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- 出産手当金の計算式(支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均÷30×2/3・12か月未満のときの32万円)・支給期間・退職後の継続給付3要件・任意継続は対象外の節を追加。育児休業給付の令和8年8月1日改定の上限額(67%=332,454円/50%=248,100円/賃金日額16,540円/出生後休業支援給付13%=60,205円)と出生後休業支援給付の要件・例外7つを追記。社会保険料免除に「月末が育休中」「同一月内14日以上」「賞与は連続1か月超」「産後パパ育休も対象」を補足。出典=協会けんぽ(出産手当金/よくあるご質問/任意継続)・厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)・都道府県労働局リーフレット・日本年金機構
出産・育児では、もらえるお金が多く、しかもそのほとんどが「非課税」です。出産育児一時金50万円、産休中の出産手当金、育休中の給付金(2025年からは最大28日間「手取り10割」)、さらに社会保険料の免除と児童手当。この記事では、時系列でもらえるお金と税金・社会保険の扱い、出産費用の医療費控除の注意点まで総まとめします。
① 出産育児一時金:子ども1人につき50万円(健康保険から。直接支払制度で病院へ直接払いが主流)。
② 出産手当金:産休中(産前42日+産後56日)、給与のおよそ3分の2。
③ 育児休業給付は最初の180日が67%、以降50%。さらに2025年4月からの出生後休業支援給付(+13%)で、要件を満たすと最大28日間は80%=社保免除と合わせ手取り約10割[厚生労働省]。
④ 産休・育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が本人・会社とも免除。将来の年金は払ったものとして扱われます。
⑤ ①〜③はすべて非課税(確定申告・年末調整に書く必要なし)。出産費用は医療費控除の対象ですが、一時金50万円を差し引いて計算します。
時系列でみる「もらえるお金」
| 時期 | 制度 | 金額の目安 | 税金 |
|---|---|---|---|
| 出産時 | 出産育児一時金(健康保険) | 1児につき50万円 | 非課税 |
| 産休中(産前42日+産後56日) | 出産手当金(健康保険・会社員) | 標準報酬日額の2/3×休んだ日数 | 非課税 |
| 育休中 | 育児休業給付金(雇用保険) | 180日まで67%/以降50%(日額上限あり) | 非課税 |
| 子の出生直後 | 出生後休業支援給付金(2025年4月〜) | +13%(最大28日間)→計80%=手取り約10割[厚労省] | 非課税 |
| 育児中(継続) | 児童手当(2024年10月拡充) | 3歳未満1.5万円・3歳〜高校生年代1万円・第3子以降3万円/月(所得制限なし) | 非課税 |
「手取り10割」のからくりは、(1)給付80%が非課税、(2)社会保険料が免除、(3)雇用保険料も給与ゼロならゼロ、のため、普段の手取り(額面の約8割)とほぼ同じになる、というものです。要件は、本人が対象期間(産後休業をしていない人は8週間、産後休業をした人は16週間)に通算14日以上の育休を取ること、かつ配偶者も出生後8週間以内に通算14日以上の育休を取ることです(配偶者側には例外あり)[厚労省リーフレット]。
出産手当金はいくら:標準報酬月額の3分の2の計算と、退職後も受け取れる条件
出産手当金は、まず「1日あたりの金額」を出し、それに休んだ日数をかけて計算します。日額は、支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均を30で割り、その3分の2です。
1日あたりの金額
支給開始日以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × 2/3[協会けんぽ よくある質問]
※支給開始日とは、いちばん最初に出産手当金が支給された日です。÷30の段で10円未満を四捨五入し、×2/3の段で1円未満を四捨五入します[協会けんぽ]。
入社から1年たっていない人は、平均を出す12か月がそろいません。その場合は次の2つのうち低い額を使って計算します[協会けんぽ よくある質問]。
- ア 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
- イ 全被保険者の標準報酬月額の平均額。支給開始日が令和7年4月1日以降なら32万円(令和7年3月31日以前は30万円)
数値例:標準報酬月額が30万円の人
30万円 ÷ 30日 = 10,000円
10,000円 × 2/3 = 6,667円(1日あたり)
6,667円 × 98日(産前42日+産後56日)= 約65万3,000円
※本サイトの試算。実際は支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均で計算し、産休中に給与が出た分は調整されます。
もらえる期間は産前42日+産後56日(多胎は産前98日)
| 区分 | 対象になる期間 |
|---|---|
| 産前 | 出産の日(実際の出産が予定日より後のときは出産予定日)以前42日。多胎妊娠は98日 |
| 産後 | 出産の翌日以後56日目まで |
| 出産日そのもの | 産前の期間に含めて数える |
| 予定日より遅れたとき | 遅れた期間も支給対象(出産予定日前42日+遅れた日数+産後56日) |
この範囲のうち、会社を休んで給与の支払いを受けなかった期間が対象です[協会けんぽ]。健康保険でいう出産は妊娠85日(4か月)以後の出産を指すため、死産・流産でも対象になります[協会けんぽ]。
退職しても受け取れる3つの条件
会社を辞めても、次の3つを満たせば退職後の期間について出産手当金を受けられます(資格喪失後の継続給付)[協会けんぽ よくある質問]。
① 資格喪失日の前日(退職日)までに、被保険者期間が継続して1年以上あること。健康保険の任意継続の期間は数えません。
② 資格喪失時に出産手当金を受けている、または受けられる条件を満たしていること。休職のまま退職した場合は、退職後も引き続き受けられます。
③ 退職日に出勤していないこと。退職日に出勤すると、退職日の翌日以降の分は受けられません。
任意継続被保険者は対象外です。在職中から続いている出産手当金は引き続き請求できますが、任意継続の期間中に発生した出産による出産手当金は支給されません[協会けんぽ 任意継続]。また、出産手当金は被保険者本人だけが対象で、扶養している家族の出産では出ません。傷病手当金との重複受給もできず、傷病手当金のほうが多い場合はその差額が傷病手当金として支給されます[協会けんぽ]。
育児休業給付は181日目から67%→50%
産休が明けると、給付は雇用保険の育児休業給付に切り替わります。支給額は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で、育児休業の開始から181日目以降は50%です。産後パパ育休(出生時育児休業給付金)が支給された日数も、67%の上限である180日に通算されます[厚生労働省]。
計算のもとになる休業開始時賃金日額には上限があり、日額の上限は16,540円、下限は3,203円です(令和9年7月31日までの額)。上限額は毎年8月1日に改定され、令和8年8月1日から次の額になっています[厚生労働省][都道府県労働局]。
| 給付(支給日数) | 令和7年8月1日〜 | 令和8年8月1日〜(現行) |
|---|---|---|
| 育児休業給付金(67%・30日) | 323,811円 | 332,454円 |
| 育児休業給付金(50%・30日) | 241,650円 | 248,100円 |
| 出生時育児休業給付金(67%・28日) | 302,223円 | 310,290円 |
| 出生後休業支援給付金(13%・28日) | 58,640円 | 60,205円 |
出生後休業支援給付金は、この67%に13%を上乗せして合計80%にする給付です。上乗せの対象は最大28日分で、本人が対象期間に通算14日以上の育休を取り、かつ配偶者も出生後8週間以内に通算14日以上の育休を取ることが要件です。配偶者の育休を要件としない例外は7つあり、①配偶者がいない(一定の行方不明を含む)②配偶者と子に法律上の親子関係がない③配偶者の暴力で別居中④配偶者が無業⑤配偶者が自営業やフリーランスなど雇用される労働者でない⑥配偶者が産後休業中⑦①〜⑥以外の理由で配偶者が育児休業をできない、のいずれかに当てはまる場合です[厚生労働省]。28日で上乗せが終わったあとの落差は出生後休業支援給付金の手取り10割は最初の28日だけで日付ごとに整理しています。
社会保険料の免除(地味に大きい)
- 産休・育休中は、申出により健康保険料・厚生年金保険料が本人負担・会社負担とも免除されます。手続きは、本人が会社に申し出て、会社が「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出します[日本年金機構]。
- 毎月の保険料は、育休を開始した日の属する月から、育休が終わる日の翌日が属する月の前月まで免除されます。つまり月の末日が育休中なら、その月は免除です。
- 月末にかからない場合でも、同じ月の中で14日以上の育休を取れば、その月の保険料は免除されます(令和4年10月1日以降に開始した育休)。14日は土日などの休日も含めて数え、休業中の就業予定日は除きます。同じ月に分けて取ったときは合算して数えます[日本年金機構]。
- 賞与にかかる保険料は、賞与を支払った月の末日を含む連続した1か月を超える育休を取った場合だけ免除されます。1か月を超えるかは暦日で判断し、土日などの休日も期間に含めます[日本年金機構]。
- 産後パパ育休(出生時育児休業)も免除の対象です。また免除期間は、将来の年金額を計算するときに保険料を納めた期間として扱われるため、将来の年金は減りません[日本年金機構]。
- 復帰後は「養育期間の標準報酬月額特例(養育特例)」を申し出ると、時短勤務で給与が下がっても年金額は下がる前の水準で計算されます。申出を忘れやすい制度の筆頭なので、会社の労務担当に確認を。
- 自営業(国民年金第1号)の人も産前産後4か月の国民年金保険料免除(満額納付扱い)があります(国民年金の免除・猶予)。国保にも産前産後の均等割等の軽減があります。
税金まわりの注意点
- 給付はすべて非課税=所得にカウントされません。育休で収入が下がった年は、配偶者控除・配偶者特別控除の対象になれることが多い(給付は所得に含めず判定。配偶者控除)。共働きでも育休の年は要チェックです。
- 出産費用は医療費控除の対象:定期検診・通院費・分娩入院費など。ただし出産育児一時金(50万円)は補填として差し引いて計算します(出産手当金・育児休業給付は差し引かない)。詳しくは医療費控除の計算方法。
- 16歳未満の子に扶養控除はありませんが、住民税の非課税判定には扶養の数が効くため、年末調整の「住民税に関する事項」欄への記入は意味があります。
- 会社員の給与からは子ども・子育て支援金の徴収が始まっています(児童手当拡充等の財源)。
よくある質問
育休中の給付金に税金はかかりますか?
かかりません。出産育児一時金・出産手当金・育児休業給付・出生後休業支援給付はすべて非課税で、確定申告や年末調整に記載する必要もありません。社会保険料も免除されるため、給付率80%でも手取りは普段の約10割に相当します。
「手取り10割」は誰でも・いつまでもらえますか?
2025年4月以降、父親は子の出生後8週間以内に14日以上、母親は16週間以内に14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間、育児休業給付67%に13%が上乗せされ計80%(手取り約10割相当)になります。29日目以降は67%(180日まで)に戻ります。
退職しても出産手当金はもらえますか?
3つの条件を満たせばもらえます。①退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あること(任意継続の期間は除く)②退職日に出産手当金を受けているか、受けられる条件を満たしていること③退職日に出勤していないことです。退職日に出勤すると、退職日の翌日以降の分は受けられません。任意継続被保険者になっても、その期間中に発生した出産の出産手当金は支給されません。
育休中の妻(夫)を配偶者控除に入れられますか?
入れられることが多いです。育休給付や出産手当金は非課税で所得に含めないため、その年の給与収入が123万円以下(2025年分以降)なら配偶者控除、約201万円以下なら配偶者特別控除の対象になり得ます。年末調整で申告を忘れずに。
出産費用は医療費控除に入れられますか?
入れられます。妊婦健診・通院交通費・分娩入院費などが対象です。ただし出産育児一時金(50万円)は補填金としてその出産費用から差し引いて計算します。出産手当金や育児休業給付は差し引く必要はありません。
データの出典
- 出生後休業支援給付金(13%上乗せ・最大28日・要件):厚生労働省 リーフレット(2025年8月改訂版)/同 制度概要
- 育児休業給付の支給率・上限額(令和8年8月1日〜):厚生労働省・ハローワーク「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)/都道府県労働局リーフレット「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります。」
- 出産手当金の計算式・支給期間・退職後の継続給付:全国健康保険協会(協会けんぽ)出産手当金/同 よくあるご質問/同 任意継続
- 産休・育休中の社会保険料免除:日本年金機構 育児休業等を取得・延長したときの手続き/同 厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)
- 医療費控除と出産費用:国税庁 No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例
※給付の上限額・手続きは加入する健康保険・雇用保険の運用によります。本記事は一般的な情報提供であり、個別の支給可否は勤務先・保険者・ハローワークにご確認ください。
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