一人暮らしの住民税非課税は年収いくら?110万円の壁と自治体差

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住民税・一人暮らし

一人暮らしの住民税非課税ラインは年収いくらか——110万円へ動いた「壁」と自治体差

「住民税非課税世帯」と聞くと高齢者世帯のイメージがありますが、一人暮らしなら自分ひとりの収入だけで判定されるため、パート・アルバイト・年金暮らしの単身者には身近な境界線です。しかもこのライン、長く「年収100万円」と言われてきましたが、2026年度(令和8年度)から110万円に動きました。さらに来年度は119万円へ動く見込みです。もうひとつ見落とされがちなのが住んでいる自治体による差で、同じ年収でも非課税になる街とならない街があります。一人暮らしに絞って、自分のラインの調べ方まで整理します。

結論を先に。
・2026年度の一人暮らしの非課税ラインは、給与収入で110万円以下(東京23区など1級地)。
・自治体の級地区分で110万/106.5万/103万円と3段階に分かれる。
・65歳以上の年金暮らしなら155万円以下が目安(1級地)。
・2027年度は119万円へ上がる見込み(給与所得控除の再引き上げ)。
・ラインを下回ると「非課税世帯」向けの給付金・減免の対象になる(一人暮らしは自分の収入だけで世帯ごと判定)。

なぜ100万円から110万円に動いたのか

住民税が非課税になるかは「合計所得金額」で判定します。一人暮らし(扶養親族なし)の場合、均等割・所得割とも非課税になるのは合計所得45万円以下(1級地)です。給与だけの人は、ここから給与所得控除を足し戻した金額が「年収ライン」になります。

一人暮らしの非課税ライン(1級地・給与のみ)
合計所得45万円 + 給与所得控除65万円 = 給与収入110万円

2025年までは給与所得控除の最低額が55万円だったため「100万円の壁」でしたが、令和7年度税制改正で最低額が65万円に引き上げられ、2026年度の住民税(2025年の収入に対する課税)から110万円ラインになりました[江戸川区 令和8年度改正]。さらに給与所得控除は段階的に74万円へ上がるため、2027年度(2026年の収入分)は119万円がラインになる見込みです。

一人暮らしの住民税非課税ライン(給与収入・1級地)の推移
100万円〜2025年度110万円2026年度(今)119万円2027年度(見込み)
出典:令和7年度税制改正(給与所得控除の最低保障額55万→65万→74万円)をもとに作成。2027年度は改正法にもとづく見込み。

同じ年収でも自治体で違う——「級地」で3段階

あまり知られていませんが、均等割の非課税ラインは生活保護基準の「級地区分」によって自治体ごとに3段階に分かれています。基準となる45万円は1級地の数字で、2級地・3級地では低くなります。

級地主な地域の例非課税となる合計所得給与収入の目安(2026年度)
1級地東京23区・政令指定都市など45万円以下110万円以下
2級地県庁所在地クラスの市など41.5万円以下106.5万円以下
3級地その他の市町村38万円以下103万円以下

つまり、年収108万円の一人暮らしは、東京23区では非課税、3級地の町では課税という逆転が起きます。引っ越しの多い単身者ほど影響を受けやすいポイントです。自分の自治体の級地は「〇〇市 住民税 非課税 45万」などで市区町村サイトを確認するのが確実です[松戸市の例]。

「均等割だけ課税」のゾーンがある

所得割の非課税ライン(合計所得45万円)は全国一律なので、2・3級地では「均等割は課税されるが所得割はかからない」ゾーンが生まれます(例:3級地で給与104万〜110万円)。この場合の負担は均等割+森林環境税でおおむね年5,000円です。ゼロにはなりませんが、大きな負担ではありません。住民税のしくみ全体は住民税の仕組みと計算で解説しています。

年金暮らしの一人暮らしは「155万円」が目安

収入が公的年金だけの場合は、給与所得控除の代わりに公的年金等控除を使って同じ判定をします。

年齢公的年金等控除(最低額)非課税ラインの目安(1級地)
65歳以上110万円年金収入155万円以下
65歳未満60万円年金収入105万円以下

2・3級地では給与の場合と同様に少し下がります。年金と税金の全体像は年金にかかる税金と確定申告をご覧ください。

非課税だと何が変わるのか——税金ゼロより大きい「付随効果」

一人暮らしで非課税ラインを下回る実益は、住民税がゼロになること自体(年数万円)より、「住民税非課税世帯」向けの支援の対象になることのほうが大きい場合があります。物価高対策の給付金、高額療養費の自己負担区分、国民健康保険料の軽減判定など、非課税かどうかで線が引かれる制度は数多くあります。

どんな給付・減免があるかは非課税世帯の給付・減免一覧に、世帯としての判定条件は住民税非課税世帯の条件にまとめています。一人暮らしは「世帯=自分ひとり」なので、自分の収入だけで世帯まるごと非課税になる点が家族世帯との大きな違いです。

働き控えの判断は慎重に

非課税ラインを守るために収入を抑えるのは、多くの場合は損です。ラインを超えて発生する住民税は超えた分に対する約10%+均等割で、手取りが逆転するわけではありません。パート・アルバイトの人は、社会保険の壁(106万円・130万円の壁)のほうが手取りへの影響が大きいので、そちらを軸に考えるのがおすすめです。学生の一人暮らしは学生バイトと親の扶養もあわせてどうぞ。

自分のラインを確認する手順

今日やること

  1. 市区町村サイトで「住民税 非課税」を検索し、自分の自治体の級地(45万・41.5万・38万のどれか)を確認する
  2. 今年の見込み年収(1〜12月の給与合計)とライン(110万/106.5万/103万円)を比べる
  3. ラインを下回りそうなら、非課税世帯向けの給付・減免一覧で使える制度を確認する

よくある質問

一人暮らしで年収110万円ちょうどの場合、住民税はかかりますか?

1級地(東京23区・政令市など)なら、給与収入110万円ちょうどは合計所得45万円「以下」に収まるため非課税です。2級地は106.5万円、3級地は103万円がラインで、これを1円でも超えると均等割(年5,000円程度)がかかり始めます。

来年はラインが変わりますか?

変わる見込みです。給与所得控除の最低額が段階的に74万円へ引き上げられるため、2027年度の住民税(2026年1〜12月の収入に対する課税)では、1級地の非課税ラインは給与収入119万円以下になる見込みです。

非課税かどうかはどこで確認できますか?

毎年6月ごろに届く住民税決定通知書(非課税の人には届かない自治体もあります)や、市区町村の課税証明書・非課税証明書で確認できます。通知書の読み方は住民税決定通知書の見方の記事で解説しています。

参考リンク(出典)

本記事は次の公的情報をもとに作成しています。非課税限度額は自治体の条例で定められるため、最終的にはお住まいの市区町村の公表値を確認してください。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の税額計算を保証するものではありません。非課税判定は前年の所得・自治体の条例によります。具体的な判断はお住まいの市区町村または税理士にご確認ください。

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公開日:2026年09月12日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項