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- 公開。2026年9月15日閣議決定の大綱(内閣官房)の「第三 就業者負担軽減支援金の支給等」「第四 検討等」をもとに、支給の受け方・基準日・非課税の扱いを整理
最終更新:2026年9月17日/2026年9月15日に国が決めた計画書(閣議決定された「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」)をもとにしています。法律が国会を通れば、このとおりに始まります。審議はこれからです。
ずっと「給付付き税額控除」と呼ばれてきた新しい給付金の名前が、就業者負担軽減支援金に決まりました。2027年4月から始まります。
見落としやすいのは受け取り方です。これは黙っていれば振り込まれるお金ではありません。基本は、自分で市区町村に「ください」と申し出る必要があります。ただし例外がひとつあって、マイナンバーに銀行口座を登録してある人(公金受取口座)は、申し出なくても市区町村のほうで手続きしてくれます。しかも国は、こちらを普段のやり方にすると決めました。
だから、金額が決まるのを待つ必要はありません。いま確認すべきなのは、自分の口座が登録されているかどうかです。
黙っていても振り込まれるのか
結論から言うと、口座を登録していない人には振り込まれません。国の計画書にはこう書かれています。
支援金を受け取りたい人は、自分で申し出て、1月1日に住んでいた市区町村から「あなたは対象です」と認めてもらう必要がある(要約)
つまり自分から動かないと始まらない仕組みです。年金や児童手当のように一度手続きすれば毎年続くものとも、給与計算の中で会社が勝手にやってくれる定額減税とも違います。
ただ、そのすぐあとに例外が置かれています。
マイナンバーに銀行口座を登録している人で、対象かどうかも金額もはっきりしている場合は、本人の申し出がなくても市区町村が自分で判断して振り込んでよい。この方法だと申請書に口座を書いたり通帳のコピーを付けたりしなくて済み、本人も役所も手間が減る。だから、普段の事務ではこちらを原則とする(要約)
公金受取口座とは——国(デジタル庁)に「給付金はこの口座に振り込んでください」と先に登録しておく銀行口座のことです。マイナンバーと結びつけて登録します。コロナのときの給付金で口座を書かされた人も多いと思いますが、あれを毎回やらなくて済むようにする仕組みです。マイナポータル(国のサイト)で登録できて、登録済みかどうかもそこで確認できます。
役所の言葉では「公的給付支給等口座」と呼ばれ、本人の申し出なしに役所が手続きすることを「職権で認定する」と言います。この記事では意味のわかる言葉に置き換えて説明します。
この2つを合わせると、実際には次の2通りに分かれます。
A口座を登録してある人
市区町村のほうで手続きしてくれるので、申し出も申請書もいりません。口座番号を書く必要も、通帳のコピーを付ける必要もありません。国がこちらを普段のやり方に決めたので、登録してある人がいちばん取りこぼしにくい形になります。
B登録していない人
自分で市区町村に申し出て、対象だと認めてもらう必要があります。この申し出には期限が決められる予定ですが、いつまでなのかはまだ公表されていません。期限を過ぎたらどうなるのかも決まっていません。先に登録しておくほうが安全です。
登録してあっても、口座が古いと危ないので注意してください。市区町村が自動で手続きできるのは「対象かどうかも金額もはっきりしている登録者」の場合です。解約した口座が登録に残っていると、振り込みが戻ってしまいます。国もこれを心配していて、登録された口座が実際に使えるかを確かめる機能をつくる方針を計画書に書いています。転職・引っ越し・口座の解約をした人は、登録されている口座がいま使っているものかどうか、一度見ておく価値があります。
いつ・何回・どうやって振り込まれるのか
時期と回数は決まりました。まだ決まっていないのは金額だけです。
始まる
(2029年度だけ2回)
振り込まれるまで
支援金は1年分をまとめて払われます。市区町村が「あなたは対象で、金額はこれです」と決めた日から2か月以内に振り込まれます。回数は1年に1回。金額は1,000円単位で、端数は切り上げです。
| 年度 | 振り込みの回数 | こども加算の対象年齢 | 配偶者の収入は見るか |
|---|---|---|---|
| 2027年度(令和9年度) | 1回 | 16歳未満 | 見ない |
| 2028年度(令和10年度) | 1回 | 16歳未満 | 見ない |
| 2029年度(令和11年度) | 2回 | 19歳未満 | 見る |
| 2030年度以降 | 1回 | 19歳未満 | 見る |
2029年度だけ2回になるのは、飲食料品の消費税1%が2029年3月で終わるためです。そこで急に負担が増えないよう、2029年4月にまず半年分を先に払い、そのあと残りの半年分を払うという形になっています。消費税が8%に戻るときの話は2029年に8%へ戻すときの給付で追っています。
金額はまだ1つも決まっていません。いくら配るか、どのくらいの収入までが対象かは、これから政府が決めます。ニュースで見る「1人4万円」なども試算や案で、計画書に数字は出ていません。決まっているのは枠だけで、2027・2028年度に配る総額は「飲食料品の消費税を1%に下げたぶん」の範囲に収めるとされています。食料品の消費税が1%になることで国に入らなくなる税収の範囲で配る、という意味です。年収ごとの試算は給付付き税額控除の年収別シミュレーションで更新しています。
なお国は、自分の金額を自分で計算できるサイトと問い合わせ用の電話窓口を用意する方針も出しています。金額が決まれば、公式のサイトで自分の額を確かめられるようになりそうです。
そもそも自分は対象になるのか
対象は「働いていて、収入が中くらいから下の人」です。世帯ごとではなく1人ずつで判定します。条件は4つあります。
- 働いて得た収入が、一定より多いこと。給与のほか、自分で商売をしている人の利益も一定額を超えれば足して数えます。まったく働いていない人は対象になりません。
- 1年間の所得の合計が、一定より少ないこと。上の線は、扶養している子どもがいるかどうか・何人いるかで変わります。
- 税と社会保険料の負担が、一定以上あること。ここは少し複雑で、「住民税の額」と「自分で払った社会保険料」を足して、「受け取った年金」を引いた金額で見ます。要するに差し引きで負担しているほうが多い人が対象です。この条件があるため、働いていて現役と同じくらい負担している高齢者も対象に入ります。
- 結婚している場合は、配偶者の所得が一定以下であること。ただしこの条件は2029年度から。2027・2028年度は配偶者の収入を見ません。
もうひとつ、1月1日に日本に住んでいない人はもらえません。
金額の決まり方は「階段」になります。収入が低いところでは一定額、そこから収入が増えるにつれてだんだん増えていき、真ん中の層で頭打ちになり、収入が高くなるとだんだん減っていき、最後はゼロになります。これに、扶養している子どもの数に応じたこども加算と、いわゆる「年収の壁」に当たっている人への上乗せが足されます。
役所の言葉では「定額支援額」「逓増」「支援基本額」「逓減」「就業促進特例加算」「こども加算」と呼ばれます。ニュースで見かけたら、上の階段のどこかの話だと思ってください。
境目の金額は、まだ確定していません。ただし計画書には「これを参考に決める」という数字が出ています。
・パートで会社の健康保険・厚生年金に入る境目——2025年度でいちばん低い最低賃金(時給1,023円)で週20時間働くと、年収およそ106万円。このとき払う社会保険料は年16万円ほど
・住民税がかかり始める境目——ひとり暮らしなら年収119万円あたり
・夫や妻の扶養に入っていた人(国民年金の第3号被保険者)が年収130万円を超えて自分で保険料を払うようになった場合、手取りが元に戻るのは年収160万円くらい
いわゆる「年収の壁」に当たっている人には、壁がなくなるまでの期限つきで上乗せがあります。壁そのものの仕組みは106万円・130万円の壁にまとめています。
判定は1月1日——年末の引っ越しと海外転出で変わる
すべての判定が1月1日を基準にするため、思ったより影響が広く出ます。
- 窓口は1月1日に住んでいた市区町村。年の途中で引っ越しても、その年度の支援金を扱うのは1月1日に住民票があった役所です。住民税と同じ考え方です。
- 1月1日に日本にいなければもらえません。年末に海外へ引っ越して年明けに帰ってきた場合、その年度は対象から外れます。
- 結婚していたかどうかも1月1日で見ます(2029年度から)。1月2日に婚姻届を出した場合、その年度は「結婚していない」扱いになります。
この支援金の事務は、国が決めたことを市区町村が代わりに行う仕事と位置づけられています。市区町村が独自に条件を足したり外したりできるものではないので、住んでいる自治体によって金額や条件が変わることはありません。ただし振り込みの早さや案内の丁寧さには差が出るかもしれません。国は市区町村に計算ソフトを無料で配る方針です。
2年目からは何もしなくていい
毎年ゼロから手続きをやり直す必要はありません。計画書では、前の年に一度認められた人がその年も条件を満たしていれば、市区町村のほうでその年の金額を決めるとされています。一度認められれば、翌年以降は自動で続く流れです。
逆に言えば、条件から外れた年は止まります。昇給や副業で所得が増えて上の線を超えた年、反対に働く時間を減らして収入が下の線を割った年は、その年の振り込みがありません。金額が階段状に増えたり減ったりするので、境目のあたりにいる人は、もらえる年ともらえない年が交互に来ることもありえます。
「手取りが増えたと実感できるように」と掲げた制度なのに、受け取るには口座の登録が必要で、金額も毎年変わります。負担の重さを国際比較の数字で示して軽くする、という考え方そのものは筋が通っています。ただ仕組みが複雑なぶん、取りこぼす人は必ず出ます。国が電話窓口や試算サイトをつくると計画書に書いたのは、その裏返しでもあります。読者の側でできるのは、口座を登録しておくことと、自分の収入が役所に把握されている状態にしておくことの2つだけです。
この支援金に税金はかからない
受け取ったあとの扱いも決まっています。
| 項目 | どうなるか |
|---|---|
| 所得税・住民税 | かかりません。「この支援金に税金などをかけてはいけない」と決められました |
| 差し押さえ | されません。他人に譲ったり担保にしたりもできません。ただし税金を滞納している場合の差し押さえは例外 |
| ほかの制度への影響 | 税金がかからない扱いにすることで、今ある制度の条件に影響しないようにしている |
| 生活保護 | 収入として数えられます。受け取った分は保護費の計算に反映されます |
税金がかからないのは、実は大きな点です。支援金が収入として数えられないので、これをもらったせいで住民税がかかるようになったり、扶養から外れたり、保険料が上がったりすることはありません。給付金をもらったら別の制度の条件を超えてしまった——というよくある副作用が、最初から防がれています。住民税がかからない条件そのものは住民税非課税世帯の条件で整理しています。
住民税がかからない人も、確定申告をしたほうがいい
計画書の後ろのほうに、読者にとって実用的な一文があります。国がやることとして、「住民税がかからない人にも、できるだけ確定申告をしてもらう」と書かれているのです。
理由は条件の立て方にあります。この支援金は、役所がすでに持っている収入の情報——住民税の額、払った社会保険料、扶養している子どもの数、配偶者の所得——で判定します。収入が役所に把握されていなければ「金額がはっきりしている」状態になりません。すると、市区町村が自動で手続きする前提も崩れてしまいます。申告の義務がないからと何も出していない人は、そもそも判定の土台に乗りにくいわけです。
これに合わせて、確定申告書・源泉徴収票・住民税の申告書・給与支払報告書の書式が変わります。新しく書くことになるのは次の3つです。
- 自分で払った社会保険料の額(3つ目の条件の計算に使います)
- 扶養している子どもがいるか、何人いるか(こども加算と、所得の上の線に使います)
- 配偶者の名前とマイナンバー——ただしこれは、1月1日に結婚していて、配偶者の所得が一定より多い場合だけです。該当する人は役所に出す義務があり、確定申告書に書けばそれで出したことになります(書いた内容は地方税のオンライン手続きの仕組みを通って市区町村に届きます)。
書式が変わるということは、2027年以降の申告でこの3つを書く場面が出てくるということです。とくに3つ目は「配偶者の収入が多い人だけ、配偶者のマイナンバーを出す」という珍しい形なので、新しい書式が出たら確認する価値があります。
今日やること
- マイナポータルで、銀行口座が登録されているかを確認する。登録していなければ、その場で登録できます。登録があるかどうかだけで、申請が必要かどうかが決まります。
- 登録してある人は、それがいま使っている口座かを見る。転職や引っ越しのあとに解約した口座が残っていると、振り込みが戻ってしまうことがあります。
- 申告の義務がなくても確定申告をしておく。収入が役所に把握されていないと、判定の土台に乗らないからです。
手取りを増やす具体策は手取りアップ・アクションリストにまとめています。
よくある質問
申請しなくても振り込まれますか。
マイナンバーに銀行口座(公金受取口座)を登録してあれば、市区町村のほうで手続きしてくれるので、申請はいりません。国もこちらを普段のやり方にすると決めています。登録していない場合は、自分で市区町村に申し出て、対象だと認めてもらう必要があります。
いくらもらえますか。
まだ決まっていません。配る金額も、どのくらいの収入までが対象かも、これから政府が決めます。決まっているのは枠だけで、2027・2028年度に配る総額は「飲食料品の消費税を1%に下げたぶん」の範囲に収めるとされています。ニュースの「1人4万円」なども試算や案です。
毎年申請が必要ですか。
いりません。一度認められた人がその年も条件を満たしていれば、市区町村のほうでその年の金額を決めてくれます。ただし条件から外れた年は止まります。収入が境目のあたりにある人は、もらえる年ともらえない年が出る可能性があります。
この支援金に税金はかかりますか。扶養や保険料に影響しますか。
税金はかかりません。「この支援金に税金などをかけてはいけない」と決められているので、所得税も住民税もかかりません。収入として数えられないため、これをもらったせいで扶養から外れたり保険料が上がったりすることもありません。ただし生活保護を受けている場合は、収入として数えられます。
年末に引っ越した場合、どこに申し出るのですか。
1月1日に住民票があった市区町村です。年の途中で引っ越しても、その年度の窓口は1月1日に住んでいた役所になります。また1月1日に日本に住んでいない人はもらえないため、年末に海外へ引っ越していた年は対象から外れます。
こどもがいると増えますか。高校生は対象ですか。
扶養している子どもの数に応じて上乗せ(こども加算)があります。ただし対象になる年齢が年度で違い、2029年度からは19歳未満ですが、2027年度と2028年度は16歳未満だけです。最初の2年は、高校生の年齢の子どもしかいない家庭には上乗せが付かず、2029年度から対象に入ります。
参考リンク(出典)
- 内閣官房「飲食料品に係る消費税率の引下げ」及び「給付付き税額控除」について(計画書・基本方針・中間とりまとめがまとまった公式ページ)
- 「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(2026年9月15日 閣議決定。この記事の条件・手続き・税金の扱いはすべてこの資料が出典)
- 内閣官房 社会保障国民会議の概要資料(2026年9月8日。金額の「階段」を図で示した資料)
- デジタル庁 マイナポータル「公金受取口座を登録・変更する方法」(登録の確認と変更の手順)
- マイナポータル 公金受取口座
この記事は2026年9月17日時点で公表されている資料をもとにした一般的な説明です。内容は法律が国会を通った場合のもので、審議の結果変わることがあります。金額と収入の境目はすべて未定です。自分が対象になるかどうかの判断は、お住まいの市区町村または税務署・税理士にご相談ください。
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