
税額控除の仕組み
所得控除との違い・なぜ節税効果が大きいのかを整理。
基礎住宅種別ごとの上限額
認定住宅・省エネ住宅・既存住宅の借入限度額一覧。
重要節税シミュレーション
ローン残高別の年間控除額・13年間累計を計算。
比較初年度:確定申告の手順
入居翌年の2〜3月に必要な書類と申告の流れ。
手順2年目以降:年末調整
会社員は年末調整で完結。証明書の使い方を解説。
年末調整💡 「税額控除」の仕組み
住宅ローン控除は税額控除です。iDeCoや生命保険料控除のような「所得控除」とは異なり、計算後の税額そのものから直接差し引くため、節税効果が確実で大きいのが特徴です。
税率が低いと効果が小さくなる
税率に関係なく同額が減る
控除期間:新築・買取再販は13年間、既存住宅(中古住宅)は10年間
所得税で引ききれない分は住民税からも控除(上限136,500円/年)
所得要件:合計所得金額 2,000万円以下
かつての控除率1%は、超低金利時代にローン金利を下回り「ローンを組むほど得をする」逆ザヤ状態が問題視されました。2022年の改正で0.7%に引き下げられた一方、控除期間が10年→13年に延長(新築の場合)されています。
🏡 住宅種別ごとの借入限度額
控除の上限額は住宅の種類・省エネ性能・入居時期によって異なります。令和6〜7年(2024〜2025年)入居の主な区分は以下のとおりです。
新築住宅・買取再販(控除期間13年)
認定低炭素住宅
省エネ住宅
適合住宅
(一般住宅)
既存住宅(中古住宅)(控除期間10年)
| 住宅の種類 | 借入限度額 | 最大控除累計(10年) |
|---|---|---|
| 認定長期優良・認定低炭素住宅 | 3,000万円 | 約210万円 |
| ZEH水準・省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 約140万円 |
| その他の住宅(一般住宅) | 2,000万円 | 約140万円 |
※ 最大控除累計は「借入限度額 × 0.7% × 控除年数」の上限値。実際の残高が限度額を下回る場合は残高×0.7%が適用。
令和6年(2024年)1月以降に入居する新築の「その他住宅」(省エネ基準を満たさない住宅)は借入限度額が0円となり、住宅ローン控除が受けられません。新築住宅を購入・建築する際は省エネ基準適合証明書の有無を必ず確認してください。
📊 節税シミュレーション
ローン残高の0.7%が毎年税額から差し引かれます。残高は毎年減少するため、初年度が最も控除額が大きくなります。
年末残高別・年間控除額の目安
| 年末ローン残高 | 年間控除額(×0.7%) | 13年間累計(目安) | 対象住宅の例 |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 140,000円 | 約168万円 | 省エネ基準適合・既存住宅 |
| 3,000万円 | 210,000円 | 約252万円 | 省エネ基準適合住宅 |
| 3,500万円 | 245,000円 | 約294万円 | ZEH水準省エネ住宅 |
| 4,000万円 | 280,000円 | 約336万円 | 認定住宅(上限4,500万円内) |
| 4,500万円(上限) | 315,000円 | 約378万円 | 認定長期優良・認定低炭素住宅 |
※ 残高は毎年返済で減少するため、実際の累計は上記より少なくなります。上記は簡易計算の目安です。
所得税が少ない場合は住民税からも控除
年間控除額が所得税額を超えた場合、引ききれない分は住民税の所得割から最大136,500円/年が追加で控除されます。所得が低く所得税が少ない方も、住民税込みで控除を活用できます。
📝 初年度:確定申告の手順
住宅を取得して最初の年だけは、会社員でも確定申告が必須です。入居した翌年の2月16日〜3月15日に税務署またはe-Taxで申告します。
・住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から)
・登記事項証明書(法務局で取得)
・住民票の写し(市区町村窓口)
・売買契約書または建築工事請負契約書のコピー
・住宅の床面積が確認できる書類(重要事項説明書など)
・省エネ基準適合証明書または認定通知書(該当住宅のみ)
🏢 2年目以降:年末調整の手順(会社員)
2年目以降は、会社の年末調整で住宅ローン控除を申告できます。毎年2つの書類を会社に提出するだけで手続きが完了します。
毎年の手続き(2年目〜)
| 書類 | 入手先 | 時期 |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除証明書 | 初年度の確定申告後に税務署から一括交付されたもの(毎年1枚ずつ使用) | 手元に保管しているもの |
| 住宅ローンの年末残高証明書 | ローンを組んだ金融機関(銀行・住宅金融支援機構等)から郵送 | 10〜11月頃に届く |
証明書に記載の「住宅ローン残高」を転記するだけ。控除額の計算は会社(または税務署)が行います。
※ 複数の金融機関からローンを借りている場合は、残高証明書を全て合算して記入します。
税務署から一括交付された控除証明書を紛失した場合は、最寄りの税務署で再発行申請ができます。「住宅借入金等特別控除証明書の交付申請書」を提出します。時間がかかるため、年末調整の締切前に早めに手続きをしてください。
自営業・確定申告が必要な会社員は毎年申告が必要
個人事業主・フリーランスは2年目以降も毎年確定申告で住宅ローン控除を申告します。副業収入がある会社員や、ふるさと納税の確定申告を行う会社員も、年末調整ではなく確定申告でまとめて申告できます(その方が手続きが1回で済む)。
⚠️ 注意点
📎 参照元・公式情報
本記事は以下の公式情報をもとに作成しています。制度は改正されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
- 国税庁 タックスアンサー No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
- 国土交通省 住宅ローン減税制度について
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー
- 財務省 租税特別措置法の概要
※ 本記事の内容は情報提供を目的としており、税務・法務アドバイスではありません。個別の税務判断については、所轄の税務署または税理士にご相談ください。

