この記事の更新情報
- 公開。国税庁「不審なメールや電話にご注意ください」、e-Tax「e-Taxを装った不審なメール等にご注意ください」(令和8年10月16日更新)・「『税務署からのお知らせ』等のメールが届いた方へ」・「e-Taxアプリについて」、フィッシング対策協議会の緊急情報(2026年9月30日)、国民生活センター(2026年5月27日)、詐欺被害ナビの受信報告をもとに作成
2026年10月、国税庁・税務署・e-Taxを名乗る偽メールが続いています。「【ご案内】税務署より重要書類を発送申し上げました」「【重要】過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」のように、書類の発送や還付金をちらつかせる件名が中心です。国税庁は10月16日に注意喚起のページを更新し、新しい事例を追加しました[e-Tax 不審なメール等にご注意ください]。
多くは、Androidスマホに偽の「e-Taxアプリ」を入れさせる手口です。スマホ用のe-Taxアプリは2021年1月4日に終了していて、いまは存在しません[e-Taxアプリについて]。アプリを入れるよう求めてくる時点で偽物です。
見分け方:この5つのどれかが書いてあれば偽物
| 偽メールに書いてあること | 本物の国税庁・e-Taxは |
|---|---|
| 還付金の金額(「還付予定額156,000円」など) | 還付金額を書いたメールは送らない |
| 未納額・延滞税の金額、差押えの予告 | 滞納金などの金額を書いたメール、支払いの催促や差押えの予告のメールは送らない |
| 「アプリをインストール」「Android版 e-Taxアプリ」 | スマホ用アプリは無い。還付金の受け取りにアプリを求めない |
| 添付ファイル(数十バイトの意味不明なファイルが多い) | e-Taxのメールにファイルは付けない |
| 本文のURL・ボタン | 原則としてURLを書かない(メールアドレスや宛名を登録・変更したときの確認メールだけ例外) |
※国税庁「不審なメールや電話にご注意ください」、e-Tax「不審なメール等にご注意ください」「『税務署からのお知らせ』等のメールが届いた方へ」の記載をもとに作成。
SMS(ショートメッセージ)も同じです。国税庁は、SMSにURLを載せた案内を送らず、納付の求めや差押えをSMS・メール・LINEで連絡することもありません[国税庁 不審なメールや電話にご注意ください]。
本物のe-Taxのメールは、送信元が「e-Tax(国税電子申告・納税システム)<[email protected]>」の1つだけで、件名は「税務署からのお知らせ」か「国税庁からのお知らせ」です。ただ、偽メールも件名を「税務署からのお知らせ」にそろえ、表示名を「e-Tax」に見せかけてくるので、件名と送信元の表示だけでは見分けられません。宛名を登録している人なら、本物には自分で登録した宛名が入ります。「納税者様」「担当者様」は偽物の特徴です。
迷ったら、メールのリンクは押さずに、自分でe-Taxにログインしてメッセージボックスを開く。本物のお知らせはそこに入っています。中身を見るにはマイナンバーカードなどでの認証が必要です。
2026年9〜10月に確認された件名
国税庁とフィッシング対策協議会が例として載せた件名と、民間の詐欺情報サイトに寄せられた報告を分けて並べます。件名は次々に変わるので、ここに無いから本物、とは考えないでください。
国税庁・フィッシング対策協議会が例示した件名
| 件名 | 中身 | 掲載 |
|---|---|---|
| 【 重 要 】 還付金の受取手続きのご案内 | 還付金額を表示し、「アプリをインストール」から偽サイトへ | 国税庁(10月16日追加) |
| 控除適用のご案内/税額控除に関する通知/還付に関するお知らせ/税務署からのご連絡/住宅借入金等特別控除に関するお知らせ | Android用の不正アプリを入れさせる | フィッシング対策協議会(9月30日) |
| 【ご確認ください】還付金申請・通知書について/【至急】還付金手続きに関する大切なご案内/【重要なお知らせ】還付金のご案内および口座情報確認について | ||
| 【重要】e-Taxメッセージボックスに新しいお知らせがあります/【e-Tax】税務署からのメッセージボックス通知/【ご案内】税務署からのお知らせをe-Taxでご確認ください | ||
| 税務署からのお知らせ【e-Tax個人アカウントの登録確認に関する重要なお知らせ | 「e-Taxの利用開始届出書」に似せた偽サイトで、個人情報とカード情報を入力させる | 国税庁(2026年2月追加) |
| 【重要】未納税金のお知らせ - e-Tax | イータ君のイラストやロゴの画像入り | 国税庁(2026年3月追加) |
| 不動産取得資金に関する調査および回答提出の要請 | 税務調査を装う | 国税庁 |
※協議会は「上記はごく一部で、その他の多くの件名が確認されています」としている[フィッシング対策協議会 2026/09/30]。
民間の詐欺情報サイトに寄せられた件名(10月)
| 件名 | 受信日 |
|---|---|
| 【重要】過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ | 10月3日・18日 |
| ふるさと納税の還付予定額76,300円のご案内 | 10月3日 |
| 医療費控除 過少申告による還付金のご案内/配偶者控除による還付金が確定しました | 10月3日 |
| 【延滞税】所得税の未納額と延滞税のご案内|国税庁 | 10月4日 |
| 更正請求審査による還付金確定のお知らせ | 10月9日 |
| e-Tax:提出済み申告書の内容確認に関するご案内(添付書類のご依頼) | 10月11日 |
| 【重要】作成途中の申告データがあります | 10月14日 |
| 【ご案内】税務署より重要書類を発送申し上げました | 10月15日・16日 |
| 【重要】令和7年分 所得税 所得税の還付についてのご連絡 | 10月15日 |
| 【要確認・期限あり】税務署からの書類発送のご案内 | 10月16日 |
| 税務署からのお知らせ【確定申告の結果、過納額が生じております】 | 10月19日 |
| 【重要】申告されていない雑所得がある可能性がございます – 至急ご確認ください | 10月19日 |
| 【重要】税金の納付遅延により延滞税が発生しております | 10月19日 |
| 【重要】還付金の入金が完了しました — お受取内容に相違がないかご確認ください | 10月19日 |
| SMS「【国税庁】ご連絡申し上げます。ご確認のほどよろしくお願いいたします。」+短縮URL | 10月3日 |
※詐欺被害ナビ(fraudnavi.com)に掲載された受信報告より。国税庁が確認したものではない。
「書類を郵送した」型は、メールの中で「日本郵便で書類を送った」と書き、メッセージボックスへのログインやアプリの導入へ誘います。「過年分の還付申告」型は、本文に「口座情報やカード情報の入力・返信は一切お願いしていません」と書いて警戒を解かせたうえで、アプリのダウンロードボタンを置いていました。
名前が出てくるのは、ふるさと納税・医療費控除・住宅ローン控除・配偶者控除と、実際に多くの人が使う控除ばかりです。年末調整や確定申告の準備を始めるこの時期は、「還付があります」と言われると信じやすくなります。本物の還付金は、自分が申告したあとに、申告書に書いた口座へ振り込まれるだけです(下で説明します)。
「税金控除申請に必要な書類送付について」は詐欺ではない
この言葉で検索している人が増えていますが、これは楽天ふるさと納税で寄付を申し込むときに選ぶ項目です[楽天ふるさと納税 ワンストップ特例の紙面申請]。自治体から紙の書類を送ってもらうかどうかを選びます。
| 選択肢 | 選ぶ人 |
|---|---|
| 不要(電子データを自分で取得) | ワンストップ特例をマイナンバーカードでオンライン申請する人など、紙が要らない人 |
| 必要(ワンストップ特例申請書) | ワンストップ特例を紙の申請書で出す人 |
| 必要(確定申告用) | 確定申告で紙の寄附金受領証明書を使う人 |
自治体によっては、どれを選んでも受領証明書や申請書が送られてくることがあります。ワンストップ特例は、確定申告をすると無効になる点に注意してください。仕組みと上限額はふるさと納税の節税効果と申告手順、確定申告と重なったときの直し方はワンストップ特例は確定申告で全部無効で解説しています。
本物の税務署からの連絡はこう届く
- 書面:国税局名や税務署名が印字された封筒で届くのが原則。宅配便などで届いて不審なら、税務署の総務課に確かめる。
- 電話:出した申告書の内容を本人に確かめるのが原則。不審なら、相手の所属・氏名・電話番号を聞いていったん切り、国税庁サイトに載っている番号で税務署の総務課か国税局の納税者支援調整官に問い合わせる。電話の見分け方と、調査か行政指導かで加算税が変わる話は税務署から電話が来たで整理しています。
- 還付金:申告書に書いた本人名義の口座に振り込まれる(ゆうちょ銀行・郵便局の窓口受け取りもある)。e-Taxで出した還付申告は3週間程度で処理される。処理の状況はe-Taxの「還付金処理状況」で自分で確かめられる[e-Tax 還付金処理状況の確認]。ATMの操作を求めることはない。
- 納付:振替納税・ダイレクト納付・クレジットカード・スマホアプリ・コンビニ・窓口から自分で選んで払う。国税庁は「申告書の提出後に税務署から納付書の送付や納税通知等のお知らせはありません」としている[国税庁 国税の納付手続]。
- メール:税務調査などでメールを使うのは、納税者が希望したときだけ。同意なく送ることはない。
開いた・入力した・払ってしまったときにすること
| したこと | すぐにやること |
|---|---|
| メールを受け取っただけ(リンクも添付も開いていない) | 削除する。報告するなら、開かずにフィッシング対策協議会([email protected])へ転送。迷惑メールフォルダに入ったものは報告不要 |
| IDやパスワードを入力した | すぐ変更する。同じパスワードを使い回している他のサービスも変える |
| クレジットカード番号を入力した | カード会社の紛失・盗難窓口(カード裏面の番号)に電話して利用停止と再発行 |
| ネットバンキングの情報を入力した | すぐ金融機関に連絡する |
| アプリを入れた(Android) | 機内モード(Wi-Fiもオフ)にしてから、設定のアプリ一覧で削除。各サービスのパスワードとキャリア決済の請求を確認[IPA 安心相談窓口だより] |
| e-Taxの暗証番号を入力した | e-Taxで暗証番号を変更する |
| お金を払った(コード決済など) | 警察に相談(#9110、または警察本部のサイバー犯罪相談窓口)。消費者ホットライン188でも相談できる |
※フィッシング対策協議会「よくあるご質問」「フィッシング報告」、IPA、国民生活センター、e-Tax「よくある質問」をもとに作成。
国民生活センターには、「24時間以内に払わなければ資産を差し押さえる」というメールからコード決済で送金してしまった20歳代の相談が寄せられています[国民生活センター 2026年5月27日]。本物の国税の滞納は、督促状などの郵送から始まります。滞納から差押えまでの実際の流れは国税の滞納9,935億円、半分超は消費税で触れています。
まとめ
- 2026年10月は「税務署より重要書類を発送」「過年分の還付申告 提出期限」など、書類と還付金をちらつかせる偽メールが中心
- 狙いはAndroid用の偽「e-Taxアプリ」。スマホ用のe-Taxアプリは2021年1月4日に終了していて、いまは無い
- 還付金や未納の金額、アプリのインストール、添付ファイル、本文のURL。このどれかがあれば偽物
- 件名が「税務署からのお知らせ」でも偽物はある。リンクは押さず、自分でe-Taxにログインしてメッセージボックスを見る
- 「税金控除申請に必要な書類送付について」は楽天ふるさと納税の申込画面の項目で、詐欺ではない
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「はい」が多い記事から、優先的に内容を更新・深掘りしていきます。
フィードバックありがとうございます
今後の改善の参考にさせていただきます。分かりにくかった点があれば、お問い合わせから教えていただけると嬉しいです。
参考リンク(出典)
- 国税庁「不審なメールや電話にご注意ください」
- e-Tax「e-Taxを装った不審なメール等にご注意ください」(令和8年10月16日更新)
- e-Tax「『税務署からのお知らせ』等のメールが届いた方へ」
- e-Tax「e-Taxアプリについて」
- 国税庁「国税の納付手続(G-2)」
- e-Tax「還付金処理状況の確認」
- 国民生活センター「国税庁がSMSやメールで税金の納付を求めることはありません!」(2026年5月27日)
- フィッシング対策協議会「国税庁をかたり不正アプリのインストールへ誘導するフィッシングメール」(2026年9月30日)
- フィッシング対策協議会「よくあるご質問」
- IPA 安心相談窓口だより
- 詐欺被害ナビ「国税庁」の検索結果(民間の受信報告)
- 楽天ふるさと納税「ワンストップ特例制度 紙面での申請手順」
※本記事は2026年10月20日時点の公表資料と受信報告にもとづく一般的な情報提供です。届いたメールの真偽に迷うときは、最寄りの税務署・警察・消費生活センターにご確認ください。













