NPO法人はコンビニより多い?48,904法人の実態と税金の流れ

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最終更新:2026年8月29日/本記事は内閣府NPOホームページの統計情報、特定非営利活動促進法の条文、経済産業省・文部科学省・厚生労働省などの公的統計、国税庁タックスアンサーをもとに作成しています。法人数は毎月更新されるため、最新値は内閣府の統計ページでご確認ください。

先に結論から。「NPO法人はコンビニより多い」とよく言われますが、数字で見ると少し少ないのが実際です。2026年6月末で認証NPO法人は48,904法人、同じ時点のコンビニは56,696店。差は約7,800です。ただし郵便局(23,285局)の2倍以上、小学校(18,383校)の2.7倍にはあたります。そして本題はここから先です。この48,904法人に税金はいくら入っているのか、寄附すると自分の税金はいくら軽くなるのか。調べていくと、公費の全国総額を示す統計そのものが存在しないという壁に突き当たります。

NPO法人48,904、コンビニ56,696。「多すぎる」の前に数を確かめる

48,904認証NPO法人(2026年6月末)
56,696コンビニ店舗(2026年6月末)
1,314うち認定・特例認定
2.7%寄附が控除できる法人の割合

身近な施設の数と並べてみます。基準日がそろっていない項目があるため、それぞれの時点を併記しました。

歯科診療所65,057(2026年5月末)
コンビニ56,696(2026年6月末)
NPO法人48,904(2026年6月末)
郵便局23,285(2026年6月末)
小学校18,383(2026年5月)
公益法人9,746(2024年12月)

コンビニとNPO法人はどちらも2026年6月末の数字で、比較としては素直に読めます。NPO法人はコンビニより約7,800少なく、歯科診療所よりも少ない。一方で郵便局や小学校よりはずっと多く、公益社団法人・公益財団法人の合計9,746と比べれば5倍の規模です。

「コンビニより多い」という言い回しが広まったのには理由があります。かつては本当に迫っていたからです。次に見るとおり、法人数は2018年をピークに減り続けています。

増え続けた時代は、すでに終わっている

「NPO法人は増えすぎている」という言い方をよく見かけます。しかし内閣府の統計を時系列で並べると、実態は逆です。認証NPO法人の数は2018年3月末の51,866法人がピークで、そこから8年連続で純減しています。

認証NPO法人数の推移(各年度末・2026年のみ6月末)
46,00049,00052,00047,54051,866(ピーク)48,9042013年3月2018年3月2026年6月縦軸は46,000から52,000の範囲で表示しています
出典:内閣府NPOホームページ「認証・認定数の遷移」(2026年6月30日現在)

減っている理由は、退場が増えたからではなく新規参入が細ったからです。新しく認証を受ける法人は、内閣府が公表する月次データから算出すると2013年度は年3,200件を超えていましたが、2025年度は年1,200件を下回る水準まで落ちました。約12年で3分の1です。一方で解散は年1,500件台で高止まりしているため、差し引きで毎年数百法人ずつ減っていく形になっています。

数字の読み方の注意。内閣府が公表しているのは各時点の「現在数」(解散した法人を差し引いた純計)で、年度別の新規認証件数そのものは公表されていません。上の年間新規件数は、月次の現在数の増減と解散件数から本サイトで算出した推計値です。傾向をつかむ目的で使い、正確な件数が必要な場合は所轄庁の公表資料をご確認ください。

解散した3万法人のうち、5,594件は「認証取消」

NPO法人の累計解散数は29,274法人(2026年6月30日現在)。設立された法人の4割近くが、すでに退場している計算になります。注目したいのはその内訳です。

社員総会の決議23,123件(79.0%)
設立の認証の取消し5,594件(19.1%)
破産・合併・その他557件(1.9%)

解散の8割は自主的な決議ですが、約5件に1件にあたる5,594件は、所轄庁による認証の取消しです。取消しは年間230〜300件のペースで続いており、2025年度は261件でした。

取消しの根拠は特定非営利活動促進法第43条第1項です。所轄庁は、改善命令に違反して他の方法では監督の目的を達せられないとき、または3年以上にわたって事業報告書等の提出を行わないときに、設立の認証を取り消すことができます。NPO法人は第29条により毎事業年度1回、事業報告書等を所轄庁に提出する義務があり、怠ると理事・監事などに20万円以下の過料が科されることもあります。

「休眠NPO」はどれくらいあるのか。内閣府が全67所轄庁に照会した調査(2018年12月実施・2019年4月公表)が、いまのところ唯一のまとまった一次データです。それによると、提出期限から3年未満の事業報告書等を出していない法人が6,791法人(当時の認証法人の約13.1%)、3年以上出していない法人が1,273法人(約2.5%)。合わせて約15.6%が未提出でした。また2012年4月から2018年10月までに、3年以上の未提出を理由として2,127法人が認証を取り消されています。書類は出していても「活動実績なし」「支出ゼロ」と記入していた法人を把握している所轄庁もありました。

ただしこの調査の更新版は確認できません。休眠状態の全国的な把握は、2018年で止まったままです。参考までに、2023年度の実態調査では回答した認証法人の7.2%が経常収益0円と答えています。

どんな分野に、どこに多いのか

定款に掲げる活動分野(複数回答)で見ると、上位3つは次のとおりです。分母は2026年3月31日までに認証を受けた47,642法人で、割合は本サイトで算出しました。

活動分野法人数割合
保健、医療又は福祉の増進28,50259.8%
社会教育の推進25,01952.5%
子どもの健全育成24,79152.0%
まちづくりの推進22,75247.8%
環境の保全13,09727.5%

1法人あたり平均で4つ前後の分野を掲げており、実際の主力事業とは必ずしも一致しません。定款は幅広く書いておくのが一般的だからです。分野別の数字は「何をしている団体が多いか」の目安として見るのが妥当です。

地域別では東京都が8,586法人で全国の17.6%を占め、最も少ない福井県は229法人でした。ただし人口10万人あたりで割り直すと様相が変わります。全国平均が39.7法人なのに対し、多いのは山梨県62.7、東京都60.3、徳島県54.6、鹿児島県54.5、鳥取県54.4。逆に少ないのは愛知県26.6、広島県27.0、埼玉県28.5です。大都市圏だから密度が高いとは限らず、人口の少ない県ほど住民1人あたりの法人数が多いという逆転が起きています。

税金はいくら入っているのか。全国の総額を示す統計は存在しない

この記事でいちばん書きたかったのはここです。結論から言うと、国と自治体からNPO法人へ流れた補助金・委託費の全国総額を示す公表統計は、確認できませんでした。

内閣府は毎年「NPO関連施策 予算一覧表」を公表しています。最新版(令和7年度及び令和8年度予算)には通常事業258件と復興関連16件が並びますが、予算額の欄は「130,376の内数」といった表記が全体で181か所を占め、その事業予算のうちNPOに向かう金額は分離されていません。一覧に合計行はなく、足し上げれば総額が出るという作りになっていないのです。

これは制度への批判として成立します。金額を知りたければ、事業を1件ずつ行政事業レビューや自治体の公表資料で追うしかありません。実際にその作業を1府省庁ぶんだけやってみたのがこども家庭庁の補助金はどのNPO法人に流れているかです。1つの府省庁を調べるだけでも相当な手間がかかります。全体像を国民が把握するコストが高い状態が続いている、というのが公費の側から見たNPO制度の弱点です。

では何が分かるのか。内閣府が3年ごとに行う「特定非営利活動法人に関する実態調査」(最新は2023年度・回答2,937法人・回収率44.6%)が、回答法人の収入構成を示しています。

経常収益の内訳(2023年度実態調査)

認証NPO法人(回答2,213法人)

事業収益81.4%
補助金・助成金12.3%
会費2.4%
寄附金1.7%

認定・特例認定NPO法人(回答725法人)

寄附金48.2%
補助金・助成金24.6%
事業収益24.2%
会費2.3%

意外に思われるかもしれませんが、ふつうのNPO法人の収入は8割が事業収益で、寄附金は1.7%しかありません。「寄附で成り立っている団体」というイメージは、認定を受けたごく一部の法人にだけ当てはまります。

ただし、これを「税金は入っていない」と読むのは早すぎます。同じ調査で主たる収入源を1つだけ選ばせると、認証法人の20.0%が「行政からの委託または指定管理者としての業務」、19.1%が「行政からの助成金・補助金」と答えています。合わせると約4割の法人が、主な収入を行政から得ていることになります。委託費は調査の分類上「事業収益」に含まれてしまうため、構成比のグラフでは行政依存が見えにくくなっている点に注意が必要です。

一方で、補助金・助成金の受取が1円もない認証法人は44.2%にのぼります。行政の資金に強く依存する法人と、まったく受け取っていない法人にはっきり分かれているのが実態です。

規模の実態:中央値は600万円、半分は年収500万円以下

金額の話をもう一歩進めます。1法人あたりの特定非営利活動事業の経常収益は、平均2,874.6万円に対して中央値は600.4万円(認証法人・2023年度調査)。平均が中央値の約4.8倍という開きは、ごく一部の大規模法人が平均を引き上げていることを意味します。

7.2%経常収益が0円の認証法人
48.3%年間500万円以下(本サイト算出)
7.3%1億円超の認証法人
2,674万円認定法人の中央値(別世界)

認証法人のおよそ半分は年間の収入が500万円以下で、これは常勤職員を1人雇うのがやっとの規模です。「NPO法人」と一括りにして語ることに、そもそも無理があります。年収0円の法人と年間20億円を超える法人が、同じ法人格の中に同居しています。

税制優遇の中身:寄附で約半分が戻るが、対象は2.7%だけ

ここからは読者にとっての実利の話です。NPO法人への寄附で税金が軽くなるのは、認定NPO法人または特例認定NPO法人に寄附した場合だけです。冒頭で見たとおり、これは全体の2.7%(1,314法人)にすぎません。残る97%への寄附は、応援にはなっても控除の対象にはなりません。

認定NPO法人への寄附なら、所得税は次のどちらか有利な方を選べます。

  • 税額控除:(その年の寄附金の合計額 − 2,000円)× 40%。ただしその年の所得税額の25%が上限
  • 所得控除:(その年の寄附金の合計額 − 2,000円)を所得から差し引く

さらに、お住まいの都道府県・市区町村が条例でその法人を指定していれば、住民税からも(寄附金の合計額 − 2,000円)× 10%(都道府県分4%+市区町村分6%)が差し引かれます。両方が効くと合計で最大50%です。

年間の寄附額所得税(税額控除40%)住民税(条例指定10%)合計の軽減額
10,000円3,200円800円4,000円
30,000円11,200円2,800円14,000円
50,000円19,200円4,800円24,000円
100,000円39,200円9,800円49,000円

いずれも2,000円を引いてから率をかけるため、少額の寄附ほど手取りの戻りは小さくなります。上限も複数あります。税額控除はその年の所得税額の25%まで、控除対象にできる寄附金は総所得金額等の40%まで(住民税は30%まで)。高額を寄附しても、全額が控除対象になるとは限りません。

ふるさと納税とは別のしくみです。ふるさと納税は自己負担2,000円で返礼品まで受け取れる制度ですが、認定NPO法人への寄附は上の表のとおり自己負担が残ります(10万円寄附して戻るのは約4.9万円)。損得で選ぶものではなく、支援したい活動があるかどうかで判断するお金です。税額控除所得控除の違いも押さえておくと選びやすくなります。

認定を受けるハードルは低くない

認定が2.7%にとどまるのは、審査の中心にパブリック・サポート・テストという要件があるためです。次の3つのいずれか1つを満たす必要があります。

  1. 相対値基準:経常収入のうち寄附金等収入が5分の1(20%)以上を占めること
  2. 絶対値基準:年平均100人以上から、1人あたり3,000円以上の寄附を受けていること
  3. 条例個別指定:申請の前日までに、都道府県または市区町村の条例で個人住民税の寄附金税額控除の対象法人として個別に指定を受けていること

要するに「広く市民から支えられている」ことを数字で証明できないと認定は取れません。行政からの補助金や委託費をいくら受けていても、それはこの基準を満たす助けにはなりません。制度は決して緩くない、というのが数字から見える姿です。

NPO法人は無税ではない

もうひとつ誤解が多いのが法人側の課税です。NPO法人は法人税法上の公益法人等とみなされますが、収益事業を行えば法人税がかかり、税率は普通法人と同じです。収益事業は法人税法施行令で34業種が限定列挙されており、物品販売業・請負業・飲食店業・医療保健業・技芸教授業・駐車場業などが含まれます。本来の目的である活動でも、この34業種に当てはまれば課税対象です。

優遇として実際にあるのは次の2つです。認定NPO法人だけが使えるみなし寄附金(収益事業の資産から本来事業へ支出した額を寄附金とみなし、所得の50%または年200万円のいずれか多い額まで損金算入できる)と、自治体の条例による法人住民税均等割の減免です。後者は取扱いが自治体ごとに異なり、たとえば京都府では収益事業を行わないNPO法人の府民税均等割2万円が申請不要で免除されますが、全国一律ではありません。

よくある批判を、データで確かめる

NPO法人をめぐる議論は感情的になりがちです。ここまで見てきた一次情報だけを使って、よく聞く指摘を2つに仕分けしてみます。

データで裏づけられる指摘

  • 公費の全体像が見えない:全国総額の統計が無く、予算一覧の金額欄は181か所が「内数」表記
  • 行政依存の法人が一定数ある:主たる収入源が行政の補助金・委託である法人が約4割
  • 実態の乏しい法人が残る:2018年時点で3年以上事業報告書を出していない法人が1,273法人(2.5%)
  • 退場は例外ではない:解散29,274件のうち5,594件が所轄庁による認証取消

データでは支持されない指摘

  • 「増えすぎている」:2018年3月のピーク以降8年連続で純減し、新規認証も約3分の1に減少
  • 「税金で運営されている」:補助金・助成金の受取が0円の認証法人が44.2%、収入の81.4%は事業収益
  • 「NPOは無税でずるい」:収益事業には普通法人と同じ税率で法人税が課される
  • 「寄附すれば誰でも控除できる」:控除の対象は認定を受けた2.7%のみ

批判すべき点は確かにあります。ただしそれは「NPOが多すぎる」ことでも「NPOが税金にたかっている」ことでもなく、公費がどこへいくら流れたのかを、国民が合理的なコストで確かめられないという制度設計の問題です。数の話と、お金の透明性の話は分けて考える必要があります。

今日やること

  1. 寄附している団体、あるいは寄附を考えている団体が認定NPO法人かどうかを内閣府のポータルサイトで確認する。認定でなければ控除は使えない。
  2. 今年支払った寄附の領収書を1か所に集めて合計を出す。合計が2,000円を超えていなければ控除は発生しない。
  3. 住んでいる都道府県・市区町村がその法人を条例で指定しているかを自治体サイトで確認する。指定があれば住民税からも10%が引かれる。

手取りを増やす具体策は手取りアップ・アクションリストにまとめています。

よくある質問

NPO法人に寄附すれば、必ず税金が戻ってきますか。

戻りません。所得税・住民税の寄附金控除の対象になるのは、認定NPO法人と特例認定NPO法人への寄附だけです。2026年6月30日現在で認定・特例認定は1,314法人、認証NPO法人48,904のうち2.7%にとどまります。残りの法人への寄附は控除の対象外です。控除を受けるには確定申告が必要で、領収書や計算明細書の添付も求められます。

NPO法人は税金を払っていないのですか。

払います。NPO法人は法人税法上の公益法人等とみなされますが、収益事業を行えば法人税が課され、税率は普通法人と同じです。収益事業は法人税法施行令で34業種が限定列挙されており、物品販売業・請負業・飲食店業・医療保健業・駐車場業などが該当します。法人住民税の均等割は自治体の条例で減免される例がありますが、全国一律の制度ではありません。

NPO法人全体に、税金はいくら使われているのですか。

全国の総額を示す公表統計は確認できませんでした。内閣府が公表するNPO関連施策の予算一覧には通常事業258件が並びますが、金額欄の多くが他の予算の「内数」と表記され、合計行もありません。分かるのは内閣府の実態調査による収入構成で、認証NPO法人の経常収益のうち補助金・助成金は12.3%、主たる収入源が行政の補助金または委託だと答えた法人が約4割、という水準です。

認定NPO法人かどうかは、どこで確認できますか。

内閣府NPOホームページの法人情報検索で、法人名や所在地から認定の有無を確認できます。あわせて、住民税の10%分を受けるには、お住まいの都道府県・市区町村が条例でその法人を指定している必要があります。指定の有無は自治体のサイトに一覧が掲載されていることが多いので、寄附前に両方を確認しておくと確実です。

ふるさと納税と認定NPO法人への寄附は、どちらが得ですか。

性質が違うため損得では比べられません。ふるさと納税は上限内であれば自己負担2,000円で済み、返礼品も受け取れます。認定NPO法人への寄附は最大でも約50%が戻る制度で、10万円を寄附した場合の軽減額は約4.9万円、残りは自己負担です。支援したい活動があるかどうかで判断するお金だと考えるのが実態に合っています。

参考リンク(出典)

本記事は公表資料に基づく一般的な情報提供であり、特定の法人や活動を推奨または批判する意図はありません。法人数は毎月更新され、実態調査は3年ごとに更新されます(次回2026年度調査は実施中)。寄附金控除の適用可否や申告方法の個別判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。

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公開日:2026年08月30日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項