収支内訳書と青色申告決算書の書き方|白色2ページ・青色4ページ、どの欄をどこへ転記するか

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  • 公開。国税庁 令和7年分の様式(青色申告決算書・収支内訳書)と各書き方・青色申告の決算の手引き・確定申告の手引き、No.1373・No.2070・No.2075・No.2106・No.2210 をもとに作成

確定申告で事業の利益を計算する用紙は2種類しかありません。青色申告の承認を受けている人は青色申告決算書(一般用)=全4ページ、承認を受けていない人は収支内訳書(一般用)=全2ページを作ります[国税庁 青色申告決算書(一般用)][国税庁 収支内訳書(一般用)]。どちらも1ページ目が本体で、売上→売上原価→経費→所得金額の順に上から下へ流れます。月別の売上や減価償却費の計算は2ページ目以降にあり、そこで出した数字を1ページ目へ戻す作りです。令和8年分(2026年分)の様式は2026年9月時点でまだ公表されていません[国税庁 確定申告書等の様式・手引き等]。ただし用紙は「令和5年分以降用」で共通なので、令和7年分の様式で下書きして構いません。この記事では、どの欄をどの順に埋め、最後にどこへ転記するのかを一本の順路にします。

結論:どちらの用紙を使い、どこから書くか

収支内訳書(一般用)青色申告決算書(一般用)
使う人青色申告の承認を受けていない人(白色申告)青色申告の承認を受けている人
ページ数2ページ4ページ
月別の売上・仕入欄なしあり(2ページ目)
貸借対照表なしあり(4ページ目)
専従者の扱い事業専従者控除(定額)青色事業専従者給与(届出額の範囲内)
青色申告特別控除受けられない最高65万円(令和8年分まで最高55万円の枠もあり)

出典:国税庁 令和7年分の各様式[国税庁 令和7年分の様式・手引き等]、国税庁 No.2070 青色申告制度[国税庁 No.2070]

用紙は税務署が選ぶものではなく、青色申告承認申請書を出して承認されているかどうかで決まります。承認を受けたい年の3月15日まで(その年1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内)に申請が必要です[国税庁 No.2070]。違いの全体像は青色申告と白色申告の違いで整理しています。

令和8年分の様式はまだ出ていない。令和7年分で下書きする

国税庁のサイトに並んでいる様式は、2026年9月時点で令和7年分が最新です。令和8年分のページはまだありません[国税庁 確定申告書等の様式・手引き等]。

公表時期について国税庁は「毎年何月に出す」とは書いていません。ただ令和7年分のページには令和7年12月24日付の正誤表の案内があり、前年の12月下旬には様式も手引きも掲載済みだったことが分かります[国税庁 令和7年分の様式・手引き等]。同じ流れなら令和8年分は2026年12月ごろに出る見込みですが、これは過去の実績からの推測です。

収支内訳書も青色申告決算書も、用紙の右上の表示は「令和5年分以降用」です。欄の並びは数年変わっていないので、確定申告前に練習するなら令和7年分の用紙で足ります。正式な提出は、令和8年分の様式が出てからその用紙(またはe-Tax)で行ってください。

青色申告決算書4ページの順路

1ページ目から書き始めると、途中で「2ページ目の数字が要る」と何度も止まります。後ろのページから埋めて、最後に1ページ目へ集めるのが速い順路です。

ページ書く内容1ページ目のどこへ行くか
4ページ目貸借対照表(期首・期末の2列)、製造原価の計算製造原価の26欄 →「仕入金額(製品製造原価)③」へ移記
3ページ目売上・仕入の明細(登録番号欄あり)、本年中における特殊事情、減価償却費の計算、利子割引料の内訳、税理士・弁護士等の報酬の内訳減価償却の「リ 本年分の必要経費算入額」の計 →「減価償却費⑱」
2ページ目月別売上(収入)金額及び仕入金額、給料賃金の内訳、専従者給与の内訳、地代家賃の内訳、貸倒引当金繰入額の計算、青色申告特別控除額の計算月別の計 →「売上(収入)金額①」「仕入金額③」/特別控除の計算の⑨欄 →「青色申告特別控除額㊹」
1ページ目損益計算書(売上→売上原価→経費→所得金額)㊺「所得金額」が最終値

出典:国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」[国税庁 青色申告決算書の書き方]

1ページ目(損益計算書)の流れ

  1. ①売上(収入)金額——雑収入を含めます。2ページ目の月別欄の計を持ってきます。
  2. ②期首商品棚卸高+③仕入金額−⑤期末商品棚卸高=⑥差引原価。棚卸高は期首・期末の棚卸表から取ります。
  3. ⑦差引金額(①−⑥)——ここまでが粗利です。
  4. ⑧租税公課から㉛雑費までの経費科目を埋め、㉜計、㉝差引金額(⑦−㉜)を出します。青色事業専従者へ払った給与は「⑳給料賃金」ではなく㊳専従者給与に書きます。
  5. ㊴貸倒引当金(繰入)などを差し引き、㊸青色申告特別控除前の所得金額を出します。
  6. ㊹青色申告特別控除額を引いた㊺所得金額が答えです。
4ページ目の貸借対照表は飛ばせない

4ページ目の左端には「65万円又は55万円の青色申告特別控除を受ける人は必ず記入してください」と書かれています[国税庁 青色申告決算書(一般用)]。元入金は「期首の資産の総額」から「期首の負債の総額」を引いて計算します(同上)。書き方は国税庁の貸借対照表作成の手引きが詳しいです[国税庁 貸借対照表作成の手引き]。

収支内訳書(白色)は2ページ。月別欄がないぶん短い

収支内訳書は1ページ目に損益、2ページ目に明細という構成です。青色申告決算書と違い、月別の売上・仕入を書く欄はありません[国税庁 収支内訳書(一般用)]。

ページ欄
1ページ目収入金額(①売上 ②家事消費 ③その他の収入 ④計)/売上原価(⑤期首棚卸 ⑥仕入 ⑦小計 ⑧期末棚卸 ⑨差引原価)/⑩差引金額/経費(⑪給料賃金〜⑯利子割引料)/その他の経費(イ租税公課〜レ雑費)=⑰小計/⑱経費計/⑲専従者控除前の所得金額/⑳専従者控除/㉑所得金額。右側に給料賃金の内訳・税理士等の報酬の内訳・事業専従者の氏名等
2ページ目売上(収入)金額の明細/仕入金額の明細(いずれも登録番号の欄あり)/減価償却費の計算/利子割引料の内訳/地代家賃の内訳/本年中における特殊事情

出典:国税庁 収支内訳書(一般用)様式[国税庁 収支内訳書(一般用)]、同「令和7年分 収支内訳書(一般用)の書き方」[国税庁 収支内訳書の書き方]

白色の専従者は「給与を払った額」ではなく定額の控除です。⑴配偶者は86万円、配偶者以外の親族は1人50万円、⑵⑲の金額÷(事業専従者数+1)——このいずれか少ない方が⑳に入ります[国税庁 収支内訳書の書き方]。なお雑所得の計算では専従者控除は使えません(同上)。

家事按分は「事業専用割合」欄で入れる

自宅兼事務所の家賃や自家用も兼ねる車は、事業で使った分だけが必要経費です。国税庁は「取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます」としています[国税庁 No.2210]。

用紙の上では、按分は「減価償却費の計算」のチ欄「事業専用割合」で入れます(青色申告決算書は3ページ目、収支内訳書は2ページ目)。ト欄の償却費合計にチ欄の割合を掛けた金額が、リ欄「本年分の必要経費算入額」です[国税庁 青色申告決算書(一般用)]。家賃や電気代のように減価償却ではない支出は、按分後の金額を地代家賃・水道光熱費などの科目へ直接書きます。割合の決め方は家事按分の割合は何パーセントが妥当かで詳しく扱っています。

青色申告特別控除65万円の要件と、令和9年分からの75万円

㊹に65万円と書けるかどうかは、決算書の作り方と提出方法で決まります。国税庁の決算の手引きは、65万円の要件を次の4つとしています[国税庁 青色申告の決算の手引き]。

  1. 複式簿記(正規の簿記の原則)で記帳していること
  2. 貸借対照表と損益計算書を添付すること(=4ページ目を埋めること)
  3. 期限内に申告すること(還付申告でも申告期限までに提出が必要)
  4. e-Taxで申告書と青色申告決算書を提出する、または仕訳帳・総勘定元帳について優良な電子帳簿の要件を満たして届出書を出すこと

④を満たさない場合は55万円、複式簿記でない簡易な記帳なら10万円です[国税庁 No.1373]。

令和9年分から最高75万円、紙の申告は10万円

令和8年度税制改正で、青色申告特別控除の上限は令和9年分以後の所得税について75万円に上がります。75万円は「65万円の要件+優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存」で、事前の届出書が要ります[国税庁 青色申告特別控除のご案内]。一方で、令和9年分からは書面申告の控除上限が10万円になります(令和8年分の確定申告までは書面でも55万円)(同上)。紙で出し続ける人は控除が45万円減る計算です。手を打つなら令和8年分の申告のうちに準備しておくのが無難で、青色申告特別控除が最大75万円にで要件と届出を整理しています。

決算書から確定申告書第一表への転記先

決算書・収支内訳書は、確定申告書と一緒に出します。国税庁の確定申告の手引きは、転記先を次のように示しています[国税庁 確定申告の手引き]。

決算書・収支内訳書確定申告書 第一表
売上(収入)金額収入金額等の「事業 営業等」の欄
所得金額(青色は㊺、白色は㉑)所得金額等の「事業 営業等」の欄
専従者給与額(青色)/専従者控除額(白色)「専従者給与(控除)額の合計額」の欄
青色申告特別控除額(㊹)「青色申告特別控除額」の欄

収入金額の欄には「区分」の四角があり、記帳・帳簿の保存の状況に応じて1〜5の数字を書きます。4または5に当てはまると、10万円を超える青色申告特別控除は受けられません(同上)。第二表には事業専従者の氏名・続柄・従事月数などを書きます。第一表・第二表の埋め方は確定申告書の書き方(第一表・第二表)にまとめています。

数値例:売上600万円・経費250万円の個人事業主(本サイトの試算)
  • ①売上(収入)金額 600万円(棚卸資産なし=売上原価ゼロ)
  • ㉜経費計 250万円(家事按分後の金額で記入)
  • ㊸青色申告特別控除前の所得金額 600万円−250万円=350万円
  • ㊹青色申告特別控除額 65万円(複式簿記・貸借対照表添付・期限内・e-Tax)
  • ㊺所得金額 350万円−65万円=285万円 → 第一表の「事業 営業等」の所得金額へ

※この計算は国税庁の様式の計算順に本サイトが数字を当てはめたもので、国税庁が掲載している計算例ではありません。ここから社会保険料控除や基礎控除を引いた額に税率がかかります。

つまずきやすい3つのミス

棚卸を忘れる

期末に残っている商品は経費になりません。②期首棚卸高と⑤期末棚卸高を入れ忘れると、原価が実態とずれて所得が動きます。棚卸高は「期首と期末の棚卸表」から取ると手引きに明記されています[国税庁 青色申告決算書の書き方]。棚卸表そのものも保存対象です。

減価償却を月割りしない

年の途中で買った資産は1年分ではなく使った月数分です。償却費に「12で除しその年分において業務に使用していた月数」を掛けます[国税庁 No.2106]。用紙ではニ欄「本年中の償却期間」に月数を書きます。月の途中で取得した月も1か月と数えます[国税庁 青色申告決算書の書き方]。

専従者給与の届出を出していない

家族への給与を㊳専従者給与に入れるには、「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。期限は必要経費に算入しようとする年の3月15日(その年1月16日以後に開業した場合や新たに専従者ができた場合は2か月以内)[国税庁 No.2075]。届出に書いた方法・金額の範囲内で払ったものだけが対象です(同上)。

決算全体の段取りは個人事業主の決算のまとめ方にまとめてあります。

よくある質問

令和8年分の様式はいつ出ますか。

2026年9月時点では未公表です。令和7年分は前年の12月下旬には掲載されており(令和7年12月24日付の正誤表があります)、同じ流れなら令和8年分も2026年12月ごろと見込まれます。これは過去の実績からの推測です。用紙は「令和5年分以降用」で共通なので、令和7年分の様式で下書きできます。

収支内訳書に月別の売上を書く欄はありますか。

ありません。月別売上(収入)金額及び仕入金額の欄があるのは青色申告決算書の2ページ目だけです。収支内訳書は2ページ目に売上先・仕入先ごとの明細を書きます。

貸借対照表を空欄のまま出すとどうなりますか。

65万円または55万円の青色申告特別控除は受けられません。決算書4ページ目の左端に「65万円又は55万円の青色申告特別控除を受ける人は必ず記入してください」と明記されています。簡易な記帳で貸借対照表を作らない場合の控除は10万円です。

自宅兼事務所の家賃は、用紙のどこで按分しますか。

減価償却資産は「減価償却費の計算」のチ欄「事業専用割合」で按分します。家賃や電気代のような支出は按分後の金額を地代家賃・水道光熱費などの科目へ直接書き、根拠の記録を手元に残します。

参考リンク(出典)

※記事中の数値例は本サイトが様式の計算順に当てはめたものです。個別の判断は税理士・税務署にご確認ください。

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公開日:2026年09月22日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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