出生後休業支援給付金の手取り10割は最初の28日だけ|29日目からの落差と夫婦の取り方

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  • 公開。厚生労働省・ハローワーク「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)、「令和8年8月1日からの支給限度額の変更」をもとに作成

「育休を取ると手取り10割」は2025年4月からの出生後休業支援給付金の話ですが、正確には最初の28日間だけです。両親がそれぞれ14日以上の育休を取ると、育児休業給付の67%に13%が上乗せされて80%になり、給付が非課税で社会保険料も免除されるため手取りとほぼ同じ額になります。しかし29日目からは67%、181日目からは50%に戻ります。月給30万円なら最初の28日で約22万4,000円、その後の30日は約20万1,000円、半年後は約15万円です。条件、配偶者が育休を取れない場合の例外、上限額、そして夫婦でどう取れば28日を無駄にしないかを厚生労働省の資料で整理します。

結論:月給30万円の育休給付は、期間でこう変わる

期間給付率30日あたり(月給30万円・賃金日額1万円)手取り比の目安
最初の28日(出生後休業支援給付金あり)67%+13%=80%28日で22万4,000円(30日換算24万円)手取りの約10割
29日目〜180日目67%20万1,000円手取りの約8割
181日目〜(1歳まで、延長時は最長2歳)50%15万円手取りの約6割

出典:厚生労働省・ハローワーク「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)[厚生労働省]。手取り比は月給30万円の手取りを約23万7,000円として概算

「手取り10割相当」は、育休中は健康保険・厚生年金の保険料が免除され、給付が非課税で雇用保険料もかからないことから、80%の給付が働いているときの手取りとほぼ同じになる、という意味です。厚労省の資料もそう説明しています。額面の10割ではありません。

もらえる条件:本人14日以上+配偶者14日以上(または例外)

  1. 本人が、対象期間内に同じ子について育休(産後パパ育休を含む)を通算14日以上取る。対象期間は、父(産後休業をしない人)は「出生日(または出産予定日の早い方)から、出生日(または予定日の遅い方)の8週間後の翌日まで」、母(産後休業をする人)は同じ起点から16週間後の翌日までです。母は産後8週間が産後休業なので、実質的には産後休業が明けてからの8週間が対象です。
  2. 配偶者も、子の出生から8週間の間に育休を通算14日以上取る。父母がそれぞれ14日以上取ることが原則です。
  3. ただし配偶者が育休を取れない事情がある場合は、本人だけで要件を満たす。配偶者が「子の出生日の翌日に産後休業中」(=母が産後休業中なら父はこれだけで要件を満たす)、配偶者がいない(ひとり親)、配偶者が雇用保険に入っていない(自営業・専業主婦・専業主夫)、配偶者が有期雇用などで育休を取れない、配偶者が障害や疾病で養育できない、DVで別居中、などの9類型です。
  4. 育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上(育児休業給付金と同じ)。

3の例外で大事なのは、母が産後休業中の期間に父が育休を取る場合、母の育休取得は要件にならない点です。産後8週の間は母は産後休業(出産手当金の対象)で育休ではないため、「配偶者が産後休業中」の例外に当たります。したがって父は産後8週の間に14日以上取れば、母の育休の取り方に関係なく28日分の上乗せを受けられます。母の側は、産後休業明けの8週間に14日以上育休を取り、かつ父が出生後8週の間に14日以上取っていれば(または例外に当たれば)上乗せを受けられます。

夫婦の取り方:父の28日を出生後8週間に収める

上乗せ13%を父母とも受け切る取り方の例(出産日を起点)
出産8週間16週間1歳まで 父 産後パパ育休 28日 67%+13%=80% 復職(または育休続行67%) 母 産後休業 8週間(出産手当金 3分の2) 育休 最初の28日 67%+13%=80% 育休 29日目〜 67%(181日目〜50%) 父は母の産後休業中に取れば「配偶者の例外」で単独でも要件を満たす。母は父が8週以内に14日以上取っていれば要件を満たす
出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」の支給要件・対象期間をもとに作成
  • 父の28日は出生後8週間の中で取る。産後パパ育休(出生時育児休業)は8週間のうち最大28日、2回に分けられます。28日きっちり取れば上乗せを使い切れます。14日だけなら上乗せも14日分です。
  • 母の28日は産後休業明けから。産後休業(出産手当金)の期間は育休ではないので、上乗せの対象は産後休業が明けて育休に入ってからの最初の28日です。
  • 28日を超えて休んでも上乗せは増えない。父が8週間の間に56日休んでも、13%が付くのは28日分です。29日目からは67%です。
  • 上限がある。賃金日額の上限は1万6,540円で、上乗せの上限は28日で6万205円(月給50万円前後で頭打ち)。出生時育児休業給付金の上限は28日で31万290円です[厚生労働省]。

29日目からの落差に備える:手取りベースでいくら減るか

月給(額面)働いているときの手取り(目安)最初の28日(80%・30日換算)29日目〜(67%)181日目〜(50%)
25万円約19万8,000円20万円16万7,500円12万5,000円
30万円約23万7,000円24万円20万1,000円15万円
40万円約31万円32万円26万8,000円20万円
50万円約38万円約39万7,000円(上限付近)約33万2,000円(上限33万2,454円)約24万8,000円(上限24万8,100円)

1年間育休を取る母の場合、上乗せの28日は全体のごく一部で、大半の期間は67%と50%です。「手取り10割」の印象で家計を組むと、半年後に手取りの6割まで下がったところで苦しくなります。給付は2か月ごとにまとめて振り込まれ、初回は育休開始から3か月前後かかることも含めて、最初の3か月は貯蓄でつなぐ前提にしてください。全体像は出産・育児でもらえるお金を参照してください。

復帰後に時短勤務にすると、今度は育児時短就業給付金(時短中の賃金の10%)が2歳まで受けられます。育休の期間と復帰のタイミングは、この給付まで含めて決めると手取りの谷が浅くなります。

申請:育休給付と一緒に、会社経由で

出生後休業支援給付金は単独で申請するものではなく、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給申請と同時に申請します。会社がハローワークに出す申請書に出生後休業支援給付金の欄があり、配偶者の育休取得を確認できる書類(配偶者の育休申出書の写しなど)、または例外要件を確認できる書類(配偶者が雇用保険に入っていないことの申告書、住民票、ひとり親の証明など)を添えます。

産後パパ育休の給付は、出生後8週間を過ぎた日(または28日取り終えた日の翌日)から2か月を経過する日の属する月末までに申請します。会社の担当者が新制度に慣れていないことがあるので、「出生後休業支援給付金も一緒に申請してください」と伝えておくと漏れがありません。

給付はすべて非課税で、育休中の税金は産休・育休中の年末調整で整理しています。育休中の配偶者は所得が減るので、もう一方の配偶者控除の対象になることがあります。

よくある質問

2025年3月に生まれた子の育休でも受けられますか?

2025年4月1日以降に取得した育休が対象です。出生日が3月でも、4月1日以降に対象期間内で14日以上の育休を取っていれば対象になり得ます。対象期間(出生から8週間または16週間)が4月1日より前に終わっている場合は対象外です。

まとめ

  • 両親がそれぞれ14日以上育休を取ると、最初の28日間だけ67%に13%が上乗せされ80%になる
  • 非課税で社会保険料も免除されるため、80%で手取りの約10割相当。29日目から67%、181日目から50%
  • 月給30万円なら最初の28日で22万4,000円、その後は30日あたり20万1,000円、181日目からは15万円
  • 母の産後休業中に父が出生後8週間以内に14日以上取れば、父は単独で要件を満たす
  • 育休給付の申請と同時に会社経由で申請。最初の3か月は貯蓄でつなぐ前提に

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参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。上限額は毎年8月1日に改定されるため、最新の金額はハローワークの資料でご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供です。金額は概算で、賃金や加入する健保で変わります。個別の判断はハローワーク・勤務先にご確認ください。

公開日:2026年10月27日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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