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- 3割特例を「検討中」から「成立・施行済み(個人の令和9・10年分/法人は対象外)」に訂正し、2割特例利用者の簡易課税の届出期限の特例(翌課税期間の確定申告期限まで)を追記(国税庁 Q&A 問114-2・問117・問117-3、財務省 令和8年度改正)
消費税を納める課税事業者には、納税額の計算方法が「本則課税(原則課税)」と「簡易課税」の2通りあります。どちらを選ぶかで納税額が大きく変わり、業種によって有利・不利がはっきり分かれます。さらにインボイス制度をきっかけに課税事業者になった人向けの「2割特例」が2026年9月で終了するため、その後どちらを選ぶかの判断も重要です。この記事では、2つの計算方法の違い・みなし仕入率・選び方・届出期限を整理します。
2つの計算方法の違い
実際に支払った経費の消費税をすべて差し引く方式。インボイスの保存など正確な記帳が必要。
経費の消費税を実額で計算せず、業種ごとの「みなし仕入率」で概算。基準期間(2年前)の課税売上が5,000万円以下の事業者が、事前の届出で選択できる[国税庁 No.6505]。
・簡易課税:100万円 −(100万円 × 50%)= 50万円を納付
・本則課税(経費の消費税が実際30万円なら):100万円 − 30万円 = 70万円を納付
→ この例では簡易課税が20万円お得。逆に経費の消費税が60万円かかる業種なら本則(40万円)が得になります。実際の課税仕入がみなし仕入率を下回るほど簡易が有利、という関係です。
みなし仕入率(簡易課税の業種区分)
| 事業区分 | 主な業種 | みなし仕入率 |
|---|---|---|
| 第1種 | 卸売業 | 90% |
| 第2種 | 小売業・農林漁業(飲食料品) | 80% |
| 第3種 | 製造業・建設業・農林漁業 | 70% |
| 第4種 | 飲食店業など(他に区分されない事業) | 60% |
| 第5種 | サービス業・運輸通信業・金融保険業 | 50% |
| 第6種 | 不動産業 | 40% |
※みなし仕入率が高い(=差し引ける割合が大きい)ほど納税額は小さくなります[国税庁 No.6509]。
どちらが有利?(簡単な目安)
簡易課税が有利になりやすい
- サービス業など経費(課税仕入)が少ない業種
- みなし仕入率より実際の仕入割合が低い
- 記帳の手間を抑えたい
本則課税が有利になりやすい
- 設備投資・大きな仕入がある年
- 赤字や、消費税の還付が見込める
- 実際の仕入割合がみなし仕入率より高い
簡易課税は「売上の消費税」を起点に概算するため、大きな設備投資をしても消費税の還付は発生しません。高額な投資を予定する年は本則課税が有利なことがあります。
インボイスの「2割特例」は2026年9月で終了
インボイス制度をきっかけに免税事業者から課税事業者になった人は、当面は2割特例(納付額=売上の消費税×20%)を使えます。ただしこの特例は令和8年(2026年)9月30日を含む課税期間までで終了します[国税庁 2割特例]。
2026年10月以降は本則課税か簡易課税のいずれかを選ぶことになります。ただし個人事業主には「3割特例」という踊り場があります。これは検討中の案ではありません。令和8年度税制改正で創設され、すでに成立・施行済みです[国税庁 インボイスQ&A 問114-2]。
3割特例は個人事業主の令和9年分・令和10年分が対象で、納付税額を売上税額の30%にできます。届出は不要で、確定申告書に適用を受ける旨を付記するだけです[国税庁 インボイスQ&A 問114-2]。法人は対象外です[財務省 令和8年度改正の大綱の概要]。
終了後の選び方はインボイス2割特例はいつまで?で整理しています。インボイス制度全体は インボイス制度と免税事業者 を参照してください。
届出の期限に注意(2割特例を使った人には特例がある)
簡易課税を選ぶ・やめるには「消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書」を出します。原則は、適用したい課税期間が始まる前日までです(個人事業主なら前年12月31日まで)[国税庁 No.6505]。年の途中で「やっぱり本則に」と切り替えることは原則できません。簡易課税は2年間の継続適用が必要な点にも注意です[国税庁 インボイスQ&A 問117-3]。
ただし2割特例や3割特例を使った人には期限の特例があります。その翌課税期間から簡易課税にするなら、その課税期間の確定申告期限までに届出書を出せば間に合います[国税庁 インボイスQ&A 問117]。令和8年度税制改正で「翌課税期間中」から緩和されました。
つまり1年の売上と経費が確定したあとで決められます。個人が令和9年分(2027年分)から簡易課税にするなら、期限は令和10年(2028年)3月31日です。決算月別の期限や2年継続との兼ね合いはインボイス2割特例はいつまで?で解説しています。
よくある質問
簡易課税と本則課税はどちらが得?
経費(課税仕入)が少ない業種は簡易課税、設備投資や大きな仕入がある年は本則課税が有利になりやすいです。みなし仕入率と実際の仕入割合を比べて試算しましょう。
簡易課税を選べる条件は?
基準期間(2年前)の課税売上が5,000万円以下で、事前に簡易課税制度選択届出書を提出していることが条件です。選択後は2年間の継続適用が必要です。
2割特例はいつまで使える?
インボイスを機に課税事業者になった人向けの2割特例は、令和8年(2026年)9月30日を含む課税期間までで終了します。個人事業主は令和9年分・令和10年分に3割特例(売上税額の30%)を使えます。法人は本則課税か簡易課税を選びます。
2割特例を使っていた人の簡易課税の届出期限は?
2割特例や3割特例を使った翌課税期間から簡易課税にするなら、その課税期間の確定申告期限までに届出書を出せば間に合います。個人が令和9年分から使うなら令和10年3月31日までです。原則(初日の前日まで)より遅く、年が終わってから決められます。
複数の業種がある場合のみなし仕入率は?
事業区分ごとに売上を分けて、それぞれのみなし仕入率を加重平均して計算します。区分が分けられない売上は最も低いみなし仕入率が適用されます。
まとめ
参考リンク(出典)
本記事は次の国税庁・財務省の公表資料をもとに作成しています(中立・一次情報)。制度・特例は改正されるため、申告前に最新の内容をご確認ください。
- 国税庁 No.6505 簡易課税制度
- 国税庁 No.6509 簡易課税制度の事業区分
- 国税庁 2割特例(小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要
- 国税庁 インボイスQ&A 問114-2(3割特例)
- 国税庁 インボイスQ&A 問117(2割特例・3割特例の翌課税期間の簡易課税の選択)
- 国税庁 インボイスQ&A 問117-3(3割特例と簡易課税の比較・2年継続)
- 財務省 令和8年度税制改正の大綱の概要
※本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。
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