引っ越した年の税金|確定申告の提出先・住民税は1月1日・ワンストップ・国保

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  • 公開。国税庁(納税地の異動の手続・No.1234)、総務省「個人住民税」、ふるさと納税ワンストップ特例の変更届出、市区町村の国民健康保険の案内をもとに作成

引っ越しの手続きは転出届と転入届で終わり、と思いがちですが、税金と保険は「いつ引っ越したか」の日付で行き先が変わります。確定申告は提出するときに住んでいる場所の税務署へ、住民税は1月1日に住んでいた自治体から1年分、ふるさと納税のワンストップは1月10日までに変更届、国民健康保険は14日以内に切替、転勤なら住宅ローン控除が止まることもあります。引っ越した年に必ず出てくる5つの手続きを、境目の日付で整理します。

結論:5つの手続きと「境目の日付」

手続きどこへ・どうなる境目の日付
所得税の確定申告提出するときの住所地の税務署へ。届出書は不要、申告書に新住所を書くだけ申告書を出す日
住民税1月1日に住んでいた市区町村が、その年度の1年分を課税。引っ越しても請求元は変わらない1月1日
ふるさと納税ワンストップ寄附した翌年1月1日までに住所が変わったら、1月10日までに変更届を寄附先ごとに提出1月1日と1月10日
国民健康保険転出・転入から14日以内に手続き。保険料は月単位で切り替わる転入日
住宅ローン控除(転勤)家族全員で転居するとその年から適用停止。事前の届出で戻ったときに再適用住まなくなった日

会社員なら勤務先への住所変更で住民税と年末調整の書類は自動的に整いますが、ふるさと納税・国保・住宅ローン控除は自分で動かないと誰も直してくれません。

① 確定申告:提出するときの住所地の税務署へ。届出書はもう要らない

所得税の申告書は、提出する時点の住所地(納税地)を管轄する税務署に出します。かつては引っ越すと「納税地の異動に関する届出書」を出す必要がありましたが、2023年(令和5年)1月1日以後はこの届出書が不要になり、異動後の住所を書いた申告書を提出すれば手続きが済むことになりました[国税庁 A1-6]。

申告書には「現在の住所」と「1月1日の住所」の2つの欄があります。1月1日の住所は住民税の課税自治体を決めるためのもので、ここを旧住所のまま正しく書くのがポイントです。住民票を移していなくても、実際に住んでいる場所が納税地です。

e-Taxなら税務署の違いを気にしなくてよい

確定申告書等作成コーナーで新住所を入力すれば、管轄の税務署は自動で決まります。源泉徴収票の住所が旧住所のままでも、申告書に書く住所は提出時点のもので構いません。個人事業主で振替納税を使っている人は、管轄の税務署が変わると振替依頼を新しい税務署に出し直す必要があります(申告書の「振替継続希望」欄に○を付ける方法でも可)[国税庁 G-2-1]。

② 住民税:1月1日に住んでいた自治体が1年分を請求し続ける

個人住民税は「その年の1月1日現在で市町村に住所を有する者」に課税されます[総務省]。年度の途中で引っ越しても、その年度の住民税は旧住所の自治体に払い続け、新住所の自治体からの請求は翌年度からです。二重に払うことも、月割りで分かれることもありません。

引っ越し日で変わる住民税の請求元(2026年度・2027年度の例)
2026/1/12027/1/12027/12 2026年度の住民税:1月1日に住んでいたA市が課税(年内に引っ越しても変わらない) 12月にB市へ転入 → 2027年度はB市 1月2日以降にB市へ転入 → 2027年度もA市 課税の基準は「1月1日にどこに住んでいたか」だけ。年末の引っ越しは1日の差で翌年度の請求元が変わる
出典:総務省「個人住民税」(賦課期日は1月1日)をもとに作成

実務で起きる混乱は2つです。ひとつは会社の住所変更が遅れて、給与支払報告書が旧住所の自治体に届くこと。翌年度の住民税が旧自治体から来て、後から新自治体へ付け替える手間が出ます。年内に引っ越したら年末調整の前に勤務先へ届けてください。もうひとつは、転職や退職で普通徴収の納付書が旧住所へ郵送されること。転送届を出していても、自治体には住所変更を伝えておくと確実です。住民税のしくみは住民税の仕組みと計算を参照してください。

③ ふるさと納税のワンストップ:1月10日までに「変更届出書」

ワンストップ特例は、寄附先の自治体が翌年1月1日の住所地の自治体へ控除の情報を送るしくみです。寄附した後に引っ越すと送り先が変わるため、寄附した年の翌年1月1日までに住所が変わった人は、1月10日までに「申告特例申請事項変更届出書」を寄附先の自治体ごとに提出する必要があります。1月2日以降の引っ越しなら変更届は不要です。

引っ越しの時期やること
寄附の前に引っ越し済み新住所で申請すればよい。変更届は不要
寄附の後〜翌年1月1日まで寄附先ごとに変更届出書を1月10日までに提出
翌年1月2日以降変更届は不要(1月1日の住所で処理済み)
変更届を出し忘れた・間に合わないワンストップは無効になるので確定申告で寄附金控除を受ける(出した分も含めて全部)

寄附先が5自治体あれば変更届も5通です。年末に引っ越す予定があり寄附先が多い人は、最初からワンストップを使わず確定申告にまとめたほうが手数が減ります。ワンストップの基本はふるさと納税完全ガイドを参照してください。

④ 国民健康保険:14日以内に切替。保険料は月単位で分かれる

国民健康保険は市区町村ごとの制度なので、別の市区町村へ引っ越すと旧住所で資格喪失、新住所で加入の2つの手続きが要ります。期限はどちらも異動日から14日以内で、転出届と同時に済ませるのが確実です。

  • 保険料は月単位で計算し、転入した月から新住所の自治体に払います。旧住所は転出した月の前月分までです。日割りはありません。
  • 資格喪失の手続きを忘れると、旧住所の保険料がそのまま請求され続けることがあります。
  • 保険料の水準は自治体で大きく違います。同じ所得でも年に数万円から十数万円の差が出るので、転居先の料率は国民健康保険料ランキングで確認できます。

会社の健康保険に入っている人は、勤務先への住所変更だけで済みます。国民年金の第1号被保険者は、転入届と同時に年金の住所変更も行います。

⑤ 転勤で住宅ローン控除が止まる場合と、戻ったときの再適用

住宅ローン控除は「自分が住んでいる家」が前提です。転勤で家族全員が引っ越して誰も住まなくなると、住まなくなった年から控除は受けられません。ただし転任命令などやむを得ない事情で、住まなくなる前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に提出しておけば、戻って再び住み始めた年から残りの期間について再適用を受けられます[国税庁 No.1234]。

控除が続く・戻る

  • 単身赴任で配偶者や子が住み続ける場合は、本人が住んでいるものとして控除が続く
  • 家族全員で転居しても、事前の届出があれば再入居した年から再適用

控除が止まる・戻らない

  • 家族全員で転居し、住まなくなった年以降(その年の分から受けられない)
  • 事前の届出を出さずに転居し、後から戻った場合は再適用できない

再適用の年は年末調整ではなく確定申告で計算明細書を添付します。届出書は「住まなくなる前」に出すのが要件なので、辞令が出たら引っ越しより先に税務署へ行ってください。控除の基本は住宅ローン控除ガイドを参照してください。

そのほか引っ越しで動くもの

  • 個人事業主の届出——所得税・消費税の納税地の異動届は不要になりましたが、事業税は都道府県、償却資産税は市区町村の管轄が変わります。開業届の住所は次の申告書に新住所を書けば足ります。
  • マイナンバーカード——転入届のときに券面の住所を書き換えます。書き換えないと電子証明書が使えなくなり、e-Taxやマイナポータル連携に支障が出ます。
  • 会社員の転居費用——転勤に伴う引っ越し費用を自分で負担した場合は、給与所得の特定支出控除の「転居費」になり得ますが、給与所得控除の半分を超えた部分しか引けないため、実際に使える人はまれです。会社が負担した転居費は非課税です。
  • 児童手当・保育料・自治体の給付——住民税と同じく前年所得で判定しますが、申請先は新住所の自治体です。転入後に改めて申請が要るものがあります。

今日やること

  1. 引っ越し日が「1月1日をまたぐか」を確認する。年末なら住民税の請求元とワンストップの変更届が変わる。
  2. ふるさと納税を今年した人は、寄附先の自治体名を書き出す。翌年1月1日までに転居するなら、その数だけ変更届が要る。
  3. 転勤で持ち家を離れる人は、引っ越しの前に税務署へ届出書を出す。後からでは再適用できない。

よくある質問

住民票を移していません。確定申告はどこに出しますか?

実際に住んでいる場所の税務署です。所得税の納税地は原則として住所地(生活の本拠)で、住民票の所在地ではありません。申告書には現在の住所と1月1日の住所を書き、源泉徴収票の住所と違っていても問題ありません。

12月に引っ越しました。今年の住民税は新旧どちらの自治体に払いますか?

今年度の住民税は、今年の1月1日に住んでいた旧自治体に年度末まで払います。翌年度の住民税は翌年1月1日に住んでいる新自治体からの請求になります。二重払いも月割りもありません。

ワンストップの変更届を出し忘れました。寄附は無駄になりますか?

無駄にはなりません。ワンストップの申請は無効になりますが、確定申告で寄附金控除を受ければ同じ控除が受けられます。その場合は、変更届を出した分も含めて、その年の寄附をすべて確定申告に載せてください。

転勤で家族全員が引っ越します。住宅ローン控除はどうなりますか?

住まなくなった年からその家の控除は受けられません。ただし、引っ越す前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に出しておけば、戻って再び住み始めた年から残りの期間について再適用を受けられます。単身赴任で家族が住み続ける場合は、控除は止まりません。

参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。国民健康保険の手続きは市区町村ごとに案内が異なるため、転入先の案内をご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。個別の判断は税務署・市区町村・税理士にご確認ください。

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公開日:2026年09月25日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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