定款とは|必ず書く5項目と認証手数料3万〜5万円、電子定款で印紙税4万円が不要になる理由

カテゴリ:法人・経営

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  • 公開。会社法(26条・27条〜30条・37条・107条・309条・466条・575条・939条)、公証人手数料令35条・40条、会社計算規則59条、国税庁タックスアンサー No.7141・No.7191・No.7131・No.6531、国税庁質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」、法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」「合同会社の設立手続について」をもとに作成

定款(ていかん)は、会社の目的や商号などの基本ルールを書いた文書です。株式会社は公証人の認証を受けないと定款の効力が生じません[法令検索 会社法30条]。認証手数料は資本金の額に応じて3万円・4万円・5万円の3段階、条件を満たす小さな会社だけ1万5,000円です。もうひとつ大きいのが印紙税で、紙なら4万円、電子データなら0円。印紙税がかかるのは「文書」で、電磁的記録は文書に含まれないからです。合同会社は認証そのものが要りません。何を書き、いくらかかり、あとで変えるときに何円要るのかを整理します。

結論:定款まわりでかかるお金

かかるお金株式会社(紙)株式会社(電子)合同会社(電子)
公証人の定款認証3万〜5万円3万〜5万円不要(0円)
印紙税(第6号文書)4万円0円0円
設立登記の登録免許税15万円〜15万円〜6万円〜
合計の目安22万円〜18万円〜6万円〜

出典:公証人手数料令35条[法令検索]、国税庁 No.7141[国税庁]、国税庁 No.7191[国税庁]。合計は最低額を本サイトが足したものです。

登録免許税は「資本金の1,000分の7」で、株式会社15万円・合同会社6万円に満たなければその最低額です[国税庁 No.7191]。設立費用の全体像は会社設立の費用、手続の順番と提出期限は会社設立の流れと届出の期限で解説しています。

定款とは:会社の憲法にあたる文書

定款は、何をする会社で、名前は何で、本店はどこかを定めた根本のルールです。株式会社では発起人が作り、全員が署名または記名押印します[法令検索 会社法26条]。そして公証人の認証を受けなければ効力が生じません[法令検索 会社法30条]。認証するのは本店所在地を管轄する法務局・地方法務局所属の公証人です[法務省]。

法務省「合同会社の設立手続について」より

「合同会社の定款については、公証人の認証を受ける必要はありません。」[法務省]

この一行で、合同会社は3万〜5万円が不要になります。2つの形態の違いは合同会社と株式会社の違いにまとめました。

定款に書く内容は3種類

法務省は「絶対的記載事項、相対的記載事項及び任意的記載事項の3種類がある」としています[法務省]。

種類意味書かないとどうなるか
絶対的記載事項必ず書く5項目(会社法27条)定款そのものが無効
相対的記載事項書いて初めて効力が出る事項(28条・29条)その定めだけが使えない
任意的記載事項法令に反しない範囲で自由に書ける事項書かなくても支障なし

必ず書く5項目

会社法27条が「記載し、又は記録しなければならない」とする5つです[法令検索 会社法27条]。

  1. 目的——行う事業。将来やる事業も入れておくと変更登記を避けられます。
  2. 商号——会社の名前。株式会社の文字を必ず入れます。
  3. 本店の所在地——市区町村まで書けば足ります。番地まで書くと市内の移転でも定款変更が要ります。
  4. 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額——資本金のもとです。
  5. 発起人の氏名または名称および住所——出資して立ち上げる人です。

資本金の額は認証手数料の段階を決め[法令検索 公証人手数料令35条]、1,000万円以上だと1期目から消費税の納税義務が免除されません[国税庁 No.6531]。

28条は、現物出資・成立後に譲り受ける財産・発起人の報酬・設立費用の4つを、書かなければ効力が生じないと定めています[法令検索 会社法28条]。車や機械を現物で出資するなら書き忘れられません。

認証手数料は3万〜5万円。1万5,000円で済む条件

定款に記載された資本金の額認証手数料
100万円未満3万円(下の3条件をすべて満たせば1万5,000円)
100万円以上300万円未満4万円
それ以外(300万円以上)5万円
1万5,000円になる3条件(資本金100万円未満の株式会社)
  • 定款に記載された発起人の全員が自然人で、その数が3人以下
  • 発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載または記録がある
  • 取締役会を置く旨の記載がない

出典:公証人手数料令35条1号イ〜ハ[法令検索]

一人で小さく始めるなら、資本金を100万円未満にするだけで3つとも満たすことが多く、手数料は半額です。ただし資本金が小さいと取引先や金融機関からの見え方も変わります。1万5,000円だけで決める話ではありません。

登記や口座開設に使う謄本は1枚250円です[法令検索 公証人手数料令40条2項]。

紙の定款は印紙税4万円。電子定款が0円になる理由

定款は印紙税の第6号文書、税額は4万円です[国税庁 No.7141]。課税対象は「設立のときに作成される定款の原本」で、合同会社も紙なら4万円です。株式会社では「公証人が保存するもの以外のもの」は非課税なので、貼るのは原本1通だけです。

国税庁 質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」

「印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。」[国税庁 質疑応答事例]

会社法も、定款は電磁的記録で作ってよいとしています[法令検索 会社法26条2項]。紙に印刷すれば課税文書、データのままなら課税対象外です。中身は同じなのに4万円変わるのは、印紙税が紙を前提に作られた古い税だからです。金額の一覧は収入印紙の金額一覧で確認できます。

資本金50万円・発起人1人・取締役会なしの株式会社(本サイトの試算)

  • 紙:認証1万5,000円+印紙4万円+登録免許税15万円=20万5,000円
  • 電子:認証1万5,000円+印紙0円+登録免許税15万円=16万5,000円
  • 差額は4万円(謄本代・専門家への報酬は含みません)

※上の計算は公証人手数料令35条・国税庁 No.7141・No.7191の金額を本サイトが当てはめたものです。

紙なのに印紙を貼り忘れると本来の3倍の過怠税です(自分から申し出れば1.1倍)[国税庁 No.7131]。4万円の貼り忘れが12万円になりえます。

電子定款の作り方と、4万円が丸ごと残るとは限らない話

電子定款は、データに署名または記名押印に代わる措置=電子署名を付けて作ります[法令検索 会社法26条2項]。合同会社の定款も電磁的記録で作れます[法令検索 会社法575条2項]。

  1. 内容を固める。5項目に加え事業年度や公告方法も入れます。
  2. 電子署名を付ける。発起人の電子証明書が要ります。
  3. 公証人の認証を受ける。株式会社だけの手順で、合同会社にはこの段階がありません[法務省]。
  4. 設立登記を申請する。定款を添えて法務局へ。

電子定款が向く

  • 電子証明書と読み取り環境がある
  • 設立を専門家に依頼する
  • これから複数の法人を作る

紙でもよい場合

  • 証明書も読み取り機も持っていない
  • 自分ひとりで1社だけ作る
  • 締切が近く準備の時間がない

環境をゼロからそろえると証明書代や機器代がかかるので、4万円がそのまま残るとは限りません。

事業年度・公告方法・譲渡制限の決め方

事業年度

決算日は自由ですが、計算書類を作る期間は1年を超えられません[法令検索 会社計算規則59条2項]。設立日から遠い月を決算月にすれば1期目を長くとれます。資本金1,000万円未満なら1期目・2期目は消費税が原則免税なので、1期目が長いほど免税期間も延びます。ただしインボイス(適格請求書発行事業者)の登録をすると納税義務は免除されません[国税庁 No.6531]。取引先が課税事業者ばかりなら、この工夫の意味は薄れます。

公告方法

定款で選べるのは官報・日刊新聞紙・電子公告の3つです[法令検索 会社法939条]。何も書かなければ官報です(同条4項)。自社サイトで公告するなら定款にその旨を定めます。

株式の譲渡制限

株式を譲るときに会社の承認が要る、という定めは定款で置けます[法令検索 会社法107条]。知らない人に株が渡るのを防ぐ定めで、小さな会社ではほぼ必ず入れます。全部の株式に付けると利点が2つあります。

  • 役員の任期を定款で選任後10年以内に終わる事業年度の定時株主総会の終結時まで伸ばせます[法務省 会社の登記]。原則2年なので、役員変更登記の回数が減ります。
  • 設立時発行株式を発行可能株式総数の4分の1以上にする制限がかかりません[法令検索 会社法37条3項]。

定款を変えるときにかかるお金

成立後の定款変更は株主総会の決議です[法令検索 会社法466条]。特別決議なので、議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が要ります[法令検索 会社法309条2項]。書き換えること自体は無料で、費用が出るのは変えた内容が登記事項のときです。

変更する内容登録免許税
商号・目的・発行可能株式総数など申請1件につき3万円
本店の移転1箇所につき3万円
取締役・代表取締役・監査役の変更1件につき3万円(資本金1億円以下は1万円)
登記事項でない部分だけの変更0円(登記不要)

出典:国税庁 No.7191「登録免許税の税額表」[国税庁]

商号と目的を同時に変えるなら、1件にまとめれば3万円です。別々に出せば3万円が2回。本店移転は「1箇所につき3万円」で、管轄をまたぐと旧・新の2件分になります。申請の仕方で金額が変わるので、法務局に確認してから動きましょう。

合同会社も、登記事項の変更なら登録免許税は同じです。登記すべき事項を放置すると100万円以下の過料に処される可能性があります[法務省 会社の登記]。

よくある質問

電子定款にすれば認証手数料も安くなりますか。

いいえ。認証手数料は資本金の額で決まり、紙か電子かでは変わりません。安くなるのは印紙税の4万円だけです。1万5,000円になるのは、資本金100万円未満かつ本文の3条件をすべて満たす場合です。

合同会社なら紙の定款でも印紙は要りませんか。

要ります。第6号文書は合同会社の定款も対象で、紙の原本には4万円分の印紙が必要です。認証が不要なのと印紙税がかからないのは別の話で、電子定款にすれば0円です。

本店の所在地は番地まで書くべきですか。

会社法27条が求めるのは「本店の所在地」で、市区町村まで書けば足ります。番地まで書くと、同じ市区町村の中で移転しただけでも定款変更が必要です。登記には番地まで届け出ます。

定款を変えたら、もう一度公証人の認証が必要ですか。

必要ありません。株主総会の特別決議で変更し、登記事項であれば法務局へ変更登記を申請します。登録免許税は申請1件につき3万円です。

参考リンク(出典)

※一般的な情報提供です。個別の判断は公証役場・法務局・司法書士・税理士へ。金額や制度は改正で変わるため、最新は各公式サイトでご確認ください。

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公開日:2026年09月22日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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