会社設立の流れ7ステップ|設立後の届出期限一覧と費用、令和8年からの零申告まで

カテゴリ:法人・経営

この記事の更新情報

  • 公開。法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」「合同会社の設立手続について」、国税庁タックスアンサー No.7191・No.7141・No.5100・No.2505・No.6531・No.5762、国税庁「防衛特別法人税に関する納付手続等について」、日本年金機構「新規適用の手続き」、厚生労働省「労働保険の成立手続」「雇用保険の手続き一覧表」、東京都主税局「法人事業税・法人都民税」、総務省「法人住民税」、日本公証人連合会「定款認証」をもとに作成

ひとり社長の会社設立は7ステップです。①基本事項を決める ②定款をつくる ③定款を認証する(株式会社だけ)④資本金を払い込む ⑤登記を申請する ⑥印鑑カードと登記事項証明書を受け取る ⑦設立後の届出を出す。会社は登記をして成立します(会社法49条)。実費は登録免許税が株式会社15万円から、合同会社6万円から。株式会社はこれに定款認証3万〜5万円(要件を満たせば1万5,000円)が乗り、紙の定款なら印紙税4万円も要ります。手間がかかるのはむしろ設立後です。税務署・自治体・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへ、5日以内から3か月以内までバラバラの期限で届出を出します。

結論:7ステップと、その場でかかるお金

ステップやること期限・ポイント費用
① 基本事項商号・目的・本店・資本金・事業年度・役員決算月を設立月の前月にすると第1期が長い—
② 定款作成絶対的・相対的・任意的の3種類を書き分ける紙か電子かを決める紙は印紙4万円
③ 定款認証本店を管轄する法務局所属の公証人の認証合同会社は不要3万〜5万円(要件次第で1万5,000円)
④ 払込み出資金の全額を払い込み。完了後に設立時取締役を選任払込先は発起人個人の口座—
⑤ 登記申請管轄の法務局へ申請(オンライン可)調査終了日か発起人の定めた日の遅い方から2週間以内株式会社15万円〜/合同会社6万円〜
⑥ 登記完了印鑑カードと登記事項証明書の取得口座開設や年金事務所の届出で使う—
⑦ 設立後の届出税務署・自治体・年金事務所・労基署5日以内〜3か月以内—

出典:[法務省 株式会社の設立手続][国税庁 No.7191 登録免許税の税額表]

ステップ①〜④:登記を出す前にやること

株式会社は定款作成 → 公証人の認証 → 出資の履行 → 設立時取締役の選任 → 登記申請の順です[法務省 株式会社の設立手続]。合同会社は定款作成 → 出資の履行 → 登記申請の3段階。「合同会社の定款については、公証人の認証を受ける必要はありません」(法務省)[法務省 合同会社の設立手続]。

  1. 基本事項を決める。商号・目的・本店・資本金・事業年度・役員の6つ。あとで変えると変更登記が要り、1件3万円かかります[国税庁 No.7191]。
  2. 定款をつくる。記載事項には「絶対的記載事項、相対的記載事項及び任意的記載事項の3種類がある」(法務省)。絶対的記載事項は会社法27条の5項目(目的・商号・本店の所在地・出資される財産の価額またはその最低額・発起人の氏名等)です。
  3. 定款を認証する(株式会社のみ)。本店を管轄する法務局・地方法務局所属の公証人が認証します。
  4. 資本金を払い込む。発起人が「その出資に係る金銭の全額を払い込み」ます。金額は資本金はいくらにすべきかへ。

ステップ⑤〜⑥:登記で会社が成立する

法務省は「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立します」と書いています[法務省 株式会社の設立手続]。会社法49条と同じ内容です。契約日でも入金日でもありません。申請の期限は「設立時取締役等の調査が終了した日又は発起人が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内」(同)。登記が終わると、登記事項証明書に「会社成立の年月日」が記載されます[法務局 商業・法人登記]。

実務では登記を申請した日が成立日として記録されます。ただし「申請日イコール成立日」と明記した官公庁のページは見当たりません。法務局の閉庁日は申請できず、土日祝日は設立日にできません。日付にこだわるなら管轄の法務局へ確認を。

設立にかかるお金

費目株式会社合同会社
登録免許税資本金×1,000分の7(15万円未満なら1件15万円)資本金×1,000分の7(6万円未満なら1件6万円)
定款の認証手数料100万円未満 3万円/100万〜300万円未満 4万円/その他 5万円認証不要(0円)
定款の謄本1枚250円(登記用に8枚程度)—
紙の定款の印紙税4万円(第6号文書)4万円(合同会社も対象)
電子定款収入印紙は不要=印紙税4万円がかからない

出典:[国税庁 No.7191][国税庁 No.7141][公証人連合会 定款認証]

認証手数料が1万5,000円になる3条件(令和6年12月1日から)
  • 発起人の全員が自然人で、その数が3人以下
  • 発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載がある
  • 取締役会を置く旨の記載が定款にない

3つすべてに当てはまる資本金100万円未満の株式会社は認証手数料が1万5,000円になります[公証人連合会 手数料改定]。小さく始めるひとり社長はほぼ該当しますが、まだ知られていません。

資本金1,000万円・電子定款の実費(本サイトの試算)
  • 株式会社:登録免許税は0.7%=7万円 → 15万円未満なので15万円+認証5万円+謄本2,000円+印紙0円 = 約20万2,000円
  • 合同会社:登録免許税は0.7%=7万円+認証なし+印紙0円 = 7万円

※本サイトの概算。専門家報酬は含みません。内訳は会社設立の費用へ。

設立後の届出①:税務署に出すもの

届出・申請書期限
法人設立届出書設立の日(設立登記の日)以後2か月以内
青色申告の承認申請書設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日まで
給与支払事務所等の開設届出書開設の事実があった日から1か月以内
源泉所得税の納期の特例の承認申請書期限なし。提出した月の翌月に払う給与から適用(支給人員が常時10人未満)
棚卸資産の評価方法/減価償却資産の償却方法の届出書第1期の確定申告書の提出期限まで
事前確定届出給与に関する届出書設立の日以後2か月を経過する日まで
消費税課税事業者選択届出書事業を開始した日の属する課税期間なら、その末日まで

出典:[国税庁 No.5100 新設法人の届出書類][国税庁 給与支払事務所等の開設届出]

役員報酬を出すなら給与支払事務所等の開設届出書は必須です。納期の特例も出せば、毎月10日の納付が年2回で済みます。1月〜6月分は7月10日、7月〜12月分は翌年1月20日が期限[国税庁 No.2505]。

設立後の届出②:自治体・年金・労働保険

提出先届出期限
都税事務所・市区町村法人設立・設置届出書東京都は事業開始の日から15日以内。市区町村は自治体ごとに異なる
年金事務所健康保険・厚生年金保険 新規適用届事実発生から5日以内
被保険者資格取得届事実発生から5日以内
労働基準監督署保険関係成立届保険関係が成立した日の翌日から10日以内
概算保険料申告書保険関係が成立した日の翌日から50日以内
ハローワーク雇用保険 適用事業所設置届設置の日の翌日から10日以内
雇用保険 被保険者資格取得届被保険者となった日の属する月の翌月10日まで

出典:[東京都主税局 法人都民税][日本年金機構 新規適用][厚生労働省 労働保険の成立手続][厚生労働省 雇用保険の手続き一覧表]

社長1人の会社でも社会保険は強制加入です。強制適用事業所は「常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用する法人事業所」。役員報酬を出すなら5日以内に新規適用届と資格取得届を(社会保険の新規適用と入退社の届出)。労働保険が要るのは従業員を雇ったときなので、社長1人なら当面は不要。市区町村の期限は条例で決まるので、東京都の15日以内を当てはめないでください。

設立初年度の落とし穴4つ

1. 青色申告の期限を過ぎると、初年度の赤字が消える

期限は「設立の日以後3か月を経過した日」と「第1期の事業年度終了の日」の早い方の前日。過ぎると初年度は白色です。繰越控除は「欠損金が生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出していること」が要件で、初年度の赤字を持ち越せません[国税庁 No.5762]。初年度は赤字が出やすいので痛手です。

2. 資本金1,000万円以上だと、初年度から消費税がかかる

新設法人は基準期間がないので原則免税です。ただし「その事業年度開始の日における資本金の額…が1,000万円以上であるとき」は免除されません[国税庁 No.6531]。インボイス登録も同じで、適格請求書発行事業者は「課税売上高にかかわらず、納税義務は免除されません」(同)。

3. 赤字でも法人住民税の均等割はかかる

均等割は資本金等1,000万円以下・従業者50人以下なら標準税率で年7万円(都道府県民税2万円+市町村民税5万円)です[総務省 法人住民税]。東京都も「決算の状況にかかわらず…課税されます」としています[東京都主税局]。赤字でも毎年出る固定費です(法人住民税の均等割は赤字でも年7万円)。

4. 税額0円でも防衛特別法人税の申告が要る

令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度から、法人税・地方法人税に加えて防衛特別法人税が加わりました[国税庁 防衛特別法人税]。税額は(基準法人税額−基礎控除額)×4%、基礎控除額は年500万円。法人税額500万円以下なら0円で、設立したての会社はまず当てはまります。それでも国税庁は「納税額が生じない場合であっても、申告義務は失われないため、いわゆる零申告が必要となります」としています。払う金はゼロでも書類は増えます。

よくある質問

会社の設立日は自分で選べますか。

おおむね選べます。会社は登記によって成立し、実務では申請した日が成立日として記録されるためです。ただし法務局の閉庁日は申請できず、土日祝日は選べません。

合同会社なら定款の認証はいらないのですか。

いりません。法務省が「合同会社の定款については、公証人の認証を受ける必要はありません」と明記しています。登録免許税も最低6万円で、株式会社より9万円安く済みます。

社長1人の会社でも社会保険に入るのですか。

入ります。日本年金機構は強制適用事業所を「常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用する法人事業所」としています。新規適用届と資格取得届の期限はどちらも事実発生から5日以内。

青色申告の承認申請を出し忘れたらどうなりますか。

初年度は白色申告になります。欠損金の繰越控除は赤字の年に青色申告書を出していることが要件なので、初年度の赤字は繰り越せません。第2期から申請し直せますが、初年度分は戻りません。

参考リンク(出典)

※試算は本サイトの概算です。市区町村の届出期限は各自治体の条例によります。個別の判断は司法書士・税理士・官公庁へ。

コメントみんなの意見

コメントの閲覧・投稿は会員限定です(無料・Googleアカウントでログイン)。

コメントを読み込んでいます…

この記事にコメントする

0 / 200

投稿された内容はこのページで公開されます。URL・メールアドレス・電話番号を含む投稿、誹謗中傷や差別的な表現は自動的に受け付けません。個別の税務相談にはお答えできません(税務署または税理士へご相談ください)。削除のご依頼はお問い合わせから承ります。取り扱いはプライバシーポリシーをご覧ください。

この記事は役に立ちましたか?

「はい」が多い記事から、優先的に内容を更新・深掘りしていきます。

公開日:2026年09月22日 / 執筆:みんなの税金 編集部

この記事は、出典の明記と本ページへのリンクがあれば、ニュースメディア・ブログ・生成AIの回答などで自由に引用・転載いただけます(事前連絡は不要)。詳しくは転載・引用についてをご覧ください。

本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項