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- 公開。国税庁タックスアンサー No.4161・No.4103・No.4152・No.4124 をもとに作成
親から毎年110万円ずつもらっていた贈与が、親の死後に相続財産へ戻される期間が延びています。2024年1月の贈与から、加算の対象は「亡くなる前3年」から「亡くなる前7年」へ。ただし一気に7年になるわけではありません。2026年中の相続はまだ3年、2027年からじわじわ延び、2031年に7年で完成します。この記事では「いつ亡くなったら何年分が戻るか」をカレンダーで示し、延長分に付く100万円の控除、孫への贈与が対象外になる理由、相続時精算課税との使い分けを国税庁の資料で整理します。
結論:相続の年で加算される期間はこう変わる
| 亡くなった日 | 相続財産に戻される贈与 | 実際の年数 |
|---|---|---|
| 2026年12月31日まで | 亡くなる前3年以内の贈与 | 3年 |
| 2027年1月1日〜2030年12月31日 | 2024年1月1日から亡くなる日までの贈与 | 3年超〜7年未満(亡くなる日で変わる) |
| 2031年1月1日以後 | 亡くなる前7年以内の贈与 | 7年 |
出典:国税庁 タックスアンサー No.4161「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」[国税庁]
ポイントは、経過措置の起点が「2024年1月1日」で固定されていることです。2023年以前の贈与は、いつ相続が起きても3年より前なら戻りません。たとえば2028年6月に亡くなった場合、加算されるのは2024年1月1日から2028年6月までの約4年半分です。
年別カレンダー:この年に亡くなると何年分が戻るか
| 亡くなった年 | 加算される贈与の期間 | 年数の目安 |
|---|---|---|
| 2026年 | 2023年〜2026年の該当日まで | 3年 |
| 2027年 | 2024年1月1日〜 | 3年〜4年 |
| 2028年 | 2024年1月1日〜 | 4年〜5年 |
| 2029年 | 2024年1月1日〜 | 5年〜6年 |
| 2030年 | 2024年1月1日〜 | 6年〜7年 |
| 2031年以後 | 亡くなる前7年以内 | 7年 |
「3年以内」の数え方は、亡くなった日から遡って3年前の同じ日からです。2026年10月1日に亡くなれば、2023年10月1日以後の贈与が対象になります。
延長された分には「100万円」の控除がある
3年から7年に延びた部分には緩和があります。国税庁の表現では、相続開始が2027年1月2日以後の場合、加算対象期間のうち「亡くなる前3年以内に取得した財産以外の財産」について、贈与時の価額の合計から総額100万円までは加算しません[国税庁 No.4161]。
- 亡くなる前3年以内の贈与 110万円×3年=330万円 → 全額加算
- 4〜7年前の贈与 110万円×4年=440万円 → 100万円を引いて340万円を加算
- 合計 670万円が相続財産に戻る(770万円の贈与のうち100万円だけが戻らない)
100万円は「1年につき」ではなく4年分の合計で100万円です。控除としては小さく、延長の影響を打ち消すほどではありません。また、加算されるのは贈与時の価額です。値上がりした株や土地でも、贈与したときの評価で戻ります。
誰への贈与が戻るのか:相続で財産をもらう人だけ
加算の対象は「相続や遺贈で財産を取得した人」への贈与です[国税庁 No.4161]。相続人ではない孫や、子の配偶者への贈与は、その人が相続で何も受け取らなければ加算されません。これが「孫への贈与は7年加算を受けない」と言われる理由です。
加算されない例
- 相続人でない孫への贈与で、孫が遺言でも保険金でも何も受け取らない
- 子の配偶者への贈与で、同じく相続で何も受け取らない
- 2023年12月31日以前の贈与で、亡くなる前3年より前のもの
- 住宅取得等資金の非課税・教育資金の非課税を受けた金額
加算される例(見落としやすい)
- 孫が遺言で財産をもらう、または生命保険金の受取人になっている
- 孫を養子にしている(相続人になる)
- 相続時精算課税を選んだ人への暦年贈与分(精算課税の贈与自体は別枠で加算)
- 110万円以下で贈与税がかからなかった年の贈与、亡くなった年の贈与
贈与税を払っていた贈与が戻る場合は、払った贈与税を相続税から差し引けます(二重課税にはなりません)。ただし加算税や延滞税は差し引けません。
相続時精算課税の110万円は戻らない
2024年から、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除が付きました。こちらの110万円以下の贈与は、相続財産に一切加算されません[国税庁 No.4103]。暦年課税の110万円は7年分が戻るのに対し、精算課税の110万円は何年前でも戻らない。ここが選び方を変えた核心です。
| 暦年課税 | 相続時精算課税 | |
|---|---|---|
| 毎年の非課税枠 | 110万円 | 110万円(2024年から) |
| 110万円以下の贈与の相続加算 | 亡くなる前7年分は戻る(経過措置あり) | 戻らない |
| 110万円を超えた分 | 10〜55%の累進税率 | 累計2,500万円まで非課税、超えた分は20%。相続時に加算 |
| 選択 | 何もしなければこちら | 届出が必要。一度選ぶと戻れない |
| 小規模宅地等の特例 | 相続で取得した土地に使える | 精算課税で贈与した土地には使えない |
高齢の親から毎年110万円を確実に非課税で渡したいなら、精算課税を選んで110万円ずつ贈与する方法が有力です。一方、若い親が20年以上かけて贈与するなら、暦年課税でも7年より前の分は戻らないので不利とは限りません。詳しい選び方は暦年贈与と相続時精算課税の選び方で解説しています。贈与税の非課税枠全般は贈与税の非課税枠110万円を参照してください。
今からできること
- 贈与の記録を残す。7年前の贈与を証明するのは受け取った側です。贈与契約書と振込記録を年ごとに保管します。
- 渡す相手を見直す。相続で財産を受け取らない孫や子の配偶者への贈与は加算されません。ただし孫を保険金受取人にしていると対象になります。
- 精算課税の届出を検討する。贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日に「相続時精算課税選択届出書」を出します。期限を過ぎると、その年分は暦年課税のままです。
- 相続税がかかるかを先に確かめる。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)に収まる家庭なら、加算されても税額はゼロです。目安は相続税の基礎控除と節税対策で確認できます。
よくある質問
2026年に親が亡くなりました。何年分が戻りますか。
3年分です。2026年12月31日までの相続は、改正前と同じ「亡くなる前3年以内」の贈与だけが加算されます。7年分が戻るのは2031年以後の相続からです。
110万円以下で贈与税を払っていない年の分も戻りますか。
戻ります。加算対象期間内の贈与は、贈与税がかかったかどうかに関係なく加算されます。亡くなった年に受けた贈与も同じです。
100万円の控除は毎年100万円ですか。
いいえ。亡くなる前3年以内を除いた期間の贈与について、合計で100万円までです。4年分で100万円と考えてください。
孫への贈与なら絶対に戻らないのですか。
孫が相続や遺贈で何も受け取らない場合に限ります。孫が生命保険金の受取人になっている、遺言で財産をもらう、養子になっている、といった場合は「財産を取得した人」になり、加算の対象です。
参考リンク(出典)
- 国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)——加算対象期間の表、100万円の控除、加算の対象者
- 国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択——基礎控除110万円、届出期限、暦年課税に戻れないこと
- 国税庁 No.4152 相続税の計算——加算後の課税価格の計算
- 国税庁 No.4124 小規模宅地等の特例——精算課税で贈与した宅地に特例が使えないこと
※本記事の試算は国税庁の速算表と加算ルールを本サイトが当てはめたもので、国税庁が掲載している計算例ではありません。個別の判断は税理士・税務署にご確認ください。
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