新事業進出・ものづくり補助金 第1回|10/30締切・最大9,000万円の対象判定と加点17項目(2026年)

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  • 公開。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金事務局「公募要領(第1回)1.3版」(2026年9月28日改訂)・事務局サイト、中小機構 補助金活用ナビ、中小企業新事業進出補助金「採択結果」(第1〜3回)・同「公募要領(第4回)」、ものづくり補助金総合サイト「採択結果」・「第23次公募要領概要版」、中小企業庁「令和7年度補正予算」をもとに作成

新事業進出補助金とものづくり補助金をひとつにまとめた「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回は、2026年9月30日に申請受付が始まり、10月30日18時に締め切られます。枠は3つで、補助上限は従業員数に応じて750万円から7,000万円、大幅な賃上げを約束すれば最大9,000万円です。見返りに、付加価値額を年4.0%、1人当たり給与を年3.5%伸ばす計画を3〜5年守る必要があり、給与が届かなければ補助金の一部を返します[事務局 公募要領 第1回 1.3版]。

統合前の2制度は、どちらも採択率が3割台半ばでした。締切まで1か月しかないので、まず対象かどうかを確かめ、間に合う加点だけを拾うのが現実的です。この記事の数字は、2026年9月28日改訂の公募要領1.3版にもとづいています。

結論:3枠・最大9,000万円、締切は10月30日18時

枠補助上限(賃上げ特例)補助率下限実施期間
革新的新製品・サービス枠750万〜2,500万円
(850万〜3,500万円)
1/2(小規模・再生は2/3)100万円交付決定から10か月
新事業進出枠2,500万〜7,000万円
(3,000万〜9,000万円)
1/2750万円交付決定から14か月
グローバル枠2,500万〜7,000万円
(3,000万〜9,000万円)
2/3750万円交付決定から14か月

出典:[公募要領 1-2 補助対象事業枠]。上限は従業員数で決まります。革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠は、最低賃金の特例に当てはまると補助率が2/3に上がります。

  • 申請受付:2026年9月30日(水)。電子申請システムの公開は同日18時
  • 申請締切:2026年10月30日(金)18時(厳守)
  • 採択発表:2027(令和9)年1月頃の予定
  • 申請に必要:公募要領が定める書類と、GビズIDプライムのアカウント

自社は対象か——従業員0人と、創業1年未満の新事業進出は外れる

対象は、日本に本社と事業の実施場所がある中小企業者です。資本金か常勤の従業員数のどちらかが、業種ごとの線以下なら当てはまります。

業種資本金常勤従業員小規模(補助率2/3の線)
製造業・建設業・運輸業3億円以下300人以下20人以下(製造業)
卸売業1億円以下100人以下5人以下
サービス業5,000万円以下100人以下5人以下(宿泊・娯楽は20人)
小売業5,000万円以下50人以下5人以下

出典:[公募要領 1-4-1]。小規模の2/3が効くのは革新的新製品・サービス枠だけです。

申請できる

  • 上の表に収まる会社・個人事業主
  • 一定の条件を満たす組合、特定非営利活動法人、農事組合法人

申請できない

  • 申請時点で従業員が0人
  • 創業1年未満で新事業進出枠に出す(決算書が1期分必要)
  • 締切から16か月以内に、事業再構築・新事業進出・ものづくり補助金で採択された
  • 大企業が株式の半分以上を持つなど「みなし大企業」

どの枠で出すか——「新製品の開発」「新しい顧客層」「輸出」の3択

枠は、何を新しくするかで分かれます。既存の製造工程を効率化するだけの投資は、どの枠でも対象外です。

  1. 革新的新製品・サービス枠:自社の技術を生かして、新しい製品やサービスを開発する。同業者にすでに広く普及しているものは該当しません。旧ものづくり補助金の後継です。
  2. 新事業進出枠:自社にとって新しい製品を、これまでと違う顧客層に売る。世の中で初めてである必要はありません。旧新事業進出補助金の後継で、建物費も対象です。
  3. グローバル枠:自社製品で新しい国・地域へ輸出するために、国内の製造拠点を強化する。取引先の求めで始める事業は外れます。

新事業進出枠では、既存製品の増産、昔作っていた製品の再製造、メニューの追加、別の地域で売るだけの事業は当たりません。

下限にも注意してください。新事業進出枠とグローバル枠は補助金750万円からです。補助率1/2なら、税抜1,500万円以上の投資でないと届きません。

統合前の2制度から何が変わったか——ものづくりは付加価値の目標が上がった

上限額と補助率は、旧制度をほぼそのまま引き継いでいます。変わったのは、旧ものづくり補助金の要件が旧新事業進出補助金の水準にそろえられた点です。

項目旧ものづくり補助金(23次)旧新事業進出補助金(第4回)新制度(第1回)
付加価値額の伸び(年平均)3.0%以上4.0%以上4.0%以上(全枠)
1人当たり給与の伸び3.5%以上3.5%以上3.5%以上
事業場内の最低賃金地域別+30円地域別+30円地域別+30円
子育て関連の要件行動計画(21人以上)行動計画の公表行動計画の公表+職場環境の取組
グローバル枠の上限3,000万円—2,500万〜9,000万円
加点項目—11項目17項目

出典:[ものづくり補助金 第23次 公募要領概要版][新事業進出補助金 第4回公募要領]をもとに本サイトが整理。

新しく加わったのが「子育て等に関する職場環境整備」の要件です。家計相談サービスの導入、家事代行やベビーシッターの活用、育休などの制度の周知から1つを選んで実施します。くるみん認定を持つ会社は免除です。

予算は令和7年度補正予算で、既存の基金を使う1,200億円規模です[中小企業庁 令和7年度補正予算]。旧制度の比較は補助金・助成金ガイドにまとめています。

3〜5年守る約束——給与の伸びが届かないと返還になる

この補助金は、採択されて終わりではありません。事業が終わった年度を基準に、3〜5年の計画期間で目標を守る必要があります。

  • 付加価値額:年平均4.0%以上(営業利益+人件費+減価償却費)
  • 1人当たり給与支給総額:年平均3.5%以上。役員報酬と法定福利費は含まない
  • 事業場内の最低賃金:毎年、都道府県の最低賃金+30円以上

給与の目標は、交付申請までに全従業員へ表明します。表明がなければ補助金は全額返還です。

製造業・従業員15人・革新的新製品・サービス枠(本サイトの試算)
  • 設備投資は税抜1,800万円。製造業で20人以下なので小規模に当たり、補助率は2/3
  • 1,800万円×2/3=1,200万円。ただし6〜20人の上限は1,000万円なので、補助は1,000万円
  • 賃上げ特例を使うと上限が1,250万円に上がり、補助は1,200万円(200万円増える)
  • 特例の条件は、給与の伸び年6.0%以上と、最低賃金+50円以上

1人当たり給与が年400万円の会社なら、5年後の目標は基本要件で約475万円、特例なら約535万円です(試算)。特例は、投資額に補助率を掛けた額が基本の上限を超える会社しか使えません。

未達だったときの返還(公募要領の計算式に当てはめた例)

返還額=交付額×(1−実績の伸び率÷目標の伸び率)

  • 交付1,000万円・目標3.5%・実績2.1%なら、1−0.6=0.4で400万円を返還
  • 給与の伸びがゼロかマイナスなら、全額返還
  • 最低賃金の+30円を1年でも割ると、交付額÷計画年数(5年なら200万円)を返還
  • 賃上げ特例が未達なら、上乗せ分(上の例では200万円)は全額返還

付加価値額が増えず計画期間の過半数が営業赤字の場合や、天災の場合は返還を求められません。賃上げした分は、賃上げ促進税制の税額控除とも組み合わせられます。

加点17項目——締切の10月30日時点で持っているものだけが効く

加点は、申請締切の時点で満たしている必要があります。8月14日の1.2版で、技術情報管理認証、成長加速マッチングサービス、アトツギ甲子園の3つが加わり17項目になりました。

1か月で間に合う可能性がある時間がかかる・取れる会社が限られる
パートナーシップ構築宣言(2026年1月1日更新のひな形で公表)くるみん・えるぼし認定
成長加速マッチングサービスに会員登録し、挑戦課題を登録健康経営優良法人2026
事業場内最低賃金を2025年7月比で63円以上引き上げ済み経営革新計画・事業継続力強化計画・DX認定
地域別最低賃金の引上げの影響を受けた(従業員の30%以上が3か月)研究開発費・試験研究費を前期までに計上
新規輸出1万者支援・日本の食輸出1万者支援に登録(グローバル枠のみ)再生事業者・ジェイスタートアップ選定・技術情報管理認証・アトツギ甲子園出場

出典:[公募要領 3-1(8)加点項目]。間に合うかどうかの分類は本サイトの判断です。

減点もあります。過去3年にものづくり補助金か新事業進出補助金で交付決定を1回受けた会社は減点です。過去の補助事業で賃上げの加点を受けて未達だった会社は、18か月間大きく減点されます。

審査では「足下の賃上げ」も見られます。直近の事業年度から基準年度までの1人当たり給与の伸びが物価上昇率を下回ると、大幅に不利です。

何に使えるか——機械・建物は対象、パソコン・車・土地は対象外

中心は機械装置・システム構築費です。革新的新製品・サービス枠では必須、ほかの2枠は機械か建物費のどちらかが必須です。

補助対象になる経費

  • 機械装置・システム構築費(リースも可)
  • 建物の建設・改修費(新事業進出枠・グローバル枠)
  • 外注費(経費総額の1/4まで)、専門家経費(1/5まで)
  • 技術導入費・知的財産権関連経費(各1/3まで)
  • クラウド利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費

補助対象にならない経費

  • 土地・建物の購入、ビニールハウスやコンテナなど簡易な建物
  • 事務用パソコン、プリンタ、タブレット、スマートフォン、複合機
  • 自動車などの車両、船舶、航空機
  • 家賃・敷金、税理士への申告費用、申請書の作成費用
  • 既存事業と共用する設備

ほかの補助金とは、目的で使い分けます。同じ経費を2つの補助金に計上することはできません。

  • 省力化投資補助金:人手不足を補う設備の導入が目的
  • 持続化補助金:小規模事業者の販路開拓が目的
  • デジタル化・AI導入補助金:業務の効率化に使うソフトの導入が目的
  • 事業承継・M&A補助金:代替わりや買収の前後の投資と専門家費用。16次の条件は事業承継・M&A補助金16次で整理しています

申請から入金まで——お金が入るのは設備の支払いが終わった後

補助金は後払いです。交付決定のあとに発注し、全額を銀行振込で支払い、実績報告と検査を経てから入金されます。

  1. 申請前:GビズIDプライム(発行に1週間程度)と、一般事業主行動計画の公表(1〜2週間程度)を済ませる。
  2. 電子申請:事業計画は申請者自身が入力する。代理申請はできず、支援者がいれば名前と報酬額を書く。
  3. 採択後:オンライン説明会に参加しないと採択は無効。交付申請は採択発表から2か月以内。
  4. 交付申請:1件50万円(税抜)以上の発注は3者以上の見積もりが必要。交付決定前の発注は対象外。
  5. 実施と報告:支払いは銀行振込だけ。完了から30日以内に実績報告を出し、検査で額が確定する。

設備代の全額を一度は自社で払うので、つなぎ資金の手当てが要ります。借入で賄うなら、金融機関の確認書も申請時に必要です。立て替え額と利息の目安は補助金は後払いで試算しています。

入金した補助金は課税の対象です。固定資産の取得に充てた部分は圧縮記帳が使えます。

向かない会社・注意点——1か月の準備と、3割台半ばの採択率

次のどれかに当てはまるなら、第1回は見送って次の回に備えるほうが安全です。

  • GビズIDプライムがまだない:発行に1週間程度。行動計画の公表にも1〜2週間かかり、遅れても締切は延びない
  • 給与を毎年3.5%上げ続ける見通しが立たない:未達なら返還。設備が稼ぐ前から賃上げが審査で見られる
  • 設備代を立て替える資金がない:入金は事業完了の後
  • 投資が小さい:新事業進出枠は税抜1,500万円程度からでないと下限に届かない

採択率も楽観できません。統合前の直近の回は、どちらも3件に1件前後でした。

回応募採択採択率
新事業進出補助金 第1回3,006件1,118件37.2%
新事業進出補助金 第2回2,350件832件35.4%
新事業進出補助金 第3回1,212件423件34.9%
ものづくり補助金 21次1,872者638者34.1%
ものづくり補助金 22次1,552者582者37.5%
ものづくり補助金 23次1,275者448者35.1%

出典:[新事業進出補助金 採択結果][ものづくり補助金 採択結果]。採択率は本サイトが計算。

採択の後にも関門があります。ものづくり補助金21次は採択638者に対し、交付決定は511者でした(2026年7月8日時点)。採択されても、経費の精査で減額されたり辞退したりして、約2割が交付決定まで進んでいません。

申請支援を頼む場合も注意が要ります。公募要領は、内容とかけ離れた高額な成功報酬や経費の水増しを「不適切な行為」として挙げています。計画を他人が作ったと分かれば、不採択か交付決定の取消しです。

ほかの10月締切の補助金は10月締切の補助金まとめで並べています。自社や取引先の過去の採択は補助金データベースで法人名から確かめられます。

よくある質問

認定支援機関の確認書は必要ですか。

必須ではありません。必要なのは、金融機関から借りて事業を行う場合の「金融機関による確認書」です。自己資金だけで行うなら提出は不要です。認定支援機関などの助言を受けるのは自由ですが、計画は申請者自身が作ります。

不採択だった場合、次の回に出し直せますか。

事業計画を見直したうえで、再度申請できます。第2回の日程は、2026年9月29日時点で公表されていません。

まとめ

  • 第1回の申請は2026年9月30日〜10月30日18時。枠は3つ、補助上限は従業員数で750万〜7,000万円、賃上げ特例で最大9,000万円
  • 見返りは付加価値額年4.0%・1人当たり給与年3.5%の伸びを3〜5年守ること。給与が届かなければ一部返還
  • 対象外は従業員0人、創業1年未満の新事業進出枠、16か月以内に関連補助金で採択された会社
  • 補助金は後払い。設備代は全額立て替え、入金は早くても2027年後半
  • 統合前の採択率は3割台半ば。GビズIDプライムと行動計画の公表を先に済ませる

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公開日:2026年10月02日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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