住宅取得資金の贈与1,000万円非課税は2026年末まで|間に合う人の逆算カレンダー

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  • 国土交通省の令和9年度税制改正要望(財務省掲載・要望事項25)の原文を確認し、「延長を求めている」を「『必要な検討を行い、所要の措置を講じる』との要望で、延長の有無・枠の金額は明記なし」に訂正(4言語)
  • 公開。国税庁タックスアンサー No.4508・No.4503・No.4408 をもとに作成

親や祖父母から住宅の購入資金をもらうとき、省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外なら500万円まで贈与税がかからない特例があります。この特例は2026年(令和8年)12月31日までの贈与で終わる予定で、延長されるかどうかは年末の税制改正大綱まで分かりません。年内に贈与を受けても、翌年3月15日までに家を取得して住み始めなければ非課税になりません。何を、いつまでに済ませれば間に合うのか、国税庁の資料で逆算します。

結論:年内に「贈与」、翌年3月15日までに「取得と居住」

項目内容
非課税になる金額省エネ等住宅 1,000万円/それ以外 500万円(受贈者1人あたりの累計)
贈与の期限2026年12月31日までに贈与を受ける(令和6年1月1日〜令和8年12月31日の制度)
使いみち自分が住む家の新築・取得・増改築の資金。全額を充てること
取得と居住の期限贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得し、同日までに居住(遅くとも翌年12月31日までに居住)
受贈者贈与を受けた年の1月1日に18歳以上の子・孫など直系卑属。その年の合計所得2,000万円以下(床面積40〜50㎡未満は1,000万円以下)
家の要件床面積40㎡以上240㎡以下、2分の1以上が自分の居住用。中古は昭和57年以降の建築か耐震基準を満たすもの
手続き翌年2月1日〜3月15日に贈与税の申告書を提出(税額ゼロでも申告が要件)

出典:国税庁 No.4508「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」[国税庁 No.4508]

この特例は110万円の基礎控除と併用できます。省エネ等住宅なら1,110万円、それ以外なら610万円までを、その年にまとめて非課税で受け取れます。

年内に間に合うかの逆算カレンダー

要件は「贈与」「取得」「居住」の3つの日付で決まります。順番と期限を図にすると次のとおりです。

2026年の贈与で非課税を受けるための3つの期限
2026年10月12月2027年2月3月12月 12/31 贈与の期限お金を受け取る(振込日) 3/15 取得・居住・申告引渡しと入居、贈与税の申告書 3/15に入居が間に合わない → 「遅滞なく居住する見込み」で申告可ただし 12/31 までに住まなければ修正申告(非課税は取消) 2027/12/31 最終期限 売買契約・請負契約
出典:国税庁 No.4508 をもとに作成。日付は2026年に贈与を受ける場合
いまの状況2026年の特例に間に合うか
建売・マンションの完成物件を契約済み、または年内に契約できる間に合う。年内に贈与を受け、3月15日までに引渡し・入居
注文住宅で、3月15日までに完成しない新築は屋根があって上棟まで進んでいれば「取得」扱い(未完成でも可)。入居は遅滞なく、遅くとも12月31日まで
マンションの完成が2027年4月以降分譲マンションは引渡しを受けていないと取得にならない。2026年の贈与では非課税にできない
2027年に贈与を受けたい制度が延長されれば可。延長の有無は2026年12月中旬の税制改正大綱で決まる。延長されない前提なら年内に贈与を受ける

注文住宅の「上棟していれば取得」の扱いと、マンションの「引渡しが必要」の違いは、国税庁が非課税の要件として示している取得の考え方によるものです。境目に当たる人は、契約前に税務署か税理士に確認してください。

1,000万円か500万円かは「省エネ等住宅」で決まる

非課税の枠は家の性能で2倍違います。省エネ等住宅とは、省エネ性能・耐震性能・バリアフリー性能のいずれかの基準に適合する家で、2024年以降に新築した家の省エネ基準は「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上」です[国税庁 No.4508]。証明には住宅性能証明書や建設住宅性能評価書の写しが必要で、契約時に売主・施工会社に「贈与の非課税で使う証明書が出るか」を確認しておくと安心です。

父から1,200万円をもらって省エネ等住宅を買う場合(2026年中の贈与)

非課税の特例:1,000万円
基礎控除:110万円
課税される贈与:1,200万円 − 1,110万円 = 90万円 → 贈与税は90万円 × 10% = 9万円(18歳以上の子への特例税率)

省エネ等住宅でない場合:1,200万円 − 610万円 = 590万円 → 贈与税は88万円(590万円 × 20% − 30万円)。性能証明の有無で税額が約80万円変わります。

贈与税の税率と110万円の基礎控除は贈与税の非課税枠を参照してください。

1,000万円を超える資金は「相続時精算課税」と重ねる

非課税枠を超える金額を受け取るなら、相続時精算課税(累計2,500万円まで贈与時は非課税、相続時に精算)を組み合わせられます。住宅取得等資金の贈与では、贈与者が60歳未満でも相続時精算課税を選べる特例があります[国税庁 No.4503]。2024年からは相続時精算課税にも年110万円の基礎控除ができ、この110万円分は相続財産に加算されません。

相続時精算課税を重ねる利点

  • 1,000万円を超えて一度にまとまった資金を受けても贈与税がかからない(2,500万円まで)
  • 非課税特例の1,000万円分は相続財産に加算されない

注意点

  • 一度選ぶと、その贈与者からの贈与は二度と暦年課税(110万円)に戻せない
  • 2,500万円を超えた分は一律20%の贈与税、相続時に精算
  • 選択には贈与税の申告と届出書が必要

相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)に収まる家庭では、相続時精算課税で早めに資金を移しても相続税は生じないのが普通です。相続の全体は相続税の基礎控除と節税対策を参照してください。

非課税が取り消される典型パターン

  • 贈与税の申告をしなかった——税額がゼロでも、翌年3月15日までの申告が要件です。申告しないと特例は使えず、通常の贈与税がかかります。
  • もらったお金を住宅ローンの返済に充てた——特例は「取得の対価」に充てる資金が対象で、すでに借りたローンの返済は対象外です。
  • 親が土地だけを買って子に渡した——現金の贈与が要件で、不動産そのものの贈与は対象外です。
  • 配偶者の親からの贈与——直系尊属からの贈与に限るため、配偶者の親からは非課税になりません。夫婦それぞれが自分の親から受けて共有名義にする形なら、それぞれに枠が使えます。
  • 翌年12月31日までに住まなかった——3月15日に入居が間に合わなくても申告はできますが、その年の12月31日までに住まなければ修正申告が必要です。
  • 所得が2,000万円を超えた——贈与を受けた年の合計所得で判定します。退職金や株の譲渡益で超えた年は注意してください。

2027年以降はどうなるか

この特例は2年ごとの延長を繰り返してきましたが、2026年末が現行の期限です。国土交通省の令和9年度税制改正要望は、この非課税措置について「必要な検討を行い、所要の措置を講じる」と求める書き方で、延長の有無や非課税枠の金額は要望書に明記されていません。採否と中身は2026年12月中旬の与党税制改正大綱で決まります。過去には延長のたびに非課税枠が縮小されてきた経緯があるので、いま1,000万円の枠を使える人は年内に贈与を受けるのが確実です。要望の全体は令和9年度税制改正要望の家計への影響で追っています。

今日やること

  1. 契約予定の家が3月15日までに引渡し・入居できるかを売主に確認する。マンションは引渡し、注文住宅は上棟が基準。
  2. 省エネ等住宅の証明書が出るかを確認する。出ないなら非課税枠は500万円で計画を組む。
  3. 贈与は年内に振込で受け、通帳の記録を残す。翌年2月1日〜3月15日の贈与税申告を予定に入れる。

よくある質問

2026年12月に贈与を受けて、家の引渡しが2027年4月になります。非課税になりますか?

分譲マンションや完成物件なら、翌年3月15日までに引渡し(取得)が要件なので非課税にはなりません。注文住宅で3月15日までに上棟していれば取得の要件を満たし、入居が遅れても遅滞なく居住する見込みで申告できます。物件の種類で答えが変わるので、契約前に税務署か税理士に確認してください。

贈与税がゼロなら申告は不要ですか?

必要です。この特例は贈与税の申告書に必要書類を添えて提出することが要件で、申告がなければ特例は適用されず、通常の贈与税がかかります。期限は贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日です。

夫婦それぞれの親から資金をもらえますか?

もらえます。特例は受贈者ごとに枠があるので、夫が夫の親から、妻が妻の親から受ければ、それぞれ非課税枠を使えます。ただし家の名義を出資割合に合わせて共有にしないと、夫婦間の贈与とみなされることがあります。

2027年にも同じ特例はありますか?

現行の制度は2026年12月31日までの贈与が対象で、2027年以降は延長されるかどうか決まっていません。延長は2026年12月中旬の税制改正大綱で判断されます。延長されても非課税枠が縮小される可能性があるため、年内に贈与を受けられるなら受けておくのが確実です。

参考リンク(出典)

本記事は次の資料をもとに作成しています。制度は改正されるため、贈与の前に最新の内容をご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。取得の時期の判定や証明書の要件は個別の事情で変わります。契約前に税務署・税理士にご確認ください。

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最終更新:2026年09月28日 / 公開日:2026年09月25日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項