免税は2026年11月1日から還付方式へ|店で税込を払い空港で戻る、税込10万円なら9,091円

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この記事の更新情報

  • 公開。国税庁「輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し」「輸出物品販売場制度に関するQ&A(概要編・詳細編)」、観光庁 旅行者向け/免税店向けの案内、財務省「令和7年度の税制改正」、消費税法(2026年11月1日施行版)、国税庁 タックスアンサー No.7195 をもとに作成

2026年11月1日から、免税店の買い物はいったん税込で払う形に変わります。消費税分が戻るのは、出国する空海港で税関の持出し確認を受けたあとです。戻る額は税抜価額に税率を掛けた額で、値札が税込10万円なら9,091円。期限は購入日の翌日から90日目までの出国です。返金の方法と手数料は店ごとに違い、法令の定めはありません。旅行者がまず確かめるのは、手荷物を預ける前に税関の端末へ寄る時間があるかどうかです。

結論:店では税込で払い、空港の確認後に戻る

比べる点2026年10月31日までの購入2026年11月1日以後の購入(リファンド方式)
店で払う額税抜価格(レジで値引き)税込価格(いったん全額払う)
戻る額—税抜価額 × 消費税率(税込10万円なら9,091円)
戻るタイミング—税関確認のあと(日数の公表なし)
誰が・どう返すか—免税店か委託先から、銀行振込・カード送金・アプリ送金・出国港内の現金
出国時にすること物品を所持していること購入日の翌日から90日以内に税関の確認
手数料—法令の定めなし。旅行者負担になることがある

出典:国税庁「輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し」[国税庁]、観光庁「免税店向けよくある質問」問17[観光庁]

どちらの方式になるかは販売日で決まります。出国日ではありません[国税庁Q&A 問8]。10月31日までに買った分は、11月に出国しても旧方式です。2つの方式を選べる移行期間はありません。

変更の理由は財務省の資料に明記されています。免税で買った品を国内で横流しする不正への対応として、先に課税して売り、あとから返す形にした、というものです[財務省 令和7年度の税制改正]。

空港では手荷物を預ける前に税関の端末へ

動きが大きく変わるのは出国の日です。順番を間違えると返金を受けられません。

  1. 買うとき。旅券を提示して免税販売の手続をします。同じ店の同じ日の買い物が税抜5,000円以上であることが条件です。
  2. 支払い。税込価格をそのまま払います。レジでの値引きはありません。
  3. 出国まで。箱や袋を捨てず、買ったままの状態で持っておきます[国税庁Q&A 詳細編]。
  4. 空港に着いたら。手荷物を預ける前に、国際線出発ロビーの端末へ向かいます。
  5. 端末に旅券を提示。判定まで数秒です。検査不要(緑の判定)ならここで終わりです。
  6. 検査が必要と出たら。税関の検査場所で現物を見せ、持出しの確認を受けます。

出典:観光庁「旅行者向け 新制度(リファンド方式)に関する情報」[観光庁]

成田・羽田・関西・中部・福岡・新千歳・那覇の7空港では、端末の代わりに訪日客向けの手続サイト(ビジット・ジャパン・ウェブ)でオンライン手続ができます。使えるのは出発ロビーの専用無線接続エリア内、保安検査場の前までです。国内線で乗り継ぐなら、日本を離れる最後の空港で手続します。

戻る額は税抜価額の10%。税込10万円なら9,091円

還付額は税抜価額に消費税率を掛けた額です。国税庁の仕訳例では、税込11,000円の販売に対する返金は1,000円です[国税庁 リファンド方式について]。日本の店頭は税込表示が原則なので、値札の額がそのまま戻るのではありません。

値札が税込10万円の場合(本サイトの試算)

  • 店で払う額:100,000円
  • 税抜価額:100,000 × 100 ÷ 110 = 90,909円
  • 戻る額:90,909 × 10% = 9,091円

値札が税抜表示なら額は変わります。4つの例を並べます。

買うもの店で払う額(税込)税抜価額戻る額
税抜10万円の家電(10%)110,000円100,000円10,000円
税込10万円の時計(10%)100,000円90,909円9,091円
税込10,800円の食品(8%)10,800円10,000円800円
税込5,400円の雑貨(10%)5,400円4,909円0円(下限に届かない)

※各行の税抜価額と還付額は、国税庁が示す計算方法を本サイトが当てはめた試算です。手数料は含みません。

引っかかるのは最後の行です。下限の5,000円は税抜で見ます[国税庁Q&A 問4]。税率10%の品なら、店頭の税込価格で5,500円以上買わないと対象になりません。税込5,400円では税抜4,909円で、91円足りません。

2026年9月時点で公表されていないこと
  • 手数料の率。消費税法令に返金のルールがなく、旅行者負担か店負担かも「特に定めはありません」。観光庁は「諸外国では、旅行者負担とすることが一般的です」と書いています。政府は手数料を取りません。
  • 入金までの日数。「税関確認により免税販売が成立した後」までしか示されていません。
  • 空港で見ておく時間。端末は数秒。検査になった場合の目安はありません。
  • 店が使う申請書の様式。国税庁は「令和8年秋ごろ公表予定」としています。

上限50万円と特殊包装は廃止、下限5,000円は残る

税関で現物を確認する仕組みにしたため、横流しを防ぐための細かい要件が要らなくなりました。旅行者は買い方が自由になります。

要件現行2026年11月1日から
一般物品と消耗品の区分あり廃止
消耗品の購入上限(1日50万円)あり廃止
消耗品の特殊包装必要廃止(開けられない袋は無くなる)
「通常生活の用に供する」要件あり廃止
購入下限(税抜5,000円)あり変わらない
対象外の品金・白金の地金など金・白金の地金と金貨・白金貨、非課税の品

出典:国税庁Q&A(概要編)問4[国税庁]、観光庁 旅行者向けページ[観光庁]

特殊包装が消えても、日本で食べたものは対象外です。出国時に持っていなければ確認を受けられません。旅行者が郵便で先に送る「別送」は2025年3月31日に廃止済みで、今回の改正とは別の話です[国税庁Q&A 問23]。

レシート1枚に1品でも欠けると、その1枚は全部戻らない

税関の確認はレシート1枚(購入記録情報1件)を単位に行われます。中の1品でも手元になければ、そのレシートの品はすべて還付を受けられません[国税庁Q&A 問20]。落とし穴は次の5つです。

  • 受託手荷物に入れる。一度預けた荷物は引き戻せません。手続は預ける前に済ませます。
  • 梱包を捨てる。箱や袋と中身を分けると、税関で品物を特定しにくくなります。
  • 国内で食べる・使う。その分は還付されません。窓口で申し出が必要です。
  • 90日を過ぎる。11月1日に買ったなら、確認の期限は翌年1月30日です。
  • 時間が足りない。確認が終わらず出発できなくても、航空会社と税関の補償はありません。

期限は購入日の翌日から数えて90日目までです[国税庁Q&A 問19]。長く滞在するなら、旅の終わりに買うほうが安全です。

買えるのは短期滞在の人と、2年以上海外に住む日本人

免税で買えるかどうかは、滞在の長さではなく在留資格で決まります。ここは今回の改正でも変わりません[国税庁Q&A 問3]。

対象になる人(免税で買える)

  • 「短期滞在」「外交」「公用」の在留資格で滞在する非居住者
  • 寄港地上陸・船舶観光上陸・通過上陸などの許可で滞在する人
  • 合衆国軍隊の構成員など
  • 日本国籍でも、国外に引き続き2年以上住所か居所がある人

対象にならない人(税込のまま)

  • 日本で働く外国人(技術・人文知識・国際業務、特定技能など)
  • 留学・家族滞在の在留資格で暮らす人
  • 永住者・定住者
  • 日本に住んでいる日本人

海外に住む日本人には実益のある緩和があります。2年以上国外に住んでいることを示す書類として、戸籍の附票の写しや在留証明に加えてマイナンバーカードが使えるようになります。本籍の記載も不要になります[観光庁 旅行者向けよくある質問]。

使えるのは国外に転出した旨の記載があるものに限られます。確認は原本のみで、写しやコピーでは受け付けられません。

転売対策は取り締まりから「先に税を取る」へ

旧制度は税を引いた価格で売り切る形でした。国内で転売されると、国は消費税を取り損ねます。新制度は先に税込で売るので取り損ねは起きません。確認を受けられなければ返金されないだけです。

即時徴収が消えたわけではありません。適用の場面は「税関の確認を受けた後に輸出しないこととなったとき」に絞られます。

罰則もあります。正当な理由なく輸出しなかった場合は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です[消費税法 第65条・2026年11月1日施行版]。買い取る側にも歯止めがあります。免税で買われた品と知って仕入れた事業者は、仕入税額控除を使えません。

店の側も無関係ではありません。電子化に対応していない免税店は2026年10月31日で許可が失効します[国税庁 輸出物品販売場制度の概要]。手続委託型は一般型に統合され、店の区分は2つになります。

出国税3,000円はこれとは別の税金

旅行者の負担として一緒に語られますが、出国税(国際観光旅客税)は別の税です。2026年7月1日の出国分から1回3,000円で、すでに適用されています[国税庁 No.7195]。免税の還付とは関係がなく、還付から差し引かれることもありません。詳しくは出国税3,000円への引き上げを、宿泊の地方税は宿泊税の全国一覧を参照してください。

まとめ

  • 2026年11月1日の購入分から、免税店ではいったん税込で払い、出国時の税関確認後に消費税分が戻る
  • 戻る額は税抜価額×税率。値札が税込10万円なら9,091円。手数料と入金日は店ごとに違い、法令の定めはない
  • 期限は購入日の翌日から90日目までの出国。空港では手荷物を預ける前に税関の端末へ
  • レシート1枚のうち1品でも手元になければ、その1枚は全部戻らない
  • 消耗品の上限50万円と特殊包装は廃止。下限の税抜5,000円は残る

参考リンク(出典)

※本記事は一般的な情報提供です。個別の判断は免税店・税関・税務署にご確認ください。運用は開始前後に変わることがあります。

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公開日:2026年09月30日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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