障害年金をもらいながら働ける収入|止まるのは20歳前傷病の障害基礎年金だけ、所得376万円で半分

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  • 公開。日本年金機構(障害基礎年金・障害厚生年金・20歳前傷病の支給制限・障害年金ガイド令和8年度版)、厚生労働省 精神の障害に係る等級判定ガイドライン、国民年金法25条・厚生年金保険法41条・健康保険法108条、国税庁 No.1160/No.1180/No.1410 をもとに作成

障害年金は、働いて給料が増えても原則として止まりません。所得で支給が止まる規定があるのは、20歳前の傷病による障害基礎年金だけです。線は前年の所得で376万1,000円と479万4,000円の2本です。給与収入に直せば、半分が止まり始めるのは525万円を超えたあたりです。気にすべきなのは所得より、更新のときに出す診断書です。まず年金証書で、自分の年金が20歳前傷病かどうかを確かめてください。

結論:所得で止まるのは20歳前傷病の障害基礎年金だけ

「働いたら障害年金が止まる」は、多くの受給者に当てはまりません。日本年金機構の案内で所得による支給停止が出てくるのは、20歳前傷病のページだけです[日本年金機構]。障害厚生年金にも、国民年金加入中に初診日がある障害基礎年金にも、所得制限はありません。

年金の種類働いて所得が増えると
障害厚生年金(1級・2級・3級)止まらない
障害基礎年金(初診日が国民年金の加入中)止まらない
20歳前傷病の障害基礎年金前年の所得で2分の1停止または全額停止

出典:日本年金機構「障害厚生年金」「20歳前傷病の支給制限」[日本年金機構]

見分ける手がかりは初診日です。最初に医師にかかった日が20歳より前なら、20歳前傷病です[日本年金機構 障害基礎年金]。

20歳前傷病の線は前年の所得376万1,000円

20歳前傷病の障害基礎年金は、保険料を納めていない期間の障害に出ます。そのぶん所得の制限があり、停止するのは10月分から翌年9月分です[日本年金機構 20歳前傷病の支給制限]。

前年の所得額1級2級
376万1,000円以下全額 1,059,125円全額 847,300円
376万1,001円〜479万4,000円半分停止 529,563円半分停止 423,650円
479万4,000円超全額停止 0円全額停止 0円

出典:同ページ(昭和31年4月2日以後生まれ・令和8年4月時点)。金額は毎年10月に切り替わります。

扶養親族がいると線は上にずれます。1人につき38万円、特定扶養親族なら63万円の加算です。

多い誤解は「所得」と「収入」の取り違えです。所得は、額面から給与所得控除を引いた後の金額です。

給与収入400万円なら止まるのか(本サイトの試算)
  • 給与所得控除=400万円×20%+44万円=124万円[国税庁 No.1410]
  • 所得=400万円−124万円=276万円。376万1,000円以下なので全額支給
  • 線を超えるのは給与収入でおよそ525万円から

※国税庁の速算表に本サイトが当てはめた試算です。

扶養親族が1人いれば線は414万1,000円に上がります。停止の通知が来たら申告漏れを確認してください。

働いていても等級は自動では下がらない

止まるとすれば、所得ではなく更新の審査です。ただし厚生労働省のガイドラインは逆の念押しをしています。「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず」と明記しています[厚生労働省 等級判定ガイドライン]。

  • 就労継続支援のA型・B型と障害者雇用は「1級または2級の可能性を検討する」
  • 一般企業や自営でも、同程度の援助があれば「2級の可能性を検討する」
  • 一般企業では「就労の実態を総合的にみて判断する」

下の等級へ変えるときにも歯止めがあります。前回の診断書や主治医への照会を行い、慎重に診査するよう定められています。それでも判断材料は診断書です。職場の配慮を主治医に伝えておきましょう。

更新の期限も押さえましょう。障害状態確認届は誕生月の3か月前の月末に届き、期限は誕生月の末日です[日本年金機構 障害状態確認届]。遅れると支払いが一時止まります。届く間隔は人によって違います。

反映の時期は上下で違います。上の等級なら翌月分から増額、下の等級なら4か月後から減額または停止です[日本年金機構]。減額までは4か月あるので、その間に生活を組み直せます。

令和8年度は障害基礎年金2級で年84万7,300円

令和8年度は基礎年金が1.9%、報酬比例部分が2.0%の引き上げです[日本年金機構 令和8年4月分から]。2級は老齢基礎年金の満額と同じ月7万608円です。

給付1級2級3級
障害基礎年金(年額)1,059,125円847,300円なし
障害厚生年金(年額)報酬比例額×1.25報酬比例額最低保障 635,500円

出典:日本年金機構「障害基礎年金」「障害厚生年金」(昭和31年4月2日以後生まれ)。子の加算・配偶者加給はいずれも1人243,800円[日本年金機構]

厚生年金の加入期間が300月に満たなければ、300月とみなして計算します[日本年金機構 障害年金ガイド]。加入が短くても極端に少なくはなりません。

2級・平均標準報酬額30万円・300月みなしの場合(本サイトの試算)
  • 報酬比例額=30万円×5.481÷1000×300月=493,290円
  • 847,300円+493,290円=1,340,590円(月111,716円)
  • 65歳未満の配偶者がいれば加給243,800円で 1,584,390円
  • 1級なら 1,675,738円、3級なら最低保障の 635,500円

※「障害年金ガイド 令和8年度版」の式に本サイトが数値を当てはめた試算です。

3級で最低保障が効く分かれ目は、平均標準報酬額でおよそ38万6,000円です。

年金は止まらないが、家族の扶養からは外れる

障害年金は非課税で、合計所得金額にも入りません。根拠は所得税法ではなく、国民年金法第25条と厚生年金保険法第41条第2項の公課の禁止です[国民年金法 第25条]。課税されるのは老齢年金だけです。

問題は給与です。令和8年分の扶養親族の所得要件は合計所得62万円以下です[国税庁 No.1180]。給与150万円なら給与所得は76万円で、この線を超えます。年金は止まらないのに扶養からは外れます。

年金の側で起きること

  • 20歳前傷病以外なら、給与がいくらでも年金は満額
  • 1級・2級なら国民年金保険料が法定免除になる

家族の税の側で起きること

  • 給与所得が62万円を超えると扶養親族から外れる
  • 障害者控除は手帳で判定され、年金の等級では決まらない

最後の点は誤解が多いところです。国税庁の要件に並ぶのは、精神障害者保健福祉手帳や身体障害者手帳、市町村長等の認定です。障害年金の等級は出てきません[国税庁 No.1160]。金額と要件はひとり親控除・障害者控除のまとめで確認できます。

法定免除も使えます。1級・2級の障害年金を受ける第1号被保険者は保険料が免除されます[日本年金機構]。ほかの免除との違いは国民年金の免除と猶予で整理しています。

傷病手当金・生活保護・雇用保険との関係

ほかの給付との関係も分かれます。同じ事由の障害基礎年金と障害厚生年金は1つの年金とみなされます[日本年金機構 年金の併給または選択]。

組み合わせ結論
障害基礎+障害厚生(同じ事由)あわせて受けられる
障害年金と老齢年金(65歳前)どちらか1つを選択
障害基礎+老齢厚生(65歳以後)あわせて受けられる
障害厚生と傷病手当金(同じ傷病)支給されない(年金が少なければ差額)
障害年金と生活保護併給できるが全額が収入認定される
障害年金と雇用保険の基本手当法令上の支給停止規定はない

出典:日本年金機構「年金の併給または選択」、健康保険法第108条第3項ほか。

傷病手当金は要注意です。健康保険法は、同じ病気で障害厚生年金を受けられるときは支給しないとしています[健康保険法 第108条]。さかのぼって年金が決まると、受給済みの手当金は後から調整されます。制度は傷病手当金は退職後も続くにまとめています。

生活保護では年金に勤労控除がなく、額がそのまま差し引かれます。給与には控除があるので、働けば手元は増えます。仕組みは働きながら生活保護を受けるときの収入認定で整理しています。

基本手当と調整されるのは老齢厚生年金だけで、障害年金に調整規定はありません[厚生年金保険法]。ただし基本手当は働ける状態が前提です。

請求から入金まではおよそ4〜5か月みておく

請求書の提出から年金証書が届くまでは3か月程度です[日本年金機構 障害年金ガイド]。証書が届いてから初回の振込までは、さらに1〜2か月かかります。

  1. 初診日を確定し、初診の医療機関で証明をもらう
  2. 障害認定日(初診日から1年6か月後)の診断書を用意する
  3. 市区町村または年金事務所へ年金請求書を出す
  4. およそ3か月で年金証書、1〜2か月後に初回振込(以後は偶数月)

期限もあります。さかのぼって受け取れるのは時効により5年分まで、事後重症の請求は65歳の誕生日の前々日までです。

今日できることは3つです。年金証書で20歳前傷病かを確かめること。20歳前傷病なら扶養親族の申告を見直すこと。職場の配慮を次の更新までに主治医へ伝えることです。

年金そのものの税務(申告の要否・扶養の判定・障害者控除の額)は障害年金と税金にまとめています。

まとめ

  • 所得で支給が止まるのは20歳前傷病の障害基礎年金だけ。障害厚生年金などに所得制限はない
  • 20歳前傷病の線は前年の所得で376万1,000円と479万4,000円。給与収入ならおよそ525万円から
  • 働いているだけで等級は下がらない。更新の診断書に職場の配慮を反映してもらう
  • 年金は非課税だが、給与所得が62万円を超えると家族の扶養親族から外れる
  • まず年金証書で20歳前傷病かどうかを確かめる

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参考リンク(出典)

※試算は一次情報の式に本サイトが数値を当てはめたものです。所得制限額は毎年10月に切り替わるのでご確認ください。

公開日:2026年10月17日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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