高校無償化2026|私立45万7,200円は所得制限なし、県の上乗せは東京50万・大阪63万

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  • 公開。文部科学省「令和8年度 都道府県担当者等説明会資料」「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」「高校生等奨学給付金」、高等学校等就学支援金の支給に関する法律(e-Gov法令検索)、国税庁 No.1180・No.1150、財務省「令和8年度税制改正の大綱」、東京都・大阪府ほか10都道府県の令和8年度案内をもとに作成

2026年(令和8年)4月から、高等学校等就学支援金の所得制限がなくなりました。上限は私立の全日制で年45万7,200円、公立の全日制で年11万8,800円です。ただし現金が保護者に渡るわけではなく、学校が代わりに受け取って授業料と相殺します。授業料が上限より安い学校なら、差額が戻ることもありません。

都道府県の上乗せは別の制度です。東京都は合計50万1,000円、大阪府は63万円まで支援します。国の所得制限は消えましたが、県の上乗せには所得制限が残っています。

結論:私立45万7,200円・公立11万8,800円が全国共通の上限

上限額は学校の種類と課程で決まります。私立の全日制は年45万7,200円(月3万8,100円)で、令和7年度の39万6,000円からの引き上げです。

学校の種類・課程年額の上限月額の上限
私立 高校(全日制・定時制)457,200円38,100円
私立 高校(通信制)337,200円28,100円
公立 高校(全日制)118,800円9,900円
公立 高校(定時制)32,400円2,700円
公立 高校(通信制)6,240円520円
国立 高校115,200円9,600円
高等専門学校 1〜3年(国公立)234,600円19,550円

出典:文部科学省「令和8年度 都道府県担当者等説明会」資料[文部科学省]。月額は制度Q&A[文部科学省]

改正法は令和8年4月1日に施行されました[文部科学省]。新入生だけでなく在校生も対象です。

お金は保護者に来ない。学校が受け取って授業料と相殺する

就学支援金は保護者の口座に振り込まれません。学校の設置者が受給権者に代わって受け取り、授業料の弁済に充てると法律が定めています(第7条)[法令検索 就学支援金法]。文部科学省も「生徒本人(保護者)が直接受けとるものではありません」と明記しています。

支給額は「授業料の月額に相当する額」で、政令の上限は頭打ちにすぎません(第5条)。授業料が上限より安い学校では差額は出ません。先に全額集め、あとから差額を返す学校もあります。

本サイトの試算:授業料が年60万円の私立高校に都内から通う場合

  • 国の就学支援金 45万7,200円
  • 東京都の授業料軽減助成金 4万3,800円
  • 残る授業料の自己負担 9万9,000円
  • 入学金・施設費・修学旅行費はこれとは別に必要

※国の上限と東京都の助成額を本サイトが足したものです。授業料は学校ごとに違います。

受け取った支援金に税金はかかりません。「租税その他の公課は…課することができない」と法律が定めています(第13条)。差押えも禁止です(第12条)。

入学金・施設費・修学旅行費は対象外。奨学給付金が受け持つ

就学支援金は法律上「授業料に充てるため」の制度です(第1条)。授業料以外の費用は1円も出ません。誤解すると入学時の支払いで資金繰りが崩れます。

就学支援金の対象になるもの

  • 高校・中等教育学校後期課程の授業料
  • 特別支援学校高等部、高専1〜3年
  • 専修学校高等課程などの授業料
  • 減免後に残った授業料

就学支援金の対象外のもの

  • 入学金、施設費、教材費、修学旅行費
  • 専攻科・別科、科目履修生、聴講生
  • 併用するサポート校の費用
  • 3年(通信制等は4年)を超える期間

授業料以外は高校生等奨学給付金が支えます。返還不要で、教科書費や通学用品費に充てられます[文部科学省 奨学給付金]。令和8年度は対象が年収490万円程度まで広がりました。

世帯区分(年収の目安)国公立私立
住民税非課税世帯(270万円未満)143,700円152,000円
270万〜380万円程度47,900円50,670円
380万〜490万円程度35,930円38,000円

出典:文部科学省 都道府県担当者等説明会資料(令和8年度予算案・全日制等・年額)。生活保護世帯と通信制は別額。

就学支援金の所得制限は消えましたが、奨学給付金は今も所得で判定します。非課税世帯の考え方は住民税非課税世帯の条件にまとめました。

上乗せは東京50万1,000円・大阪63万円。県外の学校は原則もらえない

45万7,200円は全国共通の土台で、上乗せは都道府県が決めます。文部科学省も「都道府県ごとに要件が異なる」と注意を促します。

都道府県国+県の授業料の上限県の所得制限県外の学校
大阪府63万円まで無償(超過分は学校負担)なし近畿2府4県の指定校
京都府65万円(生活保護世帯98万円)あり(判定額15万4,500円未満)府内校のみ
福岡県約57万6,000円あり県の公式ページで確認
東京都50万1,000円なし都外校も対象(通信制を除く)
北海道約48万1,200円あり(判定額15万4,500円未満)道内校のみ
神奈川県48万円なし(授業料分)県内校のみ
埼玉県45万7,200円(上乗せなし)入学金・施設費にはあり県認可校のみ
千葉県45万7,200円(県の減免は廃止)経過措置に該当すればあり県内校のみ
愛知県45万7,200円(令和7年度で終了)なし県内校のみ

出典:各都道府県・私学財団の令和8年度案内(末尾の参考リンク)。主な9都道府県のみ掲載。

落とし穴は県外の学校です。国の就学支援金は他県の学校でも出ます。しかし県の上乗せを県外校にも出していたのは、調べた9都道府県で東京都だけでした(通信制を除く)。県境をまたぐなら国の分だけを前提に見積もります。

上乗せをやめた県もある。勝負は入学金と施設費へ

国の引き上げを受けて、県の制度をたたんだ県もあります。千葉県は授業料減免制度を廃止しました。国の上限が県内私立の平均授業料(42万9,756円の見込み)を上回ったためです。愛知県も令和7年度で終えました。

都道府県入学金の支援施設費など
埼玉県22万3,000円/10万円20万円
神奈川県21万2,000円/10万円なし
東京都貸付のみ対象外
愛知県20万円(所得制限なし)県の公式ページで確認
大阪府・京都府対象外経常的な納付金も支援の対象

出典:各都道府県の令和8年度案内。金額は上限で、所得区分により減ります。

授業料だけで比べると誤ります。入学時に出るのは入学金と施設費です。

国の所得制限は消えたが、県の所得制限は残っている

ここが最も誤解されています。撤廃したのは国の就学支援金だけです。京都府・北海道・埼玉県などは、上乗せに所得の要件を残しています。

判定に使うのは所得税ではなく住民税です。多くの県が「市町村民税の課税標準額×6%−調整控除の額」を両親2人分で合計します。京都府と北海道はこの判定額が15万4,500円未満、埼玉県は11万3,700円と16万2,300円を区切りにしています。

つまり所得控除が減ると判定額が上がる仕組みです。高校生の扶養控除を38万円から25万円へ縮小する案は、税制改正大綱に何度も登場しました。ただし2度先送りされ、令和10年度分の個人住民税までは現行のままと決まっています。

本サイトの試算:仮に扶養控除が13万円減ったら判定額はいくら上がるか

  • 課税標準額が13万円増える(38万円→25万円の場合)
  • 13万円 × 6% = 7,800円 判定額が上がる
  • 判定額15万4,500円が基準の県では、境目の世帯が外れうる

※縮小は決まっていません。判定式に当てはめた本サイトの仮定です。

現在の控除額は一般の控除対象扶養親族で38万円です[国税庁 No.1180]。先送りの経緯は高校生の扶養控除38万円の維持、制度の全体像は扶養控除の完全ガイドで解説しています。

申請しないと1円も出ない。遅れた月の分はさかのぼらない

就学支援金は自動では始まらず、受給資格を得る申請が要ります。支給は原則として申し込んだ月からで、遅れた月の分は出ません。

  1. 入学説明会か入学後に書類を受け取る。申請書は学校から配られます。日本国籍の方は高等学校等就学支援金オンライン申請システムからも申請できます。
  2. 学校が指定した期日までに出す。方法・書類・期日は学校と都道府県で異なり、国の案内より学校の案内が優先です。
  3. 県の上乗せは別に申し込む。申請先も要件も国とは別です。在住の判定日があるので、引っ越し予定があれば先に県へ確認します。
  4. 毎年の届出と奨学給付金を忘れない。所得確認が不要になっても在学状況などの届出は続きます。授業料以外は奨学給付金を別に申請します。

出典:文部科学省 就学支援金【新制度】リーフレット[文部科学省]、および制度Q&A

税金との接点:非課税・入学時の寄付・扶養控除38万円

  • 就学支援金は非課税。法律の公課の禁止に加え、令和8年度税制改正の大綱でも所得税を課さない措置を続けると明記されました[財務省 令和8年度大綱]。
  • 入学に関する寄付は寄附金控除の対象外。学校法人への寄付は原則として特定寄附金ですが、「学校の入学に関してするもの」は除かれます[国税庁 No.1150]。入学時の寄付や学校債は税で戻りません。
  • 高校生の扶養控除は38万円のまま。16〜18歳の子は一般の控除対象扶養親族です。令和10年度分の個人住民税までは現行制度が維持されます。

子の収入にも注意します。扶養親族の所得要件は令和8年分から合計所得62万円以下(給与なら年収136万円以下)です。19〜22歳には控除がなだらかに減る受け皿がありますが、16〜18歳にはありません。

まず志望校の授業料が45万7,200円を超えるかを確かめてください。次に都道府県の上乗せと所得の要件を県の公式ページで見ます。この2つで3年間の負担が計算できます。

よくある質問

私立の授業料が45万7,200円より高い場合、差額はどうなりますか。

都道府県の上乗せがなければ自己負担です。東京都は合計50万1,000円まで、大阪府は63万円までを支援します。金額は県ごとに違います。

就学支援金は確定申告や年末調整に書く必要がありますか。

必要ありません。法律で租税を課すことができないと定められています。学校が受け取って相殺するため、保護者の手元も通りません。

住んでいる県とは別の県の私立高校に通う場合も対象ですか。

国の就学支援金は対象です。ただし県の上乗せは県内校に限る県が多く、調べた9都道府県では東京都だけが県外校も対象でした(通信制を除く)。

参考リンク(出典)

※試算は上限額を本サイトが当てはめたもので、公的機関の計算例ではありません。個別の判断は学校・都道府県・税務署へ。

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公開日:2026年09月28日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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