこにあるかを確認しておく価値があります。

立場別——自分に効くのはどれか

会社員(フルタイム)

効くのは③の社会保険料の定時決定と、⑤のお酒、⑦のふるさと納税。10月支給の給与明細で健康保険料・厚生年金保険料の欄を前月と見比べてください。ふるさと納税の申し込みは、返礼品の選択肢が減る前に済ませるほうが選べます。

パート・アルバイト

いちばん大きいのは①。週20時間以上で従業員51人以上の勤務先なら、年収に関係なく加入対象になります。②の最低賃金の引き上げで、時間を変えなくても週20時間の壁に届くケースがあります。勤務先が50人以下なら④の保険料調整制度の対象になる可能性があります。

個人事業主・フリーランス

⑥が直撃します。免税事業者に外注しているなら10月から納税が増えます。逆に自分が免税事業者なら、取引先から値下げを求められる場面が出てきます。一方的な通告は独占禁止法や取適法(2026年1月施行)の問題になり得ます。

経営者・人事労務

①②④⑥に加えて、カスハラ対策の義務化への対応が必要です。10月1日時点で方針の明確化と相談窓口の周知が求められるため、就業規則や社内掲示の見直しが間に合うかを確認してください。

今日やること

  1. 自分または家族の週の所定労働時間が20時間以上かを雇用契約書で確認する。勤務先の従業員数(51人以上かどうか)もあわせて確認します。
  2. 10月に支給される給与明細を、9月の明細と並べて保管する。社会保険料の欄が変わっていれば定時決定の反映です。
  3. ふるさと納税をする予定があるなら、ほしい返礼品が9月中にあるかを見ておく。10月以降は基準が変わります。
  4. 事業をしているなら、インボイス未登録の支払先を洗い出す。年間支払額の消費税相当額の1割が、おおよその負担増です。

手取りを増やす具体策は手取りアップ・アクションリストにまとめています。

よくある質問

106万円の壁が撤廃されると、年収を抑える意味はなくなりますか。

社会保険の加入という意味では、週20時間以上働くかどうかが基準になるため、収入を抑えても加入は避けられません。ただし配偶者の健康保険の被扶養者でいられるかどうかの130万円の基準は残るため、週20時間未満で働く人にとっては引き続き収入の水準が問題になります。税金の側の基準(配偶者控除・扶養控除)も別に残ります。

最低賃金は10月1日に全国一斉に上がるのですか。

いいえ。2026年度の発効日は10月1日から12月2日まで都道府県ごとに分かれています。全国加重平均は1,177円で前年度から56円の引き上げですが、実際に適用される日と金額は勤務地の都道府県によって違います。発効日をまたぐ月は、日で区切って旧額と新額を適用します。

10月の給与で手取りが減りました。制度改正のせいですか。

社会保険料の定時決定による改定の可能性が高いです。4月から6月に支払われた給与の平均で標準報酬月額が決め直され、9月分の保険料から適用されます。多くの会社では翌月控除なので、10月に支給される給与から天引き額が変わります。4〜6月に残業が多かった場合は等級が上がり、1年間その保険料が続きます。

ふるさと納税は9月中に駆け込んだほうがよいのですか。

手続きや控除の仕組みは10月以降も変わりません。変わるのは自治体側の基準で、返礼品として認められる範囲が狭くなります。とくに区域外で製造された広報目的のグッズや、区域内で生じた価値の証明が難しい加工品は、10月以降に姿を消す可能性があります。ねらっている返礼品がある場合だけ、9月中に確認する価値があります。

参考リンク(出典)

本記事は2026年9月19日時点の公表資料に基づく一般的な情報提供です。個別の加入判定・税額の判断は、勤務先の担当部署、年金事務所、税務署または専門家にご確認ください。

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公開日:2026年09月22日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項