保証料が半額になる新制度|モニタリング強化型特別保証の条件・申し込み方・借りた後の報告(2027年3月まで)

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  • 公開。中小企業庁「中小企業者の経営状況の変化の予兆を早期に把握することを後押しする新たな保証制度等の取扱を行います」(2026年3月2日)・同「認定経営革新等支援機関向け説明資料」・同「協調支援型特別保証制度について」・同「認定経営革新等支援機関」、東京信用保証協会・千葉県信用保証協会の制度案内、全国信用保証協会連合会「申込の流れ」「ご利用条件」、東京信用保証協会「信用保証料の計算方法」「料率の体系」「分割支払」をもとに作成

信用保証協会の保証付き融資には、金利とは別に「保証料」がかかります。料率は最大で年1.90%です。2026年3月16日に始まったモニタリング強化型特別保証制度は、2027年3月31日までに申し込むと国が保証料の2分の1を補助します。いま申し込める保証制度の中で補助率がいちばん高い制度です。条件は「認定経営革新等支援機関と組んで、毎月の財務・資金繰りを把握し報告すること」。この記事では、いくら安くなるのか、誰が使えるのか、申し込みの手順、借りた後に何をするのかを中小企業庁と信用保証協会の資料で整理します。

結論:2027年3月末までの申込なら保証料が半分になる

制度の骨子です。数字はすべて中小企業庁の公表資料によります[中小企業庁 2026年3月2日]。

項目モニタリング強化型特別保証制度
使える人認定経営革新等支援機関と連携し、月次で財務・資金繰りを把握して報告することを誓約した中小企業者(個人事業主を含む)
保証限度額2億8,000万円(普通保証2億円+無担保保証8,000万円。組合等は4億8,000万円)
保証料率年0.45%〜1.90%(9区分)
国の補助2026年3月16日〜2027年3月31日の申込分:保証料の2分の1相当
事業者の負担率年0.23%〜0.95%
保証期間分割返済10年以内(一括返済は1年以内)。据置は運転資金1年・設備資金3年以内
資金使途事業資金(運転資金・設備資金)
保証割合責任共有(協会80%・金融機関20%)
保証人法人代表者以外の連帯保証人は原則不要
取扱期間2029年3月31日申込分まで(2027年4月以降の補助は未定)

出典:中小企業庁「中小企業者の経営状況の変化の予兆を早期に把握することを後押しする新たな保証制度等の取扱を行います」および同庁「認定経営革新等支援機関向け説明資料」[中小企業庁 説明資料]。

ポイントは2つです。ひとつは補助率の高さで、2025年3月に始まった協調支援型特別保証制度の補助は2026年4月以降「3分の1」に下がっています[中小企業庁 協調支援型]。もうひとつは期限で、補助が決まっているのは2027年3月31日の申込分までです。

いくら安くなるか:1,000万円・5年なら6万〜26万円の節約

保証料は「借入額×料率×保証期間×分割係数」で決まります。東京信用保証協会の計算式と料率を使い、1,000万円を5年・毎月均等60回で借りる場合を試算しました[東京信用保証協会 計算方法]。補助後の負担率は中小企業庁の表のとおりです。

料率の区分通常の料率通常の保証料補助後の負担率補助後の保証料国の補助額
区分1(いちばん高い)1.90%522,500円0.95%261,250円261,250円
区分5(決算書が無いときの区分)1.15%316,250円0.58%159,500円156,750円
区分9(いちばん安い)0.45%123,750円0.23%63,250円60,500円

本サイトの試算(1,000万円・5年・60回均等・分割係数0.55)。料率は東京信用保証協会の「1,000万円超・無担保」の区分[東京信用保証協会 料率の体系]、負担率は中小企業庁の説明資料[中小企業庁]。料率は協会ごとに違います。

補助の対象にならないもの(中小企業庁の説明資料)
  • 返済条件を変えるときの「条件変更保証料」
  • 経営者保証を外す「事業者選択型経営者保証非提供制度」の上乗せ分の保証料
  • 担保割引・会計参与設置会社の割引など、通常の料率に付く割引はこの制度では適用されない

条件:認定支援機関と組んで「毎月の資金繰り」を見る約束をする

資格要件は1つだけです。認定経営革新等支援機関と連携して、月次で財務状況や資金繰り状況を把握し、経営状況を報告することを誓約する書面を出すことです[中小企業庁]。売上の減少や業種の指定といった条件はありません。

認定経営革新等支援機関は、税務・金融・企業財務の専門知識と実務経験が一定以上ある個人・法人を国が認定したものです。税理士・公認会計士・中小企業診断士・商工会議所・金融機関などが認定を受けています。2026年8月にも362機関が新たに認定され、中小企業庁の検索システムで探せます[中小企業庁 認定経営革新等支援機関]。顧問税理士が認定を受けていれば、その税理士と組むのがいちばん近道です。

確認すること内容
支援機関は誰か顧問税理士・会計事務所が認定支援機関か。違えば検索システムで探す
支援機関が申込先の銀行そのものの場合その銀行のプロパー融資残高が、金融機関からの総借入残高の5割以上であることが条件
提出する書面協会所定の申込書類に加えて「申込人資格要件申告書兼誓約書」
限度額の考え方2億8,000万円は「1企業あたり」。複数の協会を使う分は合算される。経営改善サポート保証のような「別枠」の記載はなく、一般の普通・無担保保証と同じ数字

出典:中小企業庁「認定経営革新等支援機関向け説明資料」[中小企業庁]。既存の保証付き借入がある場合、使える枠は協会に確認してください。

借りた後にやること:月次管理と年1回の報告を5事業年度

この制度の「対価」は、借りた後の報告です。中小企業庁の説明資料では、モニタリングの期間は貸付実行日の属する事業年度から5事業年度とされています[中小企業庁 説明資料]。やることは3種類です。

やること頻度期限・提出先
月次管理(財務状況・資金繰りの把握)毎月対象月の翌月末までに、支援機関と一緒に実施。様式は参考の「月次管理表」か任意のもの。提出は不要
モニタリング報告書年1回4〜9月決算の会社は12月中、10〜3月決算の会社と個人事業主は6月中に金融機関へ提出。初年度分は2年目分とまとめて出す
経営状況の変化に関する報告書該当したとき今後6か月以内に資金不足が懸念されるときなどに、直近決算書(と資金繰り表)を添えて速やかに金融機関へ。その後、事業者・支援機関・金融機関・協会の4者で支援方針を協議する

たとえば3月決算の会社が2026年5月に借りた場合、初回の月次管理は2026年5月分を6月中に行い、最終回は2031年3月分を2031年4月中に行います。モニタリング期間中に完済すれば、それ以降の報告は要りません。

「報告が負担」ではなく「資金繰りを毎月見てもらえる」と捉える

月次で資金繰りを把握し、危ないときは4者で早めに相談する仕組みです。制度の目的は、経営状況が変わる予兆を早くつかむことにあります。すでに顧問税理士と月次で数字を確認している会社なら、追加の手間はほとんどありません。

申し込みの手順:窓口は取引先の金融機関

信用保証の申込窓口は「金融機関」と「信用保証協会」の2つです。多くの場合、融資と保証の申込を金融機関の窓口で同時に行い、金融機関が必要書類を協会に送ります[全国信用保証協会連合会 申込の流れ]。この制度も、対象は各協会と約定を結んでいる金融機関です。

  1. 認定支援機関を決める。顧問税理士が認定を持っているか確認する。いなければ中小企業庁の検索システムで探す。
  2. 取引先の金融機関に「モニタリング強化型特別保証で借りたい」と伝える。資金使途(運転・設備)、金額、返済期間を整理しておく。据置は運転資金1年・設備資金3年以内。
  3. 書類をそろえる。協会所定の申込書(信用保証委託申込書・申込人概要・信用保証依頼書・個人情報の同意書)、確定申告書または決算書、商業登記簿謄本、印鑑証明書に加えて、申込人資格要件申告書兼誓約書を添付する。
  4. 審査を待つ。金融機関が融資適当と判断すると協会へ送られ、協会が審査して保証を承諾する。
  5. 融資実行と同時に保証料を払う。保証料は融資実行時に金融機関経由で支払う。補助後の負担率(年0.23%〜0.95%)で計算した額になる。
  6. 翌月から月次管理を始める。支援機関と月次管理表をつけ、年1回の報告に備える。

書類は全国信用保証協会連合会の一覧[全国信用保証協会連合会]と中小企業庁の説明資料による。協会や制度によって追加書類があります。

保証料の計算方法や9区分の料率、決算書が無いときの扱いは信用保証協会の保証料の記事で詳しく整理しています。創業したばかりで公庫も検討するなら日本政策金融公庫の創業融資の条件も参考になります。

協調支援型との違い:補助率と「見返り」が違う

2025年3月に始まった協調支援型特別保証制度も、同じ2億8,000万円・0.45〜1.90%の枠組みで保証料を補助します。違いは補助率と、事業者に求めることです[中小企業庁 協調支援型]。

項目モニタリング強化型(2026年3月〜)協調支援型(2025年3月〜)
求められること認定支援機関と月次管理・年1回の報告(5事業年度)要件1:保証付き融資額の1割以上のプロパー融資を同時に受ける
要件2:金融機関の支援で経営行動計画を作り、実行と進捗を報告
補助率(2026年4月〜2027年3月の申込)2分の13分の1(要件2は4分の1)
補助率(2027年4月〜)未定2027年4月〜2028年3月は4分の1
取扱期限2029年3月31日2028年3月31日

プロパー融資を同時に受けにくい規模の会社や、すでに税理士と月次で数字を見ている会社は、モニタリング強化型のほうが使いやすい設計です。逆に、月次の報告体制を組めない場合は協調支援型の要件1が現実的です。

注意点:補助は「申込日」で決まる

  • 期限は申込日基準。2027年3月31日までに協会が申込を受け付けた分が2分の1補助の対象です。融資実行日ではありません。
  • 2027年4月以降は未定。制度自体は2029年3月まで続きますが、補助の有無と率は決まっていません。
  • 保証料は一括払いが基本。東京信用保証協会は、保証料の補助を受ける場合は分割払いを認めていません[東京信用保証協会 分割支払]。
  • 金利は別。補助されるのは保証料だけで、金利は金融機関所定です。
  • 責任共有。協会の保証は80%で、金融機関も20%のリスクを負います。金融機関の審査は通常どおりあります。

今日やること

  1. 顧問税理士に「認定経営革新等支援機関の認定を持っているか」を聞く。持っていなければ中小企業庁の検索システムで近くの支援機関を探す。
  2. 直近の決算書と月次試算表を用意し、借りたい金額・使途・返済期間を1枚にまとめる。
  3. 取引先の金融機関に「モニタリング強化型特別保証制度」で相談する。申込日が2027年3月31日までに入るよう逆算する。

よくある質問

個人事業主でも使えますか。

使えます。対象は「中小企業者」で、中小企業庁の説明資料は報告の期限を「10〜3月決算の中小企業者(個人事業主を含む)は6月中」と定めています。個人事業主は暦年決算なので、モニタリング報告書は毎年6月中に金融機関へ出します。

顧問税理士が認定支援機関ではありません。どうすればよいですか。

中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」で、地域や得意分野から探せます。申込先の金融機関自身が認定支援機関になることもできますが、その場合はその金融機関のプロパー融資残高が総借入残高の5割以上であることが条件です。

補助はどうやって受け取るのですか。

自分で申請して後から受け取る形ではありません。保証料は融資実行時に金融機関経由で払いますが、その時点で補助後の負担率(年0.23%〜0.95%)で計算した額になります。東京信用保証協会は「顧客負担は0.23〜0.95%」と案内しています。

既存の借入の借り換えに使えますか。

資金使途は「事業資金(運転資金・設備資金・運転設備資金)」とされ、借り換えの可否は公表資料に明記されていません。既存の保証付き借入の借り換えを考えている場合は、申込前に協会と金融機関に確認してください。

報告をしなかったらどうなりますか。

誓約書に基づく制度なので、報告は義務です。公表資料に罰則の記載はありませんが、誓約に反すると次の保証の審査に影響しうると考えるのが自然です。月次管理は支援機関と一緒に行うので、税理士に任せる部分を最初に決めておくと続けやすくなります。

参考リンク(出典)

※保証料の試算は、東京信用保証協会の計算式と料率に中小企業庁の負担率を当てはめた本サイトの計算です。料率・必要書類・取扱は協会ごとに異なります。最新の取扱は中小企業庁と各信用保証協会でご確認ください。

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公開日:2026年09月29日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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