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- 公開。国税庁 No.5759・「防衛特別法人税に関する納付手続等について」・令和7年度改正の概要、総務省「法人住民税」、東京都主税局「法人事業税・法人都民税」「特別法人事業税」、財務省「諸外国における法人実効税率の比較」をもとに作成
法人税の税率は、中小企業なら年800万円以下が15%、超えた部分が23.2%です[国税庁 No.5759]。ただし会社が利益に払う税金はこれだけではありません。地方法人税・法人住民税・法人事業税・特別法人事業税があり、令和8年(2026年)4月1日以後に始まる事業年度からは防衛特別法人税も加わりました。東京都23区・資本金1,000万円の会社で計算すると、利益400万円なら合計96万5,600円(所得の24.1%)、1,500万円なら453万6,092円(30.2%)です(本サイトの試算)。よく見る「実効税率33.6%」は所得800万円を超えた部分の率で、会社全体の負担割合ではありません。赤字でも均等割7万円だけは必ずかかります。利益にかかる税金を分解し、利益の額ごとの実額を示します。
結論:利益別に、実際に払う税金の合計
| その年の利益(課税所得) | 税金の合計 | 所得に対する割合 | 均等割を除いた割合 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 965,600円 | 24.1% | 22.4% |
| 800万円 | 1,959,840円 | 24.5% | 23.6% |
| 1,500万円 | 4,536,092円 | 30.2% | 29.8% |
| 0円(赤字) | 70,000円 | - | - |
本サイトの試算。前提は、東京都23区内に事務所1か所、資本金1,000万円、従業者50人以下、令和8年4月1日以後に開始する事業年度。「利益」は課税所得とみなし、前期事業税の損金算入・繰越欠損金・税額控除・中間納付・端数処理は無視した概算です。
800万円まではおおむね4分の1、そこから上は税率が一段上がるので割合が伸びます。個人の所得税と同じ形ですが、段階が2つだけなので上がり方はゆるやかです。
利益にかかる税金は6つある
「法人税」と一言でまとめられがちですが、納める先も計算のもとも違う税金が並んでいます。
| 税目 | 中小法人の税率 | 何に掛けるか |
|---|---|---|
| 法人税 | 800万円以下15%/超23.2%[国税庁] | 課税所得 |
| 地方法人税 | 10.3%[国税庁] | 法人税額 |
| 防衛特別法人税 | 4%(基礎控除年500万円)[国税庁] | 法人税額-500万円 |
| 法人住民税 法人税割 | 7.0%(東京都・標準税率)[東京都] | 法人税額 |
| 法人住民税 均等割 | 年7万円(資本金等1,000万円以下・従業者50人以下)[総務省] | 資本金等と従業者数 |
| 法人事業税(所得割) | 400万円以下3.5%/800万円以下5.3%/超7.0%[東京都] | 課税所得 |
| 特別法人事業税 | 37%[東京都] | 標準税率で計算した事業税の所得割額 |
法人税額に連動する税金が3つもあるのが特徴です。法人税が1万円増えると、それだけで約1,700円が自動的に増えます。
本則税率は19%で、800万円以下の15%は租税特別措置による特例です。適用期限は令和9年(2027年)3月31日までに開始する事業年度へ2年延長されました[国税庁]。前3事業年度の平均所得が15億円超の会社は800万円以下も19%、所得が年10億円超の事業年度は17%です[国税庁 No.5759]。
内訳:400万円・800万円・1,500万円の計算書
| 税目 | 所得400万円 | 所得800万円 | 所得1,500万円 |
|---|---|---|---|
| 法人税 | 600,000円 | 1,200,000円 | 2,824,000円 |
| 地方法人税(10.3%) | 61,800円 | 123,600円 | 290,872円 |
| 防衛特別法人税(4%) | 0円 | 0円 | 0円 |
| 法人事業税(所得割) | 140,000円 | 352,000円 | 842,000円 |
| 特別法人事業税(37%) | 51,800円 | 130,240円 | 311,540円 |
| 法人住民税 法人税割(7.0%) | 42,000円 | 84,000円 | 197,680円 |
| 法人住民税 均等割 | 70,000円 | 70,000円 | 70,000円 |
| 合計 | 965,600円 | 1,959,840円 | 4,536,092円 |
所得1,500万円の計算(本サイトの試算)
- 法人税=800万円×15%+700万円×23.2%=282万4,000円
- 法人事業税=400万円×3.5%+400万円×5.3%+700万円×7.0%=84万2,000円
- 特別法人事業税=84万2,000円×37%/地方法人税=282万4,000円×10.3%/法人税割=同×7.0%
※各税率の出典は前節の表のとおり。端数処理と前期事業税の損金算入を無視した概算です。
地方の税(事業税・特別法人事業税・住民税)だけで合計の3割前後です。法人税だけで資金繰りを組むと足りなくなります。
防衛特別法人税:多くの中小企業は0円、それでも申告は要る
令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、法人税・地方法人税に加えて防衛特別法人税の申告と納付が必要になりました[国税庁 防衛特別法人税の納付手続等]。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税額 | (基準法人税額 - 基礎控除額)× 4% |
| 基礎控除額 | 年500万円(事業年度が1年未満なら月数按分) |
| 対象 | 令和8年4月1日以後に開始する各事業年度 |
| 申告期限 | 原則、課税事業年度終了の日の翌日から2か月以内 |
| 税額が0円のとき | 申告義務は残る(いわゆる零申告が必要) |
出典:国税庁「令和7年度 法人税関係法令の改正の概要」[国税庁]
基礎控除が年500万円あるため、法人税額が500万円以下の会社は0円です。中小法人の税率から逆算すると、所得がおおむね2,400万円を超えるあたりで初めて負担が生じます(本サイトの試算)。上の試算がすべて0円なのはこのためです。
ただし0円でも申告書の欄は埋めます。決算業務がひとつ増えます。財務省は、この税の対象になる場合の法人実効税率を30.64%としています[財務省]。
「実効税率」には3つの数字がある
検索すると29.74%・33.6%・24%といった数字が並びます。どれも間違いではなく、定義が違うだけです。
| 数字 | 何の数字か | 当てはまる会社 |
|---|---|---|
| 29.74% | 財務省が国際比較で公表する法人実効税率[財務省] | 資本金1億円超の外形標準課税法人。事業税の所得割が1.0%しかなく中小企業とは別物 |
| 30.64% | 上に防衛特別法人税が乗ったときの率[財務省] | 同じ会社で、防衛特別法人税の対象になる場合 |
| 33.6% | 各税率から計算した中小法人の実効税率(翌期の事業税の損金算入を織り込んだ率) | 東京都・資本金1,000万円の会社の、所得800万円を超えた部分(本サイトの試算) |
| 24〜30% | その年に払う税額の合計 ÷ 所得 | この記事の試算。所得400万円で24.1%、1,500万円で30.2% |
33.6%と24〜30%が併存しても矛盾ではありません。33.6%は増えた利益1円にいくらかかるかの率、24〜30%はその年の納税額は所得の何割かの率です。800万円以下の部分は税率が低いので、全体でならすと下がります。
なお実効税率の計算式は法律に書かれた式ではありません[財務省]。目安として扱い、納税額は申告書で確かめてください。全体像は法人の税金にまとめています。
赤字でも均等割7万円はかかる
利益が出なければ、法人税・地方法人税・防衛特別法人税・法人税割・事業税はいずれも0円です。それでも均等割は必ずかかります。東京都主税局は「均等割は、決算の状況にかかわらず、資本金等の額及び従業者の数に応じて課税されます」と明記しています[東京都]。資本金等1,000万円以下・従業者50人以下なら都道府県分2万円+市町村分5万円で年7万円です[総務省]。休眠していても、会社がある限り毎年発生します。詳しくは法人住民税の均等割は赤字でも年7万円をご覧ください。
資本金を1,000万円超1億円以下に増やすと、均等割は都道府県分5万円+市町村分13万円(従業者50人以下)で年18万円になります[総務省]。見栄えのために資本金を積む前に、固定費が年11万円増えることを計算に入れてください。
利益を役員報酬に回すと、税金はどう動くか
役員報酬は損金になるので、会社の所得が減り、上の6つの税金も連動して減ります。ただし減った分がそのまま手元に残るわけではありません。
報酬を増やすと減るもの
- 法人税(800万円超の部分なら23.2%)
- 地方法人税・法人住民税の法人税割
- 法人事業税・特別法人事業税
報酬を増やすと増えるもの
- 本人の所得税(所得が上がるほど税率も上がる)
- 本人の住民税
- 健康保険料・厚生年金保険料(会社負担分も同額増える)
社会保険料は会社と本人が折半するため、報酬を増やすと会社の負担も一緒に増えます。法人税を減らしたつもりが世帯の手取りは減る、ということが起こります。最適な金額は所得の規模と家族構成で変わるので、役員報酬はいくらに設定するのが最適かで検討してください。個人事業のままか法人にするかの分かれ目も同じ計算です。目安は法人化のタイミングにまとめました。
よくある質問
実効税率33.6%と聞きました。利益の33.6%を払うのですか。
いいえ。33.6%は所得800万円を超えた部分の率です。800万円以下は法人税15%、事業税も3.5%や5.3%と低いため、全体でならすと下がります。東京都・資本金1,000万円の会社なら所得400万円で24.1%、1,500万円で30.2%です。
防衛特別法人税は自分の会社にもかかりますか。
法人税額が年500万円以下なら税額は0円です。基礎控除が年500万円あるためです。ただし0円でも申告義務は残り、いわゆる零申告が必要になります。対象は令和8年4月1日以後に開始する事業年度からです。
赤字なら税金はゼロですか。
ゼロにはなりません。法人住民税の均等割は決算の状況にかかわらずかかります。資本金等1,000万円以下・従業者50人以下なら年7万円で、休眠中も毎年発生します。
東京都以外の会社でも同じ税額になりますか。
法人税割7.0%・均等割・事業税の3段階は全国の標準税率なので、標準税率の自治体なら同じ結果です。ただし超過課税を行う自治体があるため、実際の税率は各自治体の公式サイトで確認してください。
参考リンク(出典)
- 国税庁 No.5759 法人税の税率——15%・23.2%、本則19%
- 国税庁 地方法人税の税率の改正のお知らせ——10.3%
- 国税庁 防衛特別法人税に関する納付手続等について——開始時期
- 国税庁 令和7年度 法人税関係法令の改正の概要——4%と基礎控除500万円
- 国税庁 令和7年度 租税特別措置法等の改正の概要——15%特例の2年延長
- 東京都主税局 法人事業税・法人都民税——法人税割・事業税の税率表
- 東京都主税局 特別法人事業税——37%
- 東京都主税局 よくある質問——均等割は赤字でも課税、不均一課税の要件
- 総務省 法人住民税——法人税割・均等割の標準税率表
- 財務省 諸外国における法人実効税率の比較——29.74%・30.64%
※試算は上記の税率を本サイトが当てはめたもので、国税庁・東京都の計算例ではありません。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。
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