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- 公開。国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A」(令和8年4月)、タックスアンサー No.2582・No.2585 をもとに作成
会社から受け取る通勤手当には、一定額まで所得税がかからない「非課税限度額」があります。マイカーや自転車で通う人の限度額が2026年(令和8年)4月1日以後に支給される通勤手当から変わりました。変わったのは2点だけで、片道65km以上に4つの区分が新設されて最大月6万6,400円になったことと、駐車場代が月5,000円まで非課税に加算されたことです。片道55km未満の人は据え置きで、手取りは変わりません。誰の手取りがいくら増えるのか、給与明細のどこを見ればよいのかを、国税庁のQ&Aで整理します。
結論:変わったのは「65km以上」と「駐車場代」だけ
| 片道の通勤距離 | 改正前(〜2026年3月支給分) | 改正後(2026年4月支給分〜) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 2km未満 | 全額課税 | 全額課税 | — |
| 2km以上10km未満 | 4,200円 | 4,200円 | 据え置き |
| 10km以上15km未満 | 7,300円 | 7,300円 | 据え置き |
| 15km以上25km未満 | 13,500円 | 13,500円 | 据え置き |
| 25km以上35km未満 | 19,700円 | 19,700円 | 据え置き |
| 35km以上45km未満 | 25,900円 | 25,900円 | 据え置き |
| 45km以上55km未満 | 32,300円 | 32,300円 | 据え置き |
| 55km以上65km未満 | 38,700円 | 38,700円 | 据え置き |
| 65km以上75km未満 | 38,700円 | 45,700円 | +7,000円 |
| 75km以上85km未満 | 38,700円 | 52,700円 | +14,000円 |
| 85km以上95km未満 | 38,700円 | 59,600円 | +20,900円 |
| 95km以上 | 38,700円 | 66,400円 | +27,700円 |
| 駐車場等の料金(新設) | 加算なし | 上記+実費(上限5,000円) | +最大5,000円 |
出典:国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A」(令和8年4月)[国税庁 Q&A]、タックスアンサー No.2585[国税庁 No.2585]。電車・バス通勤の非課税限度額(月15万円)は変更なし。
改正前は「55km以上」がひとつの区分で、どれだけ遠くても38,700円が上限でした。改正後は65km刻みで4つに分かれ、片道95km以上なら66,400円まで非課税です。
手取りが増えるのは「実際に上限を超える手当を受けていた人」だけ
非課税限度額は「会社が払う額」ではなく「税金がかからない上限」です。会社の通勤手当が限度額より少なければ、改正で手取りは1円も変わりません。手取りが増えるのは、会社から限度額を超える通勤手当を受けていて、超えた分に所得税・住民税がかかっていた人です。
| あなたの状況 | 改正の影響 |
|---|---|
| 片道55km未満のマイカー通勤 | 変化なし(限度額が据え置き) |
| 片道65km以上で、会社の通勤手当が38,700円を超えていた | 手取りが増える。超えていた分の所得税・住民税がなくなる |
| 片道65km以上でも、会社の通勤手当が38,700円以下 | 変化なし。会社が手当を増やすかどうかの問題 |
| 会社が駐車場代を通勤手当として払っている | 月5,000円まで非課税に。それまで課税されていた分がなくなる |
| 電車・バス通勤 | 変化なし(月15万円の上限のまま) |
手取りの計算そのものは源泉徴収票から手取りを計算を参照してください。
駐車場代の5,000円:対象になる駐車場と計算の順番
改正で新設されたのが、通勤で使う駐車場の料金相当額を距離区分の限度額に加算する扱いです。国税庁のQ&Aは、非課税となる限度額を「通勤距離の区分に応じた非課税限度額に1か月当たりのその駐車場等の料金相当額(上限5,000円)を加算した金額」としています[国税庁 Q&A]。
国税庁Q&Aの例:片道50km、駐車場代が月8,000円で、会社が通勤手当28,000円+駐車場代8,000円=36,000円を支給
距離区分の限度額(45km以上55km未満):32,300円
駐車場等の料金相当額:8,000円 → 上限5,000円
非課税限度額:32,300円 + 5,000円 = 37,300円
支給額36,000円は37,300円を下回るので全額非課税
同じ条件で会社が40,300円を支給する場合:限度額37,300円を超える3,000円が課税
- 対象は「一定の要件を満たす駐車場等」で、通勤のために使う駐車場が基本です。自転車やバイクの駐輪場も含まれます(Q&A 2-2)。
- 会社が駐車場を借り上げて無料で使わせている場合は、もともと給与課税されない扱いが多く、この加算の話ではありません。加算が効くのは自分で契約した駐車場の料金を会社が手当として補填している場合です。
- 加算はあくまで上限5,000円。月1万円の駐車場代を全額もらっていれば、5,000円を超えた分は課税されます。
給与明細と源泉徴収票のどこを見るか
- 給与明細の「通勤手当」欄と「課税通勤費」欄——会社によっては非課税分と課税分を分けて表示しています。課税分がゼロになっていれば改正が反映されています。
- 会社が片道距離の区分を正しく登録しているか——65km以上の新区分に該当するのに55km以上の旧区分のままだと、手当が課税され続けます。人事に通勤距離の申告を出し直してください。
- 4月支給分から適用——3月分の給与を4月に払う会社なら、4月の支給から新しい限度額です。適用は「支給日」で見ます。
- 源泉徴収票の「支払金額」に非課税の通勤手当は含まれない——年末の源泉徴収票で課税分だけが給与に入ります。見方は源泉徴収票の見方を参照してください。
非課税なのは所得税と住民税だけです。健康保険・厚生年金の保険料を決める標準報酬月額には、通勤手当が非課税分も含めて全額算入されます。手当が増えれば保険料も少し上がるので、「非課税=負担ゼロ」ではありません。106万円の壁の判定に通勤手当が含まれるかどうかは106万円と130万円の壁を参照してください。
なぜ65km以上だけが上がったのか
改正の理由は、燃料費の上昇と、地方で長距離通勤をする人の負担が旧区分の上限38,700円では実費に届かなくなっていたことです。片道70kmを月20日往復すると走行距離は2,800km。燃費15km/L・ガソリン170円/Lなら燃料代だけで月約3万2,000円、高速道路を使えば38,700円を超えるのは珍しくありません。今回の改正は距離に応じて実費に近づける形で、短距離通勤者の限度額を引き上げるものではありません。電車通勤の15万円も据え置きです。
改正の全体は税制改正2026まとめで追っています。
今日やること
- 4月以降の給与明細で通勤手当の課税分を確認する。片道65km以上なのに課税が残っていれば、人事に距離区分の更新を依頼する。
- 自分で契約している駐車場代を会社に申告する。会社の規程で補填があれば、月5,000円まで非課税で受けられる。
- 片道55km未満の人は何もしなくてよい。限度額は変わっていない。
よくある質問
会社の通勤手当の規程は変わらず、片道70kmで38,700円のままです。何か損していますか?
税金の面では損はしていません。非課税限度額は税金がかからない上限であって、会社が払う義務のある額ではないからです。ただし実費が38,700円を超えているなら、改正で会社が手当を45,700円まで非課税で払えるようになったので、規程の見直しを相談する材料にはなります。
まとめ
- 2026年4月1日以後に支給される通勤手当から、マイカー・自転車通勤の非課税限度額が変わった
- 片道65km以上に4つの区分が新設され、最大月6万6,400円。駐車場代も月5,000円まで非課税に加算
- 片道55km未満と電車・バス通勤(月15万円)は据え置きで、手取りは変わらない
- 手取りが増えるのは限度額を超える手当を受けていた人だけ。会社の手当が38,700円以下なら変化なし
- 片道65km以上なのに課税分が残っていれば、人事に距離区分の更新を依頼
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参考リンク(出典)
本記事は次の資料をもとに作成しています。限度額は法令改正で変わるため、最新の内容をご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供です。会社の通勤手当の規程や駐車場の要件は個別に確認してください。判断に迷う場合は勤務先の給与担当・税務署にご相談ください。









