国民年金の育児期間免除が2026年10月開始|母13か月・父12か月、夫婦で44万8,000円

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  • 公開。日本年金機構「国民年金育児免除制度」「産前産後期間の免除制度」「国民年金保険料」、厚生労働省「国民年金保険料の育児期間に係る免除措置」および社会保障審議会年金部会資料、国民年金法をもとに作成

国民年金の第1号被保険者には、出産のときに保険料が免除される制度があります。2026年(令和8年)10月1日からは、ここに「育児期間の免除」が加わります。実母は産前産後の4か月に続けて9か月、合計13か月。実父と養父母は最大12か月です。令和8年度の保険料は月17,920円なので、夫婦とも第1号なら25か月ぶん448,000円が免除されます。所得の条件はなく、免除期間も納付したものとして年金額に反映されます。ただし父親は届出をしないと1円も免除されません。

結論:誰が・いつから・何か月・いくら免除されるか

誰が免除される期間月数免除額(月17,920円)
実母(単胎)産前産後4か月 + 育児9か月13か月232,960円
実母(多胎)産前産後6か月 + 育児9か月15か月268,800円
実父・養父母(産前産後免除がない実母も同じ)養育を始めた月から1歳の誕生日の前月まで最大12か月215,040円
夫婦とも第1号(単胎)実母13か月 + 実父12か月25か月448,000円

出典:日本年金機構「国民年金育児免除制度」[日本年金機構]、同「国民年金保険料」[日本年金機構]。金額は本サイトの試算です。

押さえる点は3つ。対象は令和8年10月1日以降の月分だけ。所得の条件はない。父親も対象だが届け出ないと免除されない。

まずは産前産後免除:2019年からある4か月

産前産後の免除は2019年4月に始まりました。第1号被保険者が出産すると、出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月の保険料が免除されます。多胎妊娠なら出産予定月の3か月前から6か月です[日本年金機構]。

産前産後免除のポイント
  • 出産は妊娠85日(4か月)以上が対象。死産・流産・早産も含みます。
  • 届出は出産予定日の6か月前から。出産後でも出せます。
  • この期間も付加保険料(月400円)は納められます。任意加入期間は対象外。

財源は国民年金保険料を月100円程度引き上げて被保険者全体で負担する形です[日本年金機構]。根拠は国民年金法第88条の2です。

2026年10月に加わる「育児期間の免除」

令和8年10月1日以降、1歳になるまでの子を養育する第1号被保険者の実父母・養父母が対象です。要件は「親子関係が続いている」「子と同一住所」の2つだけ。所得の要件はありません[厚生労働省]。実子・養子のほか、特別養子縁組の監護期間にある子、養子縁組里親・養育里親に委託された子も含みます[日本年金機構]。

対象になる人

  • 国民年金第1号被保険者の実父母・養父母(自営業・フリーランス・無職)
  • 夫婦とも第1号なら2人とも対象

対象にならない人

  • 第3号被保険者(第2号に扶養されている配偶者)
  • 任意加入被保険者
  • 会社員・公務員(第2号)は別の仕組み

母と父で月数が違う

実母は産前産後免除に続く9か月、実父・養父母は養育を始めた月から1歳の誕生日の前月までの最大12か月。産前産後免除がない実母も最大12か月です。

試算:夫婦とも第1号、令和9年5月1日に第1子(本サイトの試算)
  • 妻の産前産後免除:令和9年4月〜7月の4か月 = 71,680円
  • 妻の育児免除:令和9年8月〜令和10年4月の9か月 = 161,280円
  • 夫の育児免除:令和9年5月〜令和10年4月の12か月 = 215,040円
  • 世帯の合計 = 448,000円(17,920円 × 25か月)

これは年金制度の改正ではありません。子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)による国民年金法の改正で、財源には子ども・子育て支援金が充てられます[厚生労働省 年金部会資料]。支援金は2026年5月から全世代・全企業が負担しているお金です。負担している側なので、使える制度は取りこぼしたくありません。所得が少なくて払えないときの免除・納付猶予は別制度で、国民年金の免除と猶予で解説しています。

届出:市区町村かマイナポータル、ただし10月1日から

紙なら市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口へ。郵送も可。電子申請なら令和8年10月1日以降、マイナポータルからスマートフォンで手続きできます。産前産後免除とあわせて届け出ることも可能です[日本年金機構]。

届出で間違えやすい4点
  • 10月1日より前から子を養育している人は、10月1日以降に届け出る。9月に窓口へ行っても受け付けられません。
  • 届出様式と記入例の公開も10月1日以降。現時点では未公表です。
  • 実父・養父母は必ず自分で手続きする。放置すると215,040円を丸ごと取りこぼします。
  • 実母のうち、産前産後免除が令和8年9月以降に終わり、マイナンバーで親子関係と同一世帯を確認できる人は届出が不要。該当者には「育児免除該当通知書」が届きます。

10月より前に生まれた子はどうなるか

令和8年10月時点で子が1歳未満なら、10月以降の月分だけが免除されます。

子の出産日実母の育児免除月数
令和8年1月1日令和8年10月〜12月3か月
令和8年10月以降産前産後免除に続く9か月をまるごと9か月

経過措置の例の出典[日本年金機構]。実父・養父母は10月1日以降、1歳の誕生日の前月までです。

すでに納めた保険料があっても届け出る価値があります。納付済みの期間、法定免除、納付猶予、学生納付特例の期間も、届出により育児免除期間として扱われ、納めた保険料は充当または還付されます[日本年金機構]。

要件を満たさなくなったとき(子と同居しなくなった等)は終了の届出が必要です。1歳で満了した場合は不要。前納している人は免除の終了後に振替方法が変わることがあります。なお、国民年金基金の加入員資格が育児免除中にどうなるかは公表資料で確認できませんでした。年金事務所か国民年金基金へご確認ください。

会社員の育休免除との違い

会社員や公務員には育児休業中の社会保険料免除がすでにあります。今回の育児免除はその自営業・フリーランス版ですが、条件の作りが違います。

論点会社員・公務員自営業・フリーランス(第1号)
仕事を休む必要育児休業を取ることが前提なし。働きながらでも免除
所得の要件—なし
現金の給付育児休業給付があるない。保険料の免除がその代わり
免除される期間育児休業を取っている間実母13か月/実父・養父母 最大12か月

出典:厚生労働省 社会保障審議会年金部会 資料(「被用者とは異なり…休業要件は設けない」)[厚生労働省]

自営業に「休業」の区切りは作りにくいので、休まなくても免除されます。ここは第1号のほうが使いやすい点です。会社員側の条件(月末在籍か、14日以上か、賞与はどうか)は育休中の社会保険料免除の条件にまとめています。

年金は減らない。ただし社会保険料控除は減る

免除期間は保険料を納めたものとして老齢基礎年金に反映されます[日本年金機構]。所得が少ないときの全額免除(年金額は2分の1)とは違います。

試算:免除分が将来の年金をいくら増やすか
  • 老齢基礎年金の満額は月70,608円=年847,296円(令和8年度)
  • 847,296円 ÷ 480か月 = 1か月あたり年1,765円
  • 実母13か月 → 年22,948円 / 夫婦25か月 → 年44,130円
  • 65歳から20年で夫婦882,600円

※令和8年度の年金額に据え置いた概算です。実額は毎年度改定されます。出典は日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」[日本年金機構]

付加保険料は免除中も払える

付加保険料(月400円)は、産前産後免除中も育児免除中も納められます[日本年金機構]。付加年金は「200円 × 納付月数」が毎年上乗せされます。13か月なら払うのは5,200円、増える年金は年2,600円で2年で元が取れます(本サイトの試算)。免除の届出と同時に申し出たいところです。

税金の面では控除が消えるぶん目減りする

国民年金保険料は全額が社会保険料控除の対象です。免除されればその控除も消えます。

試算:13か月・232,960円が免除された人(所得税10%+住民税10%=20%)
  • 失う社会保険料控除の節税効果 = 232,960円 × 20% = 46,592円
  • 正味の手取り増 = 232,960円 - 46,592円 = 186,368円
  • 税率30%(所得税20%+住民税10%)なら正味 163,072円

それでも年金額は納めた場合と同じなので、差し引きでは確実にプラスです。保険料を親や配偶者が払っていた家庭は、その人の控除が減る点に注意してください。国民年金そのものの損得は国民年金は払い損かで数字を並べています。

今からできること

  1. 夫婦それぞれの被保険者の種別を確かめる。第1号でなければ対象外です。
  2. 出産予定日が決まったら産前産後免除を届け出る。予定日の6か月前から出せます。先に出せば、実母は育児免除の届出が不要になる場合があります。
  3. 10月1日になったら育児免除を届け出る。父親と養父母は自分で出さないと免除されません。
  4. 同時に付加保険料を申し出る。免除中も月400円で年金を増やせます。
  5. すでに納めた分・前納した分も届け出る。もらえるお金の全体像は出産・育児でもらえるお金にまとめました。

よくある質問

父親も届出が必要ですか。

必要です。日本年金機構は「実父・養父母や産前産後免除の届出が済んでいない実母の方は手続きが必要です」と明記しています。届け出ないと最大12か月・215,040円を取りこぼします。

2026年10月より前に生まれた子でも対象になりますか。

令和8年10月時点で子が1歳未満なら、10月以降の月分が免除されます。令和8年1月1日生まれの子なら、実母は10月から12月までの3か月です。ただし届出は10月1日以降にしてください。

扶養に入っている配偶者や会社員も対象ですか。

対象外です。これは国民年金第1号被保険者の制度で、第3号被保険者(第2号に扶養されている配偶者)と任意加入被保険者は対象になりません。会社員・公務員には育児休業中の社会保険料免除が別にあります。

すでに保険料を納めています。届け出ても無駄ですか。

無駄ではありません。納付済みの期間や、法定免除・納付猶予・学生納付特例の期間も、届出により育児免除期間として扱われます。納めた保険料は充当または還付されます。

参考リンク(出典)

※本記事の金額は、公表された保険料額・年金額に月数や税率を当てはめた本サイトの試算です。届出様式は令和8年10月1日以降に公開予定で、現時点では未公表です。個別の判断は年金事務所・市区町村の窓口・税務署へご確認ください。

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公開日:2026年09月24日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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