社会保険とは5種類|正社員・パート・個人事業主・無職・65歳以上で「入る保険と払う額」を1表で判定

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  • 公開。厚生労働省「労災保険・雇用保険の特徴」「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」「雇用保険の被保険者について」「介護保険制度について」「令和8年度の労災保険率」、日本年金機構「適用事業所と被保険者」「短時間労働者の適用拡大」「国民年金保険料」をもとに作成

「社会保険」という言葉は、狭い意味では会社員が入る健康保険・厚生年金保険を指し、広い意味では介護保険・雇用保険・労災保険を加えた5つを指します。どれに入るかは「会社員か、個人事業主か、パートか、無職か」と「週に何時間働くか」でほぼ決まり、保険料を誰がいくら払うかも違います。2026年10月にはパートの加入条件から年収106万円の壁が撤廃され、2027年10月からは従業員36人以上の会社に対象が広がります。5つの保険の中身と、5つの立場(正社員・パート・個人事業主・無職・65歳以上)でどれに入り、何がもらえるかを、厚生労働省と日本年金機構の資料で1枚にまとめます。

結論:立場別に「入る保険」「払う人」「もらえるもの」を1表で

立場医療年金介護(40歳〜)雇用保険労災保険
正社員(週30時間以上など)健康保険(労使折半)厚生年金+基礎年金(労使折半)健康保険料に上乗せ加入(本人0.5%)加入(全額会社)
パート・アルバイト(週20時間以上・従業員51人以上の会社)健康保険厚生年金同上加入(週20時間以上)加入
パート(週20時間未満、または50人以下の会社で週30時間未満)家族の扶養、または国民健康保険第3号(配偶者の扶養)、または国民年金国保料に上乗せ、または配偶者の分に含む週20時間以上なら加入加入
個人事業主・フリーランス国民健康保険(全額自己負担)国民年金 月17,920円(全額自己負担)国保料に上乗せ入れない特別加入のみ(任意)
無職・退職直後国民健康保険・任意継続(2年)・家族の扶養のいずれか国民年金(免除・猶予あり)国保料に上乗せ失業給付を受ける側—
65歳以上で働く人健康保険(75歳から後期高齢者医療)厚生年金(70歳まで加入)年金から天引き(第1号)加入(2017年から)加入

厚生労働省の分類では、健康保険と厚生年金は協会けんぽ・健康保険組合と日本年金機構が運営し労使折半、介護保険は40歳以上が対象で第2号(40〜64歳)は医療保険料と一緒に徴収、雇用保険は週20時間以上・31日以上の雇用見込みの労働者、労災保険はすべての労働者が対象で全額事業主負担です[厚生労働省]。会社員の本人負担の合計は給与の約15%で、額は社会保険料は年収でいくらにまとめています。

5つの保険の中身:何のための保険で、誰が払うか

保険主な給付保険料(2026年度・東京の例)加入する人
健康保険医療費の7割給付、傷病手当金(給与の3分の2)、出産手当金、出産育児一時金50万円、高額療養費9.85%を労使折半(協会けんぽ東京)正社員と、週20時間以上の短時間労働者(51人以上の会社)
厚生年金保険老齢厚生年金(基礎年金に上乗せ)、障害厚生年金、遺族厚生年金18.3%を労使折半同上(70歳まで)
介護保険要介護認定を受けたときの介護サービス(40〜64歳は特定疾病のみ)1.62%を労使折半(40〜64歳)。65歳からは市区町村が年金から徴収40歳以上の全員
雇用保険失業給付(基本手当)、育児休業給付、介護休業給付、教育訓練給付、高年齢雇用継続給付本人0.5%・会社0.85%(一般の事業)週20時間以上・31日以上の雇用見込みの労働者。2028年10月から週10時間以上
労災保険仕事や通勤でのケガ・病気の治療費全額、休業補償(給与の8割)、障害・遺族補償全額会社負担(業種別0.25%〜8.8%。事務所は0.3%)雇われて働く全員(パート・アルバイト・日雇いを含む)

健康保険と国民健康保険の最大の違いは、傷病手当金と出産手当金が国保には原則ないことと、保険料の半分を会社が払うかどうかです。年金も、厚生年金なら基礎年金の上に報酬比例の年金が乗り、障害・遺族の保障が厚くなります。個人事業主にはこの「会社負担」と「2階部分」がなく、その代わり国民年金基金・iDeCo・小規模企業共済で自分で積む設計になっています。

加入条件の該当判定:正社員は必ず、パートは「週20時間・51人以上」

  1. 週の所定労働時間と月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上(週30時間以上が目安)なら、会社の規模に関係なく健康保険・厚生年金に加入します[日本年金機構]。2か月以内の期間を定めて雇われる人は除きます。
  2. 4分の3未満でも、次をすべて満たせば加入:①週20時間以上 ②学生でない(夜間・定時制・休学中は加入)③月額賃金8.8万円以上(2026年10月に撤廃済み)④勤務先の厚生年金の被保険者が51人以上[日本年金機構 短時間労働者の適用拡大]。
  3. 雇用保険は別基準:週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みで、会社の規模は関係ありません。本人の希望の有無にかかわらず加入です。
  4. 労災保険は条件なし:1日だけのアルバイトでも対象で、手続きも保険料負担も本人には一切ありません。

企業規模の要件は年金制度改正法で段階的に縮小され、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上、2035年10月に撤廃されます[厚生労働省]。つまり10年後には「週20時間以上働く人は会社の大きさに関係なく社会保険に入る」形になります。106万円の壁の撤廃と手取りへの影響は106万円・130万円の壁とはと最低賃金×106万円の壁撤廃で整理しています。

扶養に入っている人が社会保険に入るとどうなるか

配偶者の扶養(健康保険の被扶養者・国民年金第3号)から外れて自分で健康保険・厚生年金に入ると、月給11万円で月約1万6,000円の保険料がかかります。その代わり傷病手当金・出産手当金の対象になり、将来の厚生年金が付きます。従業員50人以下の会社で週20時間以上働く人は、会社が任意特定適用事業所になっていない限り扶養のままです。

個人事業主・無職の人:国保+国民年金、会社を辞めた直後は3択

個人事業主・フリーランスは国民健康保険(市区町村または業種別の国保組合)と国民年金第1号に入ります。国民年金保険料は2026年度で月1万7,920円(2027年度は1万8,290円)、国保料は前年所得と自治体で決まり、東京23区で所得400万円なら年50万円前後です[日本年金機構]。雇用保険には入れず、労災は2024年11月からフリーランスも業種を問わず特別加入できるようになりました[厚生労働省 特別加入]。

会社を辞めた直後の医療保険は3択です。①国民健康保険(退職日の翌日から14日以内に届出)、②健康保険の任意継続(継続2か月以上の加入・20日以内に申請・最長2年・保険料は全額自己負担で標準報酬月額32万円が上限)、③家族の扶養に入る(年収130万円未満など)。どれが安いかは前年の所得と家族構成で変わり、退職後の健康保険3択で比較できます。年金は国民年金に切り替え、収入がなければ免除・猶予の申請ができます(国民年金の免除・猶予)。

年齢で変わるもの:40歳・65歳・70歳・75歳

年齢変わること
40歳介護保険の第2号被保険者になり、健康保険料に介護保険料(1.62%の折半)が上乗せ。誕生日の前日が属する月の分から
65歳介護保険が第1号に切り替わり、市区町村が年金から天引き。雇用保険は2017年から65歳以上も加入し、失業時は高年齢求職者給付金(一時金)
70歳厚生年金の加入が終わる(健康保険は継続)。在職老齢年金は2026年4月から65万円が基準
75歳健康保険から後期高齢者医療制度に移り、保険料は本人が払う(家族の扶養には入れない)

75歳からの保険料の地域差は後期高齢者医療保険料の都道府県ランキング、65歳からの介護保険料は介護保険料の自治体ランキングにまとめています。

よくある質問

「社会保険完備」の求人は何が完備されているのですか?

健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つに加入できるという意味で使われるのが一般的です。40歳以上は介護保険も自動的に付きます。ただしパートの募集では、週の労働時間によって健康保険・厚生年金に入れない場合があるので、週20時間以上か・会社の従業員数が51人以上かを確認してください。

個人事業主でも社会保険に入る方法はありますか?

法人を設立して自分に役員報酬を払えば、健康保険・厚生年金に加入できます(マイクロ法人)。個人事業のままでは国保と国民年金で、雇用保険には入れません。労災は特別加入で任意に入れます。国保の代わりに業種別の国保組合(文芸美術国保など)に入れる職種もあります。

副業先でも社会保険に入ることはありますか?

副業先でも週20時間以上・従業員51人以上などの条件を満たすと、そちらでも健康保険・厚生年金に加入し、両方の給与を合算して保険料を按分します。雇用保険は主たる勤務先1か所だけです。詳しくは副業で社会保険が2か所になった場合の記事で整理しています。

まとめ

  • 社会保険は健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つ。どれに入るかは立場と労働時間で決まる
  • 正社員は会社の規模に関係なく加入。パートは週20時間以上・従業員51人以上の会社などの条件で加入
  • 個人事業主は国民健康保険と国民年金(月17,920円)で、雇用保険には入れず労災は特別加入のみ
  • 企業規模の要件は2027年10月に36人以上へ縮小し、2035年10月に撤廃される
  • 40歳で介護保険料が上乗せ、70歳で厚生年金の加入終了、75歳で後期高齢者医療制度に移る

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公開日:2026年10月26日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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