外国人雇用の助成金は最大80万円→25万円に|2026年10月改正の要件と県の補助金

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  • 公開。厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」ガイドブック・支給要領(令和8年4月1日版・10月1日版)、職業安定分科会(第227回)資料1-1、鳥取県・宮城県・島根県・福岡県・長野県・新潟県の公式ページ(2026年10月22日確認)をもとに作成

外国人を雇う会社向けの国の助成金「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」は、2026年10月1日に支給額が見直されました。それまでは1つの措置ごとに20万円・上限80万円でしたが、10月1日以降に計画を出す分からは20万円、上乗せをしても25万円です[厚生労働省 職業安定分科会 資料1-1(2026年9月25日)]。

9月30日までに計画を出した会社は、旧ルールのまま支給を受けられます。寮の改修や日本語教育の費用は国の助成金では出ないので、県の補助金(上限15万〜150万円)を探すほうが金額は大きくなります。

支給額は最大80万円から25万円に、必須の措置は増えた

項目9月30日までに計画を提出10月1日以降に計画を提出
支給額1措置20万円(必須2つ+選択1つ以上で最低60万円、上限80万円)20万円(一時帰国休暇を足すと25万円)
必須の措置雇用労務責任者の選任・就業規則等の多言語化同じ2つ。ただし中身が重くなった(下の節)
選択・上乗せの措置苦情・相談体制/一時帰国休暇/社内マニュアル・標識の多言語化一時帰国休暇だけ(相談対応と社内マニュアルは必須側に移った)
責任者の面談計画期間中に1回以上3か月ごとに1回以上(離職率の算定期間の終わりまで)
責任者の講習任意(受講すれば離職率の要件が免除)全員が受講必須。免除はなくなった
離職率を測る期間措置の実施日の翌日から6か月計画期間の末日の翌日から6か月

※厚生労働省のガイドブック・支給要領(令和8年4月1日版と10月1日版)より。旧ルールが使えるかどうかは計画の提出日で決まる(支給要領 0802 経過措置)。

旧ルールでは、必須の2つに選択メニューを1つ足すだけで60万円になりました。新ルールで同じことをしても20万円です。支給額が下がった一方で、面談の回数と講習の受講が必須になり、手間は増えています。

対象は、雇用保険に入っている外国人を雇っている事業主です。在留資格は問わないので、技能実習・特定技能・技術・人文知識・国際業務のどれでも対象になります(特別永住者と在留資格「外交」「公用」は除く)。支給は会社単位で、事業所がいくつあっても1回分です[厚生労働省 ガイドブック(令和8年10月1日現在)]。

20万円を受け取るために必要な2つの措置

①雇用労務責任者を選ぶ

  • 外国人が働く事業所ごとに1人選び、名前と「苦情・相談に応じる」ことを掲示か社内メールで知らせる
  • 責任者がすべての外国人と3か月ごとに1回以上面談し、記録を残す(テレビ電話でもよい)
  • 労働基準監督署など、法令違反を相談できる窓口を知らせる
  • 責任者全員が「外国人労働者雇用労務責任者講習」を計画期間の末日までに受ける

責任者は専任でなくてよく、人事課長などが兼ねられます。講習は無料・オンラインで、約3時間30分です。2026年12月分の申し込みはすでに締め切られていて、1月以降の日程は未発表です[外国人労働者雇用労務責任者講習]。

②就業規則・社内マニュアルなどを多言語化する

次の3種類を、それぞれ1点以上、本人の母国語かやさしい日本語にして本人に知らせます。外国人が2人以上いる場合は、1人分の言語で足ります。

  1. 就業規則または労働協約
  2. 労働条件通知書または雇用契約書
  3. 社内マニュアル(安全衛生・ハラスメント・福利厚生のマニュアル、標識、動画など)

計画を出す前から、1か2の書類を全員分すでに多言語化していた場合、その区分は作り直さなくてかまいません。3の社内マニュアルは、計画期間中に新しく多言語化したものだけが対象です。

上乗せの5万円:一時帰国のための休暇

年次有給休暇とは別に、一時帰国のための有給休暇を就業規則に新しく定め、年1回以上・連続5日以上を実際に取らせると25万円になります。申請のときに航空券の半券の写しと、その月の賃金台帳が要ります。

受け取れるのは計画の提出から1年半以上あと

計画期間は3か月から1年の間で決められます。いちばん短い3か月にしても、計画期間の後に6か月待ち、そこから2か月以内に申請するので、提出から申請まで1年近くかかります。たとえば2026年11月中に計画を出して2027年1〜3月を計画期間にすると、申請できるのは2027年10〜11月です。

離職率の計算では、定年退職、本人の重大な理由による解雇、在留期間の上限を満了して帰国した人(特定技能1号・技能実習など)は辞めた人に数えません。

受けられないケース、割に合わないケース

  • 外国人雇用状況届出をしていない:ハローワークへの届出が漏れていると支給されない
  • 会社都合の解雇がある:計画期間の初日の前日から6か月前〜計画期間の末日に、日本人を含む誰かを会社都合で解雇・退職勧奨していると対象外
  • 3年以内に受給している:前回の支給決定日の翌日から3年たつまで、次の計画は出せない
  • 雇用保険に入っていない人だけ:週20時間未満のアルバイトなど、雇用保険に入っていない外国人は数に入らない
  • 計画期間中に辞める予定の人だけが対象:支給されない

新ルールの20万円は、実費にかかわらず定額です。社会保険労務士に申請を頼むと報酬がかかり、3か月ごとの面談記録も1年半以上続きます。外国人が数人の会社は、手間と金額が見合うかを先に比べてください。受け取った助成金は会社の収入として課税されます(補助金・助成金ガイド)。

国の他の補助金・助成金と同じ措置で重ねて受け取ると、どちらか一方しか受けられない場合があります。計画書には、受けている(受ける予定の)補助金をすべて書く欄があります。

寮や日本語教育の費用は県の補助金が対象

国の助成金は、責任者を置く・書類を訳すといった「仕組みづくり」への定額です。寮の改修やエアコン、日本語教室の費用は、県の補助金のほうが対象になります。2026年度に募集している例です。

県主な対象経費補助率・上限対象の在留資格締切
鳥取県住環境の整備、通信環境、生活用の備品3分の1・150万円(住環境の整備なしは50万円)技能実習・育成就労・特定技能・高度専門職・技術・人文知識・国際業務10月19日に受付再開
宮城県(農業)寮の改修・生活備品/受入れの手続き3分の1・100万円/定額1人10万円(2人まで)特定技能・技能実習・育成就労など2027年1月25日17時必着
島根県多言語の標識、翻訳機、施設の改修など3分の1・50万円技能実習・特定技能2026年11月30日
福岡県寮のエアコン・鍵付きロッカー・洗濯機、採用向けの動画など2分の1・30万円技能実習のみ2026年11月30日必着
長野県日本語教室の開催・受講の費用2分の1・15万円技能実習2027年2月19日まで(補助対象期間)

※各県の公式ページより(2026年10月22日確認)。鳥取県は農業・介護・障害福祉の事業者を除く。宮城県は県内の農業者が対象。島根県は介護・看護分野を除く。福岡県はパートナーシップ構築宣言が必要。

どの県も予算に達した時点で締め切ります。新潟県の「外国人材受入・定着支援事業」は、2026年度分がすでに予算の上限に達して受付を終えました[新潟県 外国人材受入環境整備事業費補助金]。県の補助金は交付決定の前に始めた工事や購入は対象にならないので、申請してから着手してください。

市町村が独自に補助している地域もあります。会社のある自治体の補助金は補助金データベースで探せます。外国人の従業員の年末調整や扶養の書類は外国人の確定申告・年末調整で整理しています。

まとめ

  • 国の外国人労働者就労環境整備助成コースは、10月1日以降に出す計画から20万円(一時帰国休暇を足して25万円)になった
  • 9月30日までに計画を出した会社は旧ルール(1措置20万円・上限80万円)のまま
  • 新ルールでは、3か月ごとの面談と責任者の講習受講(無料・約3時間30分)が必須
  • 計画期間1年なら、申請できるのは計画提出の1年8か月後
  • 寮や日本語教育の費用は、鳥取県(上限150万円)など県の補助金が対象

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公開日:2026年10月22日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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