年収1,500万〜3,000万円の社会保険料と手取り|厚生年金は65万円で頭打ち、2029年の上限75万円で年11万円増

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  • 公開。全国健康保険協会「令和8年度 保険料額表(東京都)」「令和8年度 都道府県単位保険料率」、日本年金機構「厚生年金保険の保険料」、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率」「標準報酬月額の上限の段階的引上げについて」「年金制度改正法の概要」、国税庁 タックスアンサー No.1199・No.2260 をもとに作成

年収が上がっても、社会保険料は同じ割合では増えません。厚生年金の標準報酬月額は65万円、健康保険は139万円で頭打ちになるからです。賞与なしの会社員なら、年収3,000万円の本人負担は年約184万円(年収の6.1%)で、年収500万円の15.3%の半分以下です[協会けんぽ 令和8年度 保険料額表(東京都)]。

この厚生年金の上限が、2027年9月から68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円へ上がります。対象は賞与を除く月給が66万5,000円以上の人で、本人負担は最終的に年10万9,800円増えます。年収1,500万〜3,000万円の人の保険料・税金・手取りがどう変わるかを、2026年度の料率で計算しました。

結論:年収1,500万円の手取りは約1,017万円、3,000万円は約1,769万円。社会保険料は年184万円で止まる

年収(賞与なし)健康保険+介護+支援金厚生年金雇用保険社会保険料 合計(本人)年収に対する割合
500万円28万7,820円45万180円2万5,000円76万3,000円15.3%
1,000万円58万2,660円71万3,700円5万円134万6,360円13.5%
1,500万円89万1,540円71万3,700円7万5,000円168万240円11.2%
2,000万円97万5,780円71万3,700円10万円178万9,480円8.9%
2,500万円97万5,780円71万3,700円12万5,000円181万4,480円7.3%
3,000万円97万5,780円71万3,700円15万円183万9,480円6.1%

※本人負担の年額。協会けんぽ東京支部の2026年度料率(健康保険9.85%・介護1.62%・子ども・子育て支援金0.23%・厚生年金18.3%、いずれも労使折半)と雇用保険(一般の事業・本人0.5%)、40〜64歳、月給は年収÷12で12か月一定として本サイトが計算[協会けんぽ 令和8年度 都道府県別料率][厚生労働省 令和8年度 雇用保険料率]。39歳以下は介護分(年収1,500万円で約12万円)が無い。

厚生年金は年収1,000万円から先が同じ71万3,700円、健康保険も年収2,000万円から先が同じ97万5,780円です。年収が増えて伸びるのは雇用保険の0.5%だけになります。

手取りはいくら残るか——税率33〜40%、2,500万円超は基礎控除もゼロ

社会保険料が止まる代わりに、税金は年収に比例して増えます。課税所得900万円超は所得税33%、1,800万円超は40%で、住民税10%が加わります。給与所得控除は年収850万円超で195万円に固定され、基礎控除は合計所得2,350万円を超えると減り始めて2,500万円超で0円になります[国税庁 No.1199 基礎控除][国税庁 No.2260 所得税の税率]。

年収(賞与なし)社会保険料所得税住民税手取り手取り率2029年9月以降の手取り
1,000万円134.6万円80.6万円63.2万円約721.6万円72.2%約713.9万円(−7.6万円)
1,500万円168.0万円205.3万円109.9万円約1,016.7万円67.8%約1,010.6万円(−6.2万円)
2,000万円178.9万円370.1万円158.8万円約1,292.1万円64.6%約1,285.9万円(−6.2万円)
2,500万円181.4万円556.4万円208.6万円約1,553.6万円62.1%約1,548.2万円(−5.4万円)
3,000万円183.9万円784.9万円262.6万円約1,768.5万円59.0%約1,763.1万円(−5.4万円)

※2026年分(令和8年分)の所得税(復興特別所得税2.1%込み)と住民税(所得割10%・均等割5,000円)で計算。所得控除は社会保険料控除と基礎控除のみ、扶養・生命保険料控除などは考慮していない。2029年9月以降は厚生年金の保険料が年10万9,800円増え、社会保険料控除で税が減るぶんを差し引いた手取りの減少。

年収1,000万円の人の手取りが7.6万円減るのに、2,500万円以上の人は5.4万円しか減りません。同じ10万9,800円の保険料でも、税率40%の人は約4割が税の減少で戻るためです。年収1,000万円前後の計算の中身は年収1000万円の税金と手取りで、上限引き上げの対象判定と各年の増加額は厚生年金の上限が2027年9月に68万円へで説明しています。

なぜ頭打ちになるか——保険料の上限は4つ、雇用保険だけ上限がない

社会保険料は給与そのものではなく、等級表に当てはめた標準報酬月額と標準賞与額に料率を掛けます。等級表には最高等級があり、それを超える給与には保険料がかかりません[日本年金機構 厚生年金保険の保険料]。

保険月給の上限賞与の上限上限での本人負担
厚生年金65万円(第32級・月給63万5,000円以上)
→2027年9月 68万円、2028年9月 71万円、2029年9月 75万円
1回150万円(変わらない)月5万9,475円 → 2029年9月以降 6万8,625円
健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金139万円(第50級・月給135万5,000円以上)年度の累計573万円月8万1,315円(40〜64歳)
雇用保険上限なし上限なし給与と賞与の0.5%

厚生年金の上限65万円は、全加入者の標準報酬月額の平均のおよそ2倍で、上限に当たっている人は278万人(6.5%)です[厚生労働省 標準報酬月額の上限の段階的引上げについて]。2025年6月に成立した年金制度改正法で3段階の引き上げが決まり、あわせて最高等級の人の割合に応じて上限を改定できるルールも入りました。75万円で終わりとは限りません[厚生労働省 年金制度改正法の概要]。健康保険の139万円は今回の改正で変わりません。

上限は保険料だけでなく年金にも効きます。月給65万円を超えた分は保険料を払わない代わりに、老齢厚生年金も増えません。年収1,040万円前後から先は年金額が同じになる仕組みは厚生年金はいくらもらえるかで確かめられます。

賞与の割合で保険料が年48万円変わる——月給は上限で止まるが、賞与は1回150万円まで乗る

同じ年収でも、月給と賞与の配分で社会保険料は大きく違います。月給は65万円(厚生年金)と139万円(健康保険)で止まりますが、賞与は1回150万円・年度573万円まで保険料がかかるからです。

年収賞与なし(月給のみ)賞与が年4か月分(年2回)差
1,000万円134万6,360円154万1,000円+19万4,640円
1,500万円168万240円193万5,435円+25万5,195円
2,000万円178万9,480円227万2,240円+48万2,760円
3,000万円183万9,480円244万9,185円+60万9,705円

※本人負担の年額。賞与あり=年収÷16を月給、2か月分を年2回賞与として計算。会社負担も同じだけ違う。

年収2,000万円で賞与が年4か月分なら、月給125万円・賞与250万円が2回です。月給の厚生年金分は65万円で止まりますが、賞与250万円には1回150万円まで保険料がかかり、健康保険分は500万円全額に乗ります。年収が同じでも、賞与の多い人は社会保険料が48万円多く、そのぶん将来の厚生年金は増えます。

会社員は給与の配分を選べませんが、役員報酬は会社が決めます。月給と賞与(事前確定届出給与)の配分で保険料が変わる仕組みと、年金が減る側面は事前確定届出給与で役員賞与を経費にするで整理しています。

負担率15%と6%の差をどう見るか——上限は保険料と給付の両方に効く

年収500万円の人が15.3%を払い、年収3,000万円の人が6.1%で済むのは、公的保険が「払った分に応じて受け取る」仕組みだからです。厚生年金は払った保険料に比例して年金が増えるので、上限で保険料を止めれば年金も止まります。一方、健康保険の給付は年収に関係なく同じで、139万円まで保険料を取る理由は財政の支え合いにあります。

2027年からの引き上げは、この上限を「平均の2倍」から「平均の2.3倍」へ動かすものです。対象の278万人の負担は年最大10万9,800円増え、年金財政は改善します。増えた分の年金で元が取れるのは受給開始から17年前後(82歳ごろ)で、平均余命の範囲には収まります。

高所得の会社員が自分で動かせるのは、税率が高いほど効く所得控除です。iDeCoの掛金の上限は2026年12月から会社員も月6.2万円(企業型DCなどの掛金は差し引く)に広がり、税率43%(所得税33%+住民税10%)の人なら年74万円の掛金で約32万円の税が減ります。仕組みはiDeCo2026年12月改正まとめで確認してください。

まとめ

  • 社会保険料の本人負担は年収500万円で15.3%、1,500万円で11.2%、3,000万円で6.1%。厚生年金は月給65万円、健康保険は139万円で頭打ち
  • 賞与なしなら、厚生年金は年収1,000万円から、健康保険は2,000万円から同額。年収3,000万円でも社会保険料は年約184万円で止まる
  • 手取りは年収1,500万円で約1,017万円(67.8%)、2,000万円で約1,292万円(64.6%)、3,000万円で約1,769万円(59.0%)
  • 2027年9月から厚生年金の上限が3段階で75万円へ。本人負担は年10万9,800円増え、手取りの減りは税率40%の人で年約5.4万円
  • 同じ年収でも賞与が年4か月分あると社会保険料は年収2,000万円で48万円多い。賞与は1回150万円まで保険料が乗る

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参考リンク(出典)

※本記事の金額は、公表されている料率・等級表・税率を本サイトが当てはめた概算です。健康保険組合の会社は料率が異なり、扶養や各種控除で税額は変わります。個別の判断は勤務先・年金事務所・税理士などの専門家にご確認ください。

公開日:2026年10月15日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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