千葉豪雨・台風25号で被災したら|罹災証明書の取り方と「床上10cm」で変わる支援金・減免一覧

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  • 公開。内閣府(被害状況第15報・被害認定基準運用指針)、千葉県(災害救助法・被災者生活再建支援法の適用、応急修理、県税、台風25号第4報)、千葉市(罹災証明書、市税減免、支援金、災害援護資金、見舞金)、国税庁の公表資料をもとに作成

千葉県では8月13日からの「令和8年8月千葉豪雨」に続き、9月20日からの台風25号で再び住家の浸水と停電が広がっています。被災後にもらえるお金や税金・保険料の減免は、ほぼすべて「罹災証明書」の被害区分で決まります。水害の区分は浸水の深さで判定され、床上10センチ以上なら「半壊」以上になり、支援金の対象や減免の割合が一段上がります。ですから片付けの前に、浸水の高さが分かる写真を撮ることが最初の仕事です。この記事では、2つの災害の対象市町村、罹災証明書と被災証明書(車はこちら)の取り方、浸水深と被害区分の表、支援金・応急修理・災害援護資金・市税減免の金額と期限を、千葉県・千葉市・内閣府の公表資料で整理します。数字は2026年9月22日時点です。

結論:やる順番と、期限があるもの

  1. 片付け・修理の前に写真を撮る。家の外を4方向から、浸水した高さが分かるようにメジャーを当てて「引き」と「寄り」。家の中は部屋ごとの全景と被害箇所の寄り。
  2. 罹災証明書を市町村に申請する。住家は罹災証明書、車・店舗・物置は被災証明書。写真判定なら1〜2週間、現地調査なら2週間〜1か月。
  3. 市税の減免は罹災証明書を待たずに相談する。減免は「納期限までの申請」が条件で、過ぎた期別は対象になりません(千葉市)。
  4. 罹災証明書が届いたら支援金・見舞金・保険料減免をまとめて申請する。
  5. 来年の確定申告で雑損控除か災害減免法を使う。保険金で補填された分は差し引きます。
手続き期限(千葉市の公表分)
市県民税の減免各納期限まで(第3期 10月末・第4期 1月末)
固定資産税・都市計画税の減免各納期限まで(第3期 12月25日・第4期 2月末)
災害援護資金(貸付)災害発生月の翌月1日から3か月を経過した日まで(8月豪雨は11月末ごろ。最終日は市に確認)
被災者生活再建支援金 基礎支援金被災日から13か月=2027年9月12日(8月豪雨)
同 加算支援金被災日から37か月=2029年9月12日(8月豪雨)
千葉県の災害義援金(寄附する側)2026年11月30日まで募集

出典:千葉市「令和8年8月千葉豪雨による災害に係る市税の減免等について」[千葉市]、千葉市「被災者生活再建支援金」[千葉市]、千葉市「災害援護資金」[千葉市]。他の市町村は期限が異なる場合があります。

2つの災害と対象市町村:8月豪雨と台風25号は別の制度適用

災害救助法の適用市町村は、8月豪雨と台風25号でほとんど重なりません。自分の市町村がどちらの災害で適用されているかで、使える制度と申請先の案内が変わります。

令和8年8月千葉豪雨令和8年台風25号
発生8月13日夕方〜14日朝。千葉市で360ミリ超(観測史上1位)、大雨特別警報9月20日〜22日
被害(公表値)死者13人・負傷者46人、住家被害6,220棟(床上浸水2,183棟・床下1,052棟)
9月9日12時現在
死者3人・行方不明2人、全壊18棟、床上浸水325棟(うち佐倉市300棟)、床下54棟
9月22日11時現在の暫定値
災害救助法8月13日適用。千葉市、市川市、船橋市、館山市、松戸市、茂原市、佐倉市、東金市、習志野市、柏市、市原市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、四街道市、八街市、印西市、白井市、大網白里市、富里市、山武市、酒々井町、九十九里町、白子町、長柄町(25市町)9月20日適用。銚子市、木更津市、野田市、成田市、旭市、勝浦市、流山市、鴨川市、君津市、富津市、袖ケ浦市、南房総市、匝瑳市、香取市ほか計24市町村
被災者生活再建支援法9月11日決定。千葉市・佐倉市・市原市・八千代市・大網白里市の5市。他の市町村は県の事業で同額9月22日時点で適用の公表なし
住宅の応急修理実施中(千葉市+20市4町)9月22日時点で公表なし

出典:内閣府「令和8年8月千葉豪雨による被害状況等について」第15報[内閣府]、千葉県災害対策本部「令和8年台風第25号について(第4報)」[千葉県]、千葉県「災害救助法の適用について」[8月豪雨][台風25号]、千葉県「被災者生活再建支援法の適用」[千葉県]

台風25号は9月22日時点でまだ調査中です。支援法の適用や応急修理の実施は、8月豪雨と同じ流れでこれから公表される見込みですが、決まるまでは確定した制度として書けません。台風で被災した人も、写真の記録と罹災証明書の申請は今すぐ始めて問題ありません。

罹災証明書の取り方:住家は罹災証明書、車は被災証明書

罹災証明書は、住んでいる家の被害の程度を市町村長が証明する書類で、支援金・融資・減免・応急修理のほぼすべてで必要です。市町村は申請があれば「遅滞なく」調査して交付しなければならないと法律で決まっています(災害対策基本法90条の2)[内閣府 災害の被害認定基準]。

罹災証明書被災証明書
対象現に住んでいる住家住家以外:事務所・店舗・倉庫・空き家・門塀・カーポート・自動車
証明する内容被害の程度(全壊〜一部損壊)被害があった事実
写真外観4方向+浸水の高さ、部屋ごとの全景と被害箇所車は①車の全体 ②被害箇所 ③ナンバープレート
手数料無料(千葉市)

出典:千葉市「罹災証明書・被災証明書の交付」[千葉市]、千葉県「罹災証明書について」[千葉県]

千葉市の判定は3通りで、日数が違います[千葉市]。

方式どんなとき交付の目安
自己判定方式(写真判定)被害が軽微で「一部損壊(10%未満)」に同意できるとき。床下浸水など。現地調査なし1〜2週間
写真による判定水害で写真から浸水の深さが確認できるとき1〜2週間
現地調査1次調査は外観と浸水深のみ。納得できなければ2次調査(室内まで)を申請できる2週間〜1か月

申請できるのは世帯主か同一世帯の人(代理人は委任状)。本人確認書類と写真を持って区役所の臨時窓口へ行くか、千葉市は電子申請もできます(本人のみ)。即日交付はありません。2次調査を申請すると判定が下がることもあると市は明記しているので、写真で浸水の高さをきちんと示すほうが確実です。調査員を装って費用を請求する不審者への注意も出ています。市の調査員が費用を請求することはありません。

浸水の深さで被害区分が決まる:床上10センチが分かれ目

水害の被害認定は、内閣府の運用指針で浸水の深さから損害割合を決めます。外壁や建具が壊れていない通常の浸水では次のとおりです[内閣府 被害認定基準運用指針 第2編 水害]。

浸水の深さ損害割合被害区分支援金の扱い
床上1.8メートル以上(または流失)50%以上全壊基礎100万円+加算最大200万円
床上1メートル以上1.8メートル未満40〜50%未満大規模半壊基礎50万円+加算最大200万円
床上50センチ以上1メートル未満30〜40%未満中規模半壊加算のみ最大100万円
床上50センチ未満(床上10センチ以上)20〜30%未満半壊解体すれば基礎100万円。応急修理75万7,000円の対象
床下浸水10%未満一部損壊(準半壊に至らない)支援金なし。見舞金・減免の一部は対象

千葉市は「床上10センチ以上の浸水は、半壊以上の判定になり、受けられる支援制度が増えたり支援額が増額になります」と案内しています[千葉市 床上浸水された方へ]。水流やがれきで外壁や建具が壊れている場合は、同じ深さでも一段上の区分になります。だからこそ、壁に残った水の跡にメジャーを当てた写真が、そのまま支援金の額を左右します。

もらえるお金・借りられるお金(令和8年度の額)

制度金額対象・条件
被災者生活再建支援金 基礎支援金全壊・半壊等解体・長期避難 100万円/大規模半壊 50万円単身世帯は4分の3。5市以外は県の事業で同額。市町村が窓口
同 加算支援金建設・購入 200万円/補修 100万円/賃借 50万円(中規模半壊は100万・50万・25万円)「補修」で申請すると後から「建設・購入」に変更不可。公営住宅入居は「賃借」対象外
住宅の応急修理(災害救助法)大規模半壊〜半壊 75万7,000円以内/準半壊 36万7,000円以内市町村が業者に直接支払う現物給付。現金はもらえない。超過分は自己負担
災害援護資金(貸付・千葉市)全壊 350万円まで、半壊 170〜350万円、家財3分の1以上の損害 150〜250万円所得要件あり(2人世帯430万円未満など)。据置3年・年1%(保証人ありなら無利子)・10年償還
災害弔慰金生計維持者の死亡 500万円/その他 250万円配偶者・子・父母・孫・祖父母(いなければ同居の兄弟姉妹)
災害障害見舞金生計維持者 250万円/その他 125万円両眼失明など重い障害が残った場合
千葉市の災害見舞金全壊 5万円/半壊〜準半壊 3万円床上浸水なら一部損壊でも3万円。床下は対象外。罹災証明書の発送時に案内が同封

出典:千葉県「被災者生活再建支援法の適用と千葉県被災者生活再建支援事業」[千葉県]、千葉県「住宅の応急修理」[千葉県]、千葉市「災害援護資金」[千葉市]、千葉市「災害弔慰金」[千葉市]、千葉市「災害見舞金」[千葉市]

支援金で見落とされやすいのが「自分の市は5市に入っていない」という誤解です。千葉県は支援法の対象にならなかった市町村にも、県の事業で同額の支援金を出すと公表しています。もう1つは「半壊」でも、危険で住めず解体した世帯は全壊と同じ基礎支援金100万円の対象になる点です。申請は市町村の窓口で、千葉市は対象になりそうな世帯に書類を郵送しています。

税金・保険料の減免:納期限を過ぎた分は戻らない

千葉市の市税の減免は「申請は納期限まで」で、納期限が過ぎた税額や納付済みの税額は対象外です。ただし申請時点で納期限が来ていない期別は、先に納めていても減免されます[千葉市 市税の減免等]。罹災証明書の交付を待つあいだにも納期限は来ます。市税事務所に先に相談してください。

税・保険料内容(千葉市の例)
個人市県民税損害が住宅・家財の価格の半分以上で、前年の合計所得500万円以下なら所得割の全額免除。750万円以下は2分の1、1,000万円以下は4分の1。損害が10分の3以上なら各半分
固定資産税・都市計画税(家屋)全壊は全額、価値が6割以上減なら8割減など。床上浸水は被害床面積の割合×10分の4
自動車税(県税)運行できない期間に応じて減免。8月豪雨で車が被災した人向けの案内あり
国民健康保険料・後期高齢者医療・介護保険料保険料の減免に加え、医療機関の窓口負担(一部負担金)の免除・猶予も
国民年金保険料住宅・家財などの被害がおおむね2分の1以上なら申請で全額免除
納税の猶予市税は原則1年以内の分割納付、延滞金の一部免除、差押えの猶予。国税も税務署への申請で期限延長・猶予

出典:千葉市「市税の減免等」[千葉市]、千葉県「災害被災者に対する県税の減免措置等」[千葉県]、千葉市「被災された方への給付・減免」[千葉市]、国税庁「令和8年8月千葉豪雨により被害を受けられた皆様へ」[国税庁]

所得税は来年の確定申告で精算します。家や家財の損害額(保険金で補填された分を除く)が所得の10分の1を超えれば雑損控除、所得1,000万円以下で損害が住宅・家財の2分の1以上なら災害減免法で所得税が減額・免除されます。どちらが有利かは雑損控除と災害減免法の選び方で計算しています。国税庁は千葉豪雨の専用ページを設け、申告・納付の期限延長と納税猶予は税務署への個別申請で受け付けています。

逆に、寄附する側の話も1つ。千葉県の災害義援金(11月30日まで)は寄附金控除の対象で、窓口振込なら手数料無料です。確定申告が必要なので振込票を保管してください[千葉県 災害義援金]。

見落としやすい7点

  1. 車の水没は被災証明書。ナンバープレートを含む写真3枚で無料交付。自動車税の減免と車両保険の請求に使う。
  2. 床上10センチが半壊の線。壁の水の跡にメジャーを当てて撮る。床下浸水は支援金が出ないが、千葉市の見舞金は床上なら一部損壊でも3万円。
  3. 保険金は損害額から引かれる。市民税の減免も雑損控除も、保険で補填された分は損害に数えない。火災保険の水災補償の請求は保険会社へ写真と見積りで(罹災証明書が要るかは保険会社で異なる)。
  4. 住民票・課税証明書の手数料は罹災証明書を見せれば免除。災害援護資金などの添付書類で必要になる。
  5. 加算支援金は「補修」で申請すると建設・購入に変えられない。直すか建て替えるか決めてから申請する。
  6. 応急修理は現金ではない。市町村が業者に直接払う。限度額75万7,000円を超える分は自己負担。
  7. 事業者は別の窓口。店舗や事務所は被災証明書、災害救助法の適用市町村では商工会議所などに特別相談窓口。会社員が自宅で被災した場合の備えは台風前のお金の防災にまとめています。

よくある質問

台風25号で床上浸水しました。8月豪雨と同じ支援金はもらえますか。

災害救助法は9月20日付で24市町村に適用済みです。被災者生活再建支援法と応急修理は9月22日時点で公表されていませんが、8月豪雨では発災から約1か月で決まりました。写真の記録と罹災証明書の申請は今すぐ進めてください。

賃貸に住んでいます。罹災証明書や支援金の対象になりますか。

なります。罹災証明書は現に住んでいる住家が対象で、持ち家か借家かは問いません。被災者生活再建支援金も借家の世帯が対象です。大家は、その家に自分が住んでいる場合だけ対象です。

罹災証明書に期限はありますか。

千葉市・佐倉市・八千代市のページに申請期限の明示はありません(9月22日時点)。ただし市税の減免は各納期限まで、災害援護資金は発生月の翌月から3か月と、支援制度の側に期限があります。早く取るほど使える制度が増えます。

判定が「一部損壊」でした。納得できません。

2次調査(室内を含む詳細調査)を申請できます。ただし既に受け取った罹災証明書は返却し、2次調査の結果で判定が下がることもあります。浸水の高さが分かる写真があれば、先に窓口で相談してください。

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公開日:2026年09月22日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項