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- 公開。日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」「被扶養者にするときの手続き」「国民年金保険料」、厚生労働省「令和8年度の年金額改定」「国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会 開催要綱」「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」、練馬区「国民健康保険料の計算方法」をもとに作成
会社員に扶養されている配偶者は、国民年金の保険料を1円も払っていません。これが第3号被保険者です[日本年金機構]。ところが要件をひとつ欠けただけで、その月から国民年金と国民健康保険の両方が自分に請求されます。国民年金だけで月17,920円、年21万5,040円(令和8年度=2026年度)。国保を足すと年30万円前後。要件、外れる7つのきっかけ、外れた月からの実額を一次情報で整理します。
結論:要件と、外れた月から払う額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第3号でいるための要件 | 20歳以上60歳未満/厚生年金に加入する配偶者に扶養されている/年収130万円未満かつ配偶者の収入の半分未満/国内居住 |
| 第3号のあいだの保険料 | 自分では納めない(第2号全体で負担) |
| 外れた月から払う国民年金 | 月17,920円(令和8年度)=年21万5,040円。令和9年度は月18,290円 |
| 外れた月から払う国保料 | 自治体ごとに違う。練馬区・旧ただし書き所得13万円なら年8万827円(39歳以下) |
| 合計の目安 | 年約29万6,000円(39歳以下)/約31万7,000円(40〜64歳)※本サイトの試算 |
| 届出 | 第3号になるとき=勤務先経由で5日以内。外れて第1号になるとき=市区町村へ14日以内 |
出典:日本年金機構[加入の手続き][国民年金保険料]、練馬区[保険料の計算方法]
外れるのは年末にまとめてではなく要件を欠けた月から。保険料は月ごとに発生し、納付期限は翌月末日です(同上)。
第3号被保険者とは:4つの要件
日本年金機構の定義は「厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満であり、かつ配偶者の年収の2分の1未満の方)」[日本年金機構]。これに国内居住が加わります(海外赴任への同行などは特例あり)[日本年金機構]。
130万円は「これから1年の見込み」
130万円は昨年の源泉徴収票の金額ではなく、認定された日以降の年間の見込み収入額で判断します[日本年金機構]。
- 給与なら月額108,333円以下、雇用保険の受給者なら日額3,611円以下
- 収入には雇用保険の失業等給付、公的年金、傷病手当金・出産手当金も含まれる
- 60歳以上または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者は180万円未満
- 令和7年10月1日以降の認定で19歳以上23歳未満(配偶者を除く)は150万円未満[日本年金機構]
- 同居なら配偶者の収入の半分未満、別居なら仕送り額未満
令和8年4月からは労働契約の内容でも判定
令和8年(2026年)4月1日以降の認定では、労働条件通知書などの賃金から見込まれる年間収入が130万円未満で、ほかに収入が見込まれなければ、原則として被扶養者として扱われます。この賃金には諸手当と賞与も含まれます[日本年金機構]。働く側に有利な変更ですが、契約期間が1年未満のときや、「シフト制」など労働時間の記載が不明確なときは使えません(同上)。壁そのものは106万円と130万円の壁、健康保険側の条件は健康保険の扶養へ。
外れる7つのきっかけ
| きっかけ | どうなるか |
|---|---|
| 本人の年収が130万円以上見込まれる | 第1号として国民年金と国保に加入 |
| 配偶者が退職した・自営業になった | 配偶者が第2号でなくなり夫婦そろって第1号に |
| 離婚した/ほかの人に扶養された | 資格を失う。離婚は削除事由に明記 |
| 本人が60歳になった | 資格喪失。納付義務も生じない |
| 配偶者が65歳になった(誕生日の前日) | 本人が60歳未満なら第1号へ切り替え |
| 配偶者が亡くなった | 扶養する第2号がいなくなる |
| 別居で仕送り額より収入が多い/同居で配偶者の収入の半分以上 | 収入要件を欠き削除の届出が必要 |
出典:日本年金機構「被扶養者の手続き」の削除事由[日本年金機構]、同「加入の手続き」[日本年金機構]
日本国内に住所を有しなくなったときも削除の対象です(同上)。気づかず扶養を遡って外されると、3割で受診した医療費の残り7割を返すよう求められることもあります(扶養を遡って外されたら医療費7割を返す)。
外れた月からいくら払うのか
国民年金は全国一律の月17,920円
国民年金保険料は所得に関係なく定額です。令和8年度は月17,920円、令和9年度は月18,290円[厚生労働省]。12か月分で21万5,040円、令和9年度なら21万9,480円です。
納めた保険料は所得税と住民税で全額が社会保険料控除になります[日本年金機構]。本人の所得が少ないなら、収入の多い配偶者が代わりに払って配偶者の控除にしたほうが得です(家族の国民年金と国保を払うと全額控除)。
国民健康保険料は自治体ごと
国保料は市区町村が条例で決めるため、全国共通の目安はありません。東京都練馬区の令和8年度の料率で計算してみます[練馬区]。
| 区分 | 所得割 | 均等割(1人あたり年額) |
|---|---|---|
| 基礎(医療)分 | 旧ただし書き所得 × 7.51% | 47,600円 |
| 後期高齢者支援金分 | 同 × 2.80% | 17,600円 |
| 介護分(40〜64歳のみ) | 同 × 2.43% | 17,800円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 同 × 0.27% | 1,873円 |
出典:練馬区。「旧ただし書き所得=総所得金額等-住民税基礎控除額(43万円)」[練馬区]
年収130万円で外れた場合(本サイトの試算・練馬区・12か月分)
- 旧ただし書き所得=130万円-給与所得控除74万円[国税庁]-43万円=13万円
- 国保料=57,363円(医療)+21,240円(支援金)+2,224円(子育て)=8万827円
- 40〜64歳は介護分20,959円を足して10万1,786円
- 国民年金21万5,040円と合わせて、年29万5,867円(39歳以下)/31万6,826円(40〜64歳)
※練馬区の料率を本サイトが当てはめた試算で、同区が公表する計算例ではありません。端数処理・減額・加入月からの月割りで実額は変わるため、お住まいの自治体のページで確認してください。
129万円なら保険料はゼロ、131万円なら約30万円。額面が増えても手取りが減るこの段差が「130万円の壁」の正体です。
届出:5日以内と14日以内
- 第3号になるとき。「健康保険 被扶養者(異動)届 国民年金第3号被保険者関係届」を配偶者の勤務先を通じて提出。期限は事実発生から5日以内、提出は事業主が行います[日本年金機構]。
- 外れるとき。同じ届書で削除の届出をします。年収が130万円以上見込まれた時点が起点です(同上)。
- 第1号になる手続き。削除だけでは終わりません。住所地の市区役所または町村役場へ「国民年金被保険者関係届書(申出書)」を14日以内に提出します(本人または世帯主)[日本年金機構]。国保の加入手続きも同じ窓口です。
3番目を忘れると、その期間は国民年金の未納になります。未納の月は老齢基礎年金の計算に入らないため、将来の年金が減ります。第3号のあいだは納付記録が残るのに、外れたあとは納めないと空白になるという違いです。自分がいま第何号かは、ねんきんネットや年金事務所で確かめられます。
保険料の負担を軽くする選択肢
週20時間以上働いて自分で厚生年金に入る
- 週の所定労働時間が20時間以上なら厚生年金と健康保険に加入
- 保険料は会社と半分ずつで天引き
- 年金は基礎年金に厚生年金が上乗せ。傷病手当金・出産手当金も使える
- 「106万円の壁」=月額賃金8.8万円以上の賃金要件は令和8年10月に撤廃予定
第1号として自分で全額払う
- 月17,920円を全額自己負担。会社の負担はない
- 国保にも会社負担はなく、傷病手当金・出産手当金もない
- 将来の年金は老齢基礎年金だけ
- 所得が下がったときは免除・納付猶予の制度がある
出典:厚生労働省「加入拡大のポイント」[厚生労働省]、同「加入対象の拡大について」[厚生労働省]。免除・納付猶予の種類は日本年金機構[日本年金機構]
厚生労働省は「年収130万円以上となると、20時間未満で働く場合でも、配偶者の扶養(第3号被保険者)から外れ国民年金と国民健康保険の保険料が発生します」と説明しています(同上)。つまりいちばん損なのは、週20時間未満のまま年収130万円を超えることです。時間を増やして厚生年金に入るか、130万円の手前で抑えるか、どちらかに寄せたほうが手取りは守れます。
廃止は見送られ、検討会が始まった
「第3号は廃止される」という話を見かけますが、令和7年(2025年)の年金制度改正では見直しは本体に盛り込まれませんでした。改正法(令和7年法律第74号)の附則に検討規定が置かれただけです。
「第三号被保険者(略)の在り方について国民的な議論が必要であるという認識の下、その議論に資するような第三号被保険者の実情に関する調査研究を行い、その在り方について検討を行うものとする」[厚生労働省 開催要綱]
これを受けた厚生労働省「国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会」の第1回が2026年9月4日に開かれました[厚生労働省]。開催要綱は「経済財政運営と改革の基本方針2026」(令和8年7月21日閣議決定)が「2026年度中に具体的な制度設計を行い、順次実行する」としている点にも触れています(同上)。執筆時点では第1回のみで議事録は未公表、どう変わるかは決まっていません。
よくある質問
年の途中で130万円を超えました。1月分から払い直しですか。
いいえ。第3号でなくなるのは要件を満たさなくなった時点からです。ただし扶養の削除が遡って処理されると、その月まで戻って保険料がかかることがあります。
130万円は去年の年収で見るのですか。
いいえ。認定された日以降の年間の見込み収入額で見ます。給与だけなら月額108,333円以下、雇用保険の受給中なら日額3,611円以下が目安です。令和8年4月1日以降は労働条件通知書の賃金から見込む方法も使えます。
夫が65歳になりました。妻は何もしなくていいですか。
手続きが必要です。配偶者が65歳に到達(誕生日の前日)した場合、60歳未満の第3号被保険者は第1号へ切り替えます。市区町村の窓口で国民年金の加入手続きをしてください。
第3号被保険者はなくなるのですか。
令和7年の年金制度改正では見直しは見送られ、附則で検討するとされました。厚生労働省の検討会の第1回が2026年9月4日に開かれた段階で、結論は出ていません。
参考リンク(出典)
- 日本年金機構 国民年金に加入するための手続き——要件、配偶者65歳、14日以内
- 日本年金機構 被扶養者にするときの手続き——130万円、削除事由、5日以内
- 日本年金機構 第3号被保険者の保険料
- 日本年金機構 国民年金保険料——月17,920円、納付期限
- 厚生労働省 令和8年度の年金額改定——令和8・9年度の保険料額
- 日本年金機構 労働契約内容による被扶養者の認定——令和8年4月1日以降
- 練馬区 国民健康保険料の計算方法
- 厚生労働省 第3号被保険者制度等に関する検討会 開催要綱
- 厚生労働省 短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント——週20時間、賃金要件
※一般的な情報提供です。個別の判断は年金事務所・市区町村の窓口・社会保険労務士にご確認ください。
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