路線価2026|7月1日公開・相続税と贈与税の土地評価と見方を解説

カテゴリ:制度・ニュース
相続・贈与

路線価2026は7月1日公開|相続税・贈与税の土地評価をやさしく解説

毎年この時期に注目されるのが「路線価」です。2026年(令和8年)分の路線価は、2026年7月1日に国税庁の「財産評価基準書」で公開されました[国税庁 財産評価基準書]。土地を相続したり贈与を受けたりする予定がある人にとって、路線価は税額を左右する重要な数字です。この記事では、路線価とは何か・路線価図の見方・評価額の計算方法・他の土地価格との違いまでを、初めての方にもわかりやすく整理します。

路線価とは|相続税・贈与税で土地を評価するための価格

路線価(相続税路線価)とは、道路に面する標準的な宅地について「1㎡あたりいくらで評価するか」を国税庁が定めた価額です。相続税や贈与税で土地(宅地)を評価するときの基準になります[国税庁 No.4602]

評価時点は1月1日・公開は7月1日

路線価はその年の1月1日を評価時点として算定され、毎年7月1日ごろに公開されます。つまり2026年分の路線価は「2026年1月1日時点の価格」で、2026年7月1日に公表されました。

土地の評価額は相続税・贈与税の金額に直結します。相続税がかかるかどうかは遺産総額が基礎控除を超えるかで決まるため、自宅などの土地評価は試算の出発点になります。相続税全体の計算の流れは相続税の基礎控除と節税対策で解説しています。

【2026年公表】令和8年分の地価動向

2026年7月1日に公表された令和8年分の路線価は、全国平均で前年比+2.9%の上昇となり、5年連続の上昇かつ現在の算定方法になってからの過去最大の伸びでした[国税庁 財産評価基準書]。不動産需要や訪日客(インバウンド)の回復が地価を押し上げています。

項目令和8年分(2026年)の状況
全国平均の変動率前年比 +2.9%(5年連続上昇・過去最大の伸び)
都道府県庁所在地の最高路線価1991年以降で35年ぶりに下落ゼロ(44都市が前年を上回る)
全国最高の路線価東京都中央区銀座5丁目「鳩居堂」前=1㎡あたり5,336万円(前年比+11.0%・41年連続で全国トップ)
東京都路線価は前年比 約+9%。浅草が伸び率トップ(訪日客・賃貸需要)
地価上昇は相続税の負担増につながる

路線価が上がると、同じ土地でも相続税・贈与税の評価額が上がり、税額が増える方向に働きます。都市部に自宅や土地を持つ人は、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を超えるかどうかを、最新の路線価で改めて試算しておくと安心です。評価が上がった分、小規模宅地等の特例など使える制度の確認も重要になります。

※全国・地域別の詳しい数値や順位は、国税庁の公表資料および各種報道で確認できます。地価は年ごとに変わるため、申告時はその年分の路線価を必ずご確認ください。

路線価図の見方|数字は「千円単位」、アルファベットは借地権割合

路線価図では、道路に沿って「数字+アルファベット」が書かれています。読み方は次のとおりです[国税庁 路線価図の説明]

路線価図の数字とアルファベット
数字=1㎡あたりの価額(単位は千円)/アルファベット=借地権割合

たとえば道路に「300C」と書かれていれば、その道路に面した標準的な宅地は1㎡あたり30万円(300千円)、借地権割合はC=70%という意味です。「100」なら10万円/㎡です。

アルファベットA〜Gは、土地を借りている権利(借地権)の割合を示します[国税庁 路線価図の説明]

A
90%
B
80%
C
70%
D
60%
E
50%
F
40%
G
30%

※借地権割合は、土地を借りて建物を建てている人の権利(借地権)や、貸している側の土地(貸宅地・底地)を評価するときに使います。都心の商業地ほどA・Bと高く、郊外の住宅地はD〜Fが一般的です。

土地(自用地)の評価額の計算方法

自分で使っている宅地(自用地)の評価額は、基本的に次の式で求めます。

自用地の評価額(路線価方式)
評価額 = 路線価 × 各種補正率 × 地積(㎡)

「各種補正率」は、土地の形や奥行きに応じた調整です。奥行きが極端に長い・短い土地は奥行価格補正で下がり、角地は側方路線影響加算で上がる、いびつな形の土地は不整形地補正で下がる、といった調整が入ります[国税庁 No.4602]。標準的な整形地なら補正率は1.00に近くなります。

計算例:路線価300C・地積150㎡・整形地(補正率1.00)の場合

自用地評価額 = 30万円/㎡ × 1.00 × 150㎡ = 4,500万円
この土地が借地(人から借りている)なら、借地権の評価は 4,500万円 × 70%(C)=3,150万円。逆に人に貸している土地(貸宅地・底地)なら 4,500万円 ×(1−70%)=1,350万円と評価します。

なお、被相続人が住んでいた自宅の土地などは小規模宅地等の特例で評価額が最大80%下がる場合があります。相続した自宅を売る場合の特例は空き家の3000万円特別控除もあわせてご確認ください。

路線価がない地域は「倍率方式」で評価する

すべての土地に路線価がついているわけではありません。路線価が定められていない地域は倍率地域と呼ばれ、主に市街化が進んでいない郊外・農村部・山間部が該当します。倍率地域では次の式で評価します[国税庁 評価倍率表の説明]

倍率方式
評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率

評価倍率は地域・地目(宅地・田・畑・山林など)ごとに国税庁の「評価倍率表」で定められています。固定資産税評価額は、毎年春に市区町村から届く固定資産税の課税明細書で確認できます。固定資産税評価額そのものの仕組みは固定資産税の計算方法で解説しています。

路線価・公示地価・固定資産税評価額の違い

土地には目的の異なる複数の「価格」があり、混同しやすいので整理します。相続税路線価は、実際の売買価格(実勢価格)の目安となる公示地価の約80%の水準に設定されています。

同じ土地でも基準で変わる評価水準(公示地価を100としたときの目安)
100公示地価約80相続税路線価約70固定資産税評価額
出典:国税庁・国土交通省の公表資料をもとに作成(割合は一般的な目安)
価格の種類定める機関主な用途水準の目安
実勢価格市場(売買)実際の取引時価
公示地価国土交通省取引の指標100(基準)
相続税路線価国税庁相続税・贈与税公示地価の約80%
固定資産税評価額市区町村固定資産税ほか公示地価の約70%

※公示地価は1月1日時点を3月ごろに公表[国土交通省 地価公示]、固定資産税評価額は3年ごとに評価替えされます。割合はいずれも一般的な目安で、土地ごとに差があります。

「どの年の路線価」を使う?

使うのは「相続・贈与があった年」の路線価

路線価は、申告する年のものではなく、その土地を取得した(課税のもとになる出来事があった)年のものを使います。相続税は被相続人が亡くなった年、贈与税はその財産の贈与を受けた年の路線価で評価します。たとえば2026年中に発生した相続なら、2026年7月公開の路線価を使います。

土地の生前贈与を検討している場合は、贈与税の基礎控除(年110万円)や評価のしくみとあわせて計画することが大切です。詳しくは贈与税の非課税枠110万円の正しい使い方で解説しています。

2026年分の路線価の調べ方

国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で無料で見られる

調べ方の手順は次のとおりです。

① 国税庁の「財産評価基準書」サイト(rosenka.nta.go.jp)を開く[国税庁 財産評価基準書]
② 調べたい年分(2026年分は2026年7月1日公開)と都道府県を選ぶ
③ 市区町村・地域を選び、「路線価図」または「評価倍率表」を表示する
④ 対象の道路に書かれた数字(千円単位)とアルファベット(借地権割合)を読み取る

※路線価図は過去数年分も公開されています。相続が過去に発生していた場合は、その年分を選んで確認します。

まとめ

公開日2026年分は2026年7月1日に国税庁が公開(評価時点は1月1日)
用途相続税・贈与税で宅地を評価するための価格
見方数字=千円/㎡、アルファA〜G=借地権割合(90〜30%)
計算自用地評価額=路線価×各種補正率×地積(㎡)
倍率地域路線価がない地域は固定資産税評価額×評価倍率
水準路線価は公示地価の約80%が目安(実勢価格より低い)

よくある質問

2026年(令和8年)分の路線価はいつ公開された?

2026年7月1日に、国税庁の「財産評価基準書」サイトで公開されました。評価時点はその年の1月1日です。

路線価と実勢価格(売買価格)はどう違う?

路線価は公示地価の約80%を目安に設定されており、実際の売買価格より低いのが一般的です。路線価は相続税・贈与税の計算に使う価格で、市場での取引価格とは目的が異なります。

路線価が載っていない土地はどう評価する?

路線価が定められていない倍率地域では、「固定資産税評価額×評価倍率」の倍率方式で評価します。評価倍率は国税庁の評価倍率表で確認できます。

どの年の路線価を使えばいい?

申告する年ではなく、相続なら被相続人が亡くなった年、贈与ならその財産をもらった年の路線価を使います。2026年中の相続なら2026年分の路線価です。

参考リンク(出典)

本記事は次の公的資料をもとに作成しています(中立・一次情報)。公開日や評価のルールは変わることがあるため、申告前に最新の内容をご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。土地の評価や相続税・贈与税の申告は、税務署または相続・不動産に詳しい税理士にご相談ください。

公開日:2026年06月24日 / 更新日:2026年07月01日 / 執筆:みんなの税金 編集部

📰 この記事は、出典の明記と本ページへのリンクがあれば、ニュースメディア・ブログ・生成AIの回答などで自由に引用・転載いただけます(事前連絡は不要)。詳しくは転載・引用についてをご覧ください。

本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項