個人事業主・中小企業・会社員知られていないニッチな補助金・助成金6選

個人事業主・中小企業・会社員

知られていないニッチな補助金・助成金6選|採択率が高いのに申請者が少ない理由

IT導入補助金・持続化補助金・ものづくり補助金の3つは広く知られていますが、日本には要件を満たせばほぼ受給できるのに認知度が極めて低い補助金・助成金がほかにも多数存在します。この記事では「知名度は低いが実際にお金が出やすい」6つの制度を、受給条件・金額・申請のコツとともに解説します。

なぜニッチな補助金は採択率が高いのか

競争率は「申請者数 ÷ 採択枠数」で決まります。補助上限が大きくても申請者が少なければ採択率は上がります。知名度の低い補助金は「知っている人だけが得をする」構造になっているのです。

① 業務改善助成金

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業務改善助成金|賃上げ×設備投資で最大600万円

厚生労働省 中小企業・小規模事業者
知名度
受給しやすさ
最大受給額 600万円
制度の概要事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対し、生産性向上のための設備投資等にかかった費用を助成する
補助上限賃上げ幅30円→30万円 / 45円→150万円 / 60円→300万円 / 90円以上→600万円
補助率3/4(生産性要件を達成した場合や小規模事業者は9/10)
対象となる設備POSレジ・自動洗浄機・配膳ロボット・搬送システム・タブレット端末・PC等(生産性向上に資するもの)
対象事業者中小企業・小規模事業者(事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以内の差である事業者)
申請期限年度末(毎年度。交付申請→機器導入→完了報告の順)
なぜ申請者が少ないか:「最低賃金を上げないと申請できない」というハードルが心理的壁になっていますが、最低賃金の引き上げはどの事業者も毎年対応しており、引き上げタイミングで申請するだけで設備投資費の3/4が出ます。飲食・小売・介護業での活用実績が高め。

② 事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用枠)

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事業承継・引継ぎ補助金|M&A費用が最大600万円補助

中小企業庁 買い手・売り手双方
知名度
受給しやすさ
最大受給額 600万円
制度の概要中小企業のM&A(事業承継・売買)にかかるM&Aアドバイザリー費用・デューデリジェンス費用・仲介手数料等を補助する制度
枠の種類①専門家活用枠(M&Aの専門家費用)②経営革新枠(承継後の新事業)③廃業・再チャレンジ枠(廃業費用)
専門家活用枠の上限買い手:最大600万円(補助率2/3)/ 売り手:最大600万円(補助率2/3)
補助対象経費M&Aアドバイザー費用・FA(財務アドバイザー)費用・デューデリジェンス(DD)費用・弁護士費用など
対象者事業承継・M&Aを計画している中小企業(買い手・売り手ともに申請可能)
採択率概ね50〜70%程度(事業計画書の質で差がつく)
なぜ申請者が少ないか:「自分には関係ない」と思いがちですが、小規模な事業の引継ぎ(飲食店・美容室・職人の技術承継)にも使えます。M&Aは大企業だけのものではなく、個人事業主が店舗を売る・買うケースにも適用できます。廃業・再チャレンジ枠(最大150万円)は廃業費用(在庫処分・解体費等)にも使えるためほぼ申請するだけで受給可能です。

③ 移住支援金(東京圏→地方移住)

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移住支援金|東京圏から地方へ移住で最大100万円+子ども加算

内閣府・地方創生推進 会社員・フリーランスも対象
知名度
受給しやすさ
最大受給額 世帯100万円+子ども加算
制度の概要東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)から対象地域の市区町村へ移住した人に現金を支給する地方創生制度
支給額単身:60万円 / 2人以上の世帯:100万円 / 18歳未満の子ども1人につき:+100万円(2024年4月〜)
就業要件①移住先の対象求人に就職 ②移住先でテレワーク(リモートワーク)を継続 ③起業支援金を受けながら起業、のいずれか
テレワーク要件の詳細現職の東京圏本社勤務を維持しつつ、地方に移住して週3日以上テレワーク勤務すること。届出制で勤務先の合意が必要
居住継続要件移住後5年以内に離れると支給額の一部を返還(1〜3年未満は全額、3〜5年未満は半額)
申請先移住先の市区町村窓口(自治体ごとに対象地域や細則が異なる)
子どもが多い家庭は特に有利:例えば4人家族(子ども2人)で長野県松本市へ移住した場合、世帯100万円+子ども加算200万円=合計300万円の現金支給を受けられる可能性があります(市区町村ごとに上限・条件が異なるため必ず事前確認を)。テレワーカーは移住後も収入を維持しながら受給できる点が強みです。
受け取った移住支援金は課税される

移住支援金は一時所得として課税されます(一時所得の特別控除50万円の範囲内なら非課税)。また、自治体独自の移住支援金が別途ある場合があり、国の支援金と合わせて受給できるケースもあります。

④ 人材開発支援助成金(人への投資促進コース)

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人材開発支援助成金|従業員の研修費を最大70%補助

厚生労働省 雇用保険加入の中小企業
知名度
受給しやすさ
最大補助率 経費の70%
制度の概要従業員のスキルアップ・デジタル人材育成にかかる研修費(OFF-JT)を助成する。サブスク型の定額制研修サービスも対象
人への投資促進コースデジタル・グリーン等の成長分野や高度な技能訓練が対象。一般訓練より助成率が高い
助成率(中小企業)Off-JT経費助成:45〜70% / 賃金助成:1時間あたり960円
定額制研修サービスUdemy・LinkedIn Learning等のサブスク型サービス費用も対象(45〜60%補助)。1人あたり上限あり
対象となる訓練IT・AI・DX・グリーン・経営・語学等の業務関連訓練。外部の研修会社・eラーニング等
申請先訓練開始前に都道府県労働局(ハローワーク)に計画届を提出(事前申請必須)
なぜ申請者が少ないか:「訓練計画届の事前提出が必要」という点でハードルを感じる事業主が多いですが、手続き自体は難しくありません。社員に研修を受けさせる予定があるなら、その費用の最大70%が返ってくる制度として積極的に活用すべきです。Udemyなどのサブスク型サービスも対象になった2024年以降は使い勝手が大幅に向上しました。

⑤ トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

🧑‍💼

トライアル雇用助成金|試用採用で月4万円×最長3か月

厚生労働省 雇用保険加入の全事業者
知名度
受給しやすさ
最大受給額 1人あたり12万円
制度の概要ハローワーク等の紹介で、就職困難者(就職に不安のある求職者)を最長3か月の「試し雇い」にした場合、月額4万円を助成する
助成額月4万円×最長3か月=最大12万円(1人あたり)。採用人数分だけ受給可能
対象となる求職者就職活動がうまくいっていない人(長期失業者・異業種転職希望者・子育て後の職場復帰希望者等)
利用の流れ①ハローワークに求人を出す → ②ハローワークがトライアル雇用として紹介 → ③採用・試用期間中に助成金申請
注意点ハローワーク経由の紹介が必要。求人票にトライアル雇用可の記載をしておくことが前提
採用リスクを大幅に下げられる:「採用してみたら合わなかった」リスクを負いながら月4万円の助成まで受けられる制度です。個人事業主でも従業員を雇っている(雇用保険に加入させている)場合は利用可能。採用費をかけずにハローワーク経由で人材を探している事業者には特におすすめです。

⑥ 先進的省エネルギー投資促進支援事業(SHIFT事業)

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SHIFT事業(省エネ補助金)|省エネ設備導入に最大1億円

環境省 中小企業・大企業
知名度
受給しやすさ
最大受給額 最大1億円(一部2億円)
制度の概要工場・ビル・店舗等の省エネ設備(LED・高効率空調・コンプレッサー等)への更新費用を環境省が補助する。電気代・燃料費削減と脱炭素化を同時に実現できる
補助率設備費の1/3〜1/2(計画省エネ率や事業規模により変動)
補助上限中小企業:最大1億円(特定要件で2億円)/ 大企業:最大3億円
対象設備LED照明・高効率空調・省エネ型冷凍冷蔵庫・コンプレッサー・ボイラー・変圧器・エレベーター更新等
必須要件補助金申請前に「エネルギー診断」を受診し、省エネ効果を試算する(診断費用の一部も補助対象)
申請先環境省が委託する「省エネルギー相談地域プラットフォーム」経由で申請
なぜ申請者が少ないか:経済産業省ではなく「環境省」の補助金という点で見落とされがちです。電気代高騰が続く中、設備更新の費用1/3〜1/2が補助されるうえ、ランニングコストも下がるため実質ROIが非常に高い。飲食・製造・物流・小売業(冷蔵設備が多い業種)では特に大きな効果が見込めます。

自分に使える補助金を探す3つの方法

🔍 ミラサポplus(中小機構)

業種・都道府県・フリーワードで補助金・助成金を横断検索できる無料の公的データベース。国・都道府県・市区町村の制度を網羅しており、申請期限のアラート機能もある。

🏛 商工会・商工会議所に相談

無料の専門家相談で「この事業者が使える補助金」を教えてもらえる。持続化補助金の事業支援計画書の発行も同じ窓口で行える。地元密着の自治体補助金情報も豊富。

📋 J-Net21(中小機構)

公募中の補助金をカテゴリ別・地域別に一覧表示。各補助金のポイントを分かりやすく整理しており、申請書の書き方サンプルも参照できる。

補助金情報は「公募期間」があり、気づいたら締切が終わっていることが多い

補助金は毎年公募時期が決まっており、公募期間外は申請できません。ミラサポplusや商工会議所のメールマガジンに登録し、定期的に情報を確認する習慣をつけることが重要です。

まとめ|6制度の一覧

制度最大受給額対象者審査
①業務改善助成金 600万円 中小企業・小規模事業者(賃上げ予定) 要件型(ほぼ確実)
②事業承継・引継ぎ補助金 600万円 M&Aを検討中の中小企業(買い手・売り手) 採択型(採択率50〜70%)
③移住支援金 100万円+子加算 東京圏から地方移住する個人・世帯(テレワーク可) 要件型(ほぼ確実)
④人材開発支援助成金 経費の70% 雇用保険加入の事業者(従業員研修) 要件型(ほぼ確実)
⑤トライアル雇用助成金 12万円/人 ハローワーク経由で採用する事業者 要件型(ほぼ確実)
⑥SHIFT事業(省エネ補助金) 1億円(一部2億円) 省エネ設備を導入する中小〜大企業 採択型(採択率はやや高め)
複数の補助金を同時に申請できるケースもある

補助金の多くは「他の補助金との併用禁止」の規定がありますが、用途が異なれば別々に申請できます。例えば「IT導入補助金で会計ソフト導入」+「人材開発支援助成金で従業員のDX研修」+「業務改善助成金で省力化設備」は同時並行で申請可能なケースがあります。複数申請を検討する場合は、商工会議所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。