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- 公開。厚生労働省「生活保護実施要領等(令和8年4月1日施行)」「生活扶助基準額の算出方法(令和8年4月)」「令和8年度生活扶助基準の見直しについて」「就労自立給付金の支給について」、生活保護法・国民健康保険法・国民年金法・地方税法をもとに作成
「生活保護は働いたら全部取られる」は誤りです。給料からはまず勤労控除が引かれ、残った額だけが収入として認定されます。単身・東京23区(1級地-1)なら、手元に残るのは最低生活費130,120円に基礎控除を足した額です。月給10万円なら基礎控除16,250円が上乗せされ、手元は146,370円。保護が切れるのは月給18万円台後半、年収でおよそ220万円が目安です。
結論:手元に残るのは「最低生活費+基礎控除」
生活保護は差額支給です。最低生活費から収入認定額を引いた残りが保護費になります[厚生労働省 実施要領]。給料が増えれば保護費は減ります。それでも働いた分だけ手元は増えます。
| 月給(総支給) | 収入認定額 | 保護費 | 手元に残る現金 |
|---|---|---|---|
| 0円 | 0円 | 130,120円 | 130,120円 |
| 10万円 | 78,030円 | 52,090円 | 146,370円 |
| 18万円 | 125,700円 | 4,420円 | 150,390円 |
| 20万円 | 141,480円 | 0円(廃止) | 162,750円 |
本サイトの試算。単身・20〜40歳・東京23区・家賃53,700円以上・通勤費月5,000円・令和8年4月の基準。
この表には1本の式が通っています。手元=最低生活費+基礎控除額です。月給10万円なら130,120円+16,250円=146,370円になります。
内訳は生活扶助76,420円と住宅扶助53,700円です[厚生労働省 生活扶助基準額の算出方法]。令和8年(2026年)10月分からは特例加算が1,000円上がり、131,120円になります[厚生労働省 令和8年度基準の見直し]。計算例は130,120円で示します。
勤労控除は4種類。基礎控除は月5,840円から22,760円
給料から引けるものは4種類あります。どれも「働くために出ていくお金」を外す仕組みです[厚生労働省 実施要領 次官通知第8の3]。
| 控除の種類 | 額 | 対象・期間 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 月5,840〜22,760円 | 収入がある月すべて(1級地・1人目の額) |
| 新規就労控除 | 月12,900円 | 卒業後などに継続的な職に就いた月から6か月 |
| 20歳未満控除 | 月11,900円 | 20歳未満。単身者と、配偶者や子だけの世帯は除く |
| 必要経費 | 実費 | 社会保険料・所得税・労働組合費・通勤費・子の託児費 |
見落としやすいのは必要経費です。保育料や学童保育も「子の託児費」として実費で引けます[厚生労働省 実施要領 課長通知 問第8の48]。働くひとり親は必ず申告してください。
基礎控除は収入が増えるほど大きくなる階段で、定額ではありません。
| その月の収入金額 | 基礎控除額(1級地・1人目) |
|---|---|
| 8,000円以下 | 収入金額×0.7 |
| 8,340〜11,999円 | 5,840円 |
| 100,000〜103,999円 | 16,250円 |
| 232,000円以上 | 22,760円 |
出典:厚生労働省 実施要領 別表2[厚生労働省]。抜粋で、実際は4,000円刻みです。
区分は実費を引く前の金額で決めます。世帯で2人以上が働くときは、収入が最も多い人が1人目の欄です。
計算例:月給10万円なら保護費52,090円・手元146,370円
単身・東京23区で月給10万円を最後まで計算します。社会保険に入らないパートの前提です。
- 必要経費=基礎控除16,250円+通勤費5,000円+所得税720円=21,970円
- 収入認定額=100,000円−21,970円=78,030円
- 保護費=130,120円−78,030円=52,090円
- 受け取る現金=100,000円+52,090円=152,090円
- 通勤費と所得税を払うと、手元は146,370円
- 検算:146,370円=130,120円+16,250円
本サイトの試算。所得税は源泉徴収税額表の月額表・甲欄・扶養なしによる概算です。
通勤費や所得税を申告しても手元の額は変わりません。自腹で出した分が戻るだけです。手元を押し上げるのは基礎控除16,250円で、ここだけがまるごと上乗せになります。
保護が切れるのは月給18万円台後半・年収220万円前後
収入認定額が最低生活費を上回ると保護は廃止されます。社会保険に加入し、通勤費が月5,000円の例です。
| 月給 | 必要経費の合計 | 収入認定額 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 17万円 | 51,820円 | 118,180円 | 継続(保護費 11,940円) |
| 18万円 | 54,300円 | 125,700円 | 継続(保護費 4,420円) |
| 19万円 | 56,400円 | 133,600円 | 廃止 |
本サイトの試算。社会保険料と所得税は概算で、令和8年度の保険料率は一次情報で未確認です。目安としてお読みください。
年収ではおよそ220万円が分かれ目です。ただし家賃と級地で最低生活費が変わり、社会保険の加入でも動きます。
月給18万円の手元は150,390円、月給19万円では154,270円です。1万円多く稼いでも手元は4,000円弱しか増えません。税と社会保険料が一気に乗るためで、国もこの段差を認めています。
保護を抜けるときは就労自立給付金が最大10万円
働いて保護が廃止されるとき、就労自立給付金を受け取れます[厚生労働省 社援発0425第3号]。積み立てではなく、廃止時に計算して一括で支給されます。通知自身が「生活保護から脱却すると、税・社会保険料等の負担が生じる」と理由を書いています。
- 直近6か月の各月の就労収入額×10%
- + 単身世帯は20,000円、複数世帯は30,000円
- 上限は単身10万円・複数世帯15万円
- 廃止の見通しが立ったら伝える。案内はありますが、こちらから聞くほうが確実です。
- 保護廃止の直前に申請する。そう定められており、廃止後では間に合いません。
- 廃止決定時かその後すみやかに支給。保護を続けるかの判定には含めず、権利は2年で時効です。
税の扱いは一時所得です。50万円の特別控除があるため、この給付金だけで税金が出ることはほぼありません。
収入申告は原則毎月。隠すと返還額に最大40%
働いて得た収入には申告義務があります。就労できると判断された人は、収入の有無にかかわらず毎月が原則です[厚生労働省 実施要領 課長通知 問第8の55]。給料が安定した常用雇用なら3か月ごとでも構いません。
申告しないと生活保護法第78条の費用徴収の対象になります。条文は「百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる」と定めています[生活保護法 第78条]。40%は上限であって、必ず加算されるわけではありません。
それでも隠す得はありません。徴収は国税徴収の例により行われ、悪質な場合は罰則もあります。
収入として認定されるもの・されないもの
給料以外のお金も多くが収入認定の対象です。手当はもらった分だけ保護費が減ります。
認定されない(減らない)
- 住民税非課税世帯向けの給付金。1世帯3万円+子1人2万円まで。貯金も容認
- 第3子以降の児童手当のうち、12歳までは月15,000円、13歳以上は月20,000円
- 敬老の日やこどもの日の行事で自治体が出す金銭
認定される(その分減る)
- 給料。基礎控除と必要経費を引いた後の額
- 児童手当と児童扶養手当(月48,050円の全額)
- 年金・恩給などの給付
- 臨時収入のうち世帯合計で月8,000円を超える部分
出典:厚生労働省 実施要領 次官通知第8の3。給付金の扱いは令和6年12月20日 社援保発1220第1号[厚生労働省]
ひとり親の児童扶養手当は全額が収入認定されます。そのかわり母子加算(1級地・児童1人18,800円)と児童養育加算(10,190円)が上乗せされます。給付金は非課税世帯向けの給付と減免の一覧とまだ間に合う物価高の給付で確認できます。
保護中は住民税も国保料もかからない
保護費そのものに税金はかかりません。関連する負担も法律で外れます。
| 項目 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 保護費 | 租税その他の公課を課されない | 生活保護法 第57条[法令検索] |
| 住民税 | 非課税(生活扶助を受けている人) | 地方税法 第24条の5・第295条[法令検索] |
| 国民健康保険 | 適用除外。医療は医療扶助で受ける | 国民健康保険法 第6条第9号[法令検索] |
| 国民年金保険料 | 法定免除(生活扶助を受けている人) | 国民年金法 第89条第1項第2号[法令検索] |
法定免除は生活扶助を受けている人だけで、医療扶助や住宅扶助だけの人は申請免除です。年金額への影響は国民年金の免除と猶予、住民税が非課税になる条件は住民税非課税世帯の条件で整理しています。
医療は現物給付で、指定医療機関の窓口負担はありません。自動車は原則保有できませんが、通勤にやむを得ず必要で処分価値が小さいなどの条件を満たせば認められます。開始時の手持金も最低生活費の5割までは持てます。
次にやることは1つです。福祉事務所で世帯の最低生活費を出してもらい、今の給料で保護費がいくらになるか確かめましょう。
まとめ
- 給料は勤労控除を引いた残りだけが収入認定される。手元に残るのは最低生活費+基礎控除
- 単身・東京23区で月給10万円なら、保護費52,090円・手元146,370円
- 基礎控除は月5,840〜22,760円。保育料などの託児費や通勤費も必要経費として引ける
- 保護が切れるのは月給18万円台後半、年収でおよそ220万円が目安
- 廃止時は就労自立給付金が単身最大10万円。廃止の直前に申請し、収入申告は原則毎月
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今後の改善の参考にさせていただきます。分かりにくかった点があれば、お問い合わせから教えていただけると嬉しいです。
参考リンク(出典)
- 厚生労働省 生活保護実施要領等(令和8年4月1日施行)——基礎控除額表、勤労控除、必要経費、収入認定除外
- 厚生労働省 生活扶助基準額の算出方法——生活扶助と住宅扶助の内訳
- 厚生労働省 令和8年度生活扶助基準の見直しについて——令和8年10月からの特例加算
- 厚生労働省 就労自立給付金の支給について——計算式、上限額、申請の時期
- 厚生労働省 非課税世帯給付金等の取扱いについて——認定除外と貯金の容認
- 法令検索 生活保護法——公課禁止・費用徴収・罰則
- 法令検索 国民年金法——法定免除と申請免除
※計算例は厚生労働省の基準額と基礎控除額表を本サイトが当てはめたものです。社会保険料と所得税は概算。個別の判定は住所地の福祉事務所にご確認ください。









